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シナリオ詳細

迷惑な喧嘩は両成敗!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●戦士と格闘家の衝突
 己の技に磨きをかけようとする者達が集まることのは、鉄帝において珍しくはない。
 仲間と切磋琢磨して競い合うことで、高みに至るのが早くなることも多いからだ。
 やがて、そうした者達は集団を作り、共に行動することが多くなる。
 そうなると、今度は別の集団と衝突が生まれることもしばしば。
「またてめぇらか。鉄帝でそんなひょろっとしてて、生き残れると思ってんのか?」
 両手剣を携える数人を従え、巨躯の男戦士アニバルが相手を挑発する。
 右腕を機械としたそいつは、長さ1m50cmはあろうかという両手大剣を背負っている。
「あんたらに言われたくないね。そんなデカブツ持たないと、何も出来ないヤツらにさ!」
 対するは、同じく数人の格闘家を従える女格闘家リカルダ。
 両脚を機械とした彼女は引き締まった肉体を持ち、素早さで相手を翻弄して己の身一つで相手を叩き潰すことができる。
 両者は非常に仲が悪く、鉄帝内の酒場などで顔を合わせては衝突している。
 往来でもこの2組の衝突は周囲が迷惑しているのだが、何よりここは個人の経営店。50代くらいのガタイのよい酒場の店主は常日頃から、彼らの衝突に頭を痛めている。
「おい、喧嘩すんなら、別の所でやってくれ!!」
 ちなみに、彼らはそれぞれの集団だけで来店する分には、いい客である。
 両者共に羽振りもいいのか、よく飲み食いしてくれる上、何かいいことがあったときには上機嫌に他の客の分まで支払いを請け負うこともあるので、一般客にも好評だ。
 だが、これが2グループ揃うと、店主も客も評価が一転する。
 アニバルサイドは両手剣を抜き、リカルダサイドは拳を構え、両者は酒場内にもかかわらず戦いを始める始末。
 テーブルや椅子が破壊され、酒場の壁やカウンターにまで亀裂が入る。
 こんなことが幾度も行われれば、酒場の損害が大変なことになってしまう。実害もそうだが、何より客が店に寄り付かなくなってしまう。
「いいから、さっさと出ていきやがれええええ!!!」
 額に血管を浮き立たせ、ぶちきれた酒場の店主は大声で叫んでしまうのである。

●迷惑はいけないと思います
 とある日の昼過ぎ、幻想のローレットにて。
「……鉄帝にある酒場の店主さんから、こんな依頼が届いています」
 やってきたイレギュラーズ達へと、『穏やかな心』アクアベル・カルローネ(p3n000045)が今回の依頼について説明する。
 現場は、鉄帝のとある酒場。
 なんでも、月に1、2度、2つの集団が店内でぶつかり合い、店に多大なる被害を起こしているのだと言う。
「もはや、それぞれいさかいのきっかけすら、忘れている状態のようですね……」
 ただ、相手集団が気に食わない。その一点だけの理由でいさかいを起こし、酒場を荒らしているようなのだ。
 これを止め、今後一切店内で両者が争わないようにするのが店主の願いである。
 双方共に依頼などで鉄帝にいないこともあるが、丁度、両方共に鉄帝内にいるようだと店主も情報を得たらしい。
 そろそろ酒場に同じタイミングで現れる可能性が高いと判断し、彼はローレットへと依頼を出したのだそうだ。
「皆さんが今から鉄帝に向かうとして……、おそらく到着は日暮れ頃。酒場に直行しないと、状況的に今度の衝突には間に合わないと思われます」
 この為、酒場でうまく両者の争いを止める方法を考えたい。
 多数対多数が店で争うと収拾がつかなくなる為、うまく相手を仲裁したいところだ。
「話を聞いている範囲では、互いの戦法が気に入らないようですが……」
 この辺りをうまく利用できれば、衝突を和らげることができるかもしれない。
 ともあれ、さほど余裕もない為、現場に向かう馬車の中で話を詰めてもらいたいとアクアベルは話す。
「どうか、皆さんのお力で、酒場の店主さんを助けてあげてくださいね」
 彼女は最後にそうイレギュラーズ達へと頼み、馬車の手配をすべくローレットから出て行ったのだった。

