シナリオ詳細
BlueRose With Kiss
オープニング
●第十三騎士団のお仕事
幻想王国第十三騎士団――通称『薔薇十字機関』。
大国レガド・イルシオンの暗部を長きに渡り司り、支えてきた特殊部隊は時の権力者に応え、多くを血に染め、又、多くの血が流れる事を未然に食い止めたとも言う。
それは何時だって――安定した国家権勢に咲く仇花であり、時に必要悪ですらあった。
記録に残されない暗躍は少なからぬ畏怖と共にまことしやかに囁かれ続けてきたものだ。
――彼等は恐怖の象徴であり、幻想の守護者でもあると――
但し――
「あら、あらあらあらあら!」
――その十三騎士団も、不測の『遭遇』に目を丸くした当代アーベントロートの御令嬢の管轄下においては多少の様変わりを見せていると言わざるを得まい。
『黄金双竜』レイガルテ・フォン・フィッツバルディが幻想議会、元老院を掌握しているのと同じように。『遊楽伯爵』ガブリエル・ロウ・バルツァーレクが商人ギルドに力を持ち、幻想の商圏に多大な力を発揮するのと同じように。リーゼロッテ・アーベントロートが代々自家に仕える忠実なる第十三騎士団を『好都合な武力』としたのは必然である。
ただ、それは彼女だけが悪いという話では無い。
(ローレットのお陰で最近は少しなりを潜めているとは言え)元を正せば乱れに乱れた幻想の病巣が為した問題なのだ。平時の能臣が乱世では梟雄となるのと同じである。『治世の為の暴力装置』である第十三騎士団――そしてそれを代々統括するアーベントロート家がその正しい機能を失いつつあるのは、偏に乱れた幻想の責任であるとも言える。
尤も、彼女もその一端を担う大貴族である以上は、言い訳の立つ話ではないのだが――
「何ていう偶然! いえ、偶然ではございませんわね?
皆さんがここに来た以上は――ええ、私と出会った、出会ってしまった以上は。
きっとこれも必然と言う他は無いのでしょう!」
――閑話休題。享楽的に、華やかに。
月明かりも届かぬ夜の路地裏に咲いた青薔薇は全く場にそぐわない位の笑顔を見せていた。それはまるで会いたくて仕方なかった友人に会えた事を喜んでいるようで、同時にそんな友人達の強張った表情を弄っているかのようでもあり。正面から見ただけでは到底理解し得ないリーゼロッテという少女の多面性を表しているかのようだった。
「正直、最悪の『仕事』だよ」
「ええ、そうでしょうとも。御請けにならなければ良かったのに」
「……ローレットにも色々あるんでね」
「存じ上げておりますわ。昨日の敵は今日の友。
皆さんは、私のお願いを聞いてくれる事もありましょう?
ですから、この場自体を――この事態を責め立てる心算は無いのです。ただ」
――唯、皆さんはオトモダチですから。確認を、ね。
皆さんは、私の邪魔をする……という事で宜しいのかしら?
……イレギュラーズとリーゼロッテ双方の言う所の『最悪の仕事』は簡単だ。
暫く前、フィッツバルディ派に属するアラガン男爵がリーゼロッテの逆鱗に触れたという噂は幻想の噂となっていた。切っ掛けは社交界での『レイガルテの権勢を傘に着た行き過ぎた軽口』だったらしいが、この事態に怯えに怯えた男爵は自身の警護を派閥領袖たるレイガルテへと依頼した。レイガルテとリーゼロッテはのっぴきならない政敵同士だが、互いが大物過ぎるのが事態を時に難しくする。そのレイガルテがアーベントロートとの直接対決を避ける為に利用したのがローレットという訳だ。
つまる所、主の意を受け動き出す第十三騎士団を封じ、子飼いの暗殺を食い止めるのがレイガルテより与えられたローレットの仕事である。
そして問題はお嬢様がこうして陣頭に立っている不都合な現実だけであった。
「ローレットのハイ・ルールは知ってると思うけど。
受けた以上は『そんな心算はありません』とは言えない所だ」
「あらあら」
「出来れば退いて欲しいが――そうもいかないんだろうな」
「勿論。私、辱めを受けて黙っていられる性質ではございませんので」
イレギュラーズの言葉にリーゼロッテの口角が持ち上がる。艶やかで薄い唇を舐めずる舌は赤く、闇の中に光る紅玉(ルビー)の瞳が魔性を帯びていた。
「貴方達、仕事をなさいな。仕方ないので、本題の首尾は任せます」
「御意に」
リーゼロッテの言葉に彼女の背後に影の付き従う――黒ずくめ達が頷いた。
その数は五。リーゼロッテはと言えば背後より散る彼等に視線をやるでもなく、唯熱っぽくイレギュラーズを見つめていた。
「今宵もダンスといたしましょう。
ええ、皆さんのお立場も分かります。失敗は許されませんわよね?
