PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<クレール・ドゥ・リュヌ>滅ビノ羽音、聖都ニ響ク

冒険中

参加者 : 10 人

冒険中です。結果をお待ちください。

オープニング

●狂気ニ染マル
 聖都フォン・ルーベルグは今渦中の直中にあった。
 伝播する『黄泉返り』の噂。禁忌とされる死者蘇生は現実のものとなり、聖都市民の信心を捻り反転させていく。
 やがて聖都に不穏な空気が漂い満ちてくる。
 一人、また一人と、狂気に落ちた人間が事件を起こし始めたのだ。
 聖都市民なら誰もが思うだろう。この聖都に住まう人間がその様な振る舞いを起こすはずがないと。
 だが現実に事件は起こっていた。同時多発的に、いくつも。

 聖都に住まうクレイル・オールドマンはいつかの昔、娘と妻を失った。
 それは自らの神聖術の行使を誤った暴走に近い事故によるものだ。クレイルは全てを失ったその日、自ら誇り誇示していた神聖術を封印し、ここ聖都で隠遁していたのだ。
 大きな後悔はいつまでも消えはしない。クレイルはただ屍のように生き、日々を懺悔と自戒で生きてきた。
 そんな彼の元にも、不穏な影はやってくる。
「リエラ……それにネイナ……なのか?」
 突然扉を開けてやってきた三つの影。その内の二人がフードを脱ぐと、その姿にクレイルは失った妻と娘を見た。
「貴方……ごめんなさい……」
 リエラと呼ばれた長身の女性が謝るのと同時、娘ネイナが駆け出してクレイルへと抱きつく。
「な、なんだ……なぜ謝る……?」
 謝るのは自分の方だと、そう言う前に三人目の黒フードが不快な音を立てて言葉を口にした。
「感動、ノ、対面、ナド、無用。……ヤレ」
 黒フード――それはギールグと呼ばれた魔種であり、以前にも黄泉返りに関与していた存在だ。
 節足で指さし指示すると、リエラとネイナは悲しげな表情を浮かべ歯噛みした。
 逆らうことの出来ない上位命令は、二人に狂気を発散させて、クレイルの精神を深淵へと引き釣りこむように伝播する。
「う……うあ……声が……やめろ、二人ともやめてくれぇ……!」
「無駄、ダ。抗ウ、ナ。受ケ、入レロ」
 クレイルは敬虔な神の信徒であり、高度な神聖術の使い手である。この状況に置いて彼の精神が極限の抵抗を見せ、この胸の内から湧き上がる衝動を抑え込もうと拮抗した。
「貴方……ごめんなさい……ごめんなさい」
「お父さん……苦しまないで……」
 二人の悲しげな表情はクレイルの心を板挟みにする。
 黄泉返り。噂に聞いたそれは悪魔の贈り物に相違ない。だがしかし、二人は確かに寸分違わぬそれであり――そんな二人をまた悲しませようというのか……。
 受け入れれば二人は笑ってくれるだろうか――そんな考えが頭を過ぎる。
「キチキチキチ……」
 この男が落ちるのも時間の問題だろう。ギールグは不快な歯ぎしりを響かせながらクレイルの家の外へと歩み出た。
 聖都に苦悶の声が響き渡る。


 聖都に不穏な空気が満ちるその時、ローレットではイレギュラーズ達が召集されていた。
「この感じ……かつての<嘘吐きサーカス>が居た頃のメフ・メフィートを思い出させるわね」
 『黒耀の夢』リリィ=クロハネ(p3n000023)の言葉に、『蒼剣』レオン・ドナーツ・バルトロメイ(p3n000002)が頷いて、口を開いた。
「ざんげにも確認したが<滅びのアーク>が急激な高まりを見せているらしい。そんな状況も”あの時”とまさに同じと言うわけだ」
「つまり、『原罪の呼び声(クリミナル・オファー)』が発生しているという状況なわけね。それも強く。
 それでフォン・ルーベルグがおかしくなっていると……」
 だとしても分からない点がある。
 サーカスの時は、その旗印たるサーカス団の存在があったが、今回はそういった存在が表にでている気配はない。
「黄泉返り……それと同時に起き始めた狂気絡みの事件……ということは」
「ああ、立て続けに起きた二つの事件が無関係とは考えにくい。
 フォン・ルーベルグの異常性の連続性から考えて戻ってきた誰かが『アンテナ』なのさ」
 魔種の能力など知らないし、これも推測にすぎないが、とレオンは前置きし、
「自分にとって全く関わりの無い赤の他人と、自分にとって大切な誰か――より感情を揺さぶるのがどちらかなんて、魔種がどうこう以前に分かり切ってる」
 そうして少し悲しげに目を細めて、
「嗚呼、ただ……きっと誰にとっても不幸なのはな。
 オマエ達の調査によれば、『黄泉返り』が別段敵対的、悪意的じゃなく、生前の記憶や記録、或いは時に人間性や知性を残していると推測されている事か――もし、連中が操り人形なら、それは尚更『冷たい』話さ。
 奴等はそれをそうと知りながら、大切な誰かを狂気に落とさなけりゃならないんだから」
「ひどく、そして悲しいやり口ね……そんな責め苦どちらの心にも影が落ちるわ」
 リリィはやるせない思いに目を伏せる。
 レオンは「ただな――」と続けた。
「――ローレットが対応していてマジで良かった。してなかったら水面下に潜んでた爆弾は今の比じゃなかったぜ」
 それは自慢でも何でも無く、事実一つの光明でもあった。
「つまり今回も特異運命座標ちゃんたちの出番と言うわけね。
 聖都で幾つも事件が起きてるもの、それの対処に当たって貰うわ」
 聖都の状況と、リリィが見た不穏な夢から行くべき場所をピックアップした。この場所で何か大きな影が蠢いているという。
「状況的に魔種の可能性が高いでしょうね。
 生死を問いかねない状況かもしれないけれど……どうか無事に帰ってきて頂戴」
 依頼書を受け取ったイレギュラーズは、聖都へ向けて出発する。
 その場所に、待ち受けるものは――


