PandoraPartyProject

シナリオ詳細

絶えぬ音色

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●反故にした約束
『どう終わらせようかしら』
 君はそう言っていた。
(終わらせなければいいのに)
 私はそう思っていた。
 君の楽しそうな表情に微笑みを浮かべながら、一抹の寂しさを私は感じていた。
 終わらなければいい──どうか、終わらせないで。
 そんな願いを神は聞き届けたのだろうか。終わらせてしまう前に、君は病気にかかった。
『どうか、あれを終わらせて』
『任せて。安心して、眠って』
 君の細くなった手を握ってそう告げる。君は安堵したように微笑んで──そのまま、息を引き取った。
 葬儀をして、墓を立て。私はそれに向かったけれど、結局終わらせることはしなかった。
 そうすれば、いつまでも君がそばにいてくれる気がしたから。

 ──だから、きっとこれは罰なのだろう。

 終わらせず、君との約束を破った罰。
 私はいつまでもここに縛られて、君の元へは向かえない。
(ああ、行きたイ、君の元にイキタい。けれど、ヤッパリ終わらせたクナイ──)

●作曲家の霊
「た、大変なのです。お、おば、お化けが──」
 ぷるぷると震える『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)。可哀想に、髪色の如く顔も真っ青である。
「本当なのです、とってもとっても怖かったのです……! あんなとこ、取り壊すとかできるわけないのです!」
 聞けば、そこは幻想貴族が近々取り壊す予定の場所。しかし誰もが取り壊しを渋ることから、不審に思った貴族はローレットへ依頼を出したのだそうだ。
 そして冒頭に戻る──お化けがいた、と。
「多分、知っていたから嫌がったのだと思います……うう、教えてくれればよかったのに……」
 誰もが視線を逸らし、行ってみればわかると言ったらしい。
「お化けだけど壁とかはすり抜けてこなかったのです。もしかしたらちゃんと存在しているのかもしれません。あと、気のせいかもしれませんが……ピアノの音が聞こえた気がしたのです」
 ふるり、と体を震わせるユリーカ。
 その場所は作曲家の姉妹が住んでいたのだという。もしかしたら彼女らの霊もいるのかもしれない。
「皆さん、このままだといつまで経っても取り壊しができないのです。どうか、死霊たちを何とかしてくださいっ!」

●音色
 ああ、ああ。音が聞こえる。
 優しい音。暖かい音。だというのに、どこか寂しさを孕んだ音。
 終わらぬ旋律が鳴り響く。小さく、小さく。気づいて欲しいと言うように──。

GMコメント

●成功条件
 死霊を追い払う

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●死霊×10
 半透明な人間たちです。この場で死んだ人間の強い思いに引き摺られ、寄せられたと見られます。
 全員が暴走しており、侵入者に対して危害を加えようとします。
 半実体であり、反応に優れています。回避はそうでもありません。

 叫び声(神特レ):言葉としては理解不能な叫び声を上げます。【不運】【味方以外のレンジ2が対象】

●ロケーション
 古びた家。倒壊の危険はありません。
 家具などはそのままですが、比較的大きな家です。平屋です。
 (PL情報)ある部屋にはグランドピアノが置いてあり、イスから転げ落ちたまま放置された、女性の白骨死体があります。ピアノには楽譜が立てかけられているようです。

●ご挨拶
 愁と申します。年末ですね。
 死霊たちを倒すだけでは追い払えません。倒した上で、死霊を引き寄せる『物』を壊すなり何なりする必要があります。
 ご縁がございましたら、どうぞよろしくお願い致します。

  • 絶えぬ音色 完了
  • GM名
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年01月18日 23時40分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談8日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

如月 ユウ(p3p000205)
浄謐たるセルリアン・ブルー
サイズ(p3p000319)
リリファ・エディ・プランクマン
イシュトカ=オリフィチエ(p3p001275)
世界の広さを識る者
マルク・シリング(p3p001309)
凍李 ナキ(p3p005177)
生まれながらの亡霊
ペッカート・D・パッツィーア(p3p005201)
極夜
ワルド=ワルド(p3p006338)
最後の戦友
湖宝 卵丸(p3p006737)
湖賊