GMコメント

イレギュラーズの皆様、こんにちは。
GMのなちゅいです。

●目的
2つの鉄騎の集団のいさかいを止めること

●敵……2グループ、14人。
いずれも、鉄騎種(オールドワン)です。

◎アニバル他、両手剣使い計7人
○アニバル……20代後半の男性。
右腕を機械としたこの男は屈強な肉体を持ち、
全ての技を両手大剣1本から繰り出す凄腕の戦士です。

・破砕断(物近単・防無)
・轟烈斬(物近列)
・大地鳴動波(神特レ・自身を中心に5m以内の範囲)

○両手剣使い……6人
20代、いずれも血気盛んな男性4人、女性2人。
自身に馴染んだ両手剣を使い、
近~中距離の攻撃をメインに使います。

◎リカルダと格闘家達計7人
○リカルダ……20代前半の女性。
両脚を機械としていますが、
しなやかで引き締まった身体を持ち、
身軽な動きで相手を翻弄する女性です。

・烈風掌(神至単・ブレイク)
・猛蹴連撃(物近単・連)
・戦王咆哮破(神中貫)

○格闘家……6人
10代後半から20代前半。
血の気の多い女性4人と男性2人。
己の身一つで戦う事を好み、
引き締まった肉体を持つ者ばかりです。
至近~近距離メインでの攻撃を行います。

●状況
夕暮れ時に鉄騎へと到着し、
イレギュラーズ達は酒場に直行することとなります。
アニバルの一団が先に到着しているので、
状況次第では、いさかいの前に介入できるかもしれません。
始まっていた場合は、
何かかしらの方法でいさかいを止める為の手段を
用意しておくべきでしょう。

●情報確度
A。想定外の事態(オープニングとこの補足情報に記されていない事)は絶対に起きません。

それでは、よろしくお願いいたします。

  • 迷惑な喧嘩は両成敗!完了
  • GM名なちゅい
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年11月30日 21時00分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

ミア・レイフィールド(p3p001321)
しまっちゃう猫ちゃん
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
祈りの先
アリスター=F=ナーサシス(p3p002118)
モノクローム・ウィスパー
ミニュイ・ラ・シュエット(p3p002537)
救いの翼
エスラ・イリエ(p3p002722)
牙付きの魔女
アマリリス(p3p004731)
倖せ者の花束
エゼル(p3p005168)
Semibarbaro
エッダ・フロールリジ(p3p006270)
フロイライン・ファウスト

リプレイ

●鉄帝らしいいさかい
 鉄帝へと急ぐイレギュラーズ達。
「急げば……衝突前に間に合うかも……なの」
 仲間と足並みを合わせていた『しまっちゃう猫ちゃん』ミア・レイフィールド(p3p001321)は軍馬を走らせ、1人鉄帝へと急行していく。
 それを、メンバー達も可能な限り急ぎ、追っていく。
「偏見なのを承知で言うけど、すごく鉄帝らしい話だね」
 今回の話を聞き、『応報の翼』ミニュイ・ラ・シュエット(p3p002537)は率直な感想を口にする。
「お互いに譲れないものがあるのですか」
 天義の守護騎士である『銀凛の騎士』アマリリス(p3p004731)がぽつりと呟く。
「鉄帝の人たちっていうのは、血の気が多いというかなんというか……」
 旅人である『Semibarbaro』エゼル(p3p005168)は鉄帝の人々の気質を感じていた。自分達には取るに足らないことでも、彼らにとっては一種の拘りなのだろう。
「喧嘩があると、埃が落ちて酒が不味くなるね……」
 絵の具のごとく真っ白な素肌を持つ『モノクローム・ウィスパー』アリスター=F=ナーサシス(p3p002118)は、死人が出ない喧嘩のレベルでも、作法が要るだろうと些か不快感を示す。
「血気盛ん、意欲旺盛、誠に結構」
 ただ、メイド然とした(本人は認めていない)同じ鉄騎種の『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)にとっては、鉄騎の日常として目に映るようで。
「あとは誇りと驕りを間違えぬよう正すまで。……物理的に」
 結局、この国において、全ては力で解決するのが手っ取り早いのかもしれない。

