シナリオ詳細
イミテーション・ワンダー
オープニング
●偽造聖人伝説
「崇めよ! 天地開闢より混沌を総べる神――インフィニティ様の降臨である!」
黒衣の神官が聖書を広げて叫ぶ。
光が柱のように満ちて、天井の壊れた青空聖堂を照らした。
同じく黒衣を纏った者たちは跪き、祈るように手を組んで額を地に着けた。
ゆっくりと降臨する人型の物体。
まるで光そのもののように全身から輝きを放つそれは、『インフィニティ』と呼ばれた。
聖堂の祭壇に降り立つインフィニティ。
その左右を守るように跪いた騎士たちが、厳かに、そして強く呟く。
「民よ、神は在った」
●異端審問
大きなテーブルに、八人のイレギュラーズ。
その向かいには、三角形の覆面を被った神父がひとり。その更に背後には同様の覆面を被った者たちが整然と並んでいる。
「ローレットの諸君。聖なる使命を与える。
天義正教会に属するひとつ、インフィニティ教会が我々より離反した。
彼らは神がこの世に降臨したと主張し、我々の教義全ての破棄を従属を要求している。
神は現世にあらず、神の園にあり。その絶対のルールを乱す者には厳格なる裁きを与える。
諸君らは、その裁きの手となりて、インフィニティ教会にて神を詐称する偽物とそれを守る新神騎士団と名乗るものたちを抹殺せよ。
――これは、聖なる使命である」
重苦しい空気の中、整列していた覆面の者たちが部屋を去り、神父ひとりとイレギュラーズのみが残った所で……。
「……いつも、すまないな」
神父は覆面を外し、『楽にしてくれ』と言って息をついた。
毛髪すら残らないほど顔中におぞましい傷跡を持つ彼の名はスナーフ。天義異端審問官の一人である。
天義の教義に忠実な者に任せると『やりすぎてしまう』案件をローレットに割り振ることで損害のバランスをとることを役目とし、それを納得させるために部下たちの前で先程のようなパフォーマンスをしていた。これもまた、いつものことである。
「さて、ビジネスの話をしよう。オーダーは抹殺。激しい戦闘を要する案件だ。
仮に君に正義や信仰が無かったとしても、信じがたいような話になるが……まずは一度、聞いてくれ」
天義インフィニティ教会。
この教会で正しく信仰を集めていた神父が死亡した。一般的な病死であり、市民に見送られて盛大な火葬も行なわれた。
だがしかし、ある時その神父インフィニティが蘇ったという。
「君たちも知っていると思うが、死んだ者は蘇らない。
これは世界のルールだ。天義風に言うなら神のお定めになったこと、だな。
しかし実際に当時のまま、どう考えても本人としか言えないような状態でインフィニティ神父が蘇ったことで、これは神の奇跡であり……彼こそが現世に降臨した神そのものであると、彼らは考えたらしい」
スナーフは目を瞑り、小さく首を振った。
「信仰による精神衛生は国を支える上で重要な要素だが……こうして信仰浸食を受けてしまうともろいものだ。
教会に所属していた騎士とその管理を受けていた市民が新たな宗教を立ち上げて自分たちこそが正しいネメシスであると主張している。
加えて周辺の教会や住民たちもその思想に染まり始めている始末だ。
……だが、少々『いきすぎ』だとは思わんかね。
言ってしまえばたかだか人が生き返っただけ。奇跡だと考えるまではともかく、神そのものだと考えたり、異様なスピードで周囲の思想まで浸食しはじめるのはおかしい。
我々はこの異常を悪しきものの仕業であると断定し、神を詐称するインフィニティの抹殺を依頼することにした」
ローレットに依頼したのは、それが最も被害が少ないと考えたからだろう。
もし本気の異端審問官たちが強い信仰心で動いた場合、インフィニティとその騎士に留まらず、信仰する人々や傾きかけた周辺住民までも炎に投じかねない。
「接触する手筈は秘密裏に整えてある。だが、接触できるのは騎士や信者たちがいる広い聖堂でだ。戦闘の用意をして、馬車に乗って欲しい」
インフィニティの演説の際、彼らの思想に共感した修道者と偽って接触することになっている。
このとき直近の八騎士からありがたい御札を頂戴する……という場面がある。
そこが最も敵戦力に接近できるチャンスであり、攻撃のタイミングとなるだろう。
「倒すべきはインフィニティとその側近である八人の騎士だ。それ以上の被害が出ることは……やむをえないとは考えているが、できるだけ少ない方が望ましい。君たちはその意味と理由を理解できる人間だと、信頼させてもらっているつもりだ。後の処理は、私に任せてくれ」