リプレイ

●addolorato
「ここに住んでた姉妹、片方が先に亡くなったらしいんだぞ」
 『湖賊』湖宝 卵丸(p3p006737)が聞き込みで得られた情報はさほど多くない。元々引きこもり気味だったらしいこと、不気味な屋敷について語りたくないということが周辺住民の口を固くしていたようだ。けれど。
『幽霊騒動の原因、元々住んでた人が分かれば何か気づけることもあるかと思って……』
 何でもいい、少しでも知りたいという卵丸の言葉がその口をほんの僅かに緩くさせた。
『確か妹の方が先に亡くなって、お姉さんがますます引きこもりになったのよ』
「だから、悲しい空気を感じるのかな……」
 マルク・シリング(p3p001309)は屋敷を見上げた。手入れのされていない古びた屋敷は不気味でありながら、どこか哀愁を漂わせている。寂れた庭を見渡しながら『浄謐たるセルリアン・ブルー』如月 ユウ(p3p000205)は考えるように目を細めた。
「何か死霊を集めるものがあるとは思うのだけど、一体何が死霊を集めているのかしら?」
「気になるのはユリーカが言っていたピアノの音だな」
 ユウの考えていたことは『極夜』ペッカート・D・パッツィーア(p3p005201)も考えていたようで。『聞こえたかもしれない』という非常に不確かな情報だが、それでも今のところはその音を頼りにするしかないだろう。
(死霊を引き付ける物を破壊するのが1番だろうが……)
 でも、と『隠名の妖精鎌』サイズ(p3p000319)は思う。仲間内の何人かは死霊を消し去るのではなく、浄化や成仏させるといったことを望んでいるようだった。ならば、そちらに任せてみよう──と。
 物は修理すれば再び使える。けれども霊は、人の魂は、1度消したなら戻って来ないだろうから。
 『最後の戦友』ワルド=ワルド(p3p006338)は肝試しのスポットになりそうだ、と思いながら屋敷を見上げて。
(取り合えず攻撃さえ当たれば、霊であろうが何であろうが怖くはないですね)
 常の微笑みを顔に宿し、玄関扉へ手をかける。
「さっさと追い払ってしまいましょう」
 キィ……と軋んだ音を鳴らす扉。大きく肩を跳ねさせた卵丸は、集中する視線にブンブンと大きく手を振ってみせた。
「らっ、卵丸、別にお化けなんか怖くないんだからなっ」
「なら、さっさと進むぜ」
 ペッカートが何のためらいもなく玄関をくぐり、イレギュラーズたちはその後を追った。