ですから、こうしましょう。私は今宵、皆さんが付き合ってくれる限りは、直接仕事の手を下さない。あくまで片を付けるのは私の影達――ダンスの時間に影達が失敗したならば、今回の仕事は諦めましょう。皆さんに免じて、ね?」
場違いに鈴なる笑い声が良く通る。
「ほら。それならば防ぐ目も見えるでしょう?
ええ、ええ。ですから、皆さんは選べばいい。私を食い止めるか、それとも私の影を食い止めるか。その両方か――うふふ。私、皆さんに会えて気分が宜しいの!」
饒舌なリーゼロッテの全身から言葉とは裏腹に赤い殺気が立ち昇る。
「今、お決めになって――『何人で私を食い止め』、『何人で影を防ぐか』を。
早く、それから慎重にですわよ。だって、私皆さんが大好きですけれど――」
――フィッツバルディの味方をするなんてあんまりだわ。
実際、拗ねる気持ちが無い訳ではないのです。
あんまり半端だと、勢い余って殺してしまうかも知れませんから!
- BlueRose With KissLv:15以上完了
- GM名YAMIDEITEI
- 種別EX
- 難易度HARD
- 冒険終了日時2019年08月09日 01時00分
- 参加人数10/10人
- 相談7日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
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参加者一覧(10人)
リプレイ
●Shall we Dance?
――夜の闇に幻想の青薔薇が揺れていた。
「今宵もダンスといたしましょう。
ええ、皆さんのお立場も分かります。失敗は許されませんわよね?
ですから、こうしましょう。私は今宵、皆さんが付き合ってくれる限りは、直接仕事の手を下さない。あくまで片を付けるのは私の影達――ダンスの時間に影達が失敗したならば、今回の仕事は諦めましょう。皆さんに免じて、ね?」
夜の闇に包まれた裏路地に華やか過ぎる、享楽的が過ぎる美しい少女の声が響いていた。
胸が騒ぐ剣呑の夜、イレギュラーズが受諾した或る依頼には実に――考えるまでもない程に『恐ろしい内容』が記されていた。
十人のイレギュラーズに相対するのは『彼女』を含めた六人だ。
此方は十、彼方は六。数の上ではパーティに分があり、集まったメンバーも強力である。普通の状況であれば、これ程の緊張感は帯びない局面かも知れない。
「うーん、ちょっと不運だよねこれ」
全く以てポツリと響いた『穢翼の死神』ティア・マヤ・ラグレン(p3p000593)の言葉は、この夜の状況を最も端的に表した感想だったかも知れない。
「ローレットの性質上こういう機会も必ずくるものとは思っていましたが……
……正直を言えば、思っていたよりも早かったですね」
応えるように一人苦笑した『終焉語り』リースリット・エウリア・ファーレル(p3p001984)の言葉は多数のイレギュラーズの代弁となった事だろう。
政治的なポジションを持たない事を自衛の手段とするイレギュラーズ――ローレットという勢力は一定の基準を満たした依頼の受諾を基本的に否定しない。それが悪事であろうと、依頼人が誰であろうと受け入れる事でギルド条約は広く支持されている。過去には鉄帝と幻想の国境際の紛争に両サイドで参戦するといった離れ業もあった位である。
そんなイレギュラーズだからこそ、相対せねばならない相手は広域に渡るという事だ。
彼等は時に魔種と刃を交わす事もである。一国の王や将軍と渡り合わなければならない事もある。
「――でも、それはそれとして。
フィッツバルディの味方をするなんてあんまりだわ。
実際、拗ねる気持ちが無い訳ではないのです。
あんまり半端だと、勢い余って殺してしまうかも知れませんから!」
そして、それは当然ながら目の前で赤い殺気を立ち昇らせる『暗殺令嬢(リーゼロッテ・アーベントロート)』ですらも例外では無い。
「えと、あのですね、リーゼロッテ様?
通してあげたいのはやまやまなのですけれど……お仕事なんです!
レイガルテ様の派閥ってわけでもないですよ、一応!
非常に心苦しいですが、今回は邪魔させて頂きますね……!」
『血風三つ穿ち』すずな(p3p005307)の言葉に「分かっておりますもん」とリーゼロッテ。
されど、実際の所は本人が言う通り『そういう問題ではない』話なのかも知れない。
愛らしい唇を尖らせて拗ねた調子で不満を表明した彼女と『黄金双竜』レイガルテ・フォン・フィッツバルディの、のっぴきならぬ関係は辺境貴族ファーレル家の子女として『幻想の作法』が骨身に沁みているリースリットならずとも知られた話である。
リーゼロッテが王宮の社交の場でフィッツバルディ派に属するアラガン男爵に『辱め』を受けたという噂は暫く前の幻想のヘッドラインの一つであった。『その場で差し出された青薔薇』は彼女の持つ不名誉な都市伝説の一つ――即ち『告死』である。
……どうやら今夜の様子を見る限りではその噂は真実で正しいようではあるのだが。
何れにせよ子飼いを殺されてはかなわんというフィッツバルディ派と自身への侮辱は許さないというリーゼロッテの代理戦争をローレットが請け負った格好なのだ。
「……というか依頼人は気に入らないんだけどね」
『我慢しろ』
そう溢したティアを胸元の十字の魂が呆れた調子で諌めた。
「まったくです!」
「しょーもない男爵にキレて殺しに来るしょーもない中枢と、しょーもない中枢は謝らせるでなく冒険者に命張らせる……本当にしょーもないギャグ依頼ですね!
