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シナリオ詳細

さらば、我が恋よ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●君へ、
 その姿は、変わらぬままだった。
 美しい笑みに、幼い少年から少しずつしか変わらぬ背丈。
 対する私はもう、随分と大人になったのに。
 幼い頃に手を引いて走ったあの日。
 余所者であった来訪者の私を友人と呼んでくれた愛しいあなた。
 私が『外』へ戻る時に、あなたは誓ってくれましたね。

 また――
 ああ、けれど、あなたは未だ、あの時の儘ではありませんか。
 私は、こうして、年老いていくのに。
 もう、愛してはくれないでしょう?
 私はこの言葉を口にしてあなたに拒絶されるのが怖かった。
 好きでした。最後の恋にしたかった。
 好きでした。あなたが、私の名前を呼ぶだけでよかったのに。
 あなたと同じ時を生きる女が憎かった。
 あなたと同じように年を老いていく女が憎かった。
 嫉妬に狂ったのです。ただの、年老いていく女の妄執でした。
 こんな血で汚れた手であなたに愛を伝えることはできないのに、諦めきれなくて。

 だから、おわりにしましょう。
 私の恋と一緒に、あなたをあの時の姿でおわらせて。
 あいしていました。
 さようなら。

●もしも
 もしも、その種が同じであれば不幸とは起きなかったのかと『サブカルチャー』山田・雪風(p3n000024)はそう問い掛けた。彼はアニメや漫画が好きだ。そうした題材にも『種族の差』というものが描かれる。
「俺は、旅人で、不思議な事が起こり得ない魔法もない様な世界から来ました。
 だから、実感はなくて、フィクションの中の様な事にしか、思えない――んすけど」
 種族違いの恋。
 成長の違い。
 だからこそ、愛することをやめてしまった。
「こうして、混沌に来て、事件を調べるたびに思い知らされるんすよね。
 もしも、俺が――いや、ないかもなんだけどさ――恋をしたら、同じことに悩むかもしれないのかなあ、て」
 雪風は何処か、困った様にそう笑う。
 彼はとある幻想種と旅人の恋物語について、口にした。
 幻想種の少年、その名前をメルトというらしい彼は、幼い頃に魔女として各地を回る幻想種が連れ帰った旅人の少女と出会った。
 その名前を美晴というらしい――雪風は、その名前から同郷かなあとぼそりと呟く。
 美晴は召喚され、身寄りがなく魔女の弟子となる為に深緑に身を寄せたのだそうだ。
 幼い頃、二人は幼い恋をした。手を繋ぎ、笑い合い、秘密を共有するだけの、可愛い恋。
 いつしか時が過ぎ、美晴が『外』へ出ることとなった時にメルトは口にした。
『君を愛してます。だから、また――』
 その恋は、其処で終わるはずだった。淡い、思い出として。
「けれど、美晴さんは戻ったんです。深緑に。
 そこで、成長してしまった自分と、緩やかな時を生きるメルトさんの差に絶望してしまった」
 大人となった美晴と、まだ幼いメルト。
 美晴は『あの恋を終わらせていなかった』――ひょっとすると、メルトもそうかもしれない。
 曇り切った心には、もう何も届かなかった。
「美晴さんは、メルトさんにもう愛されないって。年老いていく自分とは生きる命の物差しが違ったのだと絶望したんだそうです」
 愛されていたかった。
 同じ種であればよかったのに。
 旅人(せけんしらず)じゃなく、同じ世界にせめて生まれて居たらよかったのに。
 出会わなければ、良かったのに。
「そうして……そうして一人の女が殺人鬼に成り代わりました。
 愛されていたかったと願った、一人の魔女。何物にもなれない、美晴さんの儘の殺人鬼」
 旅人でなければ反転して性質を変えていたのかもしれない絶望は彼女を只の殺人鬼に突き動かした。
 八つ当たりだったのだろう。彼と同じ時を生きる女を殺した、無残に、その美しさを奪う様に。
「……次は、別れを告げるのだそうです。もう、殺すこともつらいから。
 メルトさんが死んで、自分もそうして死ぬ。今回のオーダーはメルトさんの保護っす」
 メルトさんの姉、そして『美晴の師匠』からのオーダーなのだという。彼女はこれ以上の被害を押さえたいとそう願い、そして、言った。

 ――美晴も、メルトを殺すことは望んでいないと思うのです。

「俺は、人を殺すまで突き動かされるほど、人を好きになったことはない、けどさ。
 それだけ好きになった人を殺すなんて、本意じゃないと思う」
 だから、と雪風はたどたどしく言葉を選ぶ。
「これ以上、その恋を、汚れさせないで、欲しいんだ」
 好きだと、もう一度伝える勇気があったならこんなことにならなかったのだろうか。
 徐々に離れる外見の差と、命の長さ。
 もしも、自分がそうなった時に愛してると伝える勇気はあるだろうか――?

