PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<Je te veux>終焉否定のlost chaosⅢ+α:強欲と苦痛の願い

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●願封じ(がんふうじ)
 人は生きれば何かを願う。
 願ったなにかのどれかは叶う。
 けれどどれかの祈りは尽きず。
 潰えたなにかも再び願う。
 結局願いは渦を巻く。

 願いと願いが反する時、どれかは叶いどれかは消える。
 同じ願いの、違いはなあに。
 違う願いの、同じはなあに。
 やっと見つけた願いの礎。
 人は他人(ひと)ゆえ交わらず。
 交わらぬゆえ心を乱す。
 
 願い続ける困難と。
 邪魔され続ける災難を。
 全て受け入れ眠れれば。
 全て拒んで喰らえれば。
 そんな極みは神にだけ。

 なれば願いを捧げましょう。
 譲れぬ思いを示しましょう。
 だからどうか、その大いなる恩寵を。
 我らが命にお与えください。
 どうか、我らに。
 どうか、我に。


●願いの審判Ⅲ
「今日は随分考え込むんだね?」
 つり目の少年が問いかければ。
「ほら、あの人のお願いをどうにか確かめないと、と思って」
 たれ目の少年が答える。
「えっと……誰だっけ?」
「身体の中にペットを飼っていた人だよ」
「あー。死にたいお願いの人だ」
「だから、まだ分からないってば」
「なんで?」
「願いがなければ人は生きられない。
 だから願ってほしいのに、死にたいって願いじゃ生きられないでしょ」
「欲がない人ってこと?」
「そうとも言えなくて。死ぬために生きるなら、死ぬまでの在り方そのものが願ったものだと思うよ」
「んー?」
「因果応報、が好きみたいなんだけど……まだ苦しみ足りないってこと、で良いのかなぁ」
「じゃあそれが取りあえずのお願いでいいじゃん。あれ、でもさぁ?」
 つり目の少年は思い出す。
 人には初対面ですら生まれる絆があることを。
「どーする? ボク達とぶつかるより先にお願いが反しちゃった」
「友達だなんて、幾らでも増やせるものを喪くしたくないっていう強欲な願いだからね。どこかで反しても仕方ないと思うけど」
 たれ目の少年が地面を指さし円を描けば、二人の足元へ魔法陣が出現する。
「ボク達はボク達の仕事をして、あの人の事はあの人の知り合いに聞いて決めようか」
「オッケー」
 子供達は強く手を握り、陣の中へと沈んでいく。

●計算と気まぐれ
「はぁ。まぁ、事情は分かりましたけどぉ」
 子供達が転移した先は豪華大型客船『スカーレッド・クイーン』。
 そこの主である『ルベル・ゼノ・ドラクルート』は珍しく不快感を露わにして紅いワインが揺らめくグラスを置いた。
「あたしの舞台に上がるには、二人ともドレスコードにそぐわないのだけれどねぇ」
 ルベルは子供達を見る目を細めた。
 これには理由がある。
 そもそも彼女がこの船を手に入れ日々命を賭けたデスゲームを行ってきたのは『人が絶望の内に死んでいく様子を見たい』からである。
 つまりはあくまで人を見下す立場であり。
 己の内に『赤の女王』なる化身を宿す者だからこその娯楽。
 それを満たせる者でなければこの船に乗る資格はないのだ。
 船の主として、文句の一つも言わねば示しがつかない。
「ごめんなさい女王様。でもボク達にも仕事があって……」
「証明しなきゃいけない事があるんだからさ」
 たれ目がそういえば、つり目が睨み、握る手に力がこもる。
「……まぁいいでしょう。あたしを楽しませると約束するならば、この船くらい手放したって構わないわぁ。
 最近は海上でバグ・ホールに出くわしてそのままおしまい、なんて事もあったりするしねぇ」
 あくまで対等の姿勢を保つため、条件を提示し、利点への興味を強調。
 そして協力を申し出る。
 プライドは先程の下りで守られた。
 ならば次はこの場を無用な赤で汚す事を避けるとしよう。
「ありがとうございます、女王様」
「へへっ、決まりだ」
 二人に元の笑顔が戻る。
「ボク達がプレイヤーとあの人をここへ連れて来ますから」
「じょうおーさまはペットに首輪をつけるのを手伝ってね」
 再び生じた魔法陣。完全に気配が消えた事を確認してから、ルベルは唇を紅で濡らした。
「……ふぅ」
 そして逡巡する。
 この船で交わした幾度かの時間。
 交わした約束。
 引きつった絶望の表情を期待していなかったわけではない。

 ――ねぇ半端者。次はお遊び抜きで――やりましょう?

 ふとゲームテーブルを見やれば、表向きにされた8と11のカードが目に入る。

――えぇ知らないでしょうルベル様、私が……ずば抜けて――阿呆な事を!