ヨハナ今ブチ切れてるんです!
こんな笑えないギャグで誰一人死なせるもんですか!
悪いことなんて絶対起こさせません――」
「うわぁ、勇気ありますねぇ……」
一方で我が意を得た『自称未来人』ヨハナ・ゲールマン・ハラタ(p3p000638)が強く言い切れば、何処かのんびりとした調子で『孤高装兵』ヨハン=レーム(p3p001117) が突っ込みを入れた。
……嗚呼、『しょーもない』との誹りを受けたお嬢様の纏う気温と目付きが冷たくなっている。
「悪いな。だが『其れがオーダーなら』――
頼まれた以上、どんな仕事でも完璧にこなす。其れが俺だ」
そんなリーゼロッテの変化を目ざとく見た『それがオーダーなら』レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)が殺気を逸らした。
「守る義理も理由もない男爵なんだけどね。
『ゲーム』とあらば――そう、私って結構、負けず嫌いなのよね。
ところで、アラガン男爵とやらは何を言ったのかしら?
もしかして、私たちと関わっていることを侮辱したりとか?」
更に比較的リーゼロッテと親しい『お気に召すまま』シャルロット・D・アヴァローナ(p3p002897) がフォローするように『乙女心』に応じてみせた。
「口にしたくありません」
「それはそれは」
「ただ、そうですわね。
……ええ、そう。当事者なので言えば……
詳細に皆さんが関わって居なかったとは言いませんけど」
俄かにきな臭くなった話に「へぇ?」とレイチェルが目を細めた。
(全く、アラガン男爵の命知らずには心底恐れ入ります。
見捨てたいという気持ちもわからなくもない……けれど。でも、それとは別に『こんなこと』が平然と罷り通る状況、何時までも続いていい筈がない。
リーゼロッテ様がその気になってしまうだけでこんなに容易く薔薇十字が動くなんてこと……御自ら出てきている辺り、本当に頭にきているのかも知れませんが)
リースリットが憂慮するのは幻想という国それそのものでもある。
何れにせよ結論は変わらない。レイチェルが『オーダー』を口にしたのは何よりの正鵠だ。ローレットにハイルールが存在する以上は、今夜仕事としてローレットに動きを望んだのはフィッツバルディ派である以上は、やるべき事は一つである。
リーゼロッテの阻止は善悪や、ましてや心情的な共感の問題ではないのだから。
「お喋りは十分よね。この時間は影達への協力かしら?」
「協力というより『ハンデ』かしら?
うふふ、小夜さんを『捕まえる』のも愉しみ。
貴女なら、そう簡単に壊れたりはいたしませんでしょう?」
「賢明だわ。今夜は私は『ハンデ』側になるから――」
何処か愉しげに『死角無し』白薊 小夜(p3p006668)が問えば、リーゼロッテは同じく蠱惑的な表情でコロコロと笑った。
「あら残念」と眉根を寄せたリーゼロッテに小夜は「……私もよ」と小さく零した。
『ハンデ』と口にしたリーゼロッテがそれをどれ位本気で言っているのかは分からないが、彼女のイレギュラーズへの評価は極めて高く、好意的だ。令嬢の背後より影がばらけて暫く。彼女を阻止している間に第十三騎士団の麾下を食い止める事こそ『青薔薇遊戯』の本質である。ならば小夜の言う通りもう時間は一杯となろう。
パーティは一瞬のアイコンタクトでこの夜を『どう分けるか』を決めていた。
この場に残るのは防御を中心に立ち回るヨハンと『殊勲一等』アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701) 、アタッカー寄りのティア、攻防バランスに優れた楔のリースリット。一方で影を追い、男爵の暗殺を食い止めるのは残る六人、『ロリ宇宙警察忍者巡査下忍』夢見 ルル家(p3p000016)、レイチェル、ヨハナ、シャルロット、すずな、小夜である。
