PandoraPartyProject

シナリオ詳細

クリスマス中止のお知らせ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●なんとかさんの命日とも知らずによォ~!
「「メリーッ、クリスマーッス!」」
 ビキニみてーなサンタコスをした女たちがクラッカーを鳴らし、トナカイの耳をつけた男たちがビールを飲み干す。
 男女グループはそれぞれカップルを作り肩を抱き合いながらチキンげな食い物にムシャついていた。
「おいおい飛ばしすぎジャネー?」
「いーのいーの、どーせこのあともっとトバすし?」
「ヤダーモー」
「こんな夜に彼女いない男とかありえなくね?」
「キモーイー」
「「キャハハハハハハハハハハ」」
 にやつく男女。
 流れ始めるメリクリ的聖歌。
 そんな男女グループの目にとまらぬよう、独身男(37歳童貞)は身を細くして道の端を歩いていた。
「あれー? あんな所に独り身いるじゃーん」
「なんで彼女作らないんですかー?」
「変態だったりして」
「キモーイ!」
「「キャハハハハハハハハハハ」」
 指をさして笑う男女。
 肩を抱いて震える独身男。

 ――「そこまでだ!」

 天に輝く八本腕!
 聖なる祈りをこの身に受けて!
 歌って見せようシャイネンナハト!
「マゴノテタイフーーーーーンッ!」
「「グワーッ!?」」
 八本腕が全部マゴノテ。頭もマゴノテ。
 彼こそはマゴノテ神父! 敬虔なる天義の神父である!
 巧みに振り回す腕によって男女グループはまとめて井戸へとたたき落とされた。
「今宵はシャイネンナハト! 聖夜の奇跡を祝う夜である!
 『メリクリイチャコラ教』の邪教徒たちめ!」
 はっと振り返ると、独身男がショックで凍えていた。
「聖夜にカップルがいちゃつく『クリスマス』という催事が普通であるという常識を流布し独り身の心を凍えさせるという貴様らの計画――見逃しはしない!」
 マゴノテ神父は頭にろうそくを巻き付けチェーンソーやバール、ロケット砲を構えると天へと叫んだ。
「クリスマス終了のお知らせである!」

GMコメント

 クリスマス!? 七面鳥も食わず教会で祈りも捧げぬ愚か者めが!
 そう、天義はシャイネンナハトをガチに祈り祝う敬虔なる信徒が住まう国。
 しかしそんな彼らを脅かす『メリクリイチャコラ教』の魔の手が忍び寄っていた!
 彼らは町の人々に『今日はクリスマスっていって、カップルでいちゃつきながらチキン食べる日だよ☆』と吹き込んで回っているのだ。
 今や彼らの洗脳によってインスタント彼氏彼女をつくってはイチャコラしているカップルが町にあふれている!
 聖夜のカオスを叩き付け、彼らの目を覚まさせるのだ!

【やっていいこと、わるいこと!】
 君たちイレギュラーズはマゴノテ神父の依頼によって雇われたクリスマス中止部隊だ!
 町行くメリクリカップルたちを千切っては投げ千切っては投げしていこう!
 ただし多くの国民は洗脳されているだけの哀れな被害者。顔にクリームパイたたきつけたりして目を覚まさせるだけにとどめよう。
 だがメリクリイチャコラ教の悪しき信者を見かけたら……?
「見敵必殺! 見敵必殺! サーチアンドデストロォーイッ!(byマゴノテ神父)」

 それぞれ単独行動をとってもいいし協力プレイをしてもいい。
 君の勇敢なるメリクリ中止行動を、期待する!

※このシナリオはカップルを破壊します
 デートするためのシナリオじゃあない。逃げろ! 俺が押さえているうちに!

【アドリブ度(鬼)】
 こんなシナリオにアドリブがきかないわけがない。場合によってはキャラがぶっ壊れる可能性すらある。
 が、宗教上の理由でアドリブされたら困るよってかたはプレイングに『アドリブNG』と書いてください。
 むしろかかってこいよ俺はここだぜというシャイネンナハト・ソルジャーたちはいっそ『アドリブ歓迎』ないしは『クリスマス爆破大歓迎』と書いて――一緒にハジけようぜ!