GMコメント

 密やかに愛を終わらせて。
 日下部です。どうぞ、よろしくお願いいたします。

●成功条件
 ・殺人鬼『美晴』の捕縛or殺害
 ・幻想種『メルト』の生存

●殺人鬼『美晴』
 旅人。『草木の魔女』
 フルネームでは吾妻・美晴(アズマ・ミハル)。混沌に来てから魔女となりました。
 幻想種を狙う連続殺人鬼。深緑に住まっていた経験がある為土地勘があります。
 幼い頃に出会ったメルトと幼い恋をして、将来を誓いましたが、老いていく自分と緩やかな時の中に居る彼との差に絶望し、ひとごろしとなりました。
 何故、と問われれど彼女にはきっと応える事はできません。恋の衝動は、何処までも深い闇だからです。
 でも、純粋に愛していました。好きでした。この命の最後のの恋にしたかった。

●魔女の僕*5
 美晴の付属品です。熟練の技で身に着けた僕たちの制御能力は高く、美しい花や蔓を武器にする精霊を模しています。
 美晴を護る様に立ち回り、遠距離ファイターの美晴の守護に当たります。

●メルト
 幻想種の少年。美晴とは外見の年齢差で20近く差ができました。であった頃は同じ年頃であったようです。
 彼自身は美晴に狙われていること、美晴が連続殺人鬼であることは知りません。
 彼が美晴をどう思って居るかも分かりませんし、時を経て美晴がどのような姿になったのかも彼は知りません。

●花と緑の庭園
 メルトの姉であり美晴の師である幻想種の小屋がある庭園です。メルトは姉により小屋に保護されていますが、『姉(師)が関わっていることを美晴が知る事は避けるべき(暴走の危険がある)』と判断した姉は現在姿をくらましています。
 メルトの保護は親愛なるローレットに一任されており、美晴の生死についても一任するそうです。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • さらば、我が恋よ 完了
  • GM名日下部あやめ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年06月11日 21時40分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

クラリーチェ・カヴァッツァ(p3p000236)
ほのあかり
恋とは、落ちるものと書物で読みました。
皆が皆幸せな恋が出来るなら。こんな事件は起きないのですが。

■事前
小屋にいるメルトさんに以下を伝えます。
・私達がローレットであること
・この付近で戦闘が起きると予測されたこと
・危ないから出てこないでほしいこと
・何か聞こえても顔を出さないこと

時間があるなら世間話
「世界には様々な人がいるのはご存知ですか?見た目も考え方も、寿命も違う。
私たちは長命ですから、知り合いの子供がいつの間にか自分の年を超える事もありますね」
…呼び水になって、彼の口から美晴さんについて語ってくれれば…。

■戦闘
パンドラ使用
後衛
初手の副行動はミスティックロア。以降は適切な場所への移動。
主行動は、味方を巻き込まない位置取りが出来れば僕にヴェノムクラウド。無理な時は黒の囀り。
僕を全て倒したら、メガ・ヒールでの回復役にスイッチ。一番傷ついている人を癒します。

美晴さんへ
「生き物はいずれ土に還ります。愛し合っていても避ける事の出来ない別れがあります。
けれど、人は先に起きる悲しみを知りつつも、縁を、愛を育む生き物です」
そう。
種族や性別、年齢差や寿命。思いあえたならば、それらは壁にならない。
「貴方の罪は、法により裁かれるでしょう。ですがその前に。メルトさんに伝えませんか?あなたの愛を」
美晴さんが戦闘放棄若しくは戦闘不能になれば、二人を会わせる方向で話を。
後は見守りましょう。
幼い恋の行く末を。
サイズ(p3p000319)
リリファ・エディ・プランクマン
パンドラ復活アリ
目的
妖精と人間の悲恋の果てに生まれた鎌として、この恋の狂気の果てを見届ける、必要ならこの手で終わらせる

心情
種族違いの恋による狂気…俺は間違いなく今回のメンバーの中で誰よりも知っている…故にこの恋がもう手遅れであるのはわかっているし、このままメルトさんに知らせず密かに終わらせるべきなんだが…お節介なイレギュラーがいるみたいだな…本当なら止めるべきだが、終わらせる派は俺だけ…故に忠告はしたが止められぬ、お節介なイレギュラーズの介入でどれだけ変わるのか…見届けてやろうじゃないか…