●事前に止められるか……?
 さて、先に酒場へと到着したミアは急いで軍馬を近場に止め、スピーカーボムを使って呼びかける。
「ちょっと待つ……の!」
 まだ、酒場は静かだと判断したミアは、そのまま呼びかけを続けて。
「酒場には……アニバルが居る……にゃ! また、喧嘩になるの!」
 ローレットが間に合ったと酒場の主人は安堵するが、果たして……。
「酒場に迷惑……賠償金払いたいの? 喧嘩なら外でやるの!」
 大声を上げ、互いにその位置が分かるようミアは示し、リカルダが入ってこないよう酒場前で立ちはだかる。
「なるほど。だがな、嬢ちゃん。俺らがそれで退く義理もねぇ」
 先に酒場で飲んでいたアニバルが笑うと、彼の仲間も豪快な笑い、酒場を満たす。
 少し遅れ、イレギュラーズ達もまた数人が酒場へと入る。
「ちょっとお話が。お時間は取らせませんから」
 アマリリスもまた外へと出るよう促すが、アニバルは知らん顔して酒を飲む。
 それは、やってきた格闘家リカルダの一団も同じこと。
「忠告感謝だ。店主にも申し訳ないとは思っている。だが……」
 ミアを押しのけて店に入ってきたリカルダは、中で酒を煽るアニバルを見据えて。
「不倶戴天の相手を、この場で見逃すはずがないね」
 拳を構えるリカルダ以下格闘家達。アニバル以下大剣使いも重く長い刃を取り出す。
 不穏な空気を察した客が一斉に御代を置き、店から去っていく。
 店主が頭を抱えるその前で、ミアは魔法障壁を盾にして合間へと割り込む。
「待ちなさい。ここじゃあ、お店の迷惑よ。喧嘩なら人に迷惑かけない場所へ移動してからにしなさい」
「なるべく拓けていて、周りの迷惑にならないところへ……」
 さらに、見た目金髪少女の『牙付きの魔女』エスラ・イリエ(p3p002722)もまた、最低限表には出るものだと両者に告げる。
 同じ鉄騎のエッダも移動を提案するが、もはや彼らは聞く耳を持たない。
 息を吸うミニュイは改めて第三者勢力とアピールすべく、スピーカーボムを使って。
「争いを止めないと鎮圧する」
 店の外にまで響く大音量でミニュイは両者を止めようとするものの、言葉で止まる鉄帝の民ではない。
 両者はぶつかり合い、店内で文字通り喧嘩を始めようとしてしまう。
 この為、イレギュラーズ達も穏やかならぬ手段に転じて。
「あなた達どちらにも言える事なんだけど、それだけ頭数揃えといて何で皆して近接型の戦士なのかな……」
 子供のエゼルは彼らの戦闘スタイルに呆れを見せる。
「よくそんなので生き残れてきたね。もっとこう、回復役とか抑え役とかいないの?」
 つまり、こういうことだと、エゼルが仲間の中央少し手前で回復支援役として立ち回り始める。
 徐々に、イレギュラーズ達は両者を煽り始めていく。
「こんな狭いハコでカタギ巻き込んで乱戦とは、見せられない喧嘩しかしていないとでも」
 店の外から、アリスターが告げる。
「闘技場が名物の土地の人間がこれとは、図体の割に品性も頭もネズミサイズかい」
「ほう……?」
「なんだい、あんたら。さっきから……」
 そうして、こちらへとやや苛立ちげに視線を向け始めたところで、アマリリスが両者に言い放つ。
「このアマリリス、仲裁させていただきます!」
 名乗り口上で気を引いた彼女は、争いかけた両者の気を引く。
 ぼやぼやしていれば囲まれる為、彼女はすぐさま反転して店の外へと移動していく。
「白猫のブルーブラッド、ミアなの!」
「鉄帝の騎士、エッダです」
 同じく、ミアはアニバルら大剣使い、エッダもリカルダを主に格闘家達を中心に名乗りを上げ、店外へと誘導する。
 それでも釣れない者には止む無く、アルスターが窓を割りつつ、外からライフル『インスタントバレル』で店内に留まる大剣使いや格闘家を狙う。
「……今回、店を壊すなとは言われてないし」
 様子見をするミニュイが告げるが、目の合った店主に申し訳ないとアルスターはすまなさそうに頭を下げ、店の外に出てきた相手と対していく。
「各集団が信奉していない戦い方にも、利点があることを認識してもらえたなら」
 赤い十字架を目印とする教派の司祭、『祈る暴走特急』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)はそれでいさかいが収まる事を期待し、メイスを構えていた。

