シナリオ詳細
クラシック・ローズの研究
オープニング
●クラシック・ローズの研究
諸君、魂の重さを知っているか。
ある階層のある世界にはダンカン・マクドゥーガルという男が居たのだそうだ。彼は死に際の人間の体重変化を観測し、魂の重さを計測しようとしたそうだ。
所説はあるが彼の研究結果はこうだ。
――人間の魂の重さは21グラムである――
ならば、3/4オンスしかない我らの魂はちっぽけではないか。
此処でわたくし、クラシック・ローズは考えるのだ。
3/4オンスという魂の容量は果たして心と区別されるのか。
諸君。
私は知りたいのだ。
ちっぽけな魂を心はどれ程までに重視しているのか。
●練達
練達が『探求』の塔、カスパール・グシュナサフが塔主を務めるその場所にクラシック・ローズの研究室はあった。中性的な、おとこともおんなともとれる穏やかなかんばせに瓶底の眼鏡を乗せた研究者の題目は『魂』。
「いやね、私は思うのだ。
死生観の違いと行ってもらっても構わない。魂が物量として存在しているのならば別の体にその魂を乗せ換えても同じものであるのか。
それとも、心という『別のシステム』が存在しているが故に別物になってしまうのか」
皴のついた白衣に頓着することなくクラシック・ローズは言う。
一つ、実験をさせて欲しい、と。
「これは『シミュレーション装置』だ。諸君にはこれを使用してもらう。何、簡単な事だ」
それは黒い滴を内包した結晶の様なものであった。
クラシック・ローズはフラスコの中のそれを指先でつん、と突く。
「これを飲み込んで欲しい。体の中で溶けるまでは凡そ2時間。
その間に諸君には私の願う『実験結果』を採取してきて欲しく願う」
クラシック・ローズの作成したそれを他の研究者たちは金平糖のようだと口にした。
甘い砂糖菓子の様に溶けていく只のひとつの結晶。舌触りが悪いとクレームを入れた研究者に「それは済まない」とクラシック・ローズは軽口を返す。
実験結果。
研究者はただそれを望む。
「君達は殺人鬼だ。これから無辜なるこの世界の罪なき人々を殺してほしい。
その時に感じた思考を私に教えて呉れまいか。
シチュエーション装置である以上それは飽くまでも『ゆめまぼろし』に過ぎない。
いや、君達がこの実験を拒否することはできる――ならば君達は『殺人鬼』として駆逐される側になるだろう!」
クラシック・ローズは只、言った。
「何故ならば! 君達は『殺人鬼』にそうしただろう?」
●クラシック・ローズの『本題』
ローレットにある依頼が来たとしよう。
とある殺人鬼が罪なき人々を殺していると。殺人鬼の捕縛や殺害をオーダーされた。
その時君はどうする?
情状酌量の余地もない快楽殺人鬼だったら殺すだろう。
ただ、悲哀の果てに連続殺人を犯した者なら罪を償えというだろう。
それがもし、『魔種』であったならば? 勿論殺すだろう。
この世界のため。
この世界のため。
この世界のため。
命の重さに貴賤はないのに!
ああ、君達はどうしてそうも『判別』する?
心がそうしろというのか。
ならば、心とは全てを推し量れるものなのか!
ただの一度の対面だけでその相手を悪と断ずることができるのか!
私はそれが知りたいのだ。
- クラシック・ローズの研究完了
- GM名日下部あやめ
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2019年06月28日 23時35分
- 参加人数8/8人
- 相談5日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●
曰く――魂には重さがあるのだという。
ならば心とは?