●dolente
「今回は、偶然にも霊に関するスペシャリストが多いね」
 ネクロマンサーが3人。彼らを精一杯サポートしようと、マルクは不意の襲撃に備えて頭上にも気を配る。
 『小さな亡霊』凍李 ナキ(p3p005177)は書斎や寝室に寄りたいと家の中を見回した。卵丸は襲撃を警戒しながらもそばの扉を開けてみるが、そこは倉庫。日記のような手掛かりになりそうなものはない。
(幽霊がここに留まっているんだとしたら、よほどの心残りでも有るのかな──?)
「来たな」
 周囲を警戒していたペッカートが廊下の先を睨みつける。ふらり、ふらり。歩いてくる人影は足音なく、ふと止まって──イレギュラーズへ突進してきた。同時に『世界の広さを識る者』イシュトカ=オリフィチエ(p3p001275)の勇壮のマーチが響く。
 叫び声から何か得られないかとナキは探ろうとするものの、幾重もの攻撃が迫ってきてそれどころではない。ナキは歯噛みし、何かを知ることはできないかと、死霊の魂に触れた。
 声なき悲鳴を上げ、咄嗟に死霊は跳び退いた。それを追いかけるのはペッカートの見えぬ糸。絡めて捉え、肌を切り裂くその糸に死霊は拘束される。
「まだ終わらないようだ」
 イシュトカはその後方から来る数体の死霊を視界に認めた。サイズが仕掛けた陣を発動させると同時に本体の鎌が血色に染まる。陣から飛び出した鎌に切り裂かれる死霊たちはされど止まらず、サイズは次の1歩が踏まれる前に肉薄して魔力撃を叩きこんだ。
 されども死霊たちは止まらず、生者へ群がるよう。1体が大きく口を開き──。
「──!!」
 空気がびりびりと震えてイレギュラーズへ襲い掛かる。歯を食いしばった卵丸は、きっと死霊たちを睨みつけた。
「そんな叫び声なんか怖くないんだからなっ……気持ち次第で不幸だって吹き飛ばす、それが海の男だ!」
 2振りの刀を手に死霊へ肉薄する卵丸。後ろからワルドがライフルを構え、視線鋭く敵を捕らえる──だが、その射撃は突如倒れた置時計に阻まれた。ユウのブレスレットが青く煌めき、氷の薔薇を出現させるがそれも然り。
「──周りを見れば大丈夫だよ、惑わされないで!」
 そこへ飛ぶマルクの大号令。味方中央で放たれたそれに、はっとしたイレギュラーズたちは素早く切り替えて死霊たちに畳みかけた。
 いくつも重なる叫び声。それを打ち消す大号令。その合間に死霊の爪がイレギュラーズの肌を裂き、イレギュラーズもまた死霊へ切りかかる。
 マルクは死霊が何に引き寄せられているのか見極めようとして、不意に頭を振った。この方法だと知りたいことは得られないだろう。そうして、仲間の不調を治すことを優先する。
 安定性の強い支援に、しかし回復まで手が回らないマルクを補うのはユウ。彼女は仲間を癒しつつも敵へ視線を向け、氷地獄に死霊を閉じ込めて──。