チーム内での役割はそれぞれだが、彼我の実力差を鑑みればリーゼロッテを攻撃的に撃破するのはほぼ不可能と思われる。つまり、この二つのチーム自体が盾と矛めいている。
「僕じゃ不満ですか?」
「あら、可愛らしい王子様だこと」
「……なんか知人を思い出して不穏なんですよね、お嬢様のそんな感じ」
ヨハンは小さく嘆息する。まさかショタ本なんて作られまいが。
「まぁ、ザーバさんほどじゃないですけど頑張ってダンスの相手を務めますよ」
「ええ。では、そろそろダンスと参りましょうか――」
「――あ、リズちゃん!」
スカートの裾を持ち上げ優雅に礼をしたリーゼロッテに駆け出して振り返ったルル家が釘を刺した。
「拙者あとでお話したいので影倒しても帰らないで下さいね!」
「ああ、それ重要だわ」
ルル家の言葉を受けたアンナが笑う。
「不躾だけど一つお願いがあるのよね。
最後まで立っていられたら、一度本気のダンスを見せて欲しい」
『とんでもない提案』に目を丸くした令嬢はコロコロと笑う。
「もし生き残れたら――そうですわね、その時は小夜さんも一緒に」
「……俄然、やる気が沸いてきた」
これから始まるのは間違いない殺し合い。
否、リーゼロッテからすればこれは狩り程度のものに違いない。
つまり、イレギュラーズからすれば絶望的な戦いに違いないのに。
どうしてか夜は不思議な位にお互いに好意的で、談笑めいてすらいる――
●揺蕩う青薔薇I
話は纏まった。
今一度整理すればパーティに求められるのは、対令嬢班が彼女を食い止めている間に対影班が彼等を無力化する事である。リーゼロッテは対令嬢班の壊滅が影達の壊滅より『遅ければ』今回の仕事から手を引くと約束した。
つまる所、対令嬢班の四人に求められるのは大枠の『時間稼ぎ』。
但し――
(ザーバ将軍との一騎打ちの噂……
その通りに本気を出されたら、足止めすら適わないでしょうね。
彼女はこれをダンスと呼んだ。高貴な令嬢をリードで退屈させたなら――)
――聡明なリースリットは単なる時間稼ぎがとんでもない悪手である事を理解する。
何処かの剣客もそうではあるが、この手の連中は兎角退屈を嫌うものだ。
『同時に退屈に過ぎない相手と見限られたなら勝負は時間稼ぎにもならないに違いない』。
「それでは――リーゼロッテ様。ダンスのお相手、力の限り務めさせていただきます!」
故にリースリットは仲間達の誰よりも早く動き出した。
その刀身に緋炎を揺らめかせた魔晶剣を片手に姿勢を低く踏み込む。
全身に力と気力を漲らせてその刃に持てる魔力をレイズした。
「リーゼロッテ様は幻想屈指の魔法戦士でもいらっしゃる。
ある意味で私の憧れの極地――尚更無様なダンスはできません。
研ぎ澄ませてきた強化魔術の技、せめてくらいついてみせましょう――!」
裂帛の気合と共に放たれた斬撃が夜に奔る。
「ええ、ええ! そうこなくては! 悪くはなくってよ、リースリットさん」
「……っ!?」
無手に見えたリーゼロッテの姿がブレる。
普通の相手なら確実に『取った』と確信できるだけの技とスピード、タイミング。
『当のリースリットにも正確に何が起きたかは分からなかったが』金属質の高音が響き、魔力の余波が夜に解けた。何らかの暗器で斬撃を受けたと思しき令嬢の激しい動きを追いかけるように長い銀の編み髪が間合いに流れる。
「そうこなくちゃ嘘だわ」
音に聞こえた令嬢の技量にアンナはむしろ歓喜した。
「その技、存外に見せてもらうわよ!」
可憐にして華麗。戦闘スタイルこそ全く違えど、リーゼロッテの動きそのものはアンナにとって一つの理想でもあるとも言えた。
(もっと高みへ行くために。何が相手でも負けないように――)
相手が化け物(フリークス)である事は分かり切っている。
最初から分かっているが、アンナはそもそもそれに敗れる心算でここにはいない。
今叶わないとしても何時かは叶える為に最前線に立ち続けている!
