シナリオ詳細
夜明けの頃に、笑う君の。
オープニング
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その細い頸を締めた――
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私にとって、朝は億劫だった。
貴族令嬢。
只、それだけが自身を『ブランド』としているのは重々承知していた。
目覚めてメイドがやってくる。父より長く伸ばす様にと指示された金の髪を梳かす指先には何の愛情も込められていない事を知っている。
所詮は雇っただけの女達だ。
服を脱がせ、母の趣味で仕立てたドレスに身を包む。
そうして、仮面をつけた様に笑うのだ。
お母様、お父様。本日も良き日でございますね。
――ああ、 エルヴィーラ。今日も美しいね。
いいえ、これもお父様とお母様がわたくしに下さる愛情のおかげです。
――その美しさならばきっと王も君を愛してくれるさ。
ええ、ええ。
私は貴族令嬢。政治の道具。王に嫁ぐが為に育てられたお人形。
だから、朝は億劫だった。明けなければいい。夜の儘、誰にも出会わず死んでしまえばいい。
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ひとごろし。
罪の意識? ――それを抱いて、お金をどうこうできるなんて思うのかしら。
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その日、『花の騎士』シャルロッテ・ド・ロレーヌはローレットへと足を運んだ。
王へと舞い込む縁談は多く、放蕩王と呼ばれようと彼が『幻想国』の玉座に擦っていることに何ら違いはないのだとシャルロッテはそう告げる。
「王への縁談で一つ、気になることがありまして……その調査をお願いしたいのです」
絢爛ある花の騎士は穏やかな表情で自身の君主を案じるように一つ言う。
「伯爵家のひとつ、コラヴォルペのご令嬢エルヴィーラ。
彼女を紹介してくださったのはフィッツバルディ公です。由緒正しきコラヴォルペ伯はフィッツバルディ公の領内でも評価の高い人物ですから……」
ならば、どうしてその令嬢の身辺を調査したいというのか。
「噂話であればいいのです。しかし、煙なき所に、というもの。
――エルヴィーラ嬢は『死にたがっている』……のだとか」
どうして。そんなもの『女であれば分かる事なのかもしれない』。
死にたがっている。そんな彼女を死なせてはならぬ存在なのだという事は分かる。
彼女が『ただのひとり』であればその命の重みは変わるのだろう。
根も葉もないうわさであれば何のこともない。
『王へと縁談が持ち上がった瞬間に死にたがっている』事が大いに問題なのだ。
「悪評の多き王であることは承知しています。自死への欲求が王へ向かぬとも言い切れません。
そして――彼女を紹介したフィッツバルディ公の事もあります」
だからこそ、王宮の騎士団は動けずローレットに頼むのだとシャルロッテは告げた。
秘密裏にエルヴィーラ嬢を調査し、彼女を生かしてほしい。
きっと、その裏には何かが存在している――そう、例えば『殺してほしいと願った相手を殺してしまう殺人屋』の姿など。
「この国は確かに混迷を極めています。悪人も貴族派閥により野放しになって居ることもある。……私の使命は我が王を護る事。それ以上は求めません」
シャルロッテは目を伏せ、ゆっくりと顔を上げた。
「傭兵とは『頼まれた依頼は遂行する生き物』なのでしょう――?」
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情報屋が仕入れた情報はただの紙切れにまとまっていた。
ある酒場に張り紙があった。
――死にたい方はご連絡を。どのような依頼でも受け付けます――
それは死にたがりを殺してあげる慈善事業だと言わんばかりに堂々と。
その酒場に最近、身なりの良い女が出入りしていることが目撃されたのだという。