●三つ巴の戦い
 酒場手前で始まる交戦。
 イレギュラーズ達はまず、酒場への被害を軽微にすることを優先し、大剣使い、格闘家の鉄騎両陣営を外へと誘き出すことになる。
 仲間が名乗り口上で引き寄せるのにもかかわらず、睨み合いを始める者達もいたのだ。
 エスラはまず心の底に渦巻く悪意を殺傷の霧として具現化し、両者を巻き込んで毒へと侵す。
「柔よく剛を制す。剛よく柔を断つ。……って言うよね」
 ミニュイも歌姫として、声を響かせる。
 それは、絶望の海の歌。
 冷たい呪いを帯びる彼女の声は、聞いた相手を魅了してしまう。
「即ち、力も技もどちらも必要。軽んじれば、足元を掬われる事もある」
 敵意を買い取ろうとするミニュイは、こちらに近づく相手に言葉を続けて。
「……まあ、試してみる方がきっと早いね」
 それが分かり、互いを認められるようになれば。
 ミニュイはそんな青春の1ページ的な決着を望みつつ、交戦を始めることとなる。
「いきますわっ!」
 外に出てくる相手を見定め、ヴァレーリヤはできる限り仲間を巻き込まず、いさかいの両者だけを狙う形で魔砲を使う。
「主よ、天の王よ。この炎をもて彼らの罪を許し、その魂に安息を」
 ヴァレーリヤが聖歌を歌うと、メイス『天の王に捧ぐ凱歌』の尖端から炎が吹き上がる。
「どうか、我らを憐れみ給え」
 一直線にそれを放ち、ヴァレーリヤは相手を炎で焦がして不興を買おうとする。
 遠距離攻撃もまた、鉄器の実力者達が嫌う行為。
 実際、彼らは相手陣営だけでなく、イレギュラーズに……とりわけ遠距離攻撃を行うメンバーも標的としていたようだ。
 そして、各陣営のリーダー達。
 幻惑のステップを踏むミアは、両手大剣を振るってくるアニバルを相手取る。
「大剣の一撃と……格闘家の連撃……お互いの戦い方には、それぞれメリットとデメリットがある……にゃ」
 全てを断ち切るアニバルの一撃は、食らうだけで致命傷になりうる。
「アニバルおにーちゃんの一撃は重い……盾の上から潰されちゃう……にゃ」
 ミアは相手を上手く牽制し、大剣を上手く避けてみせた。
「でも……、当たらなければ無意味……なの」
「……ぬっ!?」
 短剣『ソードブレイカー』で相手の大剣を絡めとったミアは刃に暗黒を纏わせ、敵を暗闇に包んでさらに攻撃を避けやすくしていた。
 一方、エッダは格闘家のリカルダを相手取る。
「そもそも戦法が違うからと言って喧嘩になるとは、一体どういう事態か」
「あんた達には分からないよ」
 エッダの呼びかけを否定し、リカルダは素早い動きで迅速の風を纏った掌を叩き付けてくる。
 しかしながら、エッダもクラス、エスプリ、さらにスキルに至るまで防御重視の態勢を取っており、少しくらいの攻撃ではビクともしない。
「あるのは一つの事実、此方が強いか其方が強いか。そして、弱いのは貴様らであります」
 相手の気を十分に引いていると感じていたエッダは、錬鉄徹甲拳を駆使し、螺旋を描くように攻撃を繰り出しリカルダを捉えて殴りつける。
「真に最強は自分であります故な!」
「……上等!」
 格闘で負けるわけにはいかない。自らの拳が最強と疑わず、彼女達は互いに拳を交わし続けていく。
「……格闘家の連撃はミアには怖い……の」
 そんなエッダの戦いを横目に、ミアはアニバルへと語る。
 手数で連撃を繰り出す相手は、数を伴うことでミアの回避をごり押す可能性があるのだ。
「でも、……威力がない。エッダみたいな盾騎士には、いくら当ててもマメ鉄砲なの」
「むうぅ……」
 言いたい放題と感じながらも、アニバルはミアを捉えようと真横に薙ぎ払いを打ち込み、周囲のイレギュラーズを含めて衝撃を与えようとしていた。
 周囲では、アマリリスやエゼルが個別に向かい来る大剣使いや格闘家を相手にしていた。
(血が上っている状態では、自分の声は届かない)
 別に、アマリリスにとって、彼らを倒すことが目的ではない。だから、不殺前提の立ち回りでこの戦いに臨んでいる。
(彼らの言い分を聞きながら、お互いに尊いものだと気づいてくれればよい)
 だから、アマリリスは両陣営が疲弊するのをジッと待つ。
 そんな前衛陣から、数歩下がった位置にいたエゼル。。
 その間も、彼女は小柄な体躯を活かし、できる限り建物の影など遮蔽物に陣取っていた。
 混戦の最中であり、エゼルも巻き込まれる可能性が十分にある。
 この為、エゼルは自らに浄化の鎧を降臨させた上、常に防御をしながら仲間に対して治癒魔術を行使していく。
 相手から距離をとるのは、アリスターやエスラだ。
(もっと、移動できれば良いんだけど、贅沢は言うまい)
 集中を研ぎ澄ますアリスターは後衛に抜けようとしてくる相手を近づけさせない為、ライフルで狙撃していく。
 所謂嫌がらせの為の立ち回りだが、徐々に相手のヘイトを集めていた感もある。
 そして、エスラも後方から相手を狙う。
「どちらの方が優れてるかで揉めるだなんて狭量ね。手数も威力もあるに越したことないじゃない」
 乱戦になってくれば、さすがに仲間を巻き込む可能性が高い。
 この為、彼女は自らの魔術礼装で術式の力を高め、遠距離術式で1人ずつ大剣使い、格闘家を沈めようとしていく。
「ちなみに……私はどっちも欲しい派よ」
 エスラの言葉を聞くことなく、格闘家1人が地面へと倒れていった。