心とは、なんであろうか。
●Case:1
彼女は言う。
「人っていうのはどれだけ綺麗事を言っても弱肉強食」なのだ、と。
『魅惑の魔剣』チェルシー・ミストルフィン(p3p007243)にとって初仕事にもなる『オーダー』は殺戮の連続で会った。
クラシック・ローズの言う心と言う倫理。チェルシーは心とはステータスの一種であると認識していた。
「心が弱ったり狂ったりした物は淘汰される。
自分は善良だと言い張る者たちは自分の非が僅かばかりも無いと言う。
善悪はただの宗教的概念で現実は強弱のみ、それが私の世界の感想」
「ほう」
クラシック・ローズはチェルシーを見る。善良であると認識する人々は皆、『そうであらんとするだけ』だとでも言う様に。
「例外があるとすれば……負け続けの生に慣れ過ぎるとそれが気持ち良くなってくるって事ね、私みたいに」
夢を見るように、喉に落ちた幻の気配。
チェルシーは仮想空間にて一人を手招いた。仮想空間と言えば、と彼女の中で『想定されたシチュエーション』。
クラシック・ローズはそれを生き物とはどのような状況でも種の継続に繋がるのかと興味深そうに眺めていた。
「キモチイイ幸せな状態で逝ってもらいましょう?」
見知らぬ男の頬に手を添えて笑ったチェルシーの目にちりちりと焔が宿る。
一般人を殺すのは他愛もない。ショック攻撃を伴うそれ。人とはどうしてこうも簡単に死を迎えるのか――
「さぁ──その正義という名の力にまみれた不浄な剣や槍で私を貫いてぇ!
私を分からせて! 私が悪い子だって! さぁ!!」
誰かに殺されるなら本望だ。痛めつけて、虐めて貫いて、どこまでも――
●Case:2
「3時間殺したい放題!? ほんとに!? わあーい!! ひさしぶりの殺しまくり!!
なにしてあそぼっかなあ〜! えへへへ! いっぱい楽しむね〜!!」
『ちいさな元魔王』黒金(p3p006988)はきらりと赤い瞳を輝かせた。
まずは昔話をしよう。
とある世界で魔物とヒトとの間で戦乱が起きた。彼は魔物軍の王であったものの成れの果て――だからこそ『殺しには慣れて』いた。
クラシック・ローズはそれを興味深いと見詰めている。逆に『殺しに慣れている彼が殺してはならないという現状』はどの様な気持ちなのであろうか――?
伸びた前髪の内側でその瞳が爛々と笑う。
「じゃあ、あのおにーさんはタテにずぱーっとまっぷたつに斬って!!
あのひとはおっきくて刃通んなくてたいへんそうだからひざのお皿割ってからいっぱい刺そう!!
お? あのひとは目がキレイだなあ〜! えぐってもって帰ろーっと!」
嗚呼、何処までも純粋無垢な子供ではないか!
討伐隊の女騎士が声を張る。あの『生き物と認められぬもの』殺せ、と。
「……あー……あのおんなはうるさいな。喉つぶそう。
あ、そこで泣いてるこどもはにがすよ。もっとおっきくなったらぼくとあそぼーねー!」
気持ちはどこまでも朗らかであった。黒金は生きた人間に手を伸ばす。
「ゆめまぼろしの中で血飲んだらどうなるのかなあ? さすがに乾きは癒えないかな。
でも輸血パックじゃない生きたニンゲンにかぶりつくの久しぶりだからちょっとたのしみかもしれない。……おんなの血はまずいから、いらなーい」
騎士の女の体を振り払うようにして、血潮に濡れた儘、彼は幼い子供の様に笑ったのだった。
「……ていうかさあ、魂とか心とかむつかしーこといってるけど……どうでもいいよね?
殺さなきゃ殺されるっていうんなら、殺すよね?
生きるために殺すなんてほかの動物でも当たり前にやってるのに、なんでやっちゃいけないのかな。楽しいのに。つまんないの」
唇に手を当てて首を傾いだ黒金のその言葉はクラシック・ローズの研究データに確かに組み込まれた。
それは倫理という言葉で片付けられてしまう在り来たりな疑問だが、疑問に思えるならばそれはこの研究にもピッタリだ。
「でもイケないことやっちゃう楽しみはいいよね!! それはすき!! わくわくするよね!!」
――さあ、周りを取り囲む者を殺さねば、死ぬのみだぞ、とせせら笑って。
●Case:3
『善人』と『悪人』。『魂の重さ』。
その言葉を耳にして『アニキ!』サンディ・カルタ(p3p000438)は「ナンセンスだ」とそう言った。
「ナンセンス?」
「ああ。そういうのを敢えて区分けしたり、あるいは『平等だ』と言い張ったり。
それはあくまで表面的なものだろ? それに惑わされて分類に執着することがナンセンスだと思うぜ?