行動
小屋よりある程度離れた所で索敵しておく
戦闘時は魔力撃で僕撃破に専念する
僕を撃破したら美晴を攻撃したいが、倒れそうなら全力防御…俺の攻撃だと、とどめを差しかねないからね…
副行動は移動が必要なら移動、最初に付与スキルを使って以降は防御集中を使う感じで

戦闘後、いつでも終わらせる準備しておく…いつまた暴れだすか分からないからな…最悪の事態に備えておくよ…
また、みんなの説得が終わり、それでも斬るしかないなら、一切躊躇わずに美晴を斬るよ、それが恋の狂気を知る物としての情けだ…
説得成功して殺さずに済むなら一番だが成功が見えない…

セリフ例
「やめとけと言ったんだけどな…残酷だよ…」(真実を知り両者が傷ついた場合
「さようなら来世は幸せになれよ…」(介錯時
「こんな展開ありえたのか…」(美晴説得成功の生存ルート時
善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)
レジーナ・カームバンクル
▼行動
メルトにはある程度状況を説明しておきましょう
流石に護衛対象に何も知らせないというのは無理があるし
美晴の名前はこの時点では伏せておくわ
変に介入されても面倒だし

▼警戒
・ファミリア(情報網・ウィッチクラフト)
群れを為す小動物類のリーダー格をファミリア化させて周囲の土地にの情報収集をさせるのだわ
これに関してはメルトにも協力して貰って地形の掌握を行い、美晴の襲撃に警戒しましょ
万が一にも奇襲をうたれないように

▼戦闘
前提として美晴を殺さないように留意
・豪鬼喝
敵が複数狙える場合は積極的に使用
ただし味方の巻き込みに注意
・剣魔双撃
美晴の行動を牽制するために使用
迂闊に背中を見せないことね
我が剣が綺麗に汝(あなた)の首を落としてあげる
・組技
美晴が弱ってきたら不殺にて動きを封じ無力化しようとする

▼説得
美晴
汝(あなた)の想いは強すぎたのね
だから諦めることもできず
心が押し潰されたのね
軟弱とは言わないわ

我(わたし)も痛い程にわかるから
我(わたし)も不相応な恋をしているわ
だから拒まれる恐怖を知っている
もし
辛いなら
その元凶となる記憶を忘れさせてあげる
汝(あなた)が本当に望むならこの魔眼にて

でも望まないなら
一度くらいメルトに会いなさい
久しぶりに会ってどうしたらいいかわからない女の子同然よ汝(あなた)
拒まれるのが怖い?
メルトはそんな酷い奴なの?
ならさっさと手を切って他の恋でも見つけなさい
それくらい手伝ってあげるから
清水 洸汰(p3p000845)
清水【好きな名前を入れてね!】
心情
大人になっちまったお姉さんと、ずっと子供の姿のままの子か……
……元の世界に居たオレの友達も、ほとんど、大人になってからはオレと離れちゃったんだよな
オレは寂しかったけど、そーゆーもんだからしょーがねーって、その時は思うしかなかったけど
オレみてぇに年下に見える人や、他の幻想種を見たら、あのミハルって人、どうなっちまうんだろう

戦闘
オレ自身は前衛に立ち、ミハルやその配下がメルトの所に行こうとするのを食い止めるぞ
初手はキャッスルオーダー&名乗り口上で相手を引きつける準備
自己付与は、効果時間が切れた場合のみ再使用する

以降のターンは、前衛をすり抜け突破しようとする相手が3体以上いる時は、通せんぼでブロック&マーク
2体以下の時は、マーク&全力防御で耐えつつ相手を抑えるぞ

オレの残り体力が5割を切る時はイモータリティで回復
敵の怒りが解除され、かつオレを無視してメルトの方へ行こうとする時は名乗り口上を再使用

敵が3体以上いる時はオレ自身は攻撃に参加せず、【反】による間接的なダメージや、敵前衛の引きつけに専念する

敵が残り2体以下の時は、オレも通常攻撃で攻撃に加わる

ミハルへのトドメは、不殺持ち、又は介錯を行う者に任せる
戦闘不能時はパンドラを消費し復活

「ミハルがきっぱりメルトを諦めたら良かったのか、メルトの気持ちが、最初から聞けたら良かったのか。……どーしたら、皆幸せだったんだろうな?」

プレ外の言動等大歓迎
スティア・エイル・ヴァークライト(p3p001034)
リインカーネーション
種族差の問題はそれは私の存在でなんとかしてあげれないのかな
だって私は人間種と幻想種のハーフだから……
でも想いを伝えたとしても起きた事は無くす事はできない
彼女は償う道を選べるのかな

・行動
先にメルトさんには危険が迫っている事を説明、小屋から出ないようにして貰う
小屋のドアを背にした形で美晴を迎え撃つ
捕縛後は説得の状況を見てメルトさんに立ち会って貰った方が良さそうなら呼んでくる

・説得
説得にはギフトと人心掌握術を使用
機をうかがいながら説得

貴方は本当はどうしたかったの?
メルトさんに会って戻ってきたよって伝えたかったんじゃないの?