  • クリスマス中止のお知らせ完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2019年01月09日 22時15分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)
祝呪反魂
江野 樹里(p3p000692)
ジュリエット
清水 洸汰(p3p000845)
理想のにーちゃん
Q.U.U.A.(p3p001425)
ちょう人きゅーあちゃん
アミ―リア(p3p001474)
「冒険者」
ルチアーノ・グレコ(p3p004260)
Calm Bringer
金鯱 統(p3p006085)
特異運命座標
ネージュ・クラウベル(p3p006837)
雪原狼

リプレイ

●いつまでメリクってんだもう冬休み終わんぞォ!
「キャーメリクリー!」
「マジメリクリー!」
「プレゼントは勿論……ワ・タ」
「ミ」
 『蒼の楔』レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)が手袋をキュッとしめ、ガスマスクをつけてにっこりと笑った。
「メリークルシミマス!」
 唐辛子パウダーで真っ赤になったローストチキンを男女の口に突っ込むと、『コォーホォー』と口から煙を出しながら悪魔の構えをとった。
「クリスマスに公共の場でイチャイチャしているカップルは万死に値するっ! 爆破だ、爆破っ! TPOをわきまえやがれコンチクショウ!! ……ま、物理的に爆破しねぇがな」
「メリクリイチャコラ教徒は爆破するがなァ?」
 ロケットランチャーを担いだマゴノテ神父が振り返った。表情が無いにもかかわらず、鬼気迫る表情だとわかった。なんでや頭マゴノテやろ。
 こういう過激派思想なあたり、ある意味マゴノテ神父も一般的天義マンであった。
「リア充とか非リア充とか、そんなものでの優劣なんて関係ないのにね……」
 ニヒルにココアシガレットをくわえる『Calm Bringer』ルチアーノ・グレコ(p3p004260)。
 すぱーっと煙(なんの煙だこれ)を吐くと、寒そうに帽子を深く被り尚した。
「今回は僕も……悪になってみよう、かな」
 ぎゃりぎゃり、ぎゃりぎゃり。『雪原狼』ネージュ・クラウベル(p3p006837)は鎖を引いていた。
 罪人をつなぐ鎖ではない。魔物を縛り川へと投げるための鎖である。
「たしかに、わざわざイチャコラする必要はない。神父、オレも協力させてもらおう」
 ネージュの目がどっかいっちゃってたのを、ルチアーノたちは見逃さなかった。
 が、この方が効率的にメリクリイチャコラ教徒を屠ってくれそうだなと思ったのでスルーした。
「フフフ……敬虔なる神の子たちよ。よこしまな悪を討ち滅ぼし、清きシャイネンナハトを取り戻すのです。フフフ、フフハハハハハハハ――トゥ!」
 シュバっとジャンプし、家々の屋根を跳び駆け抜けていくマゴノテ神父。

「フフ、凍えそうな季節に君は」
「フフ、愛をどうこういうの」
「もうそんなんどうだっていいから!」
「冬のせいにして!」
「「あたため――」」
「制(セイ)ッ!!」
 うしろでキラキラひかっていたイルミネーションツリーが動き出し、カップルにシャイネンナハトドロップを叩き込んだ。
 いいや、イルミネーションではない! 『スイーツ大明神』江野 樹里(p3p000692)だ! シャイネンナハトバージョンだ!
「飛んで火に入る夏の虫……いいえ、誘蛾灯にむらがる虫」
 ヒイと叫んで距離をとるカップルたち。
 中にはいやんこわーいと言って彼氏に抱きつく女もいたが――。
「パカお!」
「ダラー!」
「ぴょんぴょんたろー!」
「ンビー!」
「ぴざねこ!」
「お゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
「エマ! ナラ!」
「「ヴァー!」」
 ともだち大集合アタックがカップルたちを薙ぎ払った。
 具体的には『雲水不住』清水 洸汰(p3p000845)と仲間たち全員縦に重なった謎のブレーメンタワーが突き飛ばしていった。
「なんか知んないけど、クリスマスを正しくクリスマスしてない人達を何とかしたらうめぇチキンが食えるって聞いたぜ! がんばろうぜー!」
「「ヴァー!」」