長い金の髪にエメラルドを思わせる眸の美女。社交界でも見かけるその姿はある意味で有名だ。
コラヴォルペ伯爵が令嬢エルヴィーラ。
彼女は、言っていたのだという。
私は所詮籠の鳥。最早、その呪縛から解き放たれるにはこの命を捨てるしかないのです。
- 夜明けの頃に、笑う君の。完了
- GM名日下部あやめ
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2019年01月30日 22時15分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
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夜明けが来たならば、目を閉じて息を吸う。朝の寒々しい空気で肺が満たされた感覚で覚醒しかけた意識をもう少し、未だ少しと眠りの淵へと誘う様にシーツを掻き抱いた。
意味のない行為だと知りながら――億劫な朝を払う事無く口にするのだ。「今日が来てしまった」と。
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「籠が窮屈か生そのものが窮屈か。死の望むのは良い事があれば生きていたいという事の裏返しか。
ふむ。これが一つの物語ならば死して次なる輪廻にて幸福を、と書き込むが」
これはある筋からの依頼。そのオーダーは『生存』なのだから『トルバドール』ライハ・ネーゼス(p3p004933)が求める様なプロットの筋書きはそこにはない。
生れたばかりの小さな鳥を籠の中に閉じ込めるようにして。その籠が窮屈だと大空を夢見たが彼女にとっての『間違い』の始まりであったと『海淵の呼び声』カタラァナ=コン=モスカ(p3p004390)は口にした。その唇は薄く開かれ、緩やかに弧を描く。
――すべてのみちに わかれをつげて。ようこそたのしい よもつのひらひら
つきにむらくも はなにかぜ さよならだけが じんせいよ♪――
「死の先になにかあるのですか」
一つ。『『幻狼』夢幻の奇術師』夜乃 幻(p3p000824)は赤く色づく唇を噛み締めてそう言った。
「さあ、な」
只、玲瓏の瞳を細めて『蒼の楔』レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)は静かに息を吐く。追い詰められた失意の乙女――彼女の事を思えば、居心地の悪い依頼だ。
「依頼人の願いを叶えるーー王を護る為に、あの死にたがりのお嬢サンを生存させる。…雇われた以上は依頼人の為に尽力するだけだ」
「そう。これは依頼だから」
『圧倒的順応力』藤堂 夕(p3p006645)は云う。此度の『ストーリー』は至極簡単だ。
「E嬢の不調を社交界の噂などで聞きつけたシャルロッテさま。
品行方正な貴族令嬢とはいえ人の子、縁談の相手が一国の王ともなれば緊張も当然……大事な時期ゆえ、E嬢の気を紛らわせるため話相手となる人物を派遣した。大事にしないためあくまで非公式。そのためのローレット、ね?」
それは『彼女が死を望んでいる』という訳ではなく、あくまで話し相手――あくまで、その緊張を解せる友人――の派遣であるというものだ。
「ああ、その筋書からも『社交界』というのがどのようなものかわかるよ」
つい、と顔を上げ、エルヴィーラ嬢が最近出入りしているという酒場を見遣った『行く先知らず』酒々井 千歳(p3p006382)はひらりと手を振った。
「先に酒場に潜入してエールでも」
「美味しい酒――になるといいね?」
そうだな、と目を細める千歳にマルク・シリング(p3p001309)は花束を抱えて彼に手を振った。その脚が向かう先はエルヴィーラ――エルヴィーラ・コラヴォルペ。
「自殺願望も人殺しの商売も、否定する気はありませんがね。彼女達には悪いですがこれも仕事ですから」
天蓋を飾る星々の様に。『最後の戦友』ワルド=ワルド(p3p006338)はそうならぬためにと、その手を差し伸べる。指先に誘う霊魂たちの気配はどれもこれも『彼の知りたい』情報を口にした。
