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シナリオ詳細

見えない狙撃者を狙い撃て!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●見えない狙撃者
『深緑』の大樹ファルカウを中心とした迷宮森林の一角に「ナッツウッド」という場所がある。
「ナッツウッド」は迷宮森林の中でも特に木の実の発生に特徴がある。
 日々、様々な木の実が発生し、進化し、森を広げて豊かにしている。
 栽培と収穫も盛んで、ナッツウッド村の人達は農業で生計を立てている者も多い。

 とある日、ナッツウッド村の農家が森へ木の実を採りに行った時の事……。
「今年の秋は大収穫になりそうだな? 今年は去年以上に森が広がっている気がするぞ」
「そうだね? 森が広がるのは良い事だろうけれど、その分、管理が大変になるよね」
 実は、森が広がるのは嬉しい反面、農家達の悩みでもあった。
 毎年、拡大していく森に対して管理が追いついていないのだ。

 さて、ナッツウッドの未開拓地までやって来た。
 まずは木の実を採取しよう。食べてみて味と安全を確かめる為に。
 大丈夫そうであれば、その木の実を育てて新しい農業を始めるのだ。

 農家が木の下に落ちている木の実を拾おうとしたその時……。
 ぱあーん!
 どこかから狙撃されたようだ!
「いて! なんだ?」
 ぱぱぱぱあん!!
 次々と狙撃が来る。しかもあらゆる方向から!
「うぎゃあ! 助けてくれー!」
 状況がギャグっぽいが撃たれている本人達は至って真剣だ。
 農家達は死ななかったものの、全身を撃たれて血塗れになって逃げ帰った。

 それにしても、一点、奇妙な事があった。
 狙撃者はどこから撃ったのだろう? どこにいたのだろう?

●推理して敵を倒せ!
「非常に奇妙な事態が、今、『深緑』のナッツウッドで起こっているのです……」
 悩まし気に依頼の相談を持ち掛けたのは『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)だ。
 一体、何が「奇妙」なのか? 話の続きをあなた達は促す。
「例えば、狙撃されるとするですよね? すると、当然、撃たれたからには、撃った人がいたはずなのです。ところが、今回起きている事件はどうでしょう? 森に入った農家の人達が撃たれたはずなのに、狙撃者の姿そのものがなかったのです」
 それはおかしな状況だ。まるで透明人間の仕業かミステリのトリックみたいだ。
「そう、そこなのですよ、今回の問題は。皆さんにはその『見えない狙撃者』の討伐をお願いしたいのですが……。何分、今回は討伐対象そのものが姿を現す事なく狙撃して来るのです。討伐するにしても、まず姿を見つけない事には討伐そのものが成り立たないという依頼なのですね」
 それは困った。そんな見えない敵を相手にどう戦えと?
「皆さんには今回、名探偵になって頂きたいのです。ボクも一応、聞き取り調査をして来ましたので、その情報を元に『見えない狙撃者』の正体を推理して暴いて欲しいのです。で、無事に奴らの正体を暴いたら倒して貰いたいのですね」

 今回は調査情報を元に推理を組み立てて犯人の正体を暴く依頼だ。
 真実はとにもかくにも1つ! 皆さんの名推理に期待する!
 でも、討伐も忘れないでね。

GMコメント

●目標
 見えない狙撃者×20体の討伐

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●ロケーション
『深緑』国内に位置するとある迷宮森林「ナッツウッド」の一角で問題が起きています。
 ナッツウッド村の未開拓地の森林で「見えない狙撃者」が発生しています。
 ここの森林地帯に入ると、何者かから常に狙撃される危険性があります。

●敵
 今回、登場する敵は正体がはっきりとわかっていません。
 ただ、言える事は、名称がとりあえず「見えない狙撃者」という名前。
 魔物なのか、人なのか、何なのか、よくわかりません。
 戦闘方法は狙撃のみ。
 至近距離から超遠距離まで撃てます。効果範囲は単体のみです。
 数は20体いると思われます。

●推理
 今回の場合、まず敵の正体を推理します。
 各自、敵の正体を推理した上で攻撃を仕掛けて討伐します。
 事前に「掲示板」等で相談されても、答えを教え合ってもかまいません。
 8PCの参加を想定していますが、「プレイング」では、8人で同じ推理でも、違う推理で分かれても問題ありません。