●相手を慮って……
 乱戦となる酒場前。
 3つの陣営が攻撃し合い、自分達以外の相手を叩いていく。
「天義騎士道その一、戦う相手を重んじ尊ぶ事!」
 ある程度、交戦が続いたタイミングでアマリリスが呼びかける。
「その二、己が力を過信し驕り高ぶらない事!」
 彼女は巨大剣『F・ブレイカー』で峰打ちを繰り返し、己の騎士道を語っていく。
「その三、力無き者に武器、及び力で迷惑をかけないこと! これは今考えた!」
「何をわけの分からぬことを……!」
 大剣や格闘による攻撃は、イレギュラーズ達に集まる傾向にある。
 それというのも、鉄騎の両陣営が嫌がる遠距離攻撃を行使していたことが大きい。
「回復しますのー!」
 ただ、相手に止めを刺さぬよう気がけて魔砲を放っていたヴァレーリヤも、疲弊してきた前線の仲間を支えるべく治癒魔術を使い始める。
 魔術書『ゲーティア・レプリカ』を手にするエゼルもほとんどの手数を回復に当てていたが、時折抜けてこようとする両陣営の相手をマークしていた。
「駄目だよ。そこまでは行かせない」
 しかし、戦いが進むとイレギュラーズの前衛陣も疲弊し、徐々に敵の抑えが緩くなってくる。
 そこを狙われた、ミニュイは格闘術式で大剣使いと対していたが、合わせて現れた格闘家に対処が出来ず、翼で抑えようとするも殴り倒されてしまう。
 パンドラの力で起き上がったミニュイは、再度格闘術式で大剣使いを昏倒させていく。
 襲ってきた格闘家は、エスラが遠術を浴びせかけて倒していた。
 一息つくエスラだが、これだけの乱戦となればイレギュラーズ達もただでは済まない。
「戦士も格闘家も、鉄帝の花ではありませんか!」
 大剣で相手の攻撃を受け止め、抑え続けるアマリリスは、鉄騎の実力者達が互いの存在が尊いものだと気付くよう説得を続ける。
 自身の良い部分を否定されれば、気分が良くないのは当たり前だ。
「何故もっと、相手の良いところに目を向けないのです」
 闘う者として生まれた彼らが優しさと相手を思う気持ちを忘れたなら、それは狂戦士でしかない。
「皆さまにはそうなってほしくない」
 だが、振るわれた大剣がアマリリスの体を切り裂き、彼女は気を失って倒れてしまう。
 とはいえ、アマリリスの呼びかけは全く届いていないわけではなく、力を妄信してきた彼らは僅かながらに攻撃の手を鈍らせてしまう。
「至近はスナイパーカラテの真骨頂だぞ、哭け」
 アリスターはすかさずショットガンブロウを叩き込み、近づいてきていた相手を昏倒させてしまった。
 徐々に倒れる仲間を目にするリカルダも、肩で息をしてしまっている。
「自分は生半可な攻撃には、倒れぬ自負はあるでありますが」
 爆発的な攻撃力がないリカルダはエッダを攻めあぐねてはいたが、それでも彼女は溜めた気を前方に放つ。
 直後、それを堪えたエッダは再度螺旋を描く拳を打ち込み、リカルダを撃破していた。
 ミアもかなり足取りが重くなってきていたが、それ以上にアニバルの剣が鈍ってきていた。
「アニバルおにーちゃんは、ミアじゃなくて、エッダを相手するべきだったんにゃ」
 ミアも全てを躱せたわけではないが、致命傷には至っていない。
 気付けば、格闘家は全員沈み、大剣使いもヴァレーリヤが急所を外して魔砲で倒していた。
「ふっふー、私達の勝ちーー!!」
 勝利を確信するヴァレーリヤ。
 ――これこそが求めた道と信じるのも良いけれど、局面により有効な戦法は変わるもの。
「……というところで、どうかしら、有効な戦法は一つだけではないと分かって頂けまして?」
 ヴァレーリヤの言葉に、アニバルはただただ唸るばかり。
「……どっちの戦い方も良いとこ、悪い所あるにゃよね」
 それを、ミアはアニバルへと身を持って実感させる。
「それを実感しても……認められない……にゃ? おにーちゃん」
「嬢ちゃんを攻めあぐねた地点で、俺の負けは決まっていたか……」
 観念した大剣使いは自らの武器を地面に刺し、両手を挙げたのだった。