どうかそんなに自分を苛めないであげて
貴方がまだメルトさんを愛しているようにメルトさんだって貴方を愛してるかもしれないんだよ
種族差、見た目の年の差なんて関係ないじゃない
現に貴方はそんな事で嫌いになっていないよね?

だから想いを伝える事を諦めて殺せばいいなんて考えないで……
メルトさんを愛したって気持ちを穢さないで!!

・戦闘
パンドラ使用

立ち位置は前衛、回復を優先気味にして状況を次第では臨機応変に対応
敵より先に行動し、マークした方が良い時はマーク

もし敵が私達を無視して小屋に向かうようならメルトさんを助けにいく
メルトさんが狙われるようなら最優先で庇う

単体回復はミリアドハーモニクス
全体的にHPが減っていれば天使の歌
行動阻害等の早急に解除した方が良いBSを付与された時は超分析でBS回復
アルテミア・フィルティス(p3p001981)
青き戦士
※パンドラ有・アドリブ歓迎

□心情
種族違いの恋はこの世界では比較的ありふれているけど、旅人にとっては違う事は理解できる
だからこそ、彼女の事が……彼女の『今の想い』が気に入らないわ
このままでは終わらせない、絶対にね……

□行動
現地に到着したら小屋からある程度離れて静かに周囲を警戒し、美晴さんを待ち構えるわ
彼女が現れ、臨戦態勢に入ったら此方も戦闘行動開始よ

□戦闘
方針は美晴さんの捕縛だけど、まずは魔女の僕を破壊して進路の確保よ
持ち前の反応速度と機動力を活かして接近し、攻撃集中の絢爛舞刀で切刻んでいくわ
魔女の僕を破壊して進路が出来次第、一気に美晴さんに肉薄して斬り込むわ
ノーギルティで急所と顔を避けつつ容赦なく攻撃して無力化よ

□戦闘後
美晴さんが気絶している間に刃物や薬物を押収、口の中も調べて毒物を仕込んでいたら回収
説得中も警戒は怠らず、魔術で自害をしようとしたら、殴ってでも阻止し、胸倉を掴んで説教させてもらうわ

もう愛してくれない?それは貴女がそう思っているだけでしょう、勝手に決めつけるな!
生きる命の物差しが違う?貴女は旅人でしょうけど、彼は純種……はなからそんな事は承知の上でしょう
血で汚れた手では愛を伝えることはできないなんて事は無いわ、私の手なんて貴女以上に血で汚れているのだから
だから……もう自分の心から目を背けないで
罪を償って、生きて彼の下へ戻った時、今度こそ貴女の『本当の想い』を伝えなさい
リア・クォーツ(p3p004937)
旋律を知る者
恋、か……あたしも今なら分かる
あたしの恋も、決して叶わないものだから
だけど……だから、止めないと

【方針】
全体の方針に沿うように行動を

【戦闘】
・行動優先
①HPが60%以下の味方への「ミリアドハーモニクス」
②美晴が弱っている場合の「静謐のカンタービレ」

あたしの英雄幻奏で、皆を強化できるような位置取りを

【説得】
①メルトの想いの確認
美晴を受け入れなれない、拒絶すると本当に心から願うのなら、美晴はここで終わらせてあげた方がいい
だけど、それがメルトの本心ではなかったら、また、今の美晴の事を愛しているのなら……どうか、美晴と向き合って欲しい
彼女を救えるのは、メルトだけだから
あたしのクオリアで、メルトの本心を探るために心の感情をしっかりと感じ取るわ

②美晴の説得
……とても辛かったんでしょうね
恋の炎に身を焼かれる辛さ、貴女の苦悩、まだあたしには分からないかもしれない
だけど、メルトの想いを知ろうともせずに、自分で勝手に幕を下ろそうなんて間違っている
貴女が彼の事を愛しているというのなら、今一度メルトの想いをちゃんと聞きいてほしい
最後にはメルトの口から、彼女への想いを伝えてほしい