「そこに座りな」
 絶対に動くんじゃない、と椅子へ座るよう霊魂を操作するペッカート。ワルドからの視線に気づき、何かを感じたのか軽く肩を竦める。
「別に、俺は死霊たちに安らぎを与えたいわけじゃないし。自主的に昇天させるわけもない」
 けれど、とも思うのだ。ハッピーエンドを目指すやつらの、火の粉を払うまではしてもいいだろうと。
 倒されて大人しくなった死霊は人の姿を保てず、火の玉のような霊魂の姿で大人しく椅子の上へ。彼らとの意思疎通で知ることができたのは『いつの間にか引き寄せられた』ということだった。中には寂しさを感じた者もいるようで、その先は何処かと問えば揃って『家の奥』と答えが返る。
 マルクが負傷者に回復を施し、一同は更に奥へ。
「……これがユリーカ君の聞いた『ピアノの音』か」
 イシュトカは聞こえてきたピアノの音に耳を傾ける。音はもっと奥の方から聞こえているようだ。その音を辿りつつ、イレギュラーズたちは途中の扉を開けて何か手掛かりがないか探った。
「あら、ここは開かないのね」
 探索を続けていたユウがドアノブを捻り、首を傾げる。鍵がかかっているようだ。
「任せてください。開けてきます」
 ナキはそばの壁をすぅ、と通り抜け、内側から鍵を開けた。そうして仲間を招き入れ、部屋を見渡す。
「書斎だね」
 卵丸がぽつりと呟いた。そう、日記などの手掛かりがあると怪しむ部屋の1つ──書斎。サイズやワルドも含め、仲間で手分けして本棚や机の引き出しなどをあさる。
(死霊を呼び出すカースド品は……この辺りにはなさそうか)
 特に何も感じない、とサイズは書斎を見渡す。いつから死霊がいたのかわからないが、そのおかげなのかこの周辺は賊が侵入した形跡もない。物も壊れた様子はなく、年月が経ってホコリは積もっているようだった。
「あ」
 ナキの小さな声が上がり、イレギュラーズは顔を上げた。これでしょうか、とナキが見せたのは羊皮紙を束ねた、粗雑なノート。
 ぱらりとめくると綺麗な字が綴られており、姉妹のどちらかが書いたものだと察せられた。
「楽譜を、交換しながら書いていた……?」
 ユウがそれを読みながら呟く。姉妹たちは1節ごと、交換日記でもするように楽譜を交互に書いていたらしい。何度か行われていたそれは、しかし頁をめくっていくと込められる心情が変わってくる。
「『終わらせたくない』か」
 卵丸がその文字を読み上げる。筆者が書くことをぱたりとやめてしまったように、それ以降の日は綴られていない。残されているのは筆者でないもう1人が病気にかかって亡くなったこと、終わらせねばと思いつつも終わらせられないこと。
 成程、とイシュトカは目を伏せ、頭の中で情報の整理をしたのちに卵丸へ視線を向ける。
「湖宝君、ここにいた姉妹は片方が先に亡くなったと言っていたね」
「そう聞いたぞ」
 頷く卵丸に、イシュトカは視線を日記へと移した。
「この家にかつて暮らしていた姉妹のうち、1人は『もはやここにはいない』がもう1人は『ここに残っている』。いないのは先に亡くなったほうなのだろう。
 家に響く曲は未完成のまま『残っている』ほうに引き継がれたが、『残っている』彼女は曲を終わらせられないでいる。そして終わらない曲が彼女をここへ縛り付け、また亡霊を引き寄せているのだろうね」
(『そばにいてくれるような気がして、終わらせられない』なんて……)
 ナキは最後のページに綴られた文字から、筆者のエゴを感じた。なんて身勝手で狡くて──楽譜に縛り付けられているなんて、まさに筆者に対する罰のよう。
 楽譜に囚われた彼女の魂と心が解放されない限り、死霊は絶えず引き寄せられるだろう。だとしたら、それらを解放する方法は──。
「──皆!」
 マルクがはっと頭上を見る。跳び退いた場所には天井をすり抜けて来た死霊たちが着地し、その拳を振り上げて来た。
「復活したか」
 ペッカートがピューピルシールを放ち、ユウもまたブレスレットから青い魔力を輝かせ氷の薔薇を形成する。
「貴方達は死んでるのよ。何かあるなら私達が終わらせて上げるから、もう眠っていいの」
 薔薇に囚われし死霊はワルドのハイロングピアサーを受け、それでも止まらない──止まれない。楽譜に、彼女に引き寄せられ、自らの意思なくその拳を生者へ振り上げる。
 イレギュラーズたちはピアノの音の元へ進むべく、死霊たちへ武器を向けた。

●Fine
「ここは……」
 部屋に入ったナキが小さく呟く。広い部屋。中心にはグランドピアノが置かれ、倒れた椅子のそばに転がっている白骨死体に誰かが「ひっ」と小さく悲鳴を上げた。ピアノの鍵盤は、一見何もいないのに確かに押されていて。
(まあ、生身の人間ではないだろうな)
 ペッカートは目をこらし、その霊魂への疎通を試みようとして──気づく。同時に他のイレギュラーズもその存在に気付いた。
 倒れた椅子と、白骨死体の近く。1人の女が泣いている。
 ナキは女へ近づき、日記を掲げてこれの持ち主かと問うた。
「これは死体に楽譜……もしかして、聞こえたって言う曲はこれなのかしら?」
 ピアノの譜面台上に楽譜を認めたユウ。イシュトカがそれを拾い上げる。
「音楽は時と共に朽ちる実体を持たない。だから音楽というのは時間を超える……今回は『良くも悪くも』という但し書きが必要かもしれないが」
 ユウはイシュトカの手元にある楽譜を丹念に眺め、ペッカートもそれを覗き込んだ。
「……これは終わりのない曲なのか?」
「そのようね」
 3枚にわたる楽譜の末尾、記されているのは終了を示す2重線ではなく『D.C.(ダ・カーポ)』。最初に戻る意味を持つその記号は、延々とこの楽譜を繰り返させているらしい。
 一方、女と対話するナキは問いかけていた。
「音に気づいて、ここまで来たはいいけれど……あなたは、ボク達にどうして欲しかったのですか?」
 何も考えず、ただ呼んでどうにかしてほしいだけだったのなら──あまりにも無責任だ。
 ナキの言葉に女は涙目で睨みつけ、知らないと呟いた。
『知らない。シラない。音もここにキたのも、シラナイッ!』
(──知らない?)
 知らないはずはない。今もピアノは鳴り、おそらく周辺の住民もこの屋敷から追い出したはずだ。
 どこか会話にズレを感じながらもナキは再び口を開く。
「知らなくても、ボクたちは日記を読みました。あなたは楽譜を完成させなきゃいけない。あなたがしなきゃ、いけない。あなたの姉妹が願った形で終わらせましょう?」
『イヤ! 完成なんてさせなイ──!』
 女へ伸ばしたナキの手が見えない何かに弾かれる。同時にざわり、と部屋を満たす嫌な気配。入り口の扉が乱暴に開けられ、先ほど倒したはずの死霊がイレギュラーズたちへ向かってきた。
 前衛が死霊を食い止める間、イシュトカは綺麗に終わることのできる場所へ終止記号を書き足してユウへ渡す。
「如月君」
「ええ」
 ユウはそれを受け取ると倒れたピアノ椅子を起こし、そこへ座った。先ほどまで勝手に鳴っていたピアノは、既に静寂を湛えている。
 初見で完璧に引くことは難しいだろうが、それでも。
(もう、終わり。眠っていいの──)
 祈りよ届けと、ユウは鍵盤へ指を乗せた。

