シナリオ詳細
出現!宝石虫!
オープニング
●Attack of Jewel beetle
幻想郊外の森。
むしろ、里山と言った方が近いだろうか。交易街道沿いの、規模も大きな町の近くだ。
町の子供たちの、今の時期の楽しみと言えば昆虫採集。
念入りに虫除けの薬を塗り込み、服にも虫除けのお香を焚きしめて。
防具を整えたら、武器、すなわち虫取り網を携えていざ緑深き戦場へ!
「おーい、なんか採れたかー?」
「あっ!ちょうちょ!」
「ねえねえ、木いちごなってるよー。食べよー」
男子お目当てのカブトムシやクワガタムシは夜行性。こんな昼間に出会えるはずもないが、逆に女子のお目当ての蝶はひらひらとその辺を舞い飛んでいる。
カブトムシやクワガタはまた今度、大人達と一緒に夜の森で挑戦するしかあるまい。
ふと、一番年上の、引率の女の子はガサガサという異音を耳にして横を見る。
野生動物か?熊や狼だったらどうしよう。そう思って一歩、勇気を出して踏み込んだ次の瞬間……
視線の先には、大人の身の丈以上はありそうな、とてつもなく巨大なタマムシがいた。
おいしそうにバキバキと音を立てて、倒木を食べている。
「ギャーッ!!」
素っ頓狂な声を上げる少女。意に介さず、食事を続けるタマムシ。
更に、タマムシの近くの茂みから姿を現したのは、自分と同じくらい大きなコガネムシ
!それも三匹!!
引率のお姉ちゃんの悲鳴を耳にし、次々と駆け寄ってきた子供達もそれを目にし……
「「「「「ギャ~~ッ!!!!!」」」」」
全員が一目散に森を突破して、大人たちの元に逃げ帰る。
大人達に巨大なタマムシとコガネムシの存在を説明する子供達。
タマムシが倒木を食べていたことを聞いて、材木屋の若奥様と果樹農家の娘は血相を変える。タマムシは木を食害する虫で、普通のサイズのものでも忌々しいのに、そんなのが町に来たら大損害確定だ。
町から早馬が飛び立つ。
交易街道沿いの町であることが幸いし、ローレットに依頼が届けられるのにそう時間はかからなかった……
●森の宝石(むしろ鉱脈)
「森にね、素敵なサマー・グリーンが出たの。だいぶ大きいけど。差し色はコバルト・ブルー、メドウ・グリーン、それにラズベリー・レッドよ」
『色彩の魔女』プルー・ビビットカラー(p3n000004)が藪から棒にそう言いだした。
しかし、何のことか分からず首を傾げるイレギュラーズ。
「大きな昆虫が出たの。一般的な人間よりも少し大きい位のジュエル・ビートルが一匹と、子供の背丈位あるダーング・ビートルが三匹」
要するに、タマムシとセンチコガネである。
「場所が交易街道沿いだったのが影響してね……追加のオーダーはいま少しアッシュグレイよ」
逗留していた商人や、話をいち早く聞きつけた貴族、装身具職人から【できれば上翅や、身体の金属光沢のある部分は傷つけないで退治して欲しい。町とローレットに謝礼は弾む】という注文が来ているのだ。
少し風変わりではあるが、美しいタマムシや甲虫類の翅は、昔から装飾の材料として一定の需要があるのだ。保存状態や加工方法によっては、1000年を経ても尚輝くのだとか。
大威力の攻撃で四散させたり、炎などの攻撃で焦がしてしまっては元も子もない。
毒や、ピンポイントで絶命させうる攻撃が有効だろうか。
「それじゃあみんな、ヘブンリー・ブルーの夏空とフォレスト・グリーンに包まれて。頑張ってきてね」
- 出現!宝石虫!完了
- GM名瑠璃星らぴす
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2019年08月04日 21時35分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
◆昆虫ヤバいぜ!