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エールを煽りながら千歳は噂話を耳にする。酒場という場所は口が軽くなるのか、それとも情報通が多く集まるのかは定かではないのだが、様々な『情報』が流れている。
「そう言えば、あの莫迦王の婚約者候補が数人出たんでしょ」
「あら、どうせ、コラヴォルペの令嬢でしょう。そういうご身分だもの」
口々に言われるその言葉を耳にしながら社交界というものは薄汚いのだと千歳は息を付いた。確かに彼女の身分は公人と呼ぶに相応しい――庶民と大きく違うのは彼女自身の行動ひとつが家やそして、『国』を揺るがす可能性があるからだ。
(……公人というものは何かを犠牲にしなくてはいけないものだ。けど、それが彼女にとっての重責になるのなら、少なくともこの場は先を生きて貰って『別の路』を教えてあげなくちゃね)
酒場に張られた張り紙に視線を滑らせた千歳は小さく息を付く。人心掌握術を駆使して酒場のマスターや噂話を繰り返す人々と交流するレイチェルは「あの張り紙は?」と人好きする表情でそう聞いた。
「ああ、あれはね、ワケありの人に好まれるんだよ」
「へえ……」
曖昧に呟いたレイチェル。ワケありの様子を装う様に麗人――幻はそっと張り紙を手にした。
「彼女みたいなお忍びもね」
「あァ、そう見たいだな」
酒場のマスターが囁いた言葉に彼が『エルヴィーラ嬢を知っている』と認識したレイチェルは緩やかに目を伏せた。
「貴方に何かを書いた人はどちらにいますか」
小さなささやき一つ。張り紙を手にしながら自殺幇助を行う殺人を生業とする男を探す。
その視線の先に、小柄で、そして穏やかななりをした男の姿が映り込んだ。
花束を手にしていたマルクは柔らかな笑みでエルヴィーラ嬢への面会を願った。細やか乍らも花の騎士の手を借りた事で彼女の生家は快くエルヴィーラを迎え入れてくれた。
「できれば直接お渡ししたい」
「ええ、騎士様がそうおっしゃっているのでしたら」
使用人の言葉にマルクはゆるゆると頷いた。傍らで緊張した面持ちの夕は小さく息を付く。
気晴らしのための冒険の話、放蕩王と呼ばれるとても気さくな王の話、エルヴィーラ嬢の好きな物の話、私の好きな物の話――それは、少女同士が身分も何も関係なく過ごすことと同義だった。
籠の中の少女にとって『初めて』の少女同士の『他愛もない話』。政治と、泥にまみれた世界ではない、なんてことない日常が其処にはある。
「花の騎士様のお願いでいらっしゃったのでしょう? この花束は」
「花の騎士様から。貴女を心配されていたので」
柔らかに告げたマルク。その言葉にエルヴィーラはぱちりと瞬き困った様に笑った。
「わたくし、打算なき花束も、他愛もないお話も初めて」
小さく笑みを浮かべたエルヴィーラに夕はぎこちなく笑った。
「でも――貴方方が来たって事は、きっとそうでしょう。わたくしの秘密を、知ってしまったのでしょう?」
淡く色づく唇がそう言った。そうだと頷くマルクにエルヴィーラはそうでしょうね、と目を伏せて。
Q.なぜ殺すのか。どこで殺すのか。いつ殺すのか。
A.求められたから。彼女の部屋で、彼女が窓を開けて居る時間に。
カタラァナは調査の結果を仲間達へと告げた。
「個人的には、殺し屋さんが攫ってくれたりしたら万歳なんだけど。
寿命が来て、穏やかに死にたいですって、そんなお願いだったら助けてあげたいな」
殺してくれと、願われたから殺す。それは『ローレット』の在り方とは何ら変わりはない。
エルヴィーラに凶刃が届かぬ。ただそれだけで十分だという様にライハは静かに息を付く。殺人を生業にしている男はグループではなく一人で動いている様だ。
何故? ――それは簡単だ。『彼が相手にするのは死にたがり』だけだ。複数人が必要になる事はないのだろう。
千歳は意思を疎通させ、情報を集積したうえで『殺し屋』であるおとこと相対していた。