「敢えて先手を譲ったのは僕達に『受け』を取らせる心算だからですかね?」
「あら?」
「だって、リーゼロッテ様は暗殺者なんでしょう?」
嬉々としてフロントに立つアンナを相方にするヨハンは冷静にリーゼロッテの動きを見ていた。リースリットは反応にも優れたトータルファイターだが、暗殺令嬢は推測するに超がつくスピード型である。彼女の先を行けそうなのは何処かのバイク位しか想像もつかず、トータルファイターの能力値に収まるリースリットが前に出たのは若干作為的である。
リーゼロッテが早晩の制圧と勝ち筋だけを意識した『暗殺者的な』戦いを繰り広げるとするならば、誰よりも早く動き出し、チームで最も攻撃力に優れ、受けを不得手とするティアを叩きに来るのが至上であろう。
「……皆さんにあまり『はしたない』所はお見せしたくないではありませんか」
「まぁ、温情に甘えて――しっかり固めさせて頂きます!」
頬を染め、視線を若干外に逃がしたリーゼロッテにヨハンは咳払いをした。
それは、リースリットの完璧な一撃を容易く流して言う台詞ではなく。剣呑極まりない夜にする表情でも視線でも無い。
ヨハンの得手は言うに及ばず圧倒的な耐久性能をあてにした壁としての優秀さだ。決死の盾たる彼はティアとリースリット、或いは時にアンナも含めて庇う事でダメージコントロールをする事も出来る。一瞬で爆発的に『持って行く』令嬢が相手なら、真に信用できるのは耐久力(HP)以外にないのも事実であった。
「この前ダンスした時と状況が全然違うけど、こうやって踊るのも一興だよね。
不運だと思ったけど、案外これって幸運なのかな?」
――貴女と一緒が出来て――
中距離よりティアの赤、黒、二重の選択が閃いた。
「そうですわね。この夜は、幸運とも言えるのかしら。
私は皆さんと一度余分に会う機会を得た。リースリットさんが、アンナさんが、ヨハンさんが――影の側にいった皆さんが遊んでくれる。
ティアさんが、うふふ! 私をこんなに追いかけてくれる!」
狂気劇場に彩られた異彩のダンスはスカートをふわりと広げて跳躍した彼女を追い掛ける。その鋭ささえ甘噛みのようにいなす彼女を届かなくても追いかけた。
リーゼロッテは攻撃はともかくこと防御に手を抜くようなタイプでは無い。
彼女はスカートが汚れる事さえ嫌い、ましてや玉の肌に傷を付けられる事なんて許容すまい。つまりこれは、緒戦の攻防を見るだけで分かる『絶望的なまでの力の差』だ。
「……いやー、責任重大ですね」
「却って面白くなってきた」
「終わるまでには何としても一太刀」
「それいいね」
ヨハンが冷や汗一つ零せば、アンナ、リースリット、ティアは逆に燃え上がる。
「では、お返しのステップと参ります」
言葉と共に――令嬢の姿はそこから消えた。
●拡散する影
「悪いわね、貴方たちの相手は私たちよ」
黒ずくめから覗く視線がシャルロットの言葉に殺気を帯びた。
『暗殺令嬢』リーゼロッテは幻想の大物だが、彼女が手足とする『薔薇十字機関』――即ち第十三騎士団は幻想でも最大の悪名を持つ『プロ』の集団である。
その任務成功率は極めて高く、例えば先の戦乱によるザーバ・ザンザ襲撃の件のようなごく少数の例外を除いては滅多にその刃が対象を逃す事等は無いのだから。
……尤も、この事件の事をリーゼロッテに指摘するのはお勧めしない。市井では語られない事実ではあるが、ザーバ・ザンザに一敗地に塗れたのは薔薇十字機関のみに非ず、重い手傷を負ったリーゼロッテ本人が公の場に暫く出てこなかったのは鉄帝や幻想の上層部位しか知らない彼女痛恨の秘密である。
閑話休題。
アラガン男爵邸の庭で始まった追撃戦は既に激しさを増していた。
リーゼロッテから離れ、男爵邸に急行したイレギュラーズは彼の庭先で薔薇十字機関の五人を補足するに成功した。すずなのレーダーやルル家の超聴力、超視力、超嗅覚、小夜の同じく超聴覚、エコーロケーション、ギフト、ヨハナのハッキングやエネミーサーチ、保険にはレイチェルの人助けセンサー。
これ以上は無いという位に何重にも保険を張ったパーティの補足はさしもの薔薇十字機関にも密やかなる暗殺の仕事を許すまい。
ならば、互いに互いという邪魔者を排除する為の正面衝突が起きるのは必然である。
成る程、機関の異名は伊達ではなくアサシン達の動きは恐ろしく良い。
「気を付けて下さい――この人達、かなり強い……!」
相当の腕前を誇るすずなにさえそう言わせるだけのものがある。
令嬢側の仲間が気になるのは勿論の事、戦いが長引けば此方が勝てるとも限らない。
個々は首魁たる令嬢には遠く及ぶまいが、何れも一線級を揃えたイレギュラーズ達と――それも数で劣るにも関わらず――五分以上にやり合おうとする彼等は決して弱兵では有り得ない。むしろ精鋭と呼ぶに相応しい。
なればこそ。
(この戦いはいかに素早くリードを稼げるかが一つの鍵になります――
故に拙者、最初の二十秒に全身全霊をかけます!)
ルル家がそう考えるのも当然である。
パーティの作戦はレイチェル、すずな、ヨハナ、小夜がそれぞれ相手をする影に対してルル家とシャルロットが遊撃として加勢し、確固撃破を狙うというものだ。
若干の連携齟齬から『フリー』が出来たのは少々痛いが、元より数の利はイレギュラーズにあるのだから即座致命傷とは成り得まい。
「味方が加勢してくれるまで釘付けに?