 以下、「ユリーカが聞き取り調査で入手した」敵の正体の推理の情報です。
・木の上からのみ狙撃します。ですが、近づくと木の上には銃を撃った人等がいません。
・狙撃者がいたと思われる木の上を覗くと、木の実や枝や葉っぱ等があり、ただ、木があるだけです。
・弾丸は小さい植物の種のようです。ですが狙撃に使われると殺傷力はあります。
・敵は狙撃しかしません。他の攻撃手段は取りません。
・ここの森に透明人間や幽霊や小人といった類の魔物はいません。
・かなりの数がいるはずなのに1体も姿を現す事がないようです。
・狙撃する時間帯は関係ありません。どの時間帯でも狙撃します。
・狙撃するターゲットに差別はありません。誰でも狙撃します。

●GMより
 今回は一風変わった戦闘物となります。
 討伐に変わりはありませんが、推理の要素が入っています。
 推理して敵の正体を暴き、華麗に倒してしまいましょう。
 犯人は、この中にいる!

  • 見えない狙撃者を狙い撃て!完了
  • GM名ヤガ・ガラス
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年09月20日 22時40分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

亘理 義弘(p3p000398)
侠骨の拳
楔 アカツキ(p3p001209)
踏み出す一歩
アト・サイン(p3p001394)
観光客
ミニュイ・ラ・シュエット(p3p002537)
救いの翼
コゼット(p3p002755)
ひだまりうさぎ
リナリナ(p3p006258)
ソア(p3p007025)
無尽虎爪
アリア・テリア(p3p007129)
いにしえと今の紡ぎ手

リプレイ

●推理
『孤兎』コゼット(p3p002755)は森に入ると警戒しながらもうろうろし始めた。
(この森の木って、いちねんで森が広がるほど、成長速いし。いろんな進化してるん、だよね……?)
 蒼々と広がる森を眺めてコゼットはふとそんな事を思う。
(じゃあさ、そういう進化した、そういう木の実だった、ってだけじゃないかな?)
 彼女はそういった木がないか気を付けながら見て回る。
(たんぽぽは、種が風にのって飛んでいくし。くっつき虫は、種がいきものの体にくっついて、運んでもらってるし。この木の実の種は、狙撃で種が飛んでいって、生き物の体にくっついて運んでもらう種なんじゃ、ないかな? ……もし、撃ち殺しちゃっても、死体が、栄養になるし)
 犯人が意図的に狙撃したのではなく植物の習性的な理由だろうか?
(犯人が、木の実だったら、いろいろ説明がつくよね。木の上の木の実がはじけて、種をまく勢いが強すぎて、狙撃になったんだよ、きっと)
 もう充分に森を歩いた事だろう。
 見えない狙撃者がぱぱん、とどこからか撃って来た!
「おっと、と?」
 不意打ちを受け付けず、回避力も高いコゼットは、ひらりと避けた。

『幸福を知った者』アリア・テリア(p3p007129)は森に入ると注意深く進む。
(人の生活圏と自然の生活圏がぶつかることにちょっと複雑な気分だよね。……とはいえ、人を傷つけていい理由にはならないし、依頼にはちゃんと取り組むよっ!)
 アリアは森を進みながら木々をじっくりと観察する。
 もしかしたら、犯人は……?
(森に住む生物? 小型動物かな……?)
 いや、だとしたら、姿を全く現さないのは変だ。
 アリアはある可能性を思いつく。
(木そのものが撃ってくる可能性も捨て切れないよね? 情報が正しいなら、少なくとも狙撃者には実体があるはず! ま、じっくり調べてみればわかるよねっ!)
 ぱぱぱん、アリアが撃たれる。
「きゃあ!」
 でも、ある事がわかった。
 撃っていたのは森の動物ではなく……!?