 教会。
 畳敷きの広間には等間隔にステンドグラス窓が並び、奥には座式の祭壇が建っている。八本ある全ての手に聖なるバールを握り込んだマゴノテ神父の背に、『黄金角嬢』金鯱 統(p3p006085)は手を合わせた。
「私、マゴノテ神父さまに言うべき事があります。私、マゴノテ神父さま(の八本腕)が欲しいです」
「神は欲望を許すでしょう。神はこの世界を定めましたが、欲望を制限しませんでした」
「はい……八本腕。確かに腕が増えればそれだけ効率的に物事を進められます。物書き然り、戦事でも腕が八本あれば相当に融通が利きます。例えば、腕の一本一本に銃器を持てれば火力8倍。相乗効果で更なる上乗せも可能なものと考えます」
 統はマゴノテバックパック(マゴノテが六本はえてて腕が八本に見えるアイテム。約1000G)を背負い、目をカッと見開いた。
「ご覧ください。仲間たちもこうして……」
 クリームパイを両手に持った『「冒険者」』アミ―リア(p3p001474)が、座敷に立っていた。
「ヒャッハー! 聖戦の時間だぁーっ! 今から行われるのは誅罰などではなく聖戦である! 信ずる神は違えど神への信仰心を忘れた者に未来などないわぁーっ!」
「おー! せいせーん! うおー!」
 同じくクリームパイを両手に持った『ちょう人きゅーあちゃん』Q.U.U.A.(p3p001425)がぴょんぴょんはねている。
「よかろう……」
 ぐるりと振り向いたマゴノテ神父の顔には、覚悟の色が浮かんでいた。なんでや頭マゴノテやろ。
「聖戦である!」
「「うおー!」」
 教会のステンドグラスを無駄にクロスアームでかちわり、Q.U.U.A.たちは夜のネメシスへと繰り出した。
 さあ、本当のパーティーの始まりだぜ!

●こんなカップルほんとにいるの?
「マジやべー」
「うちらマジラブ」
「ちゅーしちゃうー?」
「しちゃうしちゃうー」
 天然記念物ばりのバカップルがペアルックで歩いている。
 普段なら見ない振りをするところだが、待って欲しい。ここは清き正義の国、天義。いないとは限らないが、そうそういるはずはなかろう。
「間違いない。邪教にそそのかされた哀れな一般市民だ」
「えっそうかな。二人並ぶとハートになるシャツとか着てるけど」
「間違いない。あれはメリクリイチャコラ教の物販で見た」
「あるんだ物販」
 ルチアーノは鬼気迫るマゴノテ神父をいったん下がらせると、両手で抱える程度の雪だるまをよっこいしょと持ち上げた。
「はいちゅー……あれ? なんかつめたい?」
 それを今まさにちゅっこらしよーとしてるカップルの間にそっと挟む。
「わぁ可愛い! 雪だるまもとけちゃいそうだね!」
 とか言いながら追加の雪だるまをそぉい!
 からの二人の首根っこを掴んで近くの巨大雪だるまにそぉい!
「ネージュさん。どちらが沢山積雪に放り投げられるか競争しようか!」
「なに? 競争……? 構わないぞ」
 ネージュは道行くカップルに屋根の上から雪玉をしゃかしゃか投げ続けるという普通にやったら通報モンのクリスマスブレイクを敢行していた。
 だが安心して欲しい。
「邪教徒にそそのかされた人々を非殺傷の雪玉で冷やすとは、とても良い行ないだ」
 マゴノテ神父が『えらい』つって胸に花丸勲章をつけてくれた。
「雪玉を投げるだけじゃ足りないな。俺も……」
 ネージュは地面にしゅたっと着地すると、ダブル恋人つなぎ(男性が方に回した手と二人の間にある手がそれぞれ絡み合ってるどうかしちゃってる接合生物。遊園地のアトラクション行列とかによく生息している)の人をダブルで掴んでバックドロップで雪山に放り込んでいった。
「ふんぬ!」
「「ぎゃあああああ!!」」
「雪で頭を冷やすんだな。帰る家もあるだろう」
 ぱんぱんと手をはらうネージュ。
「ネージュさんネージュさん」
 手招きするルチアーノに振り返る――その瞬間、雪だらけの手袋を後ろ襟の中にずぼっと突っ込まれた。
「アアアアアアア!? なぜ!?」
「ごめんなんとなく、かまいたくなっちゃって」
「なぜ!?」
 とかやっていると、近くのマンホールがぱかんと開いた。
 デンドンデンドンデンドンデッデデーデッデデーデデデデー。
 腕組み姿勢のレイチェルが両目をかっぴらいて登場した。
 無駄に下からライトアップされたレイチェルは歯をギザギザにして笑う。
「イチャイチャするなら家の中でやれ! 誰が公共の場でいちゃこらしていいと言った!」
「少なくとも私は言っていない。つまり、邪教の仕業だ……!」
「判決は出たぞォ!」
 レイチェルはビャッと跳躍すると、サンタめいた袋から真っ赤なタンドリーチキンを取り出した。
「チキン――トマホゥークッ!」
 レイチェルの眼鏡がビカーと光り、真っ赤に燃えるチキンが回転しながら飛んでいく。
 謎の軌道を描いたチキンが恋人たちの口にジャストフィット!
「「アアアアアアアア!?」」
「チキンなんか二度と食えねえように恐怖を植え付けてやろう。なあ神父!」
「その通りだ。きみは素晴らしい正義の持ち主だ」
「だとよォ! ククク――ハーッハハハハハハ!」
 うわーれいちぇる、でーもんになっちゃったよー。
 ルチアーノが止めようかたきつけようか迷っていると、横でネージュもでーもんになっていた。
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛! 姉さんに近づくなア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!」
 両手をかぎ爪ぽい形にしてカップルに飛びかかるネージュ。
 カップルに襲いかかっては雪にバックドロップ。
 雪にジャイアントスイング。
 雪にジャーマンスープレックス。
「もう大丈夫だよ、姉さん。邪魔な奴は片付けたよ……ふふ……」
 どう見てもいかれちまったネージュに、ルチアーノはにっこりほほえみかけた。
「そっか、ネージュさんもお姉さんが大事なんだね。ふふっ、微笑ましいな」
 等間隔にカップルの足が雪から生える、控えめにいって地獄みたいな光景と化した雪のストリートで、ルチアーノはほっこりと笑った。