 ディーラー達の会話を思い出す。
 自分達を困惑させる手を打った、かの阿呆が居なくなったという情報を。
 それ以来、半端者の揺らぎが大きくなった事実を。
「本当なら『自業自得の死』の方が好きなんだけどぉ」
 半端者を一人前にさせられるのならば。
「手を伸ばし続けて、最後には切り落としたその手の痕跡を見たら。
 泣いて、もがいて、吐いてしまいそうな悲しみを思い返したなら。
 今度こそ『人』は死んでくれるのかしらぁ?」
 思い至り立ち上がる。
 子供達が半端者やプレイヤーを集めるまでには多少猶予があるはずだ。
 これは魔種のゲームであって、自身は一観覧者なれど。
「場を提供するパトロンとして。ほんの少しだけ、手伝ってあげましょう」
 壁に飾られた蝶の標本を前に、女王は笑みを浮かべた。

●罰か救いか
 一体どうしてこうなったのだろう。
 一番最初にこの場所へ辿り着いた『こそどろ』エマ(p3p000257)と『先駆ける狼』ウルズ・ウィムフォクシー(p3p009291)は思う。
 経緯を辿れば二人は女子会と称してつい先程まで飲食店で甘いお菓子に舌鼓を打っていた。
 されど店を出た瞬間、落とし穴のように開いた魔法陣に吸い込まれ、今に至る。
「不思議そうな顔してどうしたのさー。あんた達が願いを封じたんでしょ。友達が死なないようにって。
 今からその願いを死ぬ気で叶えてもらうからね。
 それにしても大変だよね、一度でも会ったら友人なんてさ」
 当然だろう。
 そうじゃない。
 字面で見れば明らかに反する言葉がエマの脳裏を駆け巡る。
 確かに先日の依頼で彼女は願いを封じた。

 ――これ以上友人を喪うことがありませんように。と。

 勿論その気持ちは真実であり真剣そのもの。
 イレギュラーズとして活躍し始めた頃から比べれば、最近は人と話せるようになってきたし、交遊関係も広がりつつはある。
 だが主に頭で思い描いていたのは竜剣やウルズの事だ。
 だから仮に自身の願いに要因がある何かを引き起こすにしても。
 少し離れた船の舳先、気を失った状態で磔にされている『黄昏の影』ヴァイオレット・ホロウウォーカー(p3p007470)を巻き込んだのであれば、正しくそうじゃないのだ。
 オマケにこの状況。
 突然出た場所が荒波の海洋を征く船の甲板で。
 魔力か何かで声も出せず動きを封じられて。
 これで疑問を持たぬ方がおかしいだろうに。
 何とか視線を送れば、ウルズも同様の様子。
 有り体に言えば、友達の友達は友達、と認定されたのであろう。
(願いが叶わなかったら死ぬって、よくそんな風習が残ったものだとは思いましたけど……!)
 やはり自分達が願った相手は狂っていたか。
 エマがそんな気持ちでいる事も露知らず、つり目の少年は続ける。
「他のぷれいやーは『メウ』が連れてくると思うけど、時間もないから先に準備しちゃうから。いいよね?」
 子供からの問いかけ。
 舳先からもエマやウルズがいる特設エリアからも離れた場所にいるルベルは、手をかざすことでそれに答えた。
「さぁ出てきなさぃ」
 滴るように。
 指先から零れるおぞましい紅の魔力はどんどんと伸び。
 先端を手鎌のような形状へと変えてヴァイオレットの額、第三の目の前で止まった。
 つり目もまた終焉の気配を放つ魔力の糸を生じさせると、ルベルのそれにまとわりつかせる。