●雨降って地固まる
 イレギュラーズ、大剣使い、格闘家。
 結果的に、イレギュラーズが他2者をねじ伏せる形で戦いは終結する。
「わかったら店主に謝罪し、仲直りです」
 倒れたアマリリスも仲間の手当てで起き上がり、両者の手を取らせて仲を取り持つ。
「昨日の敵は今日の友! です」
 アマリリスはさほど傷も深くないらしく、すぐに店の片付けを手伝い始める。
「壊したものはちゃんと弁償しなさい。それが嫌なのなら、物が壊れるところでは戦わないのが当然じゃない?」
 エスラも店主の不満を代弁し、両者を嗜める。
「まずは、根っから相手を否定しないこと。気に入らなければ闘技場で戦えばいいじゃない」
 店の掃除に加わる鉄騎の実力者達へ、アリスターも告げる。
「君ら両方強いんだ」
 ――相手の実力も薄々分かるから、自身より強いかもしれないということに耐えられないのかもしれない。
「でも、単一兵科だけで戦う戦争なんてない」
 また、アリスターはより強くなる為に他兵科と編成を組んだり、己の力の振るいどころを見極めたりする力も必要だと話す。
「今前線で戦ってる兵士達もそうして戦ってるだろし、君たちも出来るよ」
 アリスターは愛国心もくすぐり、実力者達を諭す。
「何であれば、これから互いに力を合わせて、足りない部分を補い合うことで、もっと強いチームが作れるかも知れませんわよ?」
 ヴァレーリヤの言葉を受け、アニバル、リカルダの2人は眉を顰めつつも歩み寄り、握手を交わす。
 まだ認められぬ部分もあるのかもしれないが、力ある者は認める気質なのが鉄騎。徐々に互いを認めるかもしれない。
「あ、お酒ありますよ、飲みます?」
 ある程度、店を片付けたところで、実力者達へとアマリリスが注文した酒を差し出す。
 すると、アニバル、リカルダの2人は酒を交わし、少しずつ楽しそうに語らい始めていたようだった。

成否

成功

MVP

ミア・レイフィールド(p3p001321)
しまっちゃう猫ちゃん

状態異常

なし

あとがき

リプレイ、公開です。
MVPは、リーダーの気を引きつつ、戦いを交えた説得を試みた貴方へ。
これを機に、両者が仲良くなることを願ってやみません。
リーダーは幸いにも男女ですから……ね。
ともあれ、お疲れ様でした!

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