③最後に
彼女は決して許されない事に手を染めた
だから、生きて償うべきよ
その為にたまに手紙を書くとかでもいいから、メルトにも彼女を少し助けてあげて欲しい
表立って渡せないなら、あたしが届ける
……少しでも、2人の助けになりたいから
エリーナ(p3p005250)
フェアリィフレンド
●心情
幻想種と旅人の恋……お父さんとお母さんも寿命の差について悩んだりしたのかしら……
美晴さんにこれ以上の罪を重ねてほしくはありませんし、彼女を止めなくては。

●全体方針
先にメルトさんには危険が迫っている事を説明し、小屋から出ないようにして貰います
小屋の近くで美晴さんを迎え撃ちます
美晴さんを捕縛後に説得します
説得の状況を見てメルトさんに立ち会って貰って方が良さそうなら呼んできます

●戦闘方針
回復役として味方の回復を優先して行動します
回復の優先順位は洸汰さん>スティアさん、クラリーチェさん、私(幻想種3名)>他メンバーの順

残りHP7割以下の人がいればミリアドハーモニクスで回復します
残りHP7割以下の人が4人以上いれば天使の歌で回復します
BSを受けている人が3人以上いれば超分析でBSを回復します
怪我人がいなければSLで魔女の僕を攻撃します(魔女の僕が全て倒されていた場合はHPが最低のメンバーを庇います)
APが足りなくなった場合はHPが最低のメンバーを庇います(自分が最低の場合は全力防御)

副行動で移動する場合は広域、貫通スキルを受けても味方を巻き込まない位置に移動します
移動不要の場合は防御集中します

●戦闘後
説得中、メルトさんが美晴さんと会話する場合はメルトさんをいつでも庇えるようにしておきます

パンドラ使用

リプレイ


 拝啓、あなたへ。
 純粋に愛していました。好きでした。最後の恋にしたかった。
 それは、痛い程にわかるから。不相応な恋をしているから。
 だから――だから拒まれる恐怖を知っている。


 その時、メルトは扉を開けて首を傾いだ。咲き誇る花々に露を落とした草木の美しい場所、魔女のアトリエと呼ぶに相応しいその場所に5人の少女が立っている――その姿は若々しい者も多く、同族の姿があることに少年はほ、と胸を撫で下ろした。
「姉さんの言っていたお客さん?」
 修道女の姿をじろりと見遣るメルトに『ほのあかり』クラリーチェ・カヴァッツァ(p3p000236)は穏やかな笑みを浮かべ『ローレット』だと名乗った。
 その名を、幻想種の少年は知っていた。幼く見える彼であれど長きを生きる種とし老いの遅い体に成熟した精神を宿しているようだ。深緑へ傭兵より招き入れられた隣人の招待客。そん名を流暢に言葉を噛み合わせた彼に『リインカーネーション』スティア・エイル・ヴァークライト(p3p001034) は柔らかな笑みを浮かべた。
 彼女より発される善の気配と胸のあたりを温めるかのような穏やかさにメルトの警戒は僅かに下がる。『フェアリィフレンド』エリーナ(p3p005250)と『旋律を知る者』リア・クォーツ(p3p004937)はメルトに挨拶をしたのち、室内のカーテンを閉めた。星屑散らばらせた宵色のカーテンが室内を包み込めば暗室の様な仄暗さが周囲を包む。
「昏いだろう?」
「ええ、そうね。けれど見たくないものを見ないという事には適して居そう」
 リアの言葉にメルトは首を傾いだ。姉より『危険が迫る可能性がある』と聞かされていたメルトは迷宮森林に侵入者が訪れたのだろうかと認識していた。
「ところで、何が来るんだい?」
「我(わたし)達からは何とも言えないわ。けれど、貴方の想像とは大きく離れないと思うの」
 愛らしい兎のぬいぐるみの頭を撫でつけて『レジーナ・カームバンクル』善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)は静かにそう言う。首を捻ったメルトは巷で噂された殺人事件の犯人が周囲に出没しているのだろうと何となく的を付けていた。
「ところで、お嬢さん。その鳥は?」
「可愛らしいでしょう。警戒には警戒をと思ったのだわ。外で仲間が周辺を見て回っているけれど――」
 ゆっくりと、目を細める。少年は思い出話をする様に「ミハルみたいだなあ」と口にした。ちり、と僅かに胸が痛む気配にリアが表情を顰める。
「ミハル?」
「……ああ、ごめん。幼馴染が居たんだ。姉さんの弟子で旅人で――僕の昔好きだった人」
 きっと、大人になって居るから僕なんて忘れただろうけど。
 そう笑った少年に『いいえ、貴方の事を未だ好きなんです』とは誰も、穏やかな微笑みのクラリーチェすら。言えなかった。