 町に流れるクリスマスソング。
 そう、シャイネンナハト聖歌とは似ても似つかぬ恋の歌。恋人が遠回しにエロいことするような歌が流れまくっている。
「間違いない。メリクリイチャコラ教徒の謀略だ」
 全ての手にマシンガンを持ったマゴノテ神父が憎しみの形相でスピーカーをにらんだ。
「見なさい、あんな所にクリスマスラブソングに当てられた哀れな市民たちの姿が!」
 サンタ帽子を被って『プレゼントワタシ☆』とか言ってるアベックを指さした。
「やだー、さむーい」
「だったら俺が暖めてや――」
「おいパイ食わねぇか」
 ズオッていうまがまがしい効果音と共に現われたアミ―リア。彼女の両手にはクリームパイが乗っていた。
「クリスマスは中止だー!」
「「めそっぷ!?」」
 アベック双方の顔面にクリームパイを叩き付ける男女平等パイショックは冒険者八十八奥義のひとつである。
 はっとして振り返る。
 そう、聞こえるだろうあの足音が。
 クリスマスだからってカップル作らなきゃという熱にうかされた合コングループの足音が!
「これから二人ずつになって抜けない?」
「やだーもー」
「えっちー」
 とか言いながら足はすっかりラブなホテル(メリクリイチャコラ教徒が作りし魔の建造物)へと向いてる。
「いかん! このままでは哀れな市民たちが――」
「きゅーあちゃんさんじょー!」
 屋根からずばっと跳躍したQ.U.U.A.が合コングループの中心へと着地した。
 着地と同時にクリームパイをせい!
 返す刀で激辛クリームパイをせいっ!
「寒い日もこれでほかほかだね☆」
 Q.U.U.A.は横ピースでキュッてすると、残像を残しながら周囲の男女全員にクリームパイをセイしていった。
 だがそれで事件が終わったわけではない。
「「ジングルベール! ジングルーゥベールッ!」」
 両手にハンドベルを持ったサンタコスの巨漢がずしんずしんと歩いている。
「人々よ! 聖夜に性の三時間を過ごしなさァーい! クリスマスにカップルになっていない者は背徳者デース! 誰でもカップルになれる時期にカップルにならないのは変態に違いないので、抹殺しマース!」
「なんという暴論! ゆるすまじ!」
 巨漢の前にずどんと着地する半裸のマゴノテ神父。
 全身に塗りつけた赤きペイントはマゴノテ教会に伝わる戦化粧だ。
「ウィーウィッシュアメリクリスマスッ!! ウィーウィッシュアメリクリスマスッ!! アンドハッピーヌーヤー!」
「シャイネンナハトを祝え!」
 猛烈なパンチを仕掛ける巨漢。それをマゴノテ八本拳で対抗するマゴノテ神父。
 と、そこへ大量のサンタコス集団が!
 メリクリイチャコラ教徒たちだ!
「メリクリー!」
「カップルを作れー!」
「えいっ」
 統のしかけたぬるぬるタイル罠が発動。邪教徒たちは一斉にひっくり返り後頭部を強打した。
「なんという陽の気……」
「これは陽キャ集団に違いありません。ぱりぴです。ぱーりーぴーぽーです」
 手を合わせる樹里。
 ぴょんぴょんたろーに跨がった(これパカダクラとちがって騎乗対応してない動物なんだけどどうやって乗ってるんだろう。かたぐるま?)洸汰がビッと巨大なもみの木を指さした。
「あれをみろ! メリクリイチャコラ教徒たちはあのキラキラした木に集まってるみたいだぜ!」
「なるほどイルミネーション」
「やることは決まりましたね」
 樹里や統たちは頷きあい、もみの木へと飛びかかった。
 ファーストステップ!
 もみの木に火を放ちましょう!
 セカンドステップ!
 自ら光り輝きながら高いところでくるくるまわりましょう!
 ファイナルステップ!
 たくさんの動物たちと一緒に歌いましょう!
「うおおおおおおおおおお!」
