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シナリオ詳細

エセカーテンコール:サーモンサイド

完了

参加者 : 16 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●魚類のごとく跳ねるもの
 ぴち、ぴち、ぴち、と――。
 それらは跳ねた。
 巨大な魚である。
 全長は、2mにも迫ろうか。
 そんな、魚たちである。
 彼らは、待っていた。
 町が静けさを取り戻すのを。
 何やら陸上生物が、愚かしくも続けていた小競り合い。それが収まるのを。
 ぴち、ぴち、ぴち、と――。
 魚は跳ねる。
 今こそ帰還の時ぞ。
 魚が、跳ねる――。

●バック・トゥ・ザ・天義の川
「サーモンが帰って来るのです」
 と、青ざめた表情で、『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)は、言った。
 静けさを、いつもの生活をようやく取り戻し始めた、天義の街である。
「サーモンって」
 誰かが、言った。
「サーモンなのです」
 と、ユリーカは言った。
「奴らは、ボクたちが――天義が消耗するのを待っていたのです。大戦後のボクたちの隙をついて、ここ、ほら、特設ページのマップの左上辺りにある川、そうそう、それなのですそれ! そこを上って帰ってくるのです!」
 帰ってくると、どうなるというのか。
「大変なことになるのです」
 大変なことになる、のか。
 ユリーカは頷いた。
「何せ、サーモンなのです。全長にして2m、武器としてサーモンブレードを持ったサーモンたちが」
 かえって、来るのだ。
 一大事であった。
 天義の街を揺るがす、一大事が。
 再び、起きようとしているのだ!
「お願いなのです、皆さん! このサーモンたちをまとめて釣り上げて、冷凍したり綺麗に捌いたり漬物にしたりして、美味しく頂いてほしいのです――」
 ユリーカは頭を下げた。
 さあ、英雄たちよ。今一度立ち上がるのだ!
 天義の街を、サーモンより救い出すのだ!

GMコメント

 お世話になっております。洗井落雲です。
 此方のシナリオ、一般的なサーモン釣り。いうなればサーモン・コールとなっています。カーテン・コール? 何それ?
 一般的なサーモン釣りですので、パンドラは減りません。むしろ回復します。やったぁ。

●成功条件
 サーモンを片っ端から捕獲して、お祭りを楽しむ。

●状況
 冥刻のエクリプス特設ページをお開きください。そこの左上辺りに川があるかと思われますが、その川を全長2mほどの『サーモン』と呼ばれる混沌独自の魚みたいな生命体が上ってきます。
 皆さんはコイツを迎撃、いや、待ち構えて片っ端から捕まえてください。別にプレイングに「俺は苦戦してしまうんだうわー!」とか書いても構いませんが、パンドラは減りません。むしろ回復します。やったぁ。
 サーモンの遡上って秋から冬じゃないの? とお思いでしょうが、これは鮭によく似て異なるサーモンなる生命体ですので、深く考えたら負けです。

●本シナリオにおけるルール
 以下の2点から、描写を希望するポイントを、『【数字】』という形式で、プレイング一行目にご記入ください。
 また、お友達、或いはグループ単位での参加や描写をご希望の方は、プレイング2行目に『【相手の名前とID】』或いは『【グループ名】』のご記入をお願い致します。
 記入のない場合は、希望の場所にて描写されない、迷子になってしまう等の不具合が発生する場合がございます。予めご了承ください。

 【1】サーモン漁場
    天義の川にて、サーモンを捕まえてください。
    サーモンたちはサーモンブレードや、サーモンバケツ、サーモンミサイルにサーモンロボットで武装していますが、
    あの激戦を生き抜いたローレットのイレギュラーズ達にとっては、イベントシナリオ以上の難易度にはなりません。
    思う存分サーモンを捕まえてください。

 【2】サーモン祭り会場
    捕獲したサーモンは、こちらの会場で美味しく調理されます。
    非実在生物サーモンなので、寄生虫や細菌などの心配は一切ありません。即刺身でも寿司でも行けます。味や肉質はサーモンです。
    もちろん、サーモン以外の食べ物や飲み物や酒や娯楽もあります。ここは祭りの会場です。
    なお、仮に【1】に誰一人参加しなかった場合でも、なんやかんやでここでお祭りが始まりますのでごあんしんください。

●諸注意
 基本的には、アドリブや、複数人セットでの描写が多めになります。アドリブNGと言う方や、完全に単独での描写を希望の方は、その旨をプレイングにご記入いただけますよう、ご協力お願いいたします。
 過度な暴力行為、性的な行為、その他公序良俗に反する行為はお控えくださいますようよろしくお願い致します。
 可能な限りリプレイ内への登場、描写を行いますが、プレイングの不備(白紙など)やキャパシティの限界により、出来かねる場合がございます。予めご了承ください。