エルヴィーラが窓を開け放ち、どちらに転ぼうが仕方がない事だと受け止めんとする事を夕とマルクに聞かされたこともあり、千歳は殺し屋を待ち構えるのが一番だと認識していた。
黒い外套に身を包み、穏やかな表情をしていたおとこは特異運命座標の姿を確認して「ああ、邪魔しにきたんだ」と『いつもの事のように』告げた。
「――死にたいっていってるのに」
だからどうした。そう言うようにカタラァナはぱちりと瞬いた。
「かわいそうにね、エルヴィーラちゃん。
『貴族なのに、自由な人生なんて求めちゃったから』苦しいんだよね。
籠の鍵なんて、ちょっとそこの摘みを捻れば開く――そんな智慧もないのに」
カタラァナの瞳に籠められた色に気付き男は目を伏せる。そうか、自分も彼女も同じなのだ、と。雇われたら殺す――それに何も違えるところはない。
動きを確認していたレイチェルは殺し屋が仕事だからそうしているというのが理解された。
「悪いけど、これも仕事なんだ」
「ああ、そうだね。仕事なら仕方がない」
戦闘に移行するか、否か。それは『言葉』によるだろう。例えば――例えば、エルヴィーラが『この状況を是としていなかった』ならば。その場合は殺し屋もエルヴィーラも戦いを選んだことだろう。
エルヴィーラは穏やかに会話を重ねられたことで、落ち着きを払っていた。その為か、殺し屋自身も『ここで殺される可能性』を認識しながらも仕事の場所に丸腰でやってきた。
「殺しても構わないよ」
穏やかに、そう告げた殺し屋にレイチェルは目を伏せて、ゆっくりと武器を向けた。
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窓辺より、飛び込んできた鳥は、自由を謳歌する象徴の如く翼を揺らした。
『籠の鳥もいつか自由になれる。
生きてさえいれば希望は潰えない。死は残された希望も摘んでしまう』
その嘴の咥えていた山茶花は『困難に打ち勝てる様に』という願いが込められていた。
籠の鳥は只、啼いた。外の世界で行きたいと、赤く燃える様な恋がしたいのだと。
只、その淑女には決まった道が存在していたのに――それは焦がれる様な憧憬と同じだった。
幻の形の良い唇は嘗ての自分も『外に焦がれた』のだと告げた。視線が克ち合った、エルヴィーラの形の良い丸い瞳が幻を見遣る。
「それは僕もかつての世界で感じていたものと同じ。
だけど、僕と貴女とでは決定的に違う。僕は籠の鳥のまま死ぬ気などないということ――死ねば籠から出られる?」
幻のその一言に、エルヴィーラの瞳の色が変わった事に千歳は気付いた。
『貴族令嬢』『社交界の華』とそう言われようと、彼女が只の、乙女である事など、一目瞭然で会った。
「運命の糸で自ら首を吊るようなもの――ただの人形ならば死になさい。
貴女が人間ならば生きなさい、運命に抗いなさい……」
「……ええ、そうでございますね」
その瞳は幻を見てはいない。逸らされた視線、ゆるりと閉じられた眸にマルクは柔らかに笑みを浮かべた。
「……どうしても言いたいことがあって。籠の鳥から解放されるための方法は、死だけじゃない。『貴女はどうしたいのか』を、もっと聞かせてほしい――ご両親に、まわりの人に。それから僕らに」
「ええ、ええ」
ゆるりと頷く。マルクは「お節介かな」と肩を竦めて、小さく笑みを溢した。
「死を選ぶ以外にも方法はある。屋敷から逃げ出して、修道院とかに入ってもいい。
でも死んだら終わってしまう。
僕は貴女にもっと広い世界を見てほしい。ローレットは、依頼を待っているから」
「もし何かあれば、いつでも我々を頼ってください。力になりますよ」
冗談交じりに笑みを浮かべたワルドにエルヴィーラはローレットの事を知っているとゆるりと頷く。此度も『どこかから』自身を保護して欲しいと願われたが故なのだろうと令嬢は察していた。
「貴女が籠から出たいならば、ローレットは相応の対応をしましょう。さぁ、貴女の依頼はなんですか」
幻の、差し伸べられた白い指先を見詰めてからエルヴィーラはくしゃりと表情を歪ませた。
「貴女がわたくしに求めるのは『連れ出して』という言葉なのでしょう?