とっても暑い、朝だった。
花嫁求め鳴く蝉の声がジリジリと響く。
ローレットから出立した一行は、馬車等乗り継いで件の町に到着。そして矢継ぎ早に、巨大虫の生息する里山へ。
温い風が、幾許かの涼やかさを彼らにもたらす。
太陽は少しずつ天頂へ上り、それと共に夏の暑さもジリジリとボルテージが上がってゆく。
「初めての任務だっ!まだまだ未熟だけど、精一杯頑張るぞっ!」
暑い中でも元気いっぱい。『修行中』ファレル(p3p007300)は、拳突き上げ先陣を切っていた。
「あ、暑ちぃ……暑すぎだろ……」
フレイ・カミイ(p3p001369)の逞しい身体を滴り落ちる汗。無論、普段よりもしっかり着込んでいるのだが。
「虫よけは頼んだぞファ……ファレ……?あー、ガキオレンジ」
「ファレル!」
ガキオレンジ、などと言われたファレルは、即座に自分の呼称を訂正する。覚えて貰えるかは別として。
ペースを崩さずてくてく進むのは『五行絶影』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)だ。
耳と尻尾は、ときたま上機嫌そうにぴこっと動く
「夏の巨大昆虫採集といった所か。何となく、わくわくしてくるな」
今回は採集ではなく退治だが、捕まえるということには変わりはない。
「翅や脚が御所望、かぁ……にひひ」
『猫鮫姫』燕黒 姫喬(p3p000406)は、任務を受けた当初こそ乙女心的に虫退治には難色を示していた。
しかし、どういうわけか、その内容を聞いてからはやや乗り気になっている。
「そんな巨大な虫ならば、生命活動だけでも、相当な規模になるはず。森の被害も、相当出ている?」
歩きながらも、冷静に状況確認を進める恋屍・愛無(p3p007296)
確かに見回せば木そのものを齧られたような跡が、そこかしこに散見される。
他の生き物の糞を食べるセンチコガネは、タマムシの糞で寄ってきたのか?と、考えを巡らせる。
「有機生物の素材が千年も保つとは。しかも中々美しい……是非とも回収したいものだ」
同じく落ち着き払っている『イルミナティ』ラルフ・ザン・ネセサリー(p3p004095)は、外見だけで言うならこの任務で一番の年長者。
他の面々との見た目の年齢差もあり、なんとなく引率の先生に見える。
ふと、横を見れば幻想固有種のタマムシとコガネムシ。今回の目標と同族であるが、体長は図鑑通りの大きさ。
一体、何が要因なのかと彼は考えを巡らせる。
彼岸会 無量(p3p007169)もまた……というよりも、自分のペースを一切崩さず、気楽そうに歩いている。
「何事も過ぎたるは及ばざるが如しですね……鈴虫や蟋蟀でも、其れほどの大きさとなれば風情もありませぬでしょうよ」
皆、人体を害する虫たちへの対策は万全に尽くしてある。
虫の嫌う成分や芳香を纏い、針の毒から身を守っているのだが……こうも汗をかいてしまっては、流れ落ちてしまうだろうか。
実際のところ、汗とともに服に染み込み成分は残っているので杞憂である。
薬学に明るいラルフがいるのが何より心強かった。
そして。
「他の生き物に体食べられたことあるかしら?すっごい嫌よ!私も人間生きたまま食べたりとかあんまりしないし」
七人の視線は、瑞々しく新緑色をした少女……『至高の薔薇』ロザリエル・インヘルト(p3p000015)に集中する。
些か猟奇的でユニークな持論を語る彼女の身体は植物に近い。
この任務の要だ。
「人間もだけど、各方面の生物どもは植物に対して非人道的すぎ!植物だって痛むし悲しむのよ。意識改めて!」
「それは無理という話じゃないかね」
ロザリエルの無茶な願いに、学者肌のラルフが即答する。
「これは?」
「中型草食獣。シカかカモシカ?」
倒木から木の皮を剥ぎ取りながら、何やら汰磨羈と愛無が獣道に落ちているものを覗き込む。
獣の糞であるが……だいぶ乾いている。
これまでの道で落ちていた獣糞は、随分と歩いたがこれが初めてだ。
たまたま落ちていなかったのか、虫のせいで山の更に奥へと逃げてしまったのか……
木の皮に包むようにして、丁寧にくるむ。
そして、愛無がいち早く異変に気付いた。
「近い。大きなものが此処から真っ直ぐ、50m先。もう少し小さいものも三つ。2時の方向、40m先」
反響定位が教える距離と方角、そして大きさ。
間違いない、巨大昆虫だ!