『義に篤く』亘理 義弘(p3p000398)は木々を睨みながら森を探索する。
(今回の仕事は、木の上に潜む狙撃者を倒す事か。……いや、本当に潜んでいると思っちゃいねぇ。だが被害が出ている以上、確かにいるんだろ?)
 ある程度の距離を歩いたが未だに狙撃は受けていない。
 敵の方も義弘の動きに警戒して狙撃のタイミングを計っているのだろうか?
(実を言ってしまえば、俺は狙撃者の正体は、ナッツウッドの木そのものだと思っている。何がどういう仕掛けか分からねえが、意思を持ったという事だろう)
 義弘の推理が正しければ……。
(一本一本ぶん殴っていくしかないと思うぜ。まずはその確証を得なけりゃいけねえが……)
 タイミングを把握した敵は左右の方向から撃って来る!
 ぱぱぱん!
 防御した義弘の両腕に弾が刺さった。
「どうやら……推理通りだな?」
 義弘はただ撃たれていた訳ではない。
 実は聴力を研ぎ澄ませて音を聴き分けていたのだ。
 左右のどの辺から種が撃たれたのか?
 周囲に生き物の足音や息遣いはなかったのか?
 結論は……。

『応報の翼』ミニュイ・ラ・シュエット(p3p002537)はまず陸から森を調べた。
 空中で狙撃されたら大変なので、空中戦はいざという時の為に温存しておく。
(狙撃手は「植物」かな? 実が弾けて種を飛ばす感じの。そうやって森を広げているのかな? でも、攻撃意思をもって狙撃しているのか、単なる生態かはちょっと分からない)
 ミニュイは注意しながら木々の「木の実」を観察して歩く。
(駆除の対象は「木の実」で良いのかな? それとも「問題の実を実らせる木」そのもの? どちらにしても木の実には種類があるみたいだから、どれが問題の実か見極めないと。最初の1体を特定出来たら、後は同じものを探せば大丈夫だと思うけど)
 ミニュイはある地点で空を見上げて……。

『トラージャーハンター』ソア(p3p007025)は恐る恐る森へ入る。
(見えない狙撃者さん達、20体もいるのに見えないだなんて驚きだね。このまま進めば狙撃をしてくるのかな? 一斉に狙われたら怖いからゆっくりいくんだ)
 ソアは慎重に進むが、意外にも敵は狙撃をしてこない。
 タイミングを狙っているのか?
(何となく予想はついているんだ。種を飛ばしてくるのは木そのものではないかと思う。きっと新しく発生した木の実が犯人で、『狙撃者』なんていないんだ)
 どうやってそれを確かめるのか?
 ソアには素敵なギフトがある。
 ソアの近くにやって来たリスにギフトで尋ねた。
「あのね? もしかして最近、新しい『木の実』が森に発生してたりしないかな?」
 質問のポイントは「狙撃者」ではなく「木の実」と聞く所にある。
 おそらく犯人は「狙撃者」ではなく「木の実」として通っているからだ。
「……。ありがとう。助かったよ」
 どうやら「木の実」は実際にいるらしい。
 ではどこに?
 ソアは近くの大樹にも聞いてみた。
「ごめんね。ちょっと聞きたいんだけれど?」
 大樹は風で枝を揺らせて方向を示してくれた。
 ソアがその先で見た物は……!?

『軋む守り人』楔 アカツキ(p3p001209)は森に入る前から結論を予想していた。
(犯人は「木」だ。「1体も姿を現す事なく」「時間帯も関係なく」「誰に対しても狙撃する」のであれば、そんな生物は魔種かウォーカーか植物だけだ)
 ただ、問題は……。
(問題は木自身が「意思」を持ち攻撃を仕掛けてくるのか、それとも「性質」なのかだ)
 それを確かめるべく、アカツキは警戒しながらも森に入る。
 鳳仙花みたいな植物はないだろうか? 注意深く探す。
(鳳仙花など蒴果と呼ばれる果実を持つ植物は、外部からの刺激でその種をばら撒くように飛ばす事が知られている。この木もそれと同じではないか?)
 ぱん!
 いきなり撃たれた。
 警戒しながら歩いていたアカツキは即座に防御体勢を取っていた。
 だが、今の一撃がどこから撃たれたかまでは把握できなかったが……。
 おや? 変に図太い根があるな?
(根を踏む事で狙撃が起こるのではないか?)
 そう予想したアカツキは離れた場所から隠れて石を投げた。
 ぱん!
 木が石を狙撃して砕いたのだ!
 それが条件だと判断したアカツキは根を踏まないように近づき、問題となる木に一撃を入れようとするが……。
 ぱん、ぱぱぱん、ぱぱぱぱん!
 複数方向からの狙撃に連続で狙われて、悪い所にも入り、そのままパンドラが弾けた!
 撃たれ続ける訳にもいかないので、アカツキは即座に死角へ避難する。
(どうやら、根を踏む……というよりは、殺気を出して近づいただけでも無条件で撃ってくるな?)