 鳴り響く音に女がはっとピアノを──ユウを見て、同時に他の死霊も動きを止める。イレギュラーズも死霊を警戒しながら、その音に耳を傾けた。
 1枚目、2枚目、3枚目。ダ・カーポに跳んで、終わりを意味する『Fine(フィーネ)』へ到達する。
 音が鳴り止むと同時、女以外の死霊は解き放たれたように掻き消えた。弾き終えて息をつくユウのすぐ隣で小さく笑い声が響く。
『弾いてくれて、ありがとう』
 はっとそちらを見れば、いくらか幼さの残る童顔の少女。その顔立ちはどこか──椅子のそばで泣いていた女に似ていて。
(『ここにいない』のではなく……『隠れていた』のか)
 イシュトカはその姿を見て認識を改めた。少女もまた楽譜に縛られていたのか、それは定かでない。しかし、先ほどまで音を鳴らしていたのは彼女だったのだろう。
 女は終わらせたくないと望み、少女は女に気付かれないよう音を奏でて──。
『終わらせないといけないと、思ったの。本当は、私たちの手で終わらせなきゃいけなかったのに……ごめんなさい』
 自分の終わらせられなかった曲。終わらせたことを見届けなければいけなかった曲。それはたった今、イレギュラーズたちによって終わらされた。
『もう行かないと』
 少女が女の腕を取ると、ようやく見えたとでもいうように女の顔が驚きに彩られる。少女は女へ微笑みかけ、最後にイレギュラーズを振り返って──2人とも、溶けるように消えていった。

 屋敷を出たイレギュラーズ。中は静寂が支配しており、最初に感じた悲しい雰囲気すらも消えてしまっている。卵丸は完成した楽譜を抱きしめ、屋敷を振り返った。
(卵丸は、君達が一緒に作った曲、完成したそれを聞いて見たい)
 曲をもっと多くの人に聞いてもらえるように。卵丸は依頼人へと掛け合うべく、ローレットへ向き直った。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 お疲れさまでした。
 少女の『終わらせてほしい』という願いを込めた音は、女の『終わらせたくない』という強い思いにより本人には届いていませんでした。届いてさえいれば物語は最初から違うものになっていたでしょうが、皆様の活躍により曲は終わりを迎えられました。
 身勝手な姉妹たちの願いに終止符を、ありがとうございました。

 楽譜を完成させた貴方へ、称号をお贈り致します。破壊ではなく完成を選んで頂き、ありがとうございました。

 再びご縁がございましたら、どうぞよろしくお願い致します。

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