『殺す理由』も『殺さない理由』も、たいていの人にはない。
あるとすりゃ『言い訳』。自分の中だけの『自分づくり』に過ぎねえよ」
ほう、とクラシック・ローズはそう言った。ならば彼はどう選択するか――
「俺はもう殺しちまってんだろ? ヒーローの仮面も、破れちゃ何の役にも立たねぇ。
……面白れぇ話だよな。
いくら助けを求めても、皆は俺を無視するくせに。
俺がたまたま1人殺せば、たちまち何人もが執拗に追いすがって叩き潰しに来るんだ」
サンディはゆっくりと顔を上げた。討伐隊が――いつもの自分がそこには立って居る。
「……ああ、イライラする。
善悪じゃねーよな ?単に興味なかったんだろ? 何か殴りたかっただけだろ?
殴っても周りから文句言われない奴をさ。
他の誰もが『文句を言わない』なら、『俺が』自分で抗議するしかねーよな」
彼は、只、ヤケだった。自暴自棄になった儘討伐隊に刃を振る。
どうしてか、それは望まれざる存在の様な扱いを受けたからなのかもしれない。
「ま、俺みたいなのは死んで当然って話だよな。
生まれてから、死ぬまで。そんな感じか。くそ」
毒づいても、襲い来る刃はなおも、止まらないのだ。
●case:4
ティーカップを手にしていた『特異運命座標』エリザベス=桔梗院=ラブクラフト(p3p001774)はにんまりと笑う。
「この世界に召喚された当初は、内部プログラムの原則『人間を殺めてはならない』に従い行動しておりましたが、いつしかそれも希薄になった気がします」
「ほう?」
「ええ、それこそ『結果的に死んでしまったらしょうがない』くらいには。召喚の影響なのでしょうか?
とはいえ、明確な意志を持って人間を殺そうとするのは難しゅうございます。
ロボットがプログラムを無視して行動したらどうなるのか――そちらも捨て難いのですが、わたくしはむしろこちらの方に興味があるのです。『死』とはどんな味なのか――と」
穏やかに笑ったエリザベスの言葉に興味深そうにクラシック・ローズは笑った。
「さて。そもそも仮想空間でのシミュレートに過ぎないと自覚してしまっては、殺人行為を犯す人間のリアルな心理の研究はできないと思うのですが、『黒雫の欠片』が何とかしてくれるのでしょうか?」
「まあ、リアリティは与えるさ。さあ飲み干しておくれ」
死と謂う概念を得れるのか。この、シチュエーションは彼女に取っても好奇であった。
逃げ場なく、火の粉を払いつつ歩み行く。
「『特異運命座標』同士が本気でぶつかり合うシチュエーションというのもなかなかないので、貴重なデータが得られそうです」
そうした言葉にクラシック・ローズは『こちら側の人間だ!』と彼女を称した。
「ええ、『人生とは選択だ』と申します。
ある可能性を選び、別の可能性を捨てるのだと。なれば、選択されたものに貴賤は無く、選ぶという行為にこそわたくしは魂の輝きを感じますよ」
――迫る、迫る、迫る。
●case:5
命への価値付けに意味は無い。それは、時代が進めばいくらでも変わる。
殺戮者が英雄とされる事があれば、その逆もある。
――所詮、価値というのはそういうものだ。
淡々と告げた『五行絶影』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)の言葉に、クラシック・ローズは成程と頷いた。
「生死に付随する、因果の波及。
この殺業は、過去の何が要因なのか。未来に於いて何を齎すのか。
知りたくば、神に祈るか? ……否。揺らいで弾ける命の波涛、世界に遍く形而上のうねりは、神の答えすらも容易く押し流す事を私は知っている」
波及する。只の、ひとつとして。汰磨羈は指先で砂糖菓子を弄び、クラシック・ローズを見た。
「ならば、何を以て殺業を成すのか。『決まっている。それは、意志に他ならない』――己が信じるモノを貫く意志。魂を前に進ませる為の力。生き抜き、生かす為の原動力」
空想の中で、彼女が相対したのは討伐隊だった。
悪ではない、正義を冠する彼ら。悪ではない相手を殺せるか――否。
『生き抜くべきと思うから斬る』という言葉が確りと当て嵌まっていた。
「相手が殺人鬼ならば、未来にて奪われる命を守る為に斬る。
その者が贖罪を成すのなら、その贖罪が救う未来の為に償わせる。
その未来が本当に訪れるのかは分からない。だからこそ」
じっとりと、掌が汗に濡れた。汰磨羈は飛び込む様に、討伐隊へと斬り込んだ。
「『自分の意志と決断を信じ、突き進むしか無かろう!』
燃やし、生きるために只、それを繰り返す。
心とは。霧の中を進むための決断力。
生きたい、生かしたい。その為に必要なものに手を伸ばし、掴み取る力。
そのためならば止まってはならない。止まってはいけない。
止まればそこにあるのは死のみなのだから。
心を注いだ魂――『命』の在り方だ。ならば、心もまた、魂の重さに含まれるのだろうか?