『観光客』アト・サイン(p3p001394)は狙撃を恐れないかのように動き回った。
 ある時はスキップして、別のある時は踊って、また他のある時は大声を出したりもした。
 ぱあん!
 早速撃たれた。
 アトは両手で顔を覆ってガードしたが、腕に弾丸が食い込んだ。
 そして弾丸を取り出して、口に含む。
(さて、この種の味はなんだろうねえ? 僕の予想が正しければ、こいつは芳醇な、香ばしい香りがするはずだ。そんな種を弾丸にする犯人なんてわかりきったことじゃないか)
 わざとだった。被弾する為の。そして物証から犯人を割り出す為の。
 アトは真っ直ぐ先にいる「木」へ恐れずに向かって行く。
「見えない犯人なんていうのは前提が間違っている。犯人は最初から見えていたのさ。だが、その犯人っていうのは実にカモフラージュがうまくてね。犯人のすぐそばにいてもその犯人がそこにいることに気が付けないってカラクリなのだろうさ」
 誰に向かって語り掛けているのだろうか?
 相手は……。
「ま、そういうことだろう? ナッツウッドの変異体」

『やせいばくだん』リナリナ(p3p006258)は不思議だった。
「おー、ソゲキシャーいないのに狙撃! ちょーソゲキ!! ふしぎソゲキ!! で、何がどうなってるんだ? おー、理由探すのも仕事! リナリナ偉い! 理解出来たゾッ! ……ところでソゲキって何だ? 美味いのか?」
 ともかく、森へ入って探してみよう。
 とことことリナリナが歩き狙撃される!
 ぱあん!
「撃たれる、痛いゾッ! そのヒドイヤツ誰だ? ……って、ソイツラ見つけて退治するのがお仕事だった!」
 リナリナは撃たれてある事に気付いた。
「おー、でも撃ってきた方を見ても森の木しかないのか。なら『木』があやしいゾッ! 木! 木!」
 リナリナは稲妻が落ちたかの如く真相に至った。
「つまり木を使って山口さん(犯人の仮称)20人が撃ってきた! コレが答え! 透明人間でも幽霊でも小人でもなく、山口さんはヤマグチサン的存在! 犯人! 犯人!」

●討伐
 弾丸が2方向から飛んで来るが、コゼットは難なく回避しながら前進する。
 まず1本目に辿り着いた。
(攻撃して、木の実をぜんぶ、無くしちゃえば、いいかな)
 ぱぱん、と至近距離ですら撃って来るのだからたまらない!
「お、おっと」
 至近の攻撃はくらってしまったが、コゼットはすぐに体勢を立て直して一気に駆け昇る。
「えい、それ」
 軽やかに跳ねるように、舞うように、「木の実」に痛烈な蹴りを放ち、叩き落とす!
 すると……。
 木は弾丸を失ったので反撃してこなくなった。
 コゼットは同じ要領でもう1本の木にも飛んで昇り、実を狙って蹴り落した。
「木の実は、回収して、ナッツウッド村の農家の人に、あげよう」

 どうやら周辺の木から弾丸は撃たれたようだ。
 アリアは咄嗟の事だったので見逃してしまうが、ある作戦を思いつく。
「ピー!」
 隠れた場所でホイッスルを取り出して吹いたのだ。
 突然、ぱぱぱん、と弾丸をどこかへ威嚇発射するが……。
 アリアは耳を研ぎ澄まして周辺の音の状況を把握した。
「目が頼りにならないなら耳で、なんちゃって」
 お茶目に言うものの、弾丸を撃つ木の位置を2つ特定できた。
 しかも木同士で隣接していた。
 今のアリアの位置からならば飛び道具で範囲を撃てば倒せそう!
「ああ♪ 呪わしき♪ 絶望の、海よ~♪」
 絶海の呪われた蒼き神秘歌が木々の木の実を狙撃した。
「見えない狙撃者」であった「木の実」は撃ち殺されて地に落ちた。