 お節介。
『隠名の妖精鎌』サイズ(p3p000319)にとっては、本件はこの言葉に尽きた。種の違いは命のものさしの違いであり、そもそもの常識の違いだ。その悲哀をよく知り、その胸に刻み付けたサイズにとっては『全てを終わらせる』べきなのだと結論が出ていた。
 乙女の恋を応援する事はなく全てを無に帰す。その当たり前を行わぬというならば仲間の行動を見届けるだけだ。彼の中の常識もやはり、他の種――善悪混濁すローレットらしい事なのだが――とは違う確固たるものがあったのだろう。
「大人になっちまったお姉さんと、ずっと子供の姿のままの子か……」
 パカおの背を撫でつけて、周囲の警戒に当たった『雲水不住』清水 洸汰(p3p000845)は小さく呟く。『青き戦士』アルテミア・フィルティス(p3p001981)は僅かに聞こえた洸汰の声にゆるりと空を眺めた。
「……元の世界に居たオレの友達も、ほとんど、大人になってからはオレと離れちゃったんだよな。オレは寂しかったけど、そーゆーもんだからしょーがねーって、その時は思うしかなかったけど」
 そう、そう言う者なのだと、アルテミアは知っていた。種違いの恋など、この世界では有り触れていて、その成功例は山ほどある――エリーナの両親やスティアの両親のように長きを生きる幻想種と他種の婚姻はアルテミアの知る限りでも多い。
(けど、旅人にとっては違う。それは理解できる。
 理解『できる』けど、美晴の『今の想い』は気にくわないの)
 息を潜める。
 遠く、歩む音がする。
 小屋より出た特異運命座標八人。アルテミアはその姿をしかと見据えた。
 黒い髪に、茶色の瞳、一般的な人間種と変わりのない姿。影を落とす表情を魔女帽が深く隠している。唇が何か紡いだ時、周囲に精霊がふわりと浮き上がる。
「来た」
 サイズの言葉と共に洸汰は声を張り上げた。
「お前が『草木の魔女』か?」
「だとしたら?」
 女に一気に距離詰めた洸汰は理力障壁を展開した。不動の構えで美晴の連れた精霊たちを通さぬようにと身を張った彼の隣をすり抜けるように一体の精霊が飛ぶ。
(ほんとに『ひとごろし』って雰囲気だな……。
 オレみてぇに年下に見える人や、他の幻想種を見たら、あのミハルって人、どうなっちまうんだろう)
 洸汰の杞憂は現実となる。精霊は距離詰めてクラリーチェへと向かっていた。
 彼女の脳裏には、一つの会話が思い返される。

 ――美晴さんはいまどうしてるんですか?――
 ――最近は物騒だから、どうか健康であればいいな。悍ましい事件に巻き込まれなければいいけれど――

 嗚呼、その悍ましい事件の首謀者がその美晴だなんて、とクラリーチェの紫苑の瞳が細められる。
「どうして私を攻撃するのか聞いてもいいですか?」
「あなた、幻想種(あのことおなじ)ね」
 囁く様な声音は毒を孕む。神秘との親和性を上げるクラリーチェの頬に薄く傷が走る。幻想種というだけでリスクが大きくなることをエリーナは予見していた。
 前線で受け止める洸汰と幻想種三名への福音。それが美晴には尊いもののように映った。
(……お父さんとお母さんも寿命の差について悩んだりしたのかしら……)
 幻想種、長寿――寿命の差。口にするのも憚られる様な美晴の中の絶対的な条件。
(美晴を受け入れなれない、拒絶すると本当に心から願うのなら、美晴はここで終わらせてあげた方がいい)
 リアは確かにそう、考えていた。メルトにはこれは聞こえているだろうか。美晴と呼ばれた女の声も、特異運命座標達の言葉も。
 精霊との戦いの中、リアは「美晴」と呼んだ。
「……とても辛かったんでしょうね。恋の炎に身を焼かれる辛さ、貴女の苦悩、まだあたしには分からないかもしれない」
「そうかもね」とは言わなかった。美晴はリアの言葉をのんびりと聞いている。
「だけど、メルトの想いを知ろうともせずに、自分で勝手に幕を下ろそうなんて間違っている。貴女が彼の事を愛しているというのなら、今一度メルトの想いをちゃんと聞きいてほしい」
「――……いいえ」
 首を振る。頑なな彼女の魔法がクラリーチェを襲う。
「それは、種族の差からですか?」
「ええ。そう。愛してなんて言えないわ」
「生き物はいずれ土に還ります。愛し合っていても避ける事の出来ない別れがあります。
けれど、人は先に起きる悲しみを知りつつも、縁を、愛を育む生き物です」
 それを草木の魔女が知らないわけがないでしょうと、クラリーチェは言った。些細な事なのだと――混沌では種の差は大したことではないと彼女は口にする。
「人殺しとの差は? どうすれば埋められるの?」
 レジーナは首を振る。サイズが一撃放ったそれを精霊が受け止め、ひらりと舞い踊る。
「想いを伝える事を諦めて殺せばいいなんて考えないで……。まだ、その気持ちを捨てないで」
「そうよ。罪を償って、生きて彼の下へ戻った時、今度こそ貴女の『本当の想い』を伝えなさい」
 スティアとアルテミアの言葉を聞きながらリアは唇を噛んだ。
 人知れない恋をしている。叶う事ないと思う、途方もない道の途中。道程は遠く、どれ程までにその心を軋ませるか、知っている。
「好きなのよね」
 問い掛ける。スティアはそれを純粋な思いだと認識していた。
「好きよ」
「どうして、その恋を捨てるの?」
 アルテミアは苛立ったように言う。
「辛かったの。我儘な女だと笑ってちょうだい」


