シナリオ詳細
<さんさあら外譚>再誕のサティヤ・ユガ
冒険中
参加者 : 6 人
冒険中です。結果をお待ちください。
オープニング
●終焉去りし後
混沌世界から滅びの危機は去った。
しかし、滅びによって蝕まれたものが立ち所に返ってくるわけではない。
――全て、これからだ。
滅ばなかったこの世界で、今日を、明日を、これからを生きてゆく者達がいるのだから。
●再誕のサティヤ・ユガ
終焉との戦いが決着して数ヵ月。
未だ春は遠いが、練達の再現性京都は驚くべき復興を遂げていた。
騒動の中で減ってしまった人口はすぐには戻らないが、生き残った住人が日々を問題なく送れる程度の生活レベルは取り戻せていたのだ。
――焼き尽くされ、蹂躙され尽くしたあの瓦礫の山から、あまりにも早すぎる速度ではあるが。
「テクスチャ、ですよ。かなり改変しましたが」
そう説明するのは、この街へイレギュラーズを招いた『万愛器』チャンドラ・カトリ(p3n000142)だった。
「減少した人口に合わせて、山林地区を多く増やしました。あとは、居住区に住人達のかつての家を。エネルギーの供給は過剰なほどでしたので、日々を生きる分にはそう不自由は無いかと」
この短期間でここまでの復興を遂げられたのは、首都の機能がほとんど損なわれなかったこと、避難していた住人達が戻ってきてくれたことが大きいという。そして、彼らが戻ってきた時には既にテクスチャの大部分は完成していたのだ。
その大規模な書き換えを今も続けているのは、この場にいない『夜摩王』ヤマ・ヴィヴァーン(p3n000350)だという。
「……住人も含めて、かつての街の姿を完全に取り戻すには……十年……あるいは百年近くかかるかもしれませんが。それがあの方のアイ(願い)ならば、我(わたし)もお付き合いするまでです」
居住区のすぐ近くに迫る竹林を見遣りながら話すチャンドラ。
今は旅人も元の出身世界へ還ることが可能になったが、街の再建に注力しているヤマはもちろん、チャンドラもその気は無いらしい。そもそも元の世界からヤマを逃したくてヤマを殺し続けたのがチャンドラなのである。
「皆様には、今のこの街を知って頂きたくて。こう見えて足りないものだらけなのですよ」
最低限の衣食住は何とか復興したが、それだけなのだとチャンドラ。ただ生きるだけの日々では、じきに心が死んでいく。イレギュラーズにはその部分での手伝いを頼みたいという。
例えば、近しい者を亡くして心が動けない者。
例えば、心が失せたまま食欲を満たせない者。
例えば、気力はあっても人手が足りず行動できない者。
様々な事情の者達が、今後の再現性京都を支えていくことになるのだ。
「最近は商店街の再建に着手しようとする動きがあるようで。テクスチャの操作で建築は手伝えても、それ以上のことは儘なりません……何か活気づけられるものがあればいいのですが」
活気、と言えば。
思い出したように、彼はひとつの場所を紹介した。
「八三二橋(やみじばし)。居住区と山林地区の間には境界となる川が流れているのですが、そこにかかる唯一の石橋です。その橋の中央から水面を見ると、見たい人が見たい形で、聞きたい声と共に映るとか。
亡くした者を想いに、そこを訪れる者も多いようですよ」
「かつては『はづきさん』の夏祭りにしか出現しない橋だったのでは?」
在りし日の再現性京都を知る者がそう尋ねたなら、「いかにも」と肯定するチャンドラ。
「住人の皆様には、八三二橋を渡りきらないようお願いしています。橋の先は『闇路』……ヤマ様は今、そちらに」
イレギュラーズが向かう分には止めないとしながらも、チャンドラは『闇路』について多くは語らなかった。
●再現性『再現性京都』の民
街が燃えたのは、『はづきさん』の社をちゃんと整えようとしていた矢先だった。
だからあれは、祟りだったのかもしれない。長く社を放ったままだったから。
社など無くていい、後回しでいいと、まるで人の様に接してくれていたが、やはりあの人は『神様』に違いなかったのだ。
街をきっと建て直すとあの人が約束して、あっという間に街の景色は元に戻った。
景色は戻ったけれど――前よりも大きくなった竹林が、何だか恐ろしくて。
だから今度は、間違えないように。
失礼の無いように。触らないように。近寄らないように。
橋の向こうは葉月の三十二日(みそふつか)。
『はづきさん』のおわすところ。
ゆきてもどれぬやみじばし。
- <さんさあら外譚>再誕のサティヤ・ユガ冒険中
- これから、ここから
- GM名旭吉
- 種別通常
- 難易度EASY
- 出発日時2025年01月27日 23時59分
- 参加人数6/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 6 人
冒険中です。結果をお待ちください。
GMコメント
旭吉です。
再現性京都復興<さんさあら外譚>、前後編でお送りします。
<さんさあら>シリーズ未参加の方でも問題なくご参加頂けます。
●目標
現地住人を励ます、復興の手伝いをする
●状況
練達の再現性京都。
終焉勢力との戦いにおいてバグ・ホールと終焉獣に破壊されましたが、テクスチャが張り直され景色はかつての雰囲気が戻っています。
伝統的な木造建築とガラス張りの建物が混ざった町並みです。
生き残った住人も居住区に戻っていますが、人口に合わせてかなり小さくなった居住区に川を隔てて広大な山林地区が迫っているような地形です。
そろそろ商店街を再興しようかという流れが興りつつありますが、人手も活気も十分とは言えません。
これからの街を担う彼らを元気付けてあげてください。
・『はづきさん』について
ヤマのこの街での通称であり、親しまれてきた姿。
互いに悪意はないものの、今回のことで住人もヤマも物理・心理共に距離が開いている様子。
●NPC
何かあればプレイングにて。
・『万愛器』チャンドラ・カトリ(p3n000142)
必要であれば案内や同行を務めます。
普段はこの街で住人やヤマを手伝っています。
・『夜摩王』ヤマ・ヴィヴァーン(p3n000350)
山林地区の奥深く、『闇路』と呼ばれる場所から出てきません。
行動場所
以下の選択肢の中からメインで行動する場所を選択して下さい。
(メインの他に別の場所で行動しても構いませんが、行動場所が増えるとその分描写が薄くなります。ヤマとの対話も可能ではありますが、今回はあくまで住人の励ましが主目標です)
【1】居住区
住人の話を聞いたり、芸や料理を披露したり、イベントを開いてみたい場合もこちらで。
商店街のアドバイスなどもあると喜ばれるでしょう。
【2】八三二橋
橋の中央で水面を見ると、会いたい人が、会いたい姿で現れます。声も聞こえるかもしれません。
ここへ来る住人の話を聞くのもいいでしょう。『闇路』に興味を示して渡ろうとする住人もいるかもしれません。
【3】その他
住人へ積極的に関わる以外の行動がメインになる場合はこちら。
イレギュラーズが『闇路』へ向かうのは可能ですが、山林地区内部がどうなっているのかは説明されません。
ただ、「行けばわかるでしょう」とだけ。
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