 超聴力で狙撃音を聞き分けた義弘は目の前の左右の木々へ向かって行く。
「おらあっ!」
 任侠の如く力強い拳の一撃が衝撃を唸らせて右の木をめきめきと倒した。
 ぱん!
 至近距離から弾丸を放つのは「木の実」だ。
 木は倒れてもまだ木の実は生きていた。
「ふん!」
 枝をばきっと蹴りでへし折る。木の実はもう撃たなくなった。
 左の木はまだ生きている。
 ぱぱん、と弾丸が放たれる!
「多少は撃たれるこたぁ、承知の上だ。なに、昔から荒事ん時に撃たれたりしてるからよ。慣れてるとは人前で言いたくねえが、確実に仕留めてやるぜ?」
 ショットガンブロウの強烈な一撃が左の木も打ち砕き、落ちて来た木の実の枝も潰す。
 これで任務完了……?
 ぱん、ぱぱぱん、ぱぱぱあん!
 狙撃者は潜んでいたのだ!
 2方向から弾丸の嵐が炸裂して義弘はそのままパンドラまで奪われてしまった。
「やってくれるじゃねぇかよ? 舐めるな、木共?」
 敵の方角は聞き分けてわかっている。
 距離的に隣接している場所の中間点に義弘は立った。
「うぉりゃあ!」
 戦鬼のような爆風が吹き荒れる。
 木々の枝は所々へし折れて木の実が落ちて来た。
 義弘は回収しておいた。

(狙撃はどういう条件かな? もし、狙撃が「空に向けては放てない」又は「木の根・枝などに接触する事が条件で、空からの接近であれば撃たれない」ならば空から近づいて駆除する方が有効かも。でも条件が「一定の距離に近づく事」とか「何らか敵対行動をとる事」とかで空にいても撃たれるなら空からの接近は断念しようかな)
 ミニュイは空へ向かって石を放り投げた。
 ぱん!
 空中の石は撃たれて砕かれた。
「空はやっぱりだめか。そうだ……」
 今度はメカのロリババアをとことこと歩かせて問題の木へと突進させる。
 ぱん、ぱぱぱぱん!
 2方向から弾丸が炸裂してそのままメカは倒されてしまった。
 どうやら条件は予想していた後者、「何らか敵対行動をとる事」が近いようだ。
 ところで、敵が「見えない狙撃者」であれば、ミニュイは「空の遊撃手」だ。
「囮によって狙撃地点を特定。カウンタースナイプで駆除しよう」
 ミニュイの羽は鋼の弾丸の大雨と化して、たった今狙撃してきた木々を撃ち殺した。
 落ちて来た木の実を拾う。
「もう動かないみたいだけど。これが犯人だね」

 ソアは問題の箇所までやって来たら早速1発撃たれた。
 防御体勢を取ったまま、立ち止まり、鋭敏な感覚の全てを駆使して周囲を探る。
(うん、わかったよ。あの木だね)
 1体の特定が終わり前進しようとするソアを敵は待ってはくれなかった。
 3方向からの連続弾丸でソアは強襲され、痛い所に攻撃が入りパンドラが弾けた。
 防御の姿勢を崩さず進み、ソアはびりびりどーん! と雷電を当ててまず1体を倒す。
(これだけ撃たれたんだから近くの敵の場所は全部わかったよ。あと2体だね。休まず倒そう)
 その後も被弾しつつも、ソアは強烈な雷電を駆使して木の実を木ごと確実に倒していく。

「そこか」
 既に撃たれているアカツキは敵の位置は把握済みだ。
 破壊力を拳に纏わせて打ち込み、まずは1体撃破だ。
(下手に動くと狙われそうだ、足取りは慎重に運びたい)
 ぱぱん!
 敵は怯まず撃って来る。あと2体。
 先程の痛手で学習したアカツキはそのまま撃たれて倒される事はなかった。
「負けるものか」
 放たれた弾丸に対して強烈なカウンター攻撃が木のど真ん中に入る。
 木はめきめきと倒されて木の実もその反動で潰れた。
 もう1体も同じ要領のカウンター攻撃で撃退できた。