さあ、馬車が出る。
スナーフはそういってから覆面をつけなおし、咳払いをした。
- イミテーション・ワンダー完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2019年04月18日 21時00分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●金と信仰は似ている。生きるには必要だが時として人を狂わせる。
インフィニティ銅貨。
中央に四角形の穴があけられた八角形コインで、教会の遠景と祈りの言葉が掘られている。
八枚揃えて持っておけば魂は守られるという教えから、この土地に古くから伝わるアイテムである。
ロザリオや数珠に近く、インフィニティ教会が治める土地では一般的に販売されていた。
だが最近になってコインのデザインが変更され、神インフィニティと八騎士を刻んだ九枚のコインが販売されるようになっていた。
「黄泉がえり……か」
それぞれを赤いひもに通したものを手の上でじゃらりと鳴らし、『濃紺に煌めく星』ラノール・メルカノワ(p3p000045)は目を細めた。
「それが本当にあるのなら、なんと素敵な奇跡だろうか。両親とまた会えるというならば、そんな奇跡も信じたくなる。だが……喪ったものは戻っては来ない。絶対に」
喪失は取り返しの付かない悲しみをもって、人の心をむしばんでいく。
信仰や宗教はそんな悲しみとの向き合い方や、悲しいままでも生きていくすべを教えるという側面を持つが……。
「死んだニンゲンが生き返るなんてニワカには信じがたい話だ。インボウの匂いがするよね」
『無影拳』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)はインフィニティ教会の掲げる文句を読み、顔をしかめた。
なんでもインフィニティ様に全てを捧げ祈り続けたなら死してもよみがえることができ世界の滅亡すら乗り切れるという。
「インチキ宗教の典型だおこれ。そんなんで神様騙れるんだったらゾンビだってワンチャンゴッドだお」
ニル=エルサリス(p3p002400)がパンフレットをぐしゃぐしゃと潰してくずかごへと投げた。
放物線を描いてくずかごに落ちる紙玉。
「信仰心も大事かもだけど、盲目的なのは考え物だぬ」
「死者復活の奇跡。典型的な信仰材料だな。地球世界でも類型が多い題材だ。
だが、たかが死者蘇生で神を名乗り、国を侵食しようとするのは傲慢が過ぎると思うな?」
『かくて我、此処に在り』マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)たちはそれぞれショップで購入した求道者のローブを纏い、コインを握って教会への大通りに出た。
とめた馬車から降り、同じようにローブを被る『戦神』茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)。
「潜入するのにも一苦労ね。私はさっさとドンパチしたいんだけど。まぁ仕方ないわね……その分食べ甲斐のある相手だといいけど」
「どっちみち、悪どい宗教の勧誘を放っておいても良くないよね」
七鳥・天十里(p3p001668)はコインをじゃらじゃらと手の上でもてあそびながら、刻まれた八騎士の名前と顔を覚えていった。
「神様がそんなぽんぽん出てきてくれるわけないのにな。信じちゃったら、しょうがないのかな……」
パイプオルガンと聖歌が聞こえてくる。
教会から飛ぶ鳩の群れが、教会の鐘を覆うように旋回飛行を続けるさまがひどく意図的で、誰かが使役して操っていることがすぐに分かった。
『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)は教会の受付に金を払い、教会の中へと入っていく。
(神とは己の内にあるもの。
ソレに従い行動するのは良いでしょう。
けれどそれは他者を傷つける免罪符ではないわ)
同じように金を払い、ローブのフードを深く被って歩く『レジーナ・カームバンクル』善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)。
(『塵は塵に』って奴よ。目立ち過ぎなのよ黄泉帰り)