 以上となります。
 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。

  • エセカーテンコール:サーモンサイド完了
  • GM名洗井落雲
  • 種別イベント
  • 難易度VERYEASY
  • 冒険終了日時2019年07月30日 22時10分
  • 参加人数16/∞人
  • 相談7日
  • 参加費50RC

参加者 : 16 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(16人)

透垣 政宗(p3p000156)
有色透明
シャルレィス・スクァリオ(p3p000332)
蒼銀一閃
アラン・アークライト(p3p000365)
太陽の勇者
銀城 黒羽(p3p000505)
フロウ・リバー(p3p000709)
夢に一途な
ルウ・ジャガーノート(p3p000937)
暴風
ヨハン=レーム(p3p001117)
おチビの理解者
ワーブ・シートン(p3p001966)
とんでも田舎系灰色熊
ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
優穏の聲
御天道・タント(p3p006204)
きらめけ!ぼくらの
リナリナ(p3p006258)
アイラ・ディアグレイス(p3p006523)
生命の蝶
エル・ウッドランド(p3p006713)
閃きの料理人
フラン・ヴィラネル(p3p006816)
ノームの愛娘
アンジュ・サルディーネ(p3p006960)
海軍士官候補生
ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)
生イカが好き

リプレイ

●バトルオブ天義の川
 彼方より、雷の音の響く、無駄に緊迫した空気の中。
 川岸にて、両者は退治していた。
 彼方――無数の『サーモン』達。
 此方――天義の騎士たち、そしてイレギュラーズ達と、おこぼれを狙う野良猫の群れ。
「サーモン!」
「サーモン!」
 サーモンたちが、啼いた。バシャバシャと水しぶきをあげ、異常な武器を構えたサーモンたちが、一斉に川岸へと駆けてくる!
「これすっごいデジャヴがあるよ! ほら、こいのぼりを阻止するためにコイと戦った時の奴!」
 もう我慢ならん、と言った様子でツッコむのはシャルレィスである。ネタかぶりとは思いつつ、カーテンコールとサーモンコールをかけたダジャレを思いついていしまった奴を恨んでほしい。
「俺は……前世を思い出すな。緑色の海の――」
 何らかの力が、ジャガーノートの発言を聞こえなくした。ブラックなバイトの思い出など、とてもではないが恐ろしくて語ることなどできまい。
 いずれにせよ、もはや戦端は開かれたのである。戦わなければ――否、釣らなければならない。
「きっと、エリート・サーモンとかいるよね……狙うは、そいつっ!」
 シャルレィスが駆けだした。敵の接近を察知したサーモンたちが、肩に背負ったサーモンミサイルを一斉に構え、発射――することはできなかった。ジャガーノートの投げはなった岩石が、そのミサイルポッドを破壊したのだ!
「ポッド持ちは、片方だけ破壊して放置だ! いけ、シャルレィス!」
 ブラックバイトの思い出に引きずられたジャガーノートが叫ぶ! シャルレィスは頷き、跳躍した。それを迎え撃つ、エリート・サーモンもまた、跳躍する! 空中で、刃と尾びれが激しく、強く、交差した――。
 アンジュはサーモンを許せなかった。おこである。かならず、このサーモンたちを除かねばならぬと決意したのであった。
 アンジュはエンジェルいわしである。エンジェルいわしを愛し、エンジェルいわしに愛されて生きてきた。それ故に、他の魚介類へは人一倍敏感だったかもしれない。
「すべてのエンジェルいわしたち! パパの群れたち! 今こそ、決戦の時だよ!」
 放たれるいわしミサイル――いわしの突撃なのだが、その姿はミサイルのようには見えた――が、次々とサーモンを貫き、川底へ突き刺さっていく。うわ、いわし強い。だが、サーモンも負けてはいなかった。サーモン技術の粋を結集して作り出されたサーモンロボが出撃。そのサーモン装甲は、いわしの群れなどものともしない。
「こうなったら……みんな力を合わせて! 最終合体! 岩熾天使(いわしてんし)・セラフィム・ザ・サルディーネ!」
 すべてのエンジェルいわしたちが、そしてアンジュが合体していく。現れた岩熾天使、おお、その神々しき姿よ! 岩熾天使はサーモンロボと取っ組み合いの戦いを始めた!
「っていうか、この時期に帰って来る鮭って、時鮭じゃないのか。時知らず」
 その隣くらいで、次々とサーモンを釣り上げるのは黒羽である。ブレードを持っていようが、ミサイルを持っていようが、釣ればいいじゃん。鮭なんだから。大正解である。
「時知らず……遡上時期とは外れた鮭ですね。卵がない分、身に油や栄養が詰まっていて、極上の味だと聞きます」
 同様に、さっさとサーモンを釣り上げ、川岸に放り投げるようにリリースしていくフロウ。今こそ、持っている技を最大限発揮する時である。また一匹、サーモンを釣り上げた『愛用の釣り竿』は、活躍の場を得、どこか嬉しげにも見えた。
「やべぇな、テンション上がってきた……」
 次々と釣り上げられる、極上のサーモンたち。しかも、通常の鮭とは違い、即座に刺身でもイケるという、川岸に積み上げられるご馳走の山。手早く血抜き処理をして〆ていく。
「まさに大漁。少しは天義の復興に、役立てられそうですね」
 フロウも、嬉し気に微笑むのだった。
 いわしが舞う。サーモンが舞う。
 ワモンの放つガトリングいわしミサイルが、次々とサーモンをなぎ倒していく。イレギュラーズは、いわしをなんだと思っているのか。
「うおー! サーモン狩りだぜー! サーチアンドデストロイ! サーチアンドデストローイ!」
 テンション爆上げで破壊活動にいそしむアザラシ。
「大変……! 大変だよ! サーモンの呼び声、サーモンに反転、そして最後はあたしたちもサーモン巻きとして食べられちゃうんだ……!」
 あんまりと言えばあんまりな状況にパニックになったのか、フランは目をぐるぐるさせながら叫んだ。その背後にて爆発するのは、ワモンの放ったマダコ爆弾。いわしとサーモンが吹き飛び、フランの目の前に落下してきたのを、
「うわあああ、危ない、避けなきゃ! さけなきゃ……さけ……サーモン! やばいもう呼び声が!!」
 ぐるぐる眼でマジックロープを振り回すフラン! 結構なあほの子ぶりであったが、その実力は充分、次々とサーモンを釣り上げては放り投げていく。
「ええ……っていうか、どういう状況なんですかぁ……」
 困惑の色を隠さずワーブが言う。そりゃあ困惑するのも仕方あるまい。サーモン釣りと聞いてやってきたワーブが見た物は、いわしが舞い、サーモンが舞う戦場である。なんだこれ。でもこれが混沌世界と言う物かもしれない。しょうがないね。
 と、棒立ちのワーブに、サーモンが襲い掛かった。バシバシと尾びれやサーモンブレードを振り回すサーモンたち。だが、
「ヴォォオオオオッ!!!」
 吠え猛るワーブは、それらを迎撃する! ブレードを左手で受け止め、逆の手でサーモンを力強く殴り飛ばす! 殴り飛ばされたサーモンは、そのまま川岸へと吹き飛ばされて落下。びくり、と身体を震わせるや、そのまま動かなくなる。
「どんなことがあろうとも、獲物には手加減しませんよぉ!」
「うわああん、おいしく食べられちゃえーーーーー!!」
「全部消し飛んじゃってもテヘペロ♪ 狩るぜ狩るぜー!」
 3人の叫びは、爆音と水音にかき消えていく……。