ええ、けれど、それはできません。父と母、わたくしにとっては『檻』であり、そして、かけがえのない存在なのです。」
ぱしり、と彼女の手を振り払いエルヴィーラは小さく息を吐く。
父と母。窮屈であれど『死』という逃げ道しか想像のつかなかった一人の乙女。
「王への縁談が理由で死ぬなど滑稽――だそうですから、『ローレットとして助ける』というのならば出ていってくださいませ」
息を吐き、エルヴィーラはマルクに小さく頭を下げた。
「ブランド品である事が嫌かね。ああ、まぁそうだろうな……だがそれでも君は籠の鳥として生を受けた。ならば籠の中の幸せを見つけるより他は無い」
「……ええ」
エルヴィーラはライハの言葉に唇を揺らした。そう、『そうでなくては』ならなかった自分を思う様にベッドの上に置かれたぬいぐるみをそっと抱き寄せる。
千歳はその様子を只、眺めていた。きっと『彼女』は自死を失敗した時点で諦めているのだろう。誰かに頼らなければ死ぬ事が出来ないか弱いおんなであったことは彼には当に分かっていた。
「大好きな物があるのだろう? それを拠り所とは出来ぬかね。
籠の中は窮屈かもしれんが、その細い頸を絞めに掛かる者はおるまいよ――」
大好きなものを固めたベッドの上、心を傾けるようにしながらエルヴィーラはシーツに埋もれて目を閉じる。
「もしも、エルヴィーラ嬢の好きなものが……その手造りのぬいぐるみだったのなら、作ることがお好きなら……それを王に共有してみませんか?」
「え?」
「彼は『放蕩王』と呼ばれてますが、自由に生きている証です。縁談なんかそっちのけで王が興味を示すかもしれません。良き、友人になれるかも」
手作りのぬいぐるみたち。幼い頃に手にしたふわふわとした手触りのそれをいつか自分の手で作り、誰かに『奇蹟』を届けたかったのだとエルヴィーラは唇にゆるりと品のいい笑みを浮かべてぎこちなく、笑った。
「わたくしと皆様は今日は会わなかった。夜の内にお帰りください。
ああ、けれど……何か願えというならば王と花の騎士様への謝罪と――それから、『友人』を戴けた感謝を」
其処にはローレットも、貴族も何もない。もしもそうならば、ひと眠りした後にお茶でもしましょうと淑女は告げた。
気づけば夜更けがやってきて、その白い咽喉は小さくしゃくりあげるだけだった。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
この度はご参加ありがとうございました。
MVPは『エルヴィーラの欲しかったもの』をくれた貴女に。
また、皆様とお会いできますことを楽しみにしております。
GMコメント
日下部です。よろしくお願い致します。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
●成功条件
エルヴィーラ嬢の生存
●エルヴィーラ・コラヴォルペ伯爵令嬢
金の長い神にエメラルドの瞳の美女。美しい社交界の華。
父母による圧が強く、王の妻となり家の繁栄が為の道具として幼き頃から育てられました。
最近、酒場に出入りして『死にたがっている』ようです。
もしも、死ぬならば。もしも、もしもですけれど――私の大好きなものばかりを固めたベッドで死にたいの。だから、窓の鍵は開けておきます。
●殺し屋
慈善事業の如く死にたがりを殺す『殺し屋』です。
酒場に紙を貼りだし、対象との打ち合わせを経て、その存在が望む殺し方で最期を与えます。
最近は金髪の美女と打ち合わせしていることが見かけられました。
今夜、彼がどのような動きをするのかは――酒場に同席した『誰か』なら知っているかもしれません。
●point
当依頼は情報精度Bであるために殺し屋が何所で『エルヴィーラ嬢』に対して何らかのアクションを起こすのかは調査が必要です。非戦闘スキルなどを有効に役立てて下さい。
どうぞ、よろしくお願い致します。
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