壇上に立つ元神父インフィニティ。
八騎士たちが剣や杖を手に立ち並び、洗礼の儀式を始めた。
黄金に輝く教会を、ゆっくりと歩き始める。
依頼人からの手回しで割り振られた偽名がそれぞれ呼ばれ、レジーナたちは八騎士の前に並んだ。
フードの下で、イーリンの片目だけが覗いだ。
「神がそれを望まれる」
●亡者たちのゴスペル
「インフィニティ様! あぁ! なんてすばらしいの! 騎士様、奇跡の御札を!」
熱狂的な信者を装って八騎士の前に立つ秋奈。
レジーナとイグナートはそれぞれ頷き合い、予め決めた並びで騎士たちへと歩み出た。
この戦いの勝利条件を『インフィニティ教団の八騎士及び教祖を倒すこと』であると仮定した場合、壁になるのは敵側の統率と頭数の多さだが、それを崩す鍵は事前情報の差。具体的には初期配置を選びはじめに戦う相手を限定できる点にあった。
それさえ分かっていれば、あとはこちらの得意を押しつけるだけである。
「ありがとう、騎士様」
差し出された御札を手で払うように跳ね上げる
その様子に騎士たちが驚く間にイーリンはローブを脱ぎ捨てた。
「随分滑稽だったわ。考えることをやめた猟犬の無様さはね」
『紅い依代の剣・真秀』を召喚すると、イーリンはベータめがけて打ち付けた。
聖剣を抜いて打撃を受けるベータ。
至近距離から『紫苑の魔眼・泡沫』を開始するイーリン。
「正教会からの刺客か!」
奇襲は仕掛けたその瞬間が最大のチャンスであり、その先にチャンスはほぼない。
天十里は素早く拳銃を抜くと、早撃ちによってガンマに光の弾丸を撃ち込んだ。
のけぞるガンマ。その間に更にもう一丁の銃を抜いて腕をクロス。ベータめがけて光の弾丸を撃ち込んでいく。
「さてさて、悪徳騎士がもっと悪い事をする前に退治しないとね」
「貴様ら――!」
被害の軽減を狙って割り込もうとするアルファの前に、ラノールのマトックが突き出された。
思わず足を止めるアルファ。
繰り出されるマトックスイング。
アルファは風のように軽やかな跳躍でスイングを回避すると、ラノールめがけてダガーを投擲。
しかしダガーが貫いたのはラノールの被っていたローブだけであった。
ラノールはいつのまにか離脱し、アルファの背後に回り込んでいる。
「囲まれて殴られる前に、何とか敵の数を減らしたいだろう。だから、君の相手は私がする」
「貴様……私と同タイプか!」
振り向きざまに繰り出されるナイフをバックスウェーで回避するラノール。
やや遅れて教会内の信者たちはパニックに陥っていた。
悲鳴を上げて野外へ逃げようとする者たち。
それに混じって、マカライトは『ウェボロス』の眷属を生成。
召喚された鎖の塊がイプシロンめがけて飛びかかる。
「悪いな、恨みはないが動かれると面倒になる」
「こいつら、全員刺客か。丁寧なことを……!」
飛来した眷属を回避するイプシロン。壁にぶつかった眷属は理不尽をうったえるような目をして消滅した。
「ガマン比べはショウに合わないんだ! 殴り勝った方が自分のナカマを助けられる。シンプルでいいよね!」
「それまで貴様が立っていられればだがな……!」
鎧を脱ぎ捨てたデルタが丸太のようにパンプアップした腕を振り込んでくる。
イグナートは対抗するように肉体を漲らせると、全身に電流を纏わせて殴りつけた。
拳と拳が正面から激突し、反発の衝撃が周囲に広がっていく。
衝撃から逃れるように跳躍するイータ。
目くらましの霧を展開しながら魔術砲撃の準備を整える。
「こんな場所ではじめおって。少しはタイミングを考えろ!」
「にがさないんだぬ!」
霧を抜けたニルが突撃。鍛えに鍛えた拳が強引に叩き込まれる。
杖で防御しようとするも、イータの杖とあばら骨をへし折る勢いで拳を振り抜いていく。
「ぐお!?」
吹き飛び、柱にぶつかって転がるイータ。
「ま、まずい。誰かこいつを……!」
「自由にはさせないわよ」
レジーナはほんの僅かに浮遊すると周囲に立てかけられていた剣や槍といった武器を浮かばせ一斉にゼータへ発射させた。
魔法障壁を展開する暇すらなく、剣や槍に貫かれるゼータ。
「じ、陣形を整えろ。早く……!」
呼びかけるゼータを遮るように、レジーナは『黒薔薇十字の大罪刻印』を発動させた。
周囲にレジーナの分身が次々と出現し、そのたびに黒いバラの花弁をまき散らしていく。
分身たちが腕を振っただけでゼータは派手に切り裂かれていく。