滝のように汗を流しながらも、ようやく巨大虫に近づけたイレギュラーズは、此度の任務での追加注文を思い返していた。
【美しい上翅や脚は無傷で確保して欲しい】
つまり、物理損傷をあまり与えずに絶命させなければならない。
ばっちり、策はある。しかも、とっておきの秘策である。
おおよそこの辺りが惨劇の舞台……じゃなくて戦場になるだろうと目星を付けるファレルは、まず足元を整える。
大きな倒木はフレイがどかし、それとなく足場の三方を塞ぐように動かす。
自然に倒れたか、巨大タマムシに食べ倒されたと思われる倒木達をリズムよく砕いて泥を混ぜ込めば、滑りにくい足場が完成。
そして、肝心の罠だが……ファレルが整えた足場の中央に、ロザリエルがセットされる。
その下にはネットトラップ。虫の脚を掬うような罠が仕掛けられた。
傍らには獣の糞。草食獣の糞なので臭気はまだマシだが、気分は最悪だ。
何が悲しくて、食べられた草の死骸を横に置かれねばならぬ。
いそいそとトリモチや網を仕掛けるラルフと姫喬。愛無も狩人としての知識で細かく調整を整えてゆく。
「低めの位置とか、木と木を渡すように設置するのってどうかなぁ?」
「昆虫は這うように歩行する。恐らく有効と思われる。」
「ちなみにロザリエルさんは植物だとお聞き致しましたが、手足を切り落としても生えてくるので?」
念のためと、緑の少女の近くに控える女剣客。それにしても随分と物騒なことをいうものだ。
ただの好奇心であり、今はその様な無体は働かない。とは言うものの、目が輝いていた。
「君の、身体を張るその尊い姿に私はとても感動を覚えるよ」
必ずや最高の成果を持ち帰ろう、とロザリエルを励ますように言うラルフ。だが、明らかに口角が上がりかけている。
そして、彼の手にある瓶には何やら怪しい液体。
あれこれと仲間に囲まれた上、これから起こる事態を想像する。ロザリエルは、若干ヤケになってきた。
「この姿が!」
ラルフの手から瓶をひったくって、甘酸っぱい匂いの怪しい酒を虫寄せとして頭から被り。
「私の!」
さっきまでは行儀よく閉じていた花も開き、周囲に芳香を漂わせ。
「プライドよ!」
姫喬から借りた蟲呼びの鈴を、リリン、リンと鳴らす。
「私はねえ出来ることに手を抜くのが嫌いなのよ!虚弱貧弱無知無能の人間に出来ないことなら尚更!植物なめんな!!」
森に響くロザリエルの絶叫。どうもアルコールが回ってきたらしい。
風に乗って、酒や薔薇の匂いは森の奥深くまで。
そして……耳に入るは、ざらつく異音。
◆オーダーは無瑕の翅
明らかに、自然豊かな森とはマッチしない重低音。ズッ……ズッ……という、いやに腹にくる響きだ。
キラリと、木々の向こうに一瞬見える金属光沢の背中。それが、一直線にこちらへ向かってくる!
目の前に現れるは巨体が四つ。
聞いていた通り、通常の物とは大きく異なる規格外の大きさの虫達。そして、その身体は金属光沢のある甲殻に覆われている。
キラリと光る、森の宝石。いや、鉱脈と言うべき大きさか。
「ぎゃーっ!」
巨大タマムシにのしかかられたロザリエルの悲鳴……トラップが発動し、彼女もろともタマムシを絡めとった!
その作動音に混じって、パリパリ、めりめり、という嫌な音が聞こえる。
その傍らの獣糞には、センチコガネが我先にと群がろうとしていた。
足場を整えたとはいえ、この巨体に殺到されてはなかなか厄介だが……
「素材の為だ。強引にでも急所を狙いに行く」
罠近くに居た汰磨羈が腰を落とし、先陣切って飛び出す。
緑のセンチコガネを下から見上げるが如き低姿勢。そこから、勢いをつけて銀嘴穿體……金の気を纏う、鋭利な一撃を放つ。
狙ったのは神経節。脳と身体を繋ぐ生命の要だ。
ロザリエルから最も至近距離にいた無量が、バトンを受け取るように緑のセンチコガネの息の根を止めようとする。
神経節は刺し貫かれている。しかし身体の頑丈さか何かなのか、未だ虫は動きを止めない。むしろ、生命の危機を感じてか、動きがややもすれば激しい。
しかし、無量には見えていた。斬るべき線。この一刀で首と身体を泣き別れさせられる線が。
無銘の刀を振りかぶり、一斬り。
彼女の見込んだとおりに、緑色のセンチコガネの頭と胴は二つに分かれ、地に横たわる。
そうだ、罠役を買って出た勇敢な薔薇は無事だろうか?