いいえ、何よりその前に斬って捨てるまで!
すみませんが……早々に倒れて頂きます。リーゼロッテ様の気が変わる前に!」
そして、すずなはと言えば、そのルル家を待つまでもなく自身で決着せんとする気概にさえ満ちている。繰り出されるは、変幻邪剣。魔性の切っ先が『殺すに長けた相手を殺すに長けた邪剣』で狙う。
夜に血の線が迸ったが、影は呻く事さえせず斃れはしない。
同時に繰り出された爪の反撃にすずなの眉が微かに歪む。
「ええ、それでも――絶対に、行かせはしません…!
さぁ、男爵になど目を向けず、私と踊って下さいません?
踊るといってもこちら剣舞となりますが……決して、退屈はさせませんので!」
そう、大いに、大いに間違いなく――今夜の問題はリーゼロッテのみではない。
絶望的な彼女との戦いを仲間達が食い止めている間に影を無力化する――イレギュラーズ側の勝ち筋は元よりこれのみであり、故にこちらの出来栄えがむしろ勝利に直結すると言っても過言では無い。
「影たる五人、全て止めての迅速な撃破を狙うのみ!」
暗殺は絶対阻止です、それが命じられた役目ですので!」
すずなの妖刀が刃を跳ね上げ、高く鋼を泣き喚かせる。
「ああ……俺らの仕事は手早く影を止めて、男爵暗殺を阻止する事。
男爵が死んだら一切合財意味がねぇ――」
烈火のような熱情を怜悧な美貌に封じ込め、冷静に、冷静に、しかし激しく!
冥刻を帯びるレイチェルの放った渾身のソウルストライクが踊る影の一つを撃ち抜いた。
ここで遊撃が仕事をする。
「負けてられないのよ! あんた達にぃ!!」
口調すら何時ものそれと違う風合いを見せたルル家のシルエットが――羽化したように変化した。宇宙力(うちゅうちから)を振り絞った彼女は、限界以上の力を発揮――コズミックに多重分身した彼女が多方向から全身の武器、暗器を瀑布の如く叩きつけた。
恍惚からの痛打。
火砲たるレイチェルの威力に加え、自身の身体さえ軋ませたルル家の追撃が影をよろめかせた。
それでも尚もこれを逃れ、傷んだルル家に反撃に移ろうとした影を、
「お生憎様。……あら、影と言えども、実に美味……」
紅流に磨かれた二振りの不知火――即ちシャルロットの魔技が地面に沈めた。
味方が倒されても怯まない影達が猛烈な反撃に撃って出た。
「……っと、こらこら。レディをほったらかしはダメだけど。
リーゼロッテの躾がいいのかしら。私、受けるのは得意じゃないんだけど――」
襲い掛かる影の攻勢に攻めれば強いが受ければ脆いシャルロットが押されて痛む。
状況は一進一退。しかし、消耗戦の様相を呈した以上、ルル家の狙い通り決着は早いか。
一方で相手が卓越した技量を持つアサシンだとしても、こちらも決して負けてはいない。
「ふふっ……なんと言えばいいかしら。
これは憤怒なのか、悔恨なのか、苛立ちなのか、欲望なのか」
繰り出される攻撃の悉くが盲目の女の流水の如き動きを捉えない。
一度だけではない。爆発的に動いた敵の手数の悉くが小夜の身のこなし、或いは手にした『杖』に弾かれた。
さりとて今夜の彼女は生来本質の彼女とは違う。
「あの夜に私達にそこを退けと言ったの剣士の気持ちが今ならわかる気がするわ。
だから……そこから、疾く逝ねッ!」
剣修羅の赤丹(偽)は読み取った元の彼と同様に鋭く影を抉る。
一度だけではなく二度、三度。まさに小夜の感情を示すように猛々しく。
「そこの誰か、主人に言ってやりなさいな。あなた見た目以上に子供なんですねって!」
毒が蝕もうと血が流れようとも、今夜のヨハナに頓着する余裕はない。
自身を襲う総ゆる害悪を徹底して叩き潰す――それだけの抵抗を見せるヨハナは、何処までも強烈に、何処までも苛烈に頑迷に、普段見せない鋼のような芯を秘めていた。
「こんなしょーもない茶番は終わらせます!」
ともすれば色々な意味で私情のクロスした今夜の局面で、最初から最後まで徹頭徹尾ヨハナは一本気そのものだった。
「みんなで揃って生きて帰って……
「酷い依頼だったね」って笑い飛ばしたいんです。
ヨハナが望むのはたったそれだけなんですよ――!」
故に彼女は自身の意志を、抵抗力をその一撃に叩きつけた。
失われてはならないものはきっとある。
「いいねぇ、そりゃあその通りだ」
啖呵を切ったヨハナにレイチェルがにっと笑った。
「お嬢が飽きる前に終わらせて貰うぜ。こっちは、仲間の命が掛かってンだよ……!」
禁術・憤怒ノ焔が影を焦がす。
「さあ、どんどん行くぜ!」
不器用な吸血鬼はきっと『オーダーになくとも』奮闘を見せるに違いない。
●揺蕩う青薔薇II
「はぁ、はぁ、は――」
荒い息遣いが路地裏に零れた。
辺りそこかしこに漂う血の匂いは決して隠せないものとなっている。
「私、皆さんの事が大好きですのよ。
ええ、これは嘘でも偽りでもなく。こんなに愉快な時間は滅多にありません。
私が戦って、これだけ健闘した人達もね。滅多に会いはいたしませんわよ」
消耗と痛みばかりが積み重なった戦場の中心で唯一人、汗さえかかずに佇むのは幻想の青薔薇、暗殺令嬢――幻想で一番危険な女、リーゼロッテ・アーベントロート。
「それは、どうもです、ね……!」
最早ボロボロになった盾(ヨハン)はそれでも砕けていない。
「生憎と大した芸がなくて恐縮ですけど、ダンスの相手は合格ですか?」
減らない口は彼が彼たる所以であるかも知れない。
「つまらない延命、牛歩戦術に思われるでしょう。
でも、これが僕の唯一の取り柄なもので……
敵の嫌がる事を率先して行う、勝つ為の最大の努力。
僕がいる限り攻撃の手は休まりませんし、壁役とは敵の脅威となるから壁役なのだと!