「刮目して視よ! 我は戦神、叛逆の魔神なり!」
次は自分だと察したシータが身構えるが、防御されても構わないという豪快さで秋奈は緋色の刀を抜いた。
ホーリーシンボルを掲げた腕ごと切断し、二本目の抜刀で腹を切り裂いていく。
「…………」
その様子を、インフィニティはただ高所から見下ろすばかりであった。
両手を翳し、騎士たちへ順に強化の力を分け与えていく。
天十里はその様子を見上げ、不気味さに目を細めた。
戦いのコツに『相手に得意を押しつけること』というものがあるが、今回の作戦はまさにそれを極端に振ったものであった。
防御や耐久力が比較的弱く陣形を整えた後に実力を発揮するタイプの敵に、長期的な安定性を欠くが序盤の爆発力に優れたメンバーを押しつけ、序盤の内に潰してしまう。
こうなってくると八騎士たちはろくな対抗策もとることが出来ない。
出来ることと言えば信者たちの混乱に乗じて教会の外に逃げ出し、戦闘陣形を組み直すことくらいだが、レジーナの使い魔によって誘導された信者たちが入り口に詰まっておりそれもままならない状態だった。
「死人は生き返らない。すがりたいキモチは分かるけれどね!」
イグナートのパンチとデルタのパンチがクロスし、お互いの顔面に直撃した。
ぐらりと膝から崩れ落ちるイグナート。
対するデルタは身体を包む炎によって仰向けに倒れる。相打ちである。
「しまった……いつの間にこんな状態になっていた!?」
ベータははっと我に返り、周囲の状態を確認しなおした。
デルタは倒れ、範囲砲撃を得意とするイータ、ゼータ、シータは既に倒されている。
一方イレギュラーズたちはといえば、イグナートが倒れただけである。
序盤に存在していた戦力差は覆され、今度は騎士たちが命の心配をする番になっていた。
「神は見誤ったようね?」
イーリンは戦旗に魔力を注ぎ込み、強く握り込んだ。
防御のために盾を翳すベータだが、それを打ち抜く勢いでイーリンの戦旗が繰り出される。
盾は破壊され、紫の燐光が散っていく。
吹き飛ばされて壇にぶつかるベータ。
「今からでも遅くない。体勢を立て直せ! インフィニティ様を中心に陣をくむのだ!」
イプシロンの叫びに応じて、アルファやガンマたちが集まっていく。
が、集まろうとしたイプシロンの足を天十里の銃弾が貫いた。
思わず転倒するイプシロン。
「あ、足が! 私の足が……!」
慌てて治癒魔法をかけるが、天十里は両手に拳銃を握って全力射撃。
リボルバー弾倉を一周させると空薬莢を排出し、袖の下から飛び出したスピードローダーから直接リロードを行なった。
「おしまいっ」
頭めがけて向けられる銃口。
と同時に、レジーナの召喚した無数の剣が豪華な天井絵を覆い隠すように現われた。
「そう、おしまいよ。折角一儲け出来そうだったのに……残念だったわね」
上げた指をくいっと下ろしたが最後、大量の剣と銃弾がイプシロンを人間だったと分からないほどに破壊していく。
次々と倒されていく仲間たち。アルファは焦りと共にインフィニティへと振り返った。
「に、逃げましょう! あなたさえいれば立て直せる。何度だって――」
対してインフィニティはおっとりと微笑み。
「…………」
それだけで、何も言わなかった。
天井高く回転しながら飛ぶマトック。
それに気づいて振り返るアルファ。
跳躍したラノールがマトックを掴み、急転直下の勢いでアルファの頭部を破壊した。
キッと振り返るラノールに、ガンマは首を振って逃げだそうとした――が、マカライトが両手でしっかりと握ったライフルで銃撃。
転倒したガンマは転がり、その隙にニルがわんこの型をとると、地面を強烈に殴りつけた。
振動がどう伝わったのかガンマの足下から衝撃だけが突き上がり、ガンマは派手に吹き飛ばされていく。
最後に残ったのは、手を合わせる教祖インフィニティだけであった。
インフィニティはおっとりと笑い、ニルたちに呼びかける。
「皆さん。神を信じなさい。神は在ります」
「神などいないわ」
キュン、という音と共に駆け抜ける秋奈。
「いるのは私を殺してくれる死神だけよ!」
遅れて走った真っ赤なラインがインフィニティの首をはねとばした。
インフィニティはぐらりと身体を傾けたかと思うと、黒い泥のようにはじけ、そして地に染み落ちるように消えていった。
「ど、どういうことだ……?」
教会の様子を覗き込んだ信者の一人が困惑の声を上げる。