●サーモン・パーティ
「オーッホッホッホッ! いわしVSサーモン……何とも迫力のあるバトルですわ……!」
 ひまわり柄の日傘をさしながら、遠めにて川を眺めるタント。その傍らにあるテーブルには、焼きサーモンの乗った皿と、キンキンに冷えた牛乳が置かれている。
 此方は、川の近くに併設されたサーモン祭りの会場。とれたて新鮮なサーモンをその場で調理し、堪能できる形となっているのだ。
 タントが焼きサーモンを肴に牛乳を飲んでいると、パン――サーモンフライを挟んだ、しなびたパンだ――を手にしたエルが通りがかる。
 焼きサーモンと、牛乳。一見すれば奇妙な取り合わせに、小首をかしげるエル。むむ、とタントは口を尖らせた。
「合うんですわよ牛乳と焼きサーモン! ほんとですわ!? サーモンってクリームシチューとか味噌バター鍋に入れたりしますでしょう!?」
「言われてみれば……」
 ふむふむ、と口元に手をやって、頷くエル。それも言い訳のような気もするが、タントの口調には、有無を言わせぬ説得力があった。
「お判りいただけたのならば、よし! ですわ!」
 むふー、と得意げに息を吐くタント。しかしふと、その視線をエルの手に移し、
「ですが……タルタルのサーモンフライサンド! それもよいですわね。どちらの屋台にあったのかしら?」
「これは、私の手作りですよ。よかったら、作りますけど」
 微笑むエルへ、タントは頷いた。
「お願いいたしますわ! お礼はこの、」
   \きらめけ!/