 そして。

「……あああああぁぁぁ!!!?」

 抉り、探る。
 ぐじゅぐじゅと音を立て。
 人と神をより分ける。
「……全く。見れば見るほど半端者じゃない」 
「あ、あ、あ…!!」
 ヴァイオレットが依頼で出会い助けてきた人々。
 元いた世界で占ってきた者。
 因果応報という大義の下に、死の制裁を課した名も知らぬ悪人達。
「このあたりは……要らないわねぇ」
「ああっ!! や、やややめ、おねがああいやあぁぁぁ!!??!!」
 拷問にも等しき時間。
 たれ目の子供に召喚された仲間達もまた、エマ達同様その光景を目に焼き付けさせられていた。
「もう少し黙って見てなさいねぇ。プレイヤーも揃ったみたいだけど。ゲームには駒が必要だから」
 もっと奥。もっと柔らかな場所。
 小さな刺激で赤が吹き出す程に繊細なところへ。
「あああああっ、うあ、ぁぁやぁぁ……!!!」
 ちちとはは。
 あやちゃん。
 ほーらい。
 しおりとすみれ。
「いたいた」
 一度に引き抜く。
 血しぶきに見送られたそれらは白い魔力体にも思える何か。
 弧を描き、ウルズ達の後方にべちゃりと音を立てて投げ捨てられる。
「――!」
 狼は歯を食いしばる。
 気づいていた、あの願いの場に先輩の姿が無かった事を。
 もしあの時支えられていたら、今彼女はこうして苦しむことはなかったのかも知れない。
 悔やむ。
 しかしそれは先に立たぬが習わしなのだ。
「こっちは重いから真剣に……ねぇ!」
 再び、入れる。
「あがっ……!?」
 情け容赦なく。
 先の行いを掬うと表わせばこれは釣り上げる。
 ぐいぐいと。
 闇へ隠れ居座ろうとする影を引き抜くために。
 紅の力と終焉の魔力が、這い寄り、巻き付き、出口の狭さも顧みず。
「あら、思ったより大きく育ってるわぁ」
「……あ」
 うまれた。
 つられた。
 はいでた。
 よびだされた。
 何と名状しようが構わない。
 ヴァイオレットの目の前に。
 本体の前に黒い影が立っていた。それだけが真実。
 それと。
「待たせちゃったわぁ。ごめんなさいね、プレイヤーの皆様」
 ディーラーのようにルベルは語り。
 引き抜いた手鎌を再びヴァイオレットの額へねじ込む。
「貴方達の後ろにあるのは、この半端者の善性、つまりは『人』の要素。
 半端者の前にいるのは、半端者が言う悪性。化身の偶像であり『影』よぉ。
 最後まで立っていた方をこの入れ物に戻してあげるわぁ。
 どっちがいいか、好きな方に賭けなさい。
 そうそう、あたしが戻さないのにこの魔力が途絶えれば、半端者はただの肉塊になるから気を付けてねぇ」
 そのくせ自身は観客であると。
 安全な立場にある事を嫌みたらしく強調して続ける。
 悪性は善性を殺そうとしていること。
 悪性をいたぶれば半端な肉体にも危害が及ぶこと等。
 最後に。
「でもこの状態はあたしも疲れるからぁ。そうねぇ」
 まるで示し合わせたかのように。
 まるで未来を示すかのように。
 船の行く先、その空間が黒く、割れる。
「制限時間はあたしが飽きるか、あの穴へ着くまでにしましょうかぁ。
 時間までに生き残りが決まらないなら面倒だからどっちも戻すわねぇ」
 いいでしょう? と言えば。
 子供達は頷いて、姿を消し。
 イレギュラーズ達も拘束から解き放たれる。
「この……!」
 ウルズが怒りに拳を握った。
 心に燃え上がる炎は強火どころか最大火力。
「こんなの……見過ごせるわけないですよね」
 エマも同様。
 己の願いをこんな形で悪用されたという直接的な怒りもあるがもうひとつ。
 この大海で。
 友の歌が護った静寂の青の真ん中で。
 イレギュラーズの仲間が犠牲になるなんて、許せなかった。
「行くっすよ、エマ先輩」
「ええ」
 二人を筆頭に召喚されていた仲間達も続く。
 全てはヴァイオレットを救うため。
 そのために彼女らはこれから傷つくのだ。

 ――ふえぇぇぇん。

 弱々しく、小さな子供が泣けば。

 ――……。

 白無垢の女が、それを見つめていた。



ーーー

※1分で分かるOP
●1(PL情報)
良く分からん言葉の羅列だぞ!
(関連シナリオ:https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/10657)

●2(PL情報)
子供達が意味深な事を喋ってるけど良く分からんぞ!

●3(PL情報)
子供達が赤の女王にお願い事をしたぞ!

●4(PC情報+GMコメント一部PC情報化)
(エマさん、ウルズさんを筆頭に)PC達が船の上に転移させられたぞ!
 船の舳先にはPC:ヴァイオレットさんが磔にされていて、中から善と悪が出てきたぞ!
 取りあえず悪と戦い善を守り、ヴァイオレットさんを救わないとまずそうだ!
 オマケにバグ・ホールも発生! 気を付けないと!


※関連シナリオ
 以下を読んでいなくとも問題無く参加できますが、知っているとシナリオの解像度が上がります。

●並び咲いた菫の軌跡
「<花蔓の鬼>シリーズ」(夏あかねSDご担当)
<花蔓の鬼>零落
https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/10073
<花蔓の鬼>散華
https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/10287
<花蔓の鬼>紫蝶
https://rev1.reversion.jp/scenario/ssdetail/10395
<花蔓の鬼>白蝶
https://rev1.reversion.jp/scenario/ssdetail/10531

●ルベル・ゼノ・ドラクルートとのこれまで
「<Scarlet Queen>シリーズ」(茶零四SDご担当)
<Scarlet Queen>Tip or Life?
https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/7113
<Scarlet Queen>Black Jack
https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/7596
<Scarlet Queen>Pain is Money
https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/7998
<Scarlet Queen>To live is to think
https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/9945

GMコメント

●目標(成否判定&ハイルール適用)
 15ターン以内に豪華大型客船『スカーレッド・クイーン』からヴァイオレットさんを連れて離脱する
●副目標(一例。個人的な目標があれば下記以外にも設定可)
 ヴァイオレットさんに生きる希望を見出してもらう
 ヴァイオレットさんを精神的苦痛から解き放ってあげる準備をする
 話は帰ってからゆっくりしよう