「残酷だよ」
 サイズは言った。やめてやれ、と。
「残酷よ」
 美晴はその言葉に返した。曖昧に笑ったその瞳が小屋に向けられる。
「いるでしょう、彼」
 それに、洸汰は返すことができなかった。長い黒髪を揺らした美晴にアルテミアが肉薄する。青白い妖気が美晴の握った杖に纏わりついた。
「だとしたらどうするの?」
「殺すわ」
 至近距離で見遣る美晴の茶色の瞳は濁った色をしているとアルテミアは感じた。刃が僅かに押し返される。力づくで杖を押し返した美晴が踏み込む様にアルテミアに魔弾を叩きつけた。
「殺すに決まってる」
「どうして? もう愛してくれないから? それは貴女が思ってるだけでしょ。
 勝手な決めつけで、生きる物差しが違うだなんて旅人と純種の違いが分からなかったわけじゃないでしょう!」
 声と共に一打、交える。伸びる蔦がアルテミアの体を薙ぎ倒す。それを受け止めたスティアが歌を紡ぐ。
「そうだよ。殺したいなんて本心じゃないでしょう。貴方は本当はどうしたかったの?
 メルトさんに会って戻ってきたよって伝えたかったんじゃないの?」
「そんなの」
 当たり前じゃないと。乙女の声が漏れた。唇を噛み締めた美晴が飛び込むレジーナを弾くように杖を振り上げる。
「どうかそんなに自分を苛めないであげて。貴方がまだメルトさんを愛しているようにメルトさんだって貴方を愛してるかもしれないんだよ」
 スティアは指に飾ったリインカーネーションをなぞる。父と母、その種違いが愛し合ったように。きっと、美晴とメルトの恋だって成就するはずだと信じて居たかった。夢物語、乙女の妄想、そんな言葉で片づけたっていいとスティアは思って居た。恋なんて――そうしたふんわりしたもので出来上がっているのだから。
「だから?」
「だから、って」
 洸汰が息を飲む。
「だから、どうしたっていうの。彼が私を愛してたら? 伝えて幸せになれって?」
「そうです」
「人殺しが?」
 クラリーチェ、スティア、エリーナ。三人の幻想種は互いに自身らの傷を確認し合う。その苛立ちと姿を変えぬ種という『彼と同じである事』への嫉妬心をその身で受け止めたエリーナは「それでも」と唇を震わせる。
「これ以上が無ければ、生きてさえいれば」
「償えとでもいうの」
「ええ、言うわ。メルトが貴女を好きでいてくれるなら、貴女が生きる標になるなら」
 リアは周囲の感情を探査していた。不透明、メルトは言いつけを護り小屋にいるからか美晴への感情は読み取れない。嗚呼、けれど――強い不安を感じる。
「私の罪をメルトに背負わせないで」
「……重たい荷物は一人では背負いきれないわ。ほんの手助けでいいの」
「駄目よ」
 美晴は言う。
 どうしてだろうか、その脳裏には幼き日に笑っている彼が浮かんでいる。笑顔だ、ただ、何事もなかったように手を差し伸べてその場所から連れ出してくれる。
「メルト」
 口にしたその名前が何所までも、軽く感じられて。
「駄目なの」
 戻れないのと、涙を流す。
「ふふ、莫迦ね。久しぶりに会ってどうしたらいいかわからない女の子同然よ汝(あなた)」
 レジーナは困った子供を見るようにそう言った。その頬に手を添える。攻撃の手は止んでいて、美晴はレジーナの瞳を覗き込んだ。紅い、慈愛に満ちた瞳だった。
「汝の想いは強すぎたのね。
 だから諦めることもできず、心が押し潰されたのね。それを我は軟弱とは言わないわ」
「バカみたいでしょ」
「ええ、莫迦よ」
 美しい花が萎れる。精霊たちは掻き消えて、草木は当に息を潜めた。
 からりと杖が落ちる。美晴は本当にね、と小さく笑った。
「でもね、我だってそんな恋をしてるわ。だから拒まれる恐怖を知っている。もし――もしよ、もし、辛いなら」
「ねえ、私がこの荷物を降ろしたらどうなるの?」
 美晴の言葉にクラリーチェは声を震わせた。
「貴方の罪は、法により裁かれるでしょう。それが『貴女の罪』を償うため。
 ですがその前に。メルトさんに伝えませんか? あなたの愛を」
「そうして、メルトに傷を付けたくないの。私は死ぬべきでしょう?」
 サイズはほら、と言った。
 説得をして、その恋の終止符を打つ事なく狂気に狩られて暴れだすだろうと。
 美晴は笑う。ぼんやりと眺めた花は美しく、子供の頃に何時か手にしたものだったなあと彼女はくすくす笑った。
「そうね。貴方の言う通りで残酷な仕打ちだわ。私は私に片を付ける」
 ゆっくりと立ち上がる。殺すつもりなのでしょうとサイズに美晴は言った。
「殺すといいわ」
「どうして?」
 クラリーチェの瞳が、泪を滲ませる。恋は落ちるものだと書物にはあった――絵本では何時だってお姫様は幸せになれたのに。
 最後の恋にしたかった、と美晴は言った。そして、彼女は困った様に笑った。
「好きなの。まだ。けれど、伝えたくはないの」
「生きて居れば何かがあるわ。ねえ、酷い男だったともう忘れなさい。
 それから、さっさと手を切って他の恋でも見つけなさい。それくらい手伝ってあげるから」
「忘れて良いというの? ……そうして、一人償えばいいの?」
「良いわ。忘れましょう。愚か者は恋を忘れるべきなの」
 そう口にされたとき、美晴はサイズにごめんね、と言った。
「死ねないみたいだわ」と。
「……そんな結末、有り得るのか」
 美晴は言う。もう恋はしない、これが最期だから。
 混濁していく意識の中、彼女の手を握るスティアはその思いを穢さないでいたんだね、と笑った。
「がんばったね」
「ええ」
「本当に、メルトさんと会わなくていいの?」
 リアが開いた掌を撫でる。美晴は「ひとごろしの罪を一世一代の恋の相手に背負わせたくないの」と笑った。
 一世一代の恋だった。
 好きだった。愛してた。最期の恋にしたかった。愚か者だと笑われたって良かった。
 ただ、金輪際。これでおしまい。大切なあなたには、この荷物は背負わせない。
 償わなければならない重たい荷物は一人きり。いつか、死にたくなったとしたら誰にも悟られぬように。
「ミハルがきっぱりメルトを諦めたら良かったのか、メルトの気持ちが、最初から聞けたら良かったのか。……どーしたら、皆幸せだったんだろうな?」