「キチキチキチ……イレギュラーズ、ト、言ッタ、カ。
 多ク、ノ、逸材、ガ、イル、ト、聞ク。キチキチキチ、ベアトリーチェ様、ノ、為ダ。少シ、遊ンデ、ヤルト、スルカ」
 聖都にざざめく羽音が響く。黒フードが靡いてその身に這い回る虫たちが飛び立った。
 虫を操り、蟲となったハーモニア、魔種ギールグ。
 『強欲』に連なる魔種である。

GMコメント

 こんにちは。澤見夜行(さわみ・やこう)です。
 聖都を覆う不穏な空気。
 人形劇に虫の羽音が響き渡ります。

●依頼達成条件
 クレイル・オールドマンの救出
 
●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

●注意事項
 この依頼に参加する純種は『原罪の呼び声』の影響を受け、反転する危険性があります。
 また、この依頼では”パンドラの残量に拠らない死亡判定”があり得ます。予めご了承の上、ご参加ください。

●状況について
 イレギュラーズはオープニング直後のクレイル家前に到着します。
 家の外には魔種ギールグが待ち構えており、家の中でクレイルとその妻娘が狂気拡散を行っています。

 クレイルは今だ狂気に抗っている様子ですが、そう長くは持たないでしょう。
 彼を救出するには強い言葉による説得か、妻娘の排除が必要となるはずです。
 但し、妻娘は『自衛』を命じられていることから、敵対者にはそれなりに抵抗してきます。狂気感染者として、それなりの基本行動を取ってくるでしょう。

 今回はギールグに撤退の兆しが見えませんので、クレイルを救出後、戦闘地域からの撤退、またはギールグの撃破が必要となります。

●ギールグについて
 蟲使いのハーモニア。目的不明。
 片言の言葉遣いはムシを思わせるそれで、相対する者は皆この相手が人間でないと感じる程に、強烈な気配を漂わせています。
 虫を思わせる無数の節足を伸ばし、戦場を蹂躙する。
 回避、機動力が超越しており、ブロックするには三人以上の手が必要でしょう。
 また羽根を広げ飛行する能力が確認されており、飛行ペナルティを受け付けていないようです。
 垂れ流される狂気は近距離レンジを支配し、レンジ内のものに狂気を齎します。
 また身体中より無数の蟲を発生させ遠距離レンジ内にランダムで魔凶、呪縛、停滞をバラ撒きます。

 蟲使いとして本性を現すと、上記に加え、
 白蟲の鎌(物近範・高威力、防無、必殺)
 EX蟲軍行進(全体範囲・不明)
 を使用します。

●想定戦闘地域
 聖都フォン・ルーベルグでの戦闘になります。
 建物は多いですが、視界は良好。戦闘は問題なく行えます。

 そのほか、有用そうなスキルには色々なボーナスがつきます。

 皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしています。
 宜しくお願いいたします。

  • <クレール・ドゥ・リュヌ>滅ビノ羽音、聖都ニ響ク Lv:10以上冒険中
  • GM名澤見夜行
  • 種別EX
  • 難易度HARD
  • 出発日時2019年05月18日 23時59分
  • 参加人数 10/10人
  • 相談7日
  • 参加費150RC

参加者 : 10 人

冒険中です。結果をお待ちください。

参加者一覧(10人)

ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)
自称・旅人
セララ(p3p000273)
魔法騎士
郷田 貴道(p3p000401)
拳闘者
ヨハナ・ゲールマン・ハラタ(p3p000638)
自称未来人
アト・サイン(p3p001394)
観光客
ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
天穹を翔ける銀狼
ヨルムンガンド(p3p002370)
暴食の守護竜
ラルフ・ザン・ネセサリー(p3p004095)
イルミナティ
炎堂 焔(p3p004727)
炎の御子
白薊 小夜(p3p006668)
盲の剣鬼

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