 近接距離まで近づいたアトに木は狙撃で威嚇してきた。
 アトも防御の手を休めず、具体的にどこから撃っているのか看破する。
(見つけた。あの「木の実」があそこから撃っているのか)
 至近距離まで近づいたアトは『死中求生』の剣術奥義を繰り出して枝をばっさりと切り下す。
 すると……。
 攻撃が止んだ。敵は狙撃の生命線である木の実さえ奪われればもう撃てないのだ。
 ぱん、ぱぱん!
 背後から別の木が狙撃してきた。
「いてて……。もう2体いたか……」
 アトは超人的な体力回復を用いて持ち直すと、今度は剣術奥義『盜火線』を構える。
「そこか」
 マナの強烈な火花が炸裂し、木の実を枝ごと叩き落とすと敵は大人しくなった。

 リナリナは今、山口さんと対戦中だった。
「とにかく狙撃の木、えっと、略してソゲ木を倒す! 山口さん20人いるらしい。リナリナ達8人。1人づつが倒す数、計算する。……ん? リナリナは1人倒す? おー、コレOK! 計算完璧!」
 敵の担当数は運もありばらけているので人によって数が違う事もある。
 ともかく、リナリナはノルマである1体の目の前の敵に向かって突進だ!
 リナリナは撃たれながらも、至近距離まで入り込み、「掘り出し物」をかっ飛ばして謎の一撃を木に打ち込んだ。
 めきめきと倒れる木から木の実も回収しておいた。
「これにて、ナッツウッド、平和回復!」

●事後
 要するに犯人は「木の実」もしくはその実がなる「木」だったという事だ。
 皆で回収した実を依頼元の農家に渡した。

 気掛かりな事もあった。
「一先ずは退治できたとして、これからどうしよう? 飛ばされた種から、また新しく生えてくるかもね」
 ソアの不安に義弘が頷く。
「しかしまあ、なんでこんな風に進化したか分からねえが、迷惑な話だったな。ここの人達は、またおんなじ目に遭いながらもこの森で暮らしていくんだろう。今回は守れたが、今後はどうだろうねぇ」
 毎回、助ける訳にもいかない。ミニュイは提案する。
「でも、正体が分かっているから対策は出来るかもしれないね? もし出来るなら対策も私達で手伝わない?」
 農家に聞くと……。
「実はですね、種は手に入った訳なので、この種を分析すれば除草剤をすぐに作れるんですよ。除草剤を撒く段階になったら、敵が倒れた場所まで案内して頂けますか?」
 その後、皆で手分けして除草剤を撒いたので、ひとまず大丈夫だろう。

 コゼットは作業後、木の実の事で気になる事もあった。
「この木の実って、食べられるかな? おいしかったら、あたしも、ちょっと欲しいな」
 農家は木の実を差し出した。
「美味しいですよ。ぜひ食べてみて下さい」
 なぜかアトが味を知っていた。
「その木の実だけれど、胡桃の砂糖漬けみたいな味がするのさ」
 アトは先程攻撃された時にも食べていたのだ。
 コゼットが実を口に含み、アリアとアカツキも折角だから、と貰う。
「ん? ほんと、苦味のなかに、甘味もあるね?」
「おいし~! しれっと持って帰りたいよ~」
「おお、これは。幾らでも食べられそうだな」
 あれ? リナリナは?
 ……げっそりしていた。
「むぉー、頭使いすぎた。脳が筋肉痛。リナリナ、木の実食いたい」
 倒れている彼女に仲間達がさりげなく木の実を差し出した。
 すると、凄まじい勢いでリナリナは完食してしまったのだ!
 平和に皆でおやつも食べて、依頼は完了。

 了

成否

大成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

この度はシナリオへのご参加ありがとうございました。

おめでとうございます!
推理は全員正解、討伐は完璧でした。

ところであの木の実、僕も食べてみたいです。

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