「ロザリエルさん!大丈夫ですか!?」
「大丈夫じゃない……けど!そこらの植物と一味違うわよ私は!」
そのロザリエルも、タマムシに身体の一部を食まれながらも応戦していた。
戦意を高め、万に一つもタマムシや子分達が逃げぬよう惹きつけ続けている。
目の前のタマムシへ組み付く彼女だが、身体の所々や花は囓られボロボロだ。
それでも、攻撃を止めないのはやはり花の意地か。
「食われてばかりだと思うんじゃないわよ!食った分身体で払いなさいよ!」
ロザリエルは意を決し、目の前の虫の腹を狙って齧り付こうとする……あくまで、薔薇であってハエトリソウやウツボカズラではない彼女からすれば、下手物喰いに他ならない。
しかし、その決心も杞憂に終わる。
「無暗に傷付けるものではないよ、この虫の身体は私個人としても是非回収したい」
ふと、ロザリエルの身体は庇われるように横に押し出された。
見れば、好機とみてすかさず潜り込んできたラルフ。
彼の義手から繰り出される情けも容赦もない貫手が、的確に虫の神経節を破壊する!
まだ辛うじて動きまわることができると見えるタマムシ。今トドメを刺さないと、暴れられて商品価値を損ねかねない。
すかさず、呪いの籠もる弾丸、カース・マグナムでトドメの追い討ち。
ピクッ、ピクッ、と数回動いたかと思えば……巨大タマムシはついにその命の火を落とす。
一方こちら、青のセンチコガネへ奮戦中の姫喬とファレル。
これが初陣となるファレルは、すばしこい動きで虫をも翻弄させる。
頭や間接などを狙い、必要以上に負傷させぬよう少しずつ体内へのダメージを蓄積させてゆく。
可憐な容姿とは裏腹に、場数も踏んだ猛者である姫喬。
彼女は柳風崩しで昏倒せしめようと、ひとまず組技で狙うのだが……組み付く相手は、ヒトでも哺乳類でもなく、虫である。
巨大な虫の脚と恋人繋ぎになってしまった、姫喬の素っ頓狂な悲鳴が森をこだまする。
「ひいぃええええええ触りたくないいいいうあああああああ!!」
「落ち着いて!姫喬さん落ち着いて!」
心配するファレルの声も中々脳まで届かない。
年頃乙女として、綺麗な甲殻は惹かれるものがある。その部分に関して言えば悪くない、とは思えるのだが。
「うおォォぁぁァ動いてるゥゥゥゥでかい無理う″ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
響くソプラノの奇声。もう風のような動きとかなんとかもあったものではない。
ぐいぐいと押して、力の限りで虫の体勢をひっくり返す姫喬。
トリモチへ仰向けにひっかけるようにし、愛刀・八尋火を神経節を狙うように突き立てた!
「うっわ裏側ぎも″ィ″ぁぁぁぁぁぁ!!」
……視界が最悪だったのは言うまでもない。ファレルのナイスヒットで、もげかけた脚も二本くらいあったので尚更。
他個体とほぼ同時。
赤のセンチコガネに打ち込まれる、二発の毒攻撃。
フレイの襲穴、神経を麻痺させ毒に浸しうる恐ろしい拳。そして、穂先に女王蟻の毒を盛った愛無の槍が、虫の関節を襲う。
ポタポタと落ちる虫の体液。毒が回っている所なのか、時たまビクンと脚が閉じる。
「いくら綺麗だつってもよお!こんなクソきたねえ汁ぶちまけてたら、ゴミ山の鉄クズと変わらねえなァ!?」
身も蓋もないフレイの言葉だが言い得て妙。
宝飾品としての翅に期待する人々は、虫そのものを見ているのか、外皮の美しさだけ見ているのかは正直怪しい。
これ以上苦しませることも無いと、愛無の軽槍は赤いセンチコガネの頭と体の境界を鋭く貫く。
「恨みも無いが。命の重みが金の重みだ」
ひとまず、四体は全て傷は付けすぎず殺しきることは出来た。
ファレルは、何やら虫たちに手を合わせて拝んでいる。どうやら命を貰ったことに、哀悼と感謝の意を表明しているらしい。
「そういえば、タマムシもコガネムシも火を通せば旨いんだよね」
早く大きく育ちたい少年の御希望は、翅を外したら用済みの中の肉。
普通サイズの味を知る彼は、食べ比べてみたいそうだが。
「内臓は私も欲しいのだが」
食べたりはしないがね、と呟く大人のお兄さん。
むしろ、ファレルはそこまで大きく育ちたいならば、今回同席した成人男性二人に聞いた方が早いのではないだろうかと思わなくもない。
それにしても、往路で時たま見かけたように元々体の大きな種類とはいえ、何故巨大化したのかが不可解だった。
高値となる上翅や脚を取り外した後。
損傷の少ない外殻を切り分けるついでに、愛無が虫達の腹を丁寧に切り開いてゆく。