●優先
※本シナリオは、以前に運用したシナリオ内プレイングに影響を受け制作されています。
 そのため本シナリオに深い関連性を持つ以下の皆様(敬称略)へ優先参加権を付与しております。
・『こそどろ』エマ(p3p000257)
・『黄昏の影』ヴァイオレット・ホロウウォーカー(p3p007470)
・『先駆ける狼』ウルズ・ウィムフォクシー(p3p009291)

●冒険エリア
【海洋周辺の海上】
 豪華大型客船『スカーレッド・クイーン』の甲板特設会場全長2kmと周辺の空と海(以後「船」表記)
 ※バグ・ホール引力圏までおよそ30km

●冒険開始時のPC状況
 基本的に参加PC、サポートPC全員が甲板に集い敵と対峙した状態からスタートします。

《依頼遂行に当たり物語内で提供されたPC情報(提供者:ルベル 情報確度Aー)》
●概要
 ここに狂いかけの半端者がいるのよぉ。
 わたしが許す間、半端者がどちらに転ぶか、好きに賭けていいわぁ。
 せいぜい楽しませてねぇ。

●人物(NPC)詳細
【子供達】
 つり目とたれ目の少年達。
 意味深な事をいいつつ終焉獣を操ります。
 とはいえ、現状は良く分からない存在です。
 良く分からないということは、今は何をすべきか判断できない。
 つまり無視して良いということです。

【ルベル・ゼノ・ドラクルート】
 ヴァイオレットさんと同じ世界から来た旅人。
 「赤の女王」の名を持つ、人間と邪神のハーフ。
 経歴など色々似ているがヴァイオレットさんの方が胸が大きいのでむかつく、とのこと。
 様々な目論みから子供達の提案に協力しています。
 あくまで彼女の協力があってヴァイオレットさんの中身が表出しておりますので、攻撃は控えましょう。
 10ターン経過時点でつまらなければ帰ってしまいます。
 皆様の行動で気が向けば、14ターンまでは付き合ってくれます。

●敵詳細
【闇をさまようもの(通称:影)】
 ヴァイオレットさんの中に蠢く『影』に寄生型終焉獣が張り付き、ルベルの干渉を受けて表出した存在。
 ※終焉獣は何をしても剥がせませんが、ヴァイオレットさんが干渉を止めた時点で消え去るので心配無用です。
 何故か【識別】/【不殺】が無効。
 (正確に表現すれば、識別を付与した攻撃or回復時のみ味方判定になりイレギュラーズとの区別が出来ません)
 黒い翼と三つの目を持ち、闇色の炎で命を灼く等、積極的に攻撃してきます。
 基本的に後述する『人』を狙うので【怒り】を維持しましょう。
 ステータスはかなり高く、特にダメージの高い【渾身】攻撃を持ち【再生】もあります。
 HPを削らない、手心を加えた攻撃のみで耐え続けるのはかなり苦しいです。
 BSは粘り強く付与すればどれでも通ります。
 影がダメージを負う程、ヴァイオレットさんの肉体にもダメージが入り、限界ギリギリとなると胴体の中心部に白い菫が咲きます。
 菫部分のみ【不殺】が有効です。
 不殺でHPを0に切り落とす事が出来れば、影はこのシナリオにおいては沈静化しますが……。
 菫が出るのは本当にギリギリのところです。
 出したいのであれば勢いよく削り過ぎて殺してしまわないよう、ご注意を。
 弱り始めたのは分かるので、そこまで来たら敵の激しい攻撃を浴びながらちまちま削って下さい。

【しおりとみんな(通称:人)】
 ヴァイオレットさんの中に残る『善性』に寄生型終焉獣が張り付き、ルベルの干渉を受けて表出した存在。
 黒い影を纏った幼いヴァイオレットさんに似た子供の個体が1体と、その周囲に様々な姿の白い個体が4体、少し離れた場所に白無垢を着た個体が1体います。
 何故か【識別】/【不殺】が無効。
 子供体は頭を抱えて泣いているように見えます。
 意思疎通はできませんが、どの個体も何か音を発する場合があります。
 ステータスは低めで、特にHPはあまり多くはありません。
 子供体は基本的に回復不可の【狂気】が付与されており、放っておくと自傷ダメージが嵩みます。
 声をかけ狂気を乱し、行動をスキップさせましょう。
 攻撃の意志を持った行動を除き人に直接触れることはできません。
 但し特殊判定として以下。
・子供体に対してのみ、触れ合うほどの距離に接近すれば接触が条件となる行動(ギフト等)は使用可とします。
 (本来より効果は弱まった状態での使用となります)
・白無垢体にのみ、ルベルが用意した白い蝶を受け取り、渡す事ができます。
 (白無垢に何かしたそうな素振りが見えれば、ルベルが「協力できることがある」として蝶を皆さんに渡してきます)