   \ぼくらの!/

 \\\タント様!///
「……が、しっかりとさせていただきますので!」
 得意げに胸をそらすタントへ、エルは微笑んで、
「じゃあ、フライを揚げてきますね」
 と、返すのであった。
 エルたちも向かった調理広場では、様々なサーモン料理が、次々と出来上がっていた。珍妙な生き物だが、しっかり料理すればおいしいのである。そこは安心してほしい。
「あぁ、こっちは何か安心感のある打ち上げですね……」
 何やら安堵の表情で給仕を続けるのは、ヨハンである。どうやらとんでもない打ち上げがあったようだ。きっと傘を持ってバンジージャンプをさせられたのだろう。なんて恐ろしい事なのでしょう。
「ヨハンくん、こっちにお刺身をいただけるかな?」
 と、テーブルにて手をあげるのは政宗だ。
「はいはーい! たくさんお食べになりますね」
 にこにこと笑顔でのメイドムーブを決めるヨハン。テーブルの上に刺身を置いてみれば、確かに大量の料理、そして空の皿が積まれている。
「う。ちょっと食べ過ぎかな?」
 少しばかりほほを赤らめつつ言う政宗へ、しかしヨハンは笑った。
「いえいえ、沢山食べられるのは良い事ですよ! まだまだ山ほどありますからね」
「刺身もいいが、こんなものはどうかな?」
 そんな二人の下へ、丼を持って現れたのは、ゲオルグだ。テーブルに置かれた丼を見てみれば、そこにはサーモンのほぐし身の混ぜご飯が入っている。
「サーモンの大きな切り身をバターで焼く……勿論、皮もしっかりだ。そして、焼きあがったサーモンの切り身に醤油を適量かけ、適度な大きさに切り分けた物をご飯に入れて混ぜ合わせたものだよ。シンプルだが、それ故に止まらなくなる旨さだぞ」
 にっ、と笑うゲオルグ。丼を受け取った二人が一口、それをほおばってみれば、香ばしくも甘いサーモンの香りが口中に広がった。
「こ、これは……!」
「おいしいですね!」
 政宗とヨハンが、その味に舌鼓を打つのを、ゲオルグは、
「だろう? まだまだお代りはあるから、沢山食べてくれよ」
 満足げに、笑って頷くのであった。
「……2m越えとは、無駄にデカいな……!」
 台に吊るされ捌かれるサーモンを眺めながら、アランは呟いた。こんな非常識な生き物がいるとなると、天義も随分と『こんな感じに』なってしまったものだ……と嘆息する。今後にもご期待ください。
「サーモン、ボクよりおっきくなった、ですか……!?」
 ふと、声の方を見れば、アランのすぐ隣、吊るされたサーモンを驚きの表情で見つめる人物……アイラの姿があった。その様子に苦笑しつつ、アランは声をかける。
「いや……こいつは特殊というか……まぁ、なんだ。イレギュラーズの祭りってこんな感じだから、あんま深く考えるな」
 その言葉に、小首をかしげて、アイラは頷く。
「お前一人なのか? ほら、こいつも美味いぞ」
 そう言って、アランが差し出したサーモンの串焼きを、アイラは受け取った。ありがとう、と礼を言うと、パクリ、とかじりつく。
「……! おいしい、です……! これ、お礼です! いわゆる交換、ですね。ふふ」
 にこり、と笑ってアイラが差し出す巻きずしを、アランは受け取ったかじりつけば、酢飯とサーモンの心地よい甘さが、舌を楽しませる。
「悪いな。……というかお前……初対面、だよな? 俺はアランだ。一応勇者やってるもんだ。お前の名前は?」
「わ、はい。確かにそういえば、はじめまして、ですね。ボクはアイラ……魔法使い、です。アランくんは、勇者なのですね」
 柔和な笑み……どこか人懐こいそれを浮かべて、アイラが言う。打ち解けやすいのは、アイラの持つ人柄だろうか。アランはその空気を借りて、答える。
「ま、勇者らしいことは全然出来てないんだがな。もし遊ぶ相手がいねーなら、時間潰しに話でもしねーか? …………あ、ナンパじゃねーぞ!」
 自分の行動、下心があるかと思われたかもしれない。慌てて否定の言葉をあげるアランへ、アイラは分っている、というふうに、くすくすと笑った。
「ボクでよければ、喜んで」
 奇妙な催しで紡がれた縁。それが、この後どのような関係性を描いていくのか、それはまだ、分からない。
 だが、悪いようにはならないだろう。
 そんな風に、なぜだか思わせるのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ご参加ありがとうございました。
 僕はシンプルに焼き鮭が好きです。

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