これがゼシュテルの戦い方だっ!」
啖呵を切ったヨハンには「貴族同士の殺し合いさせるために幻想を守ったんじゃない」という強烈な想いもまた、ある。
リーゼロッテを相手に長い時間を『保った』のは彼の盾性能ともう一つ。
「元から割に合わない依頼だもの、『ご褒美』が楽しみになるものだわ」
こちらも懲りない調子で言ったアンナの強烈な支援能力によるものであった。
「本当に素敵な時間だった。いえ、この時間は終わらせないわ。決してね」
対令嬢班の壁(タンク)二人は互いに特別な得手を持っていた。隙無く周囲をカバーするヨハンと、自身が強烈極まりない壁でありながら、一線級の支援能力(ミリアド・ハーモニクス)を有するアンナの組み合わせはクロスする事で非常な防御力を発揮した。
一方でリーゼロッテは涼しい顔をしていたが、決してノーダメージという訳ではない。
彼女の豪奢な衣装は少なからず破け、焦げ、傷んでいる。
暗闇に細かい所までは見えなかったがその肌に刻まれた傷もゼロではあるまい。
無論それは、
「まだ、まだ……やれますッ!」
「次はもっと――捕まえたい。捕まえるよ」
リースリットやティアの奮戦を意味するものである。
イレギュラーズ四人は何れも酷く消耗し傷みながらも倒されていない。
まさにそれは章冒頭で令嬢が述べた称賛に値する『ダンス』だったに違いない。
「ええ、ですが――それもここまで。ここでおしまい」
リーゼロッテの薄い唇が三日月に歪む。
端から零れた白い牙が嗜虐的であった。
赤い殺気をたなびかせ、目を爛々と輝かせた彼女はこれまでとはまるで違う魔性を帯びている。それは『イレギュラーズのオトモダチ』ではなく『暗殺令嬢』と恐れられる彼女の本質を表した――
「――――」
息を呑んだのは誰だったか、或いは全員か。
直感的に誰もが「死ぬ」と理解した。
……のだが。
「おしまいですわ。残念ですけど、あの子達、負けてしまったみたい」
ガラリと空気を変えたリーゼロッテが言葉と裏腹に機嫌良く嘆息した。
四人が振り返ればそこには。
「リズちゃん!」
滅多に呼ばれる事の無い愛称で彼女に呼びかけるルル家が居る。
「……へへ、待たせたな」
傷付いたレイチェルが居る。
「おしまいですよ、これで。ゲームは終わりました」
断固として言うヨハナが居る。
「相変わらずね、リーゼロッテは」
楽しそうに言ったシャルロットが居る。
「御無事でしたか!」
安堵の色を見せるすずなが居る。
「……間に合ったようで何より、だわ」
色々な意味で、と言外に付け足した小夜が居た。
激戦の末辛くも影を退けたのはイレギュラーズだったのだ。
とはいえ、彼等もプロである。戦力が損耗し、任務遂行が難しいとなった時点で退いたのだから――薔薇十字機関に逮捕等許されない――実力、戦闘的にはほぼ痛み分けといった所ではあるのだが。
「あの子達はどうでして?」
「良く訓練された子達だったわよ」
「おしまいか。楽しい一夜だったよ。
もしできるのであればまた一緒にダンスして欲しいな。
もちろんリーゼロッテが良ければだけどね」
「この後、今夜のおかわりは良いのかしら?」
シャルロットの、ティアの、小夜の言葉に頷いたリーゼロッテはコロコロ笑う。
「負けてしまいました」
すっかり表情を『オトモダチ』のそれに戻した彼女にルル家は言った。
「リズちゃん」
「はい?」
「男爵に腹を立ててるのは拙者も同じですよ。しかし殺すのはやりすぎです!」
「……でも」
「拙者たちは友達ですよ。だから間違ってると思えば止めますし、喧嘩をする事だってありますよ!」
シャルロットもまた言う。
「友情って、絶対味方になることじゃないでしょ?