●シナリオギミック詳細
【バグ・ホール】
 理屈や原理が一切不明の『穴』。
 何かを試しても構いませんが、恐らく全て無意味となります。
 ホールに飲み込まれた存在は問答無用で『死』にます。
 シナリオ開始時既に、直径500m級が海上付近に出現しており、船はそちらに向かって1ターン約2kmで航行中。
(今回のみ、1ターンにおけるシナリオ内進行時間は長めです)
 ホールは周囲500mに、毎ターン以下の効果を発生させています。
・ホールへ500m引き寄せる=捕まったら死です。

●エリアギミック詳細
<1:船関係>
 船内への入口は封鎖済=中へは行けません。
 飛行は可能ですが、それによる利便性は脱出が楽になるくらいでしょう。
 特設会場は戦いやすい何もない広場です。

<2:海上>
 シナリオ開始時から15ターンまで、子供達が実に子供らしく頼むことでやってきた海洋の腕利き漁師が船で追従してくれています。
 絶望の青にも挑み続けた歴戦の漁師達ですが、流石にバグ・ホールは怖いです。
 この船達に乗れないと恐らく助からないでしょう。
 参加者が全員が乗れるだけの余力あり、海に落ちても引力圏外なら拾ってくれます。


《PL情報(提供者:GM プレイングに際しての参考にどうぞ)》
【主目標のために何すればよい?】
 基本的にやれることは、影を殴り、人を守り、菫へ想いを伝えるのみです。
 ルベルが撤退した段階で出来ることは無くなりますので、当人の意志はともかくヴァイオレットさんの肉体を連れてバグ・ホールから逃げられれば成功です。

 OPや解説長くなってしまったので難しく思う方も多いかと思いますが、戦闘シナリオの皮を被った心情シナリオの側面が強いです。
 悪や善に対する想い、仲間に対する想い、何でも影や人にぶつけて下さい。

【影】
 混沌肯定とルベルの干渉と終焉獣の融合により、全力で殴り続ければ殺せるかも知れません。
 しかし今の彼女の肉体状態だと、これが死んだ時点で生命活動が維持できなくなるでしょう。
 人へ語りかけるためにも、死なず殺さず、苦痛の中で戦う必要があります。

【人】
 混沌肯定とルベルの干渉と終焉獣の融合により殴られれば死ぬでしょう。
 これらが全て倒れれば、ヴァイオレットさんはこれまでのヴァイオレットさんでは無くなり精神的苦しみからは解放されるでしょうが、友を喪う事となり、エマさんの封じた願いが破れます。
 最低でも子供体だけは守りきりましょう。

【ルベル】
 ルベルは今回プレイヤーでもディーラーでもありません。
 が。ヴァイオレットさんの思考を読み、イカサマを仕掛けました。
 これに対して計算できるような返し手は恐らくありません。
 ですが……場の流れを変えるのは、阿呆なくらい真っ直ぐな気持ちかも知れません。

【PCの心持ち】
 内心は自由です。
 仮プレ、もしくは方針の表明があるだけでも、ヴァイオレットさんが喜ぶと思います。

【ヴァイオレットさん】
 ルベルに諸々取り出された段階で肉体は気を失っていますが、『人』の子供体にぼんやりと意識があります。
 仲間達から肉体的に傷つけられ、仲間は自分の影に傷つけられるのに見ることしかできずと、精神的にも殴られる地獄絵図です。
 仲間の行動が心に響いても、逆に因果応報の気持ちが高まっても構いません。
 ここで決着を付ける必要はありませんが、方針決定の一助となれば幸いです。
 自分がどうしたいか、集ってくれた皆の行動に何を思ったか、心に根付く同根が何を語るか、心情をプレイングにてご提示下さい。
 自発的な行動は出来ませんが、抱く想いは何かしらの形で表出する場合があります。

・その他
目標達成の最低難易度はH相当ですが、行動や状況次第では難易度の上昇、パンドラ復活や重傷も充分あり得ます。

●Danger!
 当シナリオにはパンドラ残量に拠らない死亡判定が有り得ます。
 バグ・ホール引力圏到達前に必ず逃げて下さい。

  • <Je te veux>終焉否定のlost chaosⅢ+α:強欲と苦痛の願い完了
  • GM名pnkjynp
  • 種別EX
  • 難易度HARD
  • 冒険終了日時2024年02月28日 22時11分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

エマ(p3p000257)
こそどろ
ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)
Lumière Stellaire
エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)
愛娘
ヴァイオレット・ホロウウォーカー(p3p007470)
咲き誇る菫、友に抱かれ
松元 聖霊(p3p008208)
それでも前へ
橋場・ステラ(p3p008617)
夜を裂く星
フラーゴラ・トラモント(p3p008825)
星月を掬うひと
ウルズ・ウィムフォクシー(p3p009291)
母になった狼