「ダラアアアアアアアアアア!」
「ヴァアアアアアアアアアア!」
「ワ゛ナ゛アアアアアアアア!」
「おっ、やってんじゃーん」
 するとメリクリイチャコラ教徒たちが肩を組んで集まってきます。
「メリークリスマース!」
 洸汰のメリクリビンタが炸裂した。
 サンタコスした男はあふんと言ってくたばった。
「他の皆には特製パイをデリバリーだ!」
「パイ食わねえか!」
「パイパーティーだー!」
 松明を両手に振りかざした洸汰に伴ってアミ―リアとQ.U.U.A.が飛び出してくる。
「くりすますなんかいい感じなやつのこんてすと開始だーーー」
 ステージの上でカップルコンテストを突如開く統。
 陽キャどもはこぞってステージにあがってはラブフォーエバーとかいいやがるのでそのたびに手元のスイッチをぽちっとやって奴らの足下をパカッと開く。すると『ラ――』の辺りでカップル共々生クリームの海に落ちるという寸法だ。
 そこへ燃えさかるチキンを振りかざしたレイチェル。頭にろうそくさして憎しみの獣と化したネージュ。聖夜恋の暗殺者(綺麗な言い方したけど雪だるまソイニスト)のルチアーノが飛び込んでいく。
 カップルどもは阿鼻叫喚地獄絵図!
「ウオー! ウィーウィッシュアメリクリスマスッ!!」
 そこへサンタコスの巨漢が乱入してきた。
 片手には血まみれでぐったりするマゴノテ神父。
「ぐ、ぐふう……逃げろ、奴はメリクリの邪心に暴走した狂気の……」
「ウィーウィッシュアメリクリスマスッ!!」
 片手でマゴノテ神父をぶんなげる。マゴノテ神父は巨大なもみの木に叩き付けられ、イルミネーションロープでぐるぐると木に巻き付けられた。
「カップルになりなサーイ! 聖夜はカップルの日デース! カップルになれない者は生命体として劣等種デース!」
「なんだと?」
「ころすぞ?」
 ナチュラルに殺意をぶつけるシャイネンナハトの使者たち。
「皆さん、邪悪な声に負けてはなりません!」
 木のてっぺんから声をかける樹里。
「シャイネンナハトはカップルの日などではありません。皆さんは知っている筈です。この日に教授できる、最高の喜びを」
「ハッ!」
「それはまさか」
「SOU・DESU!」
 樹里はぺかーと光り輝き、樹里の魔法を解き放った。
「クリピン(SSつき)が獲得できるのです!」
「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」」
 カップルかどうかなど関係ない。
 シャイネンナハトは特別な日。
 特別な喜びを享受し、分かち合い、見せ合い、喜び合う日なのだ!
 この喜びは陰なる者にこそ暖かく寄り添い、ステージやイルミネーションに紛れ合コンする必要などないと教えてくれる。ただそのままで幸せになれるのだと、人生は今のままで充分幸せになれるのだと教えてくれる。
 そう!
「「この輝かんばかりの夜に!」」
 カッとまばゆくはしる閃光に、サンタコスの巨漢はジュッと溶けた。
「ぐああああああメリークリスマアアアアアアス!!」

 こうして、天義を襲ったメリクリイチャコラ教の企みは阻止された。
「ありがとう。君たちの聖なる力によって、今年も民は守られた。クリスマスはカップルがいちゃつくための日ではない。幸せを享受する権利は、誰にだってあるのだから」
 マゴノテ神父の差し出した手が、八人と繋がれた!
 オオ! メリークリスマス!

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 メリークリスマース!

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