小物の血で穢れる必要もないわ。でもまあ、今回に限って言うなら、仕返しを私たちに頼んでほしかったわ。殺さない程度に彼を脅してあげれたのに。
というわけで、次は遊びましょう。今度は貴女と踊りたいし、別に今からでもいいけどね?」
リーゼロッテは「でも」とか「だって」とか口の中でもごもごとやる。
彼女にしてはまったくまるで歯切れが悪く、それに一同は違和感を感じていた。
結局何が原因だったのか、と問えば。
彼女は散々粘った後に本当にもう何とも言えない表情で言った。
「だって、あの男。こんな風に言ったのですわ」
――リーゼロッテ様も悪趣味でいらっしゃる。馬の骨共と仲良くやろう等とは。
いや、むしろ強かと言うべきか……流石ですな、道具の使い方を良く理解していらっしゃる。
まさか本気ではありますまい? 今度は何時使い捨てになさるので?
『暗殺令嬢』ともあろうお人が、まさか年頃の少女のような事は仰りますまい!
リーゼロッテが『フィッツバルディの味方をしたイレギュラーズ』にやけに殺気立っていた理由を一同皆が理解した。尤も男爵のこの言葉にはレイガルテもそれなりに不機嫌にはなっていたのだが。
「許せませんわよ、そんなのって」
そして拗ねて唇を尖らせた彼女は「もう、知りません!」とそっぽと向いた。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
あとがき
YAMIDEITEIっす。
戦闘シナリオというよりはパズルめいた所があったかなあと。
こういうのツンデレっていうのです? ツンデレではないか、何だろう。
ちな、お代わりのダンスとか所望した人は全員重傷にしておきました。
してなくても大体重傷でした。
シナリオお疲れ様でした。
GMコメント
YAMIDEITEIっす。
時系列的にはバカンス後の出来事とでも思って下さい。
以下詳細。
●依頼達成条件
・リーゼロッテとの戦闘が影達の阻止まで継続する事
・影を阻止し、アラガン男爵が死亡しない事
※両方を達成する必要があります。
影が阻止される前にリーゼロッテが自由になった場合、失敗になります。
●『暗殺令嬢』リーゼロッテ・アーベントロート
幻想で一番おっかないお嬢様。
第十三騎士団首魁代理、アーベントロート侯爵家名代。
イレギュラーズには極めて好意的なのですが、拗ねています。
嗜虐的な性質も相俟ってそれなりに殺す心算で来るので注意して下さい。
素早く華麗で毒々しく極めて殺傷力に優れています。
受け方をしくじれば一瞬でもっていかれかねません。
●アラガン男爵
フィッツバルディ派。小心者で調子乗り。
社交の場でちょっと調子に乗り過ぎてリーゼロッテを公然と侮辱してしまった人。
イレギュラーズの活躍が及ばなければ死ぬでしょう。
●第十三騎士団(影)
ローゼンクロイツ、ナイトクリーク、ライアークラウンの暗殺者が五人程。
攻撃力、命中回避、EXAに優れています。
殺傷力が高い反面、耐久方面はそこまでではありません。
対応力が広く近接から中遠距離の攻撃をバランス良く扱います。超遠はなし。
モブだ雑魚だと侮るなかれ。普通に相当手厳しく強いです。
●vsリーゼロッテ
幻想の裏路地。アラガン男爵邸に通じる道。
路地裏は狭く、同時に並んで自由に動けるのは二名程までです。
●vs影
PCが彼等を追いかけ、追いつくのはアラガン男爵邸の庭です。
広々としたロケーションであり、戦闘に支障はありません。
アラガン男爵は邸宅に籠り、自身の周囲を私兵で固めていますが、ビビりなので出てきたりはしません。彼の兵隊は口ばかり達者なトーシロで案山子です。期待しても駄目。
●ルール
本文にあります通り、重要な選択を必ずする必要があります。
それは即ち『リーゼロッテと影に対してどういう戦力を幾つ割り振るか』です。
必ずプレイングの一行目に下記どちらかを記載して下さい。
【対嬢】(リーゼロッテの相手をします)
【対影】(影達の相手をします)
戦力構築と人数振り分けの妙が勝敗の鍵となるでしょう。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
●Danger!
当シナリオにはパンドラ残量に拠らない死亡判定が有り得ます。
予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。
以上、宜しければ御参加下さいませませ。
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