リプレイ

●詩織に告げる
 豪華客船による海洋の船旅。
 そう言えば聞こえはいいが、今この場所は死と絶望が並び立つ昏き青の世界だ。
 そんな深淵において、運命に選ばれた者達は船首で眠る『彼女』を取り戻すべく短い航海に出る。
「ヴァイオレットさん、来たよ……!」
 黒い翼をはためかせるおぞましい『影』へ『星月を掬うひと』フラーゴラ・トラモント(p3p008825)が駆けだしていく。
 滾る思いで身体を輝かせ胸元で揺れる『ビオラ』を見せつけるように怒りの審判を下す姿は、仲間の、彼女のための盾そのものだ。
「――!」
 影が発する名状しがたい音。
 それが魔力の雨となって降り注ぐに時間はかからない。
 弾けた悪蜜はフラーゴラを中心に、強く、激しく。
 この場にいる者達を黒く、塗りつぶす。
「くそっ!」
 一行の後方、弱々しくも白き光を放つ『人』達を守るため『不屈の君』松元 聖霊(p3p008208)はその身を壁とした。
 『医神』の証たる純白の白衣が、救いを願う男の背中が穢れていく。
「ぐすっ……」
「泣くならもっと早く泣けってんだよ……このっ!」
 どうしてこうも周りには『馬鹿野郎』が多いのか。
 生きたいと、治したいとさえ願ってくれたなら、絶対にその手を掴んでみせるのに。
 花嫁の友。死の救いを説きながら最後には生を願った教祖。
 誰も彼もが、消えていく。
 どうしてだ?
 その場に居合わせているというのに、何故いつもこの手は届かない?
 ――いや、届かないと知っているから伸ばしてしまうのか。
「なぁヴァイオレット、俺たちが傷つけられるのを見て悲しんでんだろ?」
 だとしても。
 彼は、手を伸ばし続ける。
「なら、お前の中に何が居ようが……それこそが『お前』が人間である証じゃねぇのか?」
 泣きじゃくる子供に幻が重なる。
 共に診療所で働きたいという願いは、普通の女になれなかった娘の遺言代わり。
 腕を噛みちぎり目を失いながらも笑った憧れは、二度と果たせぬ約束を嫁入り道具にと持って逝って。
 かの女は遂行者であった。
 かの女は魔種であった。
 では彼女は?
「……お前は人間だよ、ヴァイオレット。
 本当にお前が化け物なら、誰かを傷つけて悲しむもんかよ……。
 誰かが苦しむ様を見て、それに喜びを感じる自分に嫌悪感を抱いたりするかよ!!」
 漆黒の魔力は皮膚を溶かし、灼けるような痛みで朱を誘い出す。
 長く長く降り続くそれは、ずっと彼女が見えない心の中で一人浴び続けていたものだろう。
 癒してやりたい。叶うなら一緒に背負ってやりたい。
 けれどどんなに経験を積んだって。
 今この背にのしかかる苦痛を魔法で消したって。
 混沌に肯定された力だけでは、彼女の心を肯定することはできないのだ。
「へへっ、ヴァイオレット先輩……冷たいのに、熱いっすね」
 灼ける雨の傘となるのは『先駆ける狼』ウルズ・ウィムフォクシー(p3p009291)も同じ。
 彼女の影に隠れるように身を寄せたのは、三つの大人の人、菫柄のハンカチを握りしめた人、そして白無垢の人。
 この場にいるのは巻き込まれた形に近いウルズだが、それらが自分の守るべきもので、守りたいものであることは直感が告げていた。
「先輩が今苦しんでいる理由……あたしには心当たりがあるっす」
 何の因果か。
 ふと思い出して持ち歩いていた『謎肉』を放ってやれば、白無垢が嬉しそうな笑みを浮かべた。
 ああ、やはり。
 自分と同じように、子供の心には『先輩』が生きているのだ。
「先輩の気持ちは痛いほどわかるっす。あたしだって、先輩ともっと一緒に居たかったっすから」
 思い返すは花嫁との懐かしき日々だ。
 研究と称し徹夜で願望を露わにしてしまう薬を作るはなんと『あぐれっしぶ』か。
 屋敷中に響く『か弱い乙女ェェ』と発する奇声のなんと大きなことか。
 嫋やかに笑う鬼人種の最後に、心で何度『何故』と問うたことか。
「でもこの世界にはもうあたし達しかいなんすよ?
 ヴァイオレット先輩が死んじゃったら、また思い出話に花を咲かせる相手が減っちゃうんすよ?
 そうしてその肉が誰から見てもただの肉にしかならなくなった時……先輩は本当に消えちゃうんすよ!」
 鬼は人の心を知ろうとしていた。
 それは『しあわせで愛される花嫁』を願い、他人からすれば悪辣としか言えない手段をもって空っぽの肉塊から『旦那様』を作るため。
 友人達に愛され、幸せになることを目指したのではなかった。
 だから死んだ。
 だがその結果は決して、花嫁が友人に愛されなかったことを、友情からの幸せを掴めるはずがなかったことを示すものではない。
 過去は記憶。そして歴史である。
 良しを愛し、悪しを正せば、未来はほんの少しでも明るくなるはずではないか。
「短命の花みたいに生きた先輩の分も……あたし達は生きなきゃいけない。
 先輩の強く眩しい火のような生き様は、あたしの心にそう灯ったっす。
 ヴァイオレット先輩の中にもまだ先輩がいるのなら……。
 いつか先輩に追いつけるその日まで、燃やして燃やし尽くして生きてみないっすか!」
 嘘を真実としてきた狼の、嘘偽りの無い言葉は、確かに子供へ届いているはずだ。