「インフィニティ様は……神じゃなかったのか? 泥人形だったのか?」
「俺たちは騙されていたのか!?」
不穏な空気が信者たちの間に広がっていく。
まだ息のあったガンマたちは武器を捨て、両手を挙げて降参の姿勢をとった。
「ま、待ってくれ。ちがうんだ」
信者たちはコインの束を握りしめると、拳を作って振り上げた。
背を向けるマカライト。
「いいのか?」
「俺たちの任務は終わった」
彼の言葉に何かを察したラノールは、再びガンマへ振り返った。
信者たちに取り囲まれ、殴られ続けるガンマの姿があった。
「不正義だ!」
「神を冒涜したな!」
「殺せ!」
「「殺せ!!」」
その様子に、秋奈やイーリンたちも武器を収めた。
鉄の槍に串刺しにされ、掲げられる八騎士たちの死体。
薪がくべられ、火がつけられ、人々は神への祈りを捧げながらその様子を眺めている。
天十里もニルも、イグナートも、そしてレジーナも、まるで興味を無くしたようにその場を立ち去った。
ここにもう敵はない。
偽りの復活もない。
天義の日常があるだけだ。
悪は去ったと叫ぶ誰かの声が、遠い炎から聞こえた。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
――インフィニティ教会の主要人物、教祖インフィニティ及び八騎士の抹殺を確認。
――任務完了。
GMコメント
【オーダー】
教祖インフィニティ、および側近の八騎士を抹殺すること。
人的および物的被害の拡大は少ない方が望ましい。
【シチュエーション】
修道者として講演に参加。
スナーフによる秘密の手引きでイレギュラーズ8人が八騎士それぞれからありがたい御札を頂くという場面が存在します。
その瞬間を狙い、先制して攻撃を仕掛けましょう。
初手は一対一の状況を想定し、2~3ターン程度はしのげる準備をしておくと安全です。
八騎士+インフィニティの総合戦力はこちらと同じか少し上だとみられています。
集まったイレギュラーズの顔ぶれに併せて適切な戦術を組んでください。
最悪『一人ずつ集中攻撃をして頭数を減らす』だけでも構いませんが、八騎士とインフィニティは極めて高い統率と連携を行なうため、こちら側もかなり大きな被害を被ることになるでしょう。
【エネミーデータ】
スナーフ神父が集めた情報が割と正確だったため、敵の戦闘スタイルがある程度予測できています。(八騎士の名前には仮の記号を当てています)
・アルファ:回避の高い前衛アタッカー。【防無】や【弱点】などの攻撃をもつ。
・ベータ:命中値と防御技術の高いタンク。名乗り口上で引きつけ、初期の損害を軽くするのが役割。
・ガンマ:回避と防御がバランス良く高い遊撃タンク。危ない味方を庇いつつたまに防技依存技で攻撃する。
・デルタ:攻撃力と命中に全てを振ったアタッカー。防御や回避はマイナスをきっている上HPも低いが、一撃の威力がとてつもなく高い。
・イプシロン:ヒーラー。防御と回避がそれなりに高く隙が少ないが、APが短期決戦(10T前後)想定なのが弱点。
・ゼータ:神秘砲撃担当。域、範、貫などの複数攻撃技をもち、威力も高い。
・イータ:神秘砲撃担当。域、範、貫などの複数攻撃技をもち、威力も高い。
・シータ:神秘砲撃担当。域、範、貫などの複数攻撃技をもち、威力も高い。
・インフィニティ:広範囲内味方の性能を大きく引き上げるエスプリ、及び付与スキルをもっている。HPとCT値の高さが特徴。通常攻撃レンジが4あり【必殺】がついている。
※インフィニティが倒されると信仰心や憎しみから騎士の能力に大きなバフがかかる。
以上のことから、インフィニティを守護しつつ、敵をおびき寄せつつタイミングを合わせて範囲砲撃。残った敵をアタッカーが殲滅。
おびき寄せ担当やタンクのHPを保護しつつ短期決戦を狙うというスタイルが予測されます。
弱点はタンクの数に対して保護すべき味方が多いこと。
PC側は敵のタンクをあえて分散させつつ、空いた隙を狙うことになる。『誰を先に狙いたいか』、そしてそれは可能なのかどうかを検討しながら、戦術を立ててください。
【アドリブ度】
ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用くださいませ。
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