●Case:6
もし、「善人」と「悪人」の間になにか違いがあるのなら、私も知りたい。
それで誰かを救うことができるのなら、私はなんだってするよ。
じっとりと、その手は濡れていた。汗か、緊張か。
『希望の蒼穹』アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)はは、と肩で息をする。
狙うはお人よしだった。頼みごと箱追われないし、捨て猫だって見捨てられないような、そんな人。そういう人を、彼女は殺すこととしていた。
花の色は移りにけりな。ああ、乙女は表情を変えて凶行へと及んでいく。
――殺すことを割り切れるはずなんかない。
仮初。そう分かっていても心は拒絶の意志を見せていた。
頭が痛い、吐き気がする。手が震える。なんで殺したんだ、やらなければよかったのに!
怖い。
怖い。
怖い――うそだ、大勢殺せば心が軽くなるなんて、そんなウソ。
怖い。
怖い――殺せば殺すほどに荷物が増えていくじゃないか。
怖い。
(でもやり遂げなきゃいけないんだ、『仕事』だからじゃない。
『私がやると決めた』から、依頼だってなんだって、全部自分の意志。
――私の意志で人を「判別」してきた、だから今回も最後まで貫くんだ)
殺さないでくれと陽との声が反響した。乙女の手は、未だ血で濡れている。
クラシック・ローズはその心の揺らぎに素晴らしいと手を叩いたのだった。
●Case:7
一人の少女が泣いていた。
『不運な幸運』村昌 美弥妃(p3p005148)の姿はそこにはあった。
不幸を巻き込み、手を汚さずに誰かを殺す。人のいのちはあっけなく壊れていくのだ。
運が悪かった、それならば誰も罪の意識なんて抱かないのだから。
「ぐすぐす」
嘘吐きの泣き虫だった。嘘をついて、罪の意識なんてなくとも不幸を嘆く様に彼女は、笑った。
「いいんデス。ワタシは幸運にも生き残れると思いマスけれどぉ」
彼女は殺人鬼らしい殺人鬼と言うものについて思考した。
殺人鬼とは何か。その定義とは。
「自分の手で殺したら? ならワタシには関係ないデスぅ。
『だって一切武器は振るっていないのデスからぁ』……ワタシはここにいただけ、その場にいただけ。そうしたら、不幸にもワタシの側にいた人が死んでしまっただけ……」
その言葉は、どこまでも『呪い』を帯びていた。彼女はただ、悲し気に目を伏せるのみだった。
「あぁ、でもワタシの『不幸』に巻き込まれたっていうのなら
そうデスねぇ、きっとワタシのせいなんでしょー。
だからワタシも殺しに来たのでしょうねぇ?
なら、ワタシは何もしていないことを証明して上げマスぅ
ただただ『不運』のせいで人が死んでしまったと『不運』ゆえに人を殺してしまった、と」
討伐隊はその言葉を聞いて、彼女を罪人と断罪するのだろうか。
不運故に、との言葉にお前のせいでと叫ぶ声がする。
え? と彼女は首を傾いだ。
「……ねぇ、ワタシは悪くないデスよねぇ?」
●Case:8
「特異運命座標になる前は、生きる為に力を振るってきた」
『紅蓮の盾』グレン・ロジャース(p3p005709)はクラシック・ローズへとそう言った。
「直接命を奪うことはなかったが、単に運が良かっただけだ。
俺が奪って食ったパンを食えずに、死んだヤツもいるだろうさ
生きる為に仕方なかった……そんな言葉じゃもう、何より自分を騙せねえ」
その言葉にクラシック・ローズは首を傾いだ。殺せばいいじゃないか、と。
「誰かを殺すことに、仕事だから、強いられたから、なんて甘えた事は言わねえさ。
選ぶ事も、選ばない事も、いつだって決めるのは自分自身だ」
――『自らの行為に責任を負え』
罪とは自分で決める者だと、そうグレンは口にして。
「命に等しく価値ありとするならば、奪う事は罪、暴力は悪だ。
暴力を阻止するための暴力ならば善か?……否だ」
「それは?」
「暴力を振るわぬ事が善ならば、暴力を見過ごすことは正義はあるか? ……否だ
正義とは法に従うことか? ……断じて否だ
正義と悪は相容れぬものじゃない。むしろ逆だ」
彼は苛立ったように討伐隊を見詰めた。
――『悪を為さねば、正義を行えない』
「世界だの誰かだのを救うためなんざ、責任逃れの言い訳さ。
正義ってのは世界や他人に認めて貰うもんでも、誰かに許して貰うもんじゃねえ。
善悪は変わる。視点一つでコロッとな」
そう、その言葉に彼は打ち震えた。自身を悪だと呼ぶ者が居れば、それだけで自分たちは善悪が変わっていくのだ。
ただ、無心に彼は吼えた。
「だから俺の中の21グラムのちっぽけなモンが、口やかましく言うんだよ
『言い訳すんな、覚悟決めろ』ってな。俺は俺が感じるまま、即ち魂に従う!