●悪蜜に抗う
 か弱き光を美しき思いが包む中、悪意の雨は全てを飲み込まんと降り続ける。
「もう、大事なお話中にお邪魔虫さんですね!」
 それを『医術士』ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)は許さない。
 放たれた白魔法は冬空に咲く太陽の輝き。
 濡れた身体を優しく温め、灼ける肌から零れる血を押しとどめ。
 戦いの、仲間の『心』の支えとなる。
「分かった、分かりましたよ……! あんな願い、他の存在に頼ったのが間違いだったんです!」
 ココロの太陽を、ウルズの熱意を背負い『こそどろ』エマ(p3p000257)はナイフを抜いた。
「ヴァイオレットさん! 『友人を喪わないこと』。それが私の封じた願いでした。
 それがどうしてこうなったかは正直サッパリですが、これも一つの縁……これよりヴァイオレットさんは私のともだちです!」
 天涯孤独。
 幼い頃からただ生き残るために何でもしてきた彼女が。
 人と話すことすら怖かった彼女が。
 程度はどうあれ、奪うという罪を重ねた彼女が。
 友のためにと立ち向かう。
 それは願封じなる怪しげな儀式に巻き込まれた故であり。
「私があんな願いを封じたのは、この海原でともだちを喪ったからなんです!
 大事な友達でした……。でも海竜から私たちを守るためにすべての可能性をささげこの海に沈みました!
 私はあの悲しみを……親友が眠るこの海でまたともだちを失う悲劇を、もう繰り返したくないんです!」
 波に揺蕩う魂の歌声のためである。
 増え続ける友、それを守るという願いは終わりなき強欲。
 失う痛み、それを知りながら時を共有するのは後の悲しみを増やすリスクと断ずるは容易い。
 それでもエマは今、確かに選んだのだ。
 新しい友達を。
 自分自身の手で守り通してみせると。
 明らかにした願いと祈り。
 それがどのような未来をもたらすか、まだ彼女の観測では定まらないが。
 望む未来を盗み取らんと、白き嵐となって音の壁を越える勢いで邪神へと飛びかかる。
「化身の偶像……影、か」
 続く『愛娘』エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)の金糸も無意識に炎が如く揺らめいて。
 魔力で作り出した月光の剣は、邪神の神話を照らし破滅へと導く御伽噺の語り部に相応しい。
「お前が元の世界で何をしでかしてきたかは知らないが、マリア達は混沌で共に生きるヴァイオレットに話がある。そのために対価が、罪を背負う必要があるというのなら。マリアは喜んで受け入れよう」
 フラーゴラを殴りつける影の腕。
 その一本に刃を振るえば、船首に囚われた『彼女』からも鮮血が噴いた。
 偶像の痛覚故に、痛みはあれど本体の部位は繋がったまま。
 裏を返せば、偶像が生きる限り。
 斬り放されることも、直接命が尽きることも、痛みが消えることも――許さない。
「ああああああああーーーー!!!???」
 エマやエクスマリアが戦うほど。
 前方の影ではなく、遥か背後にて少女の嘆きが、苦痛の歌声が木霊する。
 聖霊は苦しむ少女へ手を差し伸べるが、纏わりつく黒い影が刃となってそれを拒絶した。
「くっ、ごめんな……こうなるまで、お前の心を救ってやれなかった」
 彼が目指した『医神』の象徴たる、敬愛なる父。
 医神が『世界の傲慢』から守ろうとする母と、それを救う薬を巡る物語。
 その渦中から今日に至るまで、少女は隣に在ってくれたというのに。
「もう俺に医神となる資格はねぇのかもな」
 打ちひしがれたような、弱々しさを宿す言葉。
 希望を持ち、希望を信じ、希望を見失ってきた者だからこその言葉。
 それを少女は指の隙間から涙を零しつつ凝視する。
「……でもな」
 世界が、神が、運命が希望を見捨てるというのなら。
「だからこそ俺はただの医者として。ただの友人として、我がままに願いたい」
 せめて人だけは、止まらずに希望へ手を伸ばし続けるのだ。
「ヴァイオレット、お前を助ける。それが俺の揺るがぬ答えだ。……だから安心して待ってろ、必ず救ってやる」
 例えこの願いが、何度潰えようとも。
 その不屈こそが、救えなかった命達への報いになると信じているから。
 聖霊の小さな誓いは『夜を裂く星』橋場・ステラ(p3p008617)の耳にも届いた。