 小屋へと入った。暗幕の様な部屋の中で少年が一人佇んでいる。
「聞こえてたよ」
 メルトは言う。
「けれど、僕も臆病で、愚か者なんだ」
「……そう」
 スティアは只、声を潜めた。
 きっと、彼は愛していると美晴に手を差し伸べる事を怖がった。それだって、責められたものじゃない。メルトの瞳にはスティアの輪郭が曖昧に霞んでいく。嗚呼、外見の通り子供みたいじゃあないか。愛だ恋だと口にしてみれば余りにもちっぽけで、陳腐だとメルトは膝を抱えた。
「ごめん」
「……謝る事じゃないわ」
 リアは言う。痛いほど感じる感情は、確かな愛情と、ちっぽけな不安だった。
「貴方は、決断をしたのよ。立派な事。重たい荷物は、誰でも背負えないものね」
 よく見れば小屋の中にはクレパスで描かれた子供の絵が飾って合って。
 それが、幼き日の二人だという事に気づいたとき、外には静かに雨が降り出した。

成否

成功

MVP

善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)
レジーナ・カームバンクル

状態異常

なし

あとがき

 まずはお疲れさまでした。
 タイトル『さらば我が恋よ』。しかし、皆さんはその恋を諦めるべからずと手を差し伸べて下さいました。
 素直な事を申しますと、人を殺した故に断罪されるものかと思っておりましたが、その心に寄り添ってくださる方の多さに驚かされました。
 MVPはその心に一番寄り添った貴女へ。

 また、お会いできますことを楽しみにしております。

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