許せねえ事を許すのは……寝覚めが、悪いんだよ!」
振るったのは正義だったか悪だったか。それを決めるのも彼なのだろう。
●
クラシック・ローズは頬杖をついたまま、重ねられたレポートを眺めている。
「ふむ」
小さく呟く。
「ふうむ」
唇にゆったりと浮かべた笑みは、また新たな研究へ進む気配を予見させていた。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
この度はご参加ありがとうございました。
バーチャル世界でのことですが、難易度相応の判定をさせていただいております。
また、皆様にお会いできますことを。
GMコメント
日下部と申します。
●成功条件
クラシック・ローズの研究への協力
・殺人鬼となる場合→罪なき人々を殺してレポートを提出してください。
・殺人鬼とならない場合→騎士や特異運命座標等により断罪されます。レポートを提出してください。
●『クラシック・ローズ』
本名不詳。練達が探求の塔に研究室を設置する中性的な博士。
瓶底眼鏡で素顔を隠し、皴だらけの白衣を身に纏っていますが、実害のないマッドサイエンティストの風貌にも捉えられます。
研究課題は『魂』。詳細はOPに記載されています。
●黒雫の欠片
クラシック・ローズが作成したシチュエーション装置。
効果早く3時間。咀嚼することで腹の中で溶けて消えてしまいます。砂糖菓子の様な食べ心地ですが少しいがいがとした感覚がのどに残ります。
喉を過ぎ去れば大した感覚は在りません。
黒雫の欠片を咀嚼後、体本体は昏睡状態になり、思考上にてシチュエーションVRを体感することができます。
今回は『殺人鬼』。皆さんは討伐隊が出されるほどの連続猟奇殺人犯です。
常に討伐隊(騎士団、ローレット、傭兵)に追われる事となりますが、殺人を繰り返してください。
無辜なる混沌世界に存在する『罪なき人々』がターゲットです。
また、殺人鬼となることを『拒否』することもできます。その場合は殺人に及ぶ事無く討伐隊との戦闘を実行してください。
一定数の殺人を終了するか、それとも討伐隊により『討伐』されるかで混沌より醒めることができます。
●プレイング
当依頼はプレイング冒頭に【殺人】【拒否】の何れかをご記載ください。
また、能力は皆さんのステータスシートに準じます。
スキルや『ギフト』を効率的に使って殺してください。
また、スキルの不殺はシチュエーション装置内にては『off』にすることができます。
ローレット、ハイルールは関係なくシチュエーション装置の中で悪逆の限りを尽くすor討伐隊と戦ってください。戦闘放棄は研究への参加放棄とみなされますのでご注意ください。
また、シチュエーション装置での行動すべてを観測し、自動的にレポートとして作成されます。
依頼の関係上、『心情』を重視しての判定をさせていただきます。
皆様の思い描いたシチュエーションでの討伐/殺害をどうぞよろしくお願いします。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
●最期に
クラシック・ローズは善人でも悪人になり得ると考えます。
魂の重さは同じ。ならば、心とは何か。
いきなり人を殺せと言われて殺せるものか。
仕事ならば、と割り切れるのか。
それが知りたいのです。
どうぞ、よろしくお願いします。
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