ラルフは、それに目を光らせ注意深く観察する。
「以前も生物の巨大化事件はあったがね」
「栄養や酸素が濃いと生物は巨大化すると言いますが、その様な科学的な理由ではなさそうですね」
色々と考えられるが、すぐに辿りつける答えがなかなか見つからない。
偶発なのか、人為的なのか。
「突然変異ってのか?」
汁だらけじゃねえかよ、と思いながらフレイは頭に浮かんだ言葉を口に出す。
愛無も言うように、単に栄養豊富で出現しうるなら、昔からこのサイズの虫が森に現れなければ辻褄が合わぬ。
その後、胃袋の内容物や、巨大タマムシの糞など色々と調査した結果。
この森の一点にのみ群生している、やはり固有種である野生のマメ科植物が怪しいという疑惑が浮上した。
この植物は練達からやってきた植物学者に採取され『イルシオンヘラクレスダイズ』と命名されるがそれはまた別のお話。
◆宝石翅はいかほどに
翅の扱いは姫喬が担当した。
「んふふ、あたしに任して。皆に得させっからね」
にしし、と上機嫌な姫喬。
商人をはじめとする、宝石翅を待ちかねていた人々を相手に、持てるコネクションを全てをフル活用。
翅の希少価値やクォリティを売り込みに売り込み、更にはこの機会だからと商人や貴族、職人衆へ縁を繋げる。
「あたしらと縁持つの、悪くなくない?これからもこういう素材あるかもだし。いっひひ!」
一方、こちらは里山から下りた麓。
「さて……ロザリエルは無事か? こう、色んな意味で」
「……そういえばロザリエル生きてるか?」
怖くて彼女の方を直視できない。大分派手に喰われる音がしたのは、皆聞いていた。
本人はうなだれたまま、ピクリとも動かず。
栄養価の高い水とかあげれば元気になる……と、思いたい。多分。maybe。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
初めてのリプレイでしたが、いかがでしたでしょうか?
皆様のご参加に誠に感謝いたします。
また、お待たせしてしまい申し訳ございません。
皆様の活躍により無事、翅は希望する貴族が購入したり、職人の手に渡りました。
希望した方は素材などを持ち帰れた扱いとなります。
MVPは身体を張った薔薇のお嬢さんへ。
お水をたくさん飲んで、ゆっくり休んで下さいね。
GMコメント
はじめまして!この度GMとなりました瑠璃星らぴすと申します。皆様、どうぞよしなに。
ではシナリオ一本目、巨大な虫退治をお送りします。
タマムシやセンチコガネ、凄く綺麗ですよね。
瑠璃星もPNの由来はルリボシカミキリだったりします。
◆任務内容
巨大昆虫の退治です。
放置すると町までやってきて木造住宅を食害されたり、下水施設を荒らされる危険があります。
町からの依頼は退治ですが、町に逗留している交易商人、王都の貴族や装身具職人からの追加依頼で【金属光沢のある美しい翅や脚を、傷つけずに倒す】ことを求められています。
◆場所
幻想郊外の里山、ほぼ森。
山と山の間に位置しており、近くの町の子供が冒険に来る位には人の居住地に近いです。
足元は泥や蔓草、倒木などあり悪いです。
蚊やアブ、ブヨなど飛んでいるので、そちらもしっかりと。
無対策の場合、転倒やスリップ、虫に刺されて激痛or痒みなどで悩まされる可能性があります。
◆敵
【イルシオンギガスタマムシ×1】
幻想固有種のタマムシ……ですが、この依頼で対応する個体は身の丈が2m近くある突然変異体です。
木を食べるのは幼虫期のみで大人になったら葉っぱを食べるはずが、成虫なのに木を食べます。
本来この辺に生息しているイルシオンギガスタマムシは確かに一般タマムシより大きいですが15cm程度しかありません。
突進などで抵抗してきます。飛行もします。
【レガドジョテイセンチコガネ×3(赤、緑、青)】
これまた幻想固有種のコガネムシ。現実で言うところのオオセンチコガネに相当します。
金属光沢があり、タマムシ同様に美しい甲殻を持ちます。
現実のセンチコガネ同様、他の動物の糞を食べて生きています。
女帝の名の通り、5cm程ある大きなコガネムシですが、当依頼での敵は何故か140cm位ある超巨大な個体です。
やはり突進してきます。飛行もします。
◆情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
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