(いきなり何かと思えば……成る程、大体分かりました。きっとこの場に駆けつけたかった方はもっと大勢居ることでしょう)
 容易に思い起こせる限りにおいて、ステラにはヴァイオレットへ印象深い思いをもった依頼がある。
 あれは雪山。
 凍えるような気温と吹きすさぶ雪の中、大切な友人を取り戻そうと必死だった彼女を。
 自身の渡した毛布で、友人を優しく包み、温め続けた彼女を覚えている。
(ホロウウォーカーさんにも、当然色々お考えはおありかと思います。
 今の貴方と、あの時の貴方の願いではきっと違っているのだとも思います。
 ですが、如何様な道を歩むにしても……。
 まずは一度。
 心を寄せる皆さんとお話してからでも、遅くはないかと思いますよ)
 その障害となるは何なのか。
 自分にできる役割とは。
 導き出した答えを示すべく、両の腕に赤と青の光を宿し、魔力を充填し始める。
「拙には戦って打ち倒す……みたいな事しか出来ません。ですのでその分、貴方を帰還を願う全ての者の代理を務めてみせましょう。……蠢く闇はお覚悟を。この場の絶望は全て、拙がぶっ倒します」
 ステラの魔力を感じ取ったのか、影は一気に攻勢を強めた。
 邪神の力が深淵に至るのか、それとも少女の絶望が手に負えぬ深さなのか。
 未だ渾身の力を残す偶像は、自身に群がる可能性の蝶を消さんと闇色の炎を吐いた。
 灼熱すら生ぬるい。
 地獄の業火を纏った黒弾が乱れ舞う。
「みんな、ワタシの後ろに……!」
 全てを防げないのは分かっている。
 それでも全てを防がんと、フラーゴラは炎を迎え入れた。
「ぐっ……! ヴァイオレットさん、こっちを見て! ほら、ワタシはへっちゃらだよ!」
 他人(ひと)はそれを嘘と言うだろう。
 しかれど仲間(とも)はそれが真実だと知っている。
 肉体が傷つこうと、彼女が構える盾には未だ星の銀河が煌めいているではないか。
 ゲヘナへの道を勇んで歩まんとする彼女の心が、仮初めの地獄に立ち止まるなどある訳ないではないか。
「ワタシは決めたの! ワタシの好きな人を、友達を悲しませたくないって! だから死なない、だから踏ん張れるんだ!」
 大切な者への愛が燃え続ける限り、彼女は心の炎でマッチに希望の夢を灯し続ける。
「一緒だった依頼でワタシが怪我しちゃった時、ヴァイオレットさんがフルーツを持ってきてくれたこと、忘れてないよ!
 ヴァイオレットさんだって大怪我してたのに、大切なお友達を案じて、自分が悪いことをしちゃったって、涙を流してたこと。……あれは絶対、嘘なんかじゃないよ!」
 自身がもたらした絶望を、喜ぶのではなく悔やんでいた。
 悪を為してしまった友の罪を背負い、全てが敵と思える世界から救わんと奮闘していた。
「そんなヴァイオレットさんは、きっと普通の子なんだと思う……!
 だからね? あの時みたいに……ううん。それよりもっと、いっぱいいっぱい泣いていいんだよ!
 だってワタシはあなたの友達で、盾。どんな痛みも悲しみも、全部受け止めてあげるから……!」
 決意は確か。ならば実力はどうか。
 試すかのように、火炎弾は二度目の波となる。
 それは捧げられる願いの一切顧みず、ただ夜空を流れ消え去る流星群にも似て。
「うぅ……!」
「ゴラ先輩!」
 いつかのお返し。
 今度はウルズが魔力を込めた手甲で庇う。
 「この世界に来る前……記憶が無くなる前のあたしは、善い事と悪い事の区別とか考えた事すら無かったっす。
 言われるがまま全てを壊し尽くして、全部めちゃくちゃにして。
 最後は自業自得なのに、苦しみから助かりたくて精神的な自殺を図った……あの頃のあたしと先輩の中の影はどこか似てる気がするっす。
 そんなあたしには、何かを言う資格なんて無いのかも知れないっすけど!」
 ウルズは、混沌へきて変わった。
 この世界でも辛い事はあった。
 きっとこの先も、辛い事は待ち受ける。
 それでも、きっと。
「あたしは思ってるっす! 生きてて良かったって!
 善いも悪いも受け入れてくれるこの混沌で先輩達に……友達に出会えて良かったって!
 だからそう思わせてくれた全ての思い出を忘れないために、あたしは生きるっす!
 そして……ヴァイオレット先輩にも出会いの価値を、生者だから得られる希望をみせるっす!」
 フラーゴラとウルズ。
 二人の友情が、闇の嵐から仲間達への被害を最小に抑えてみせた。
 ならば次は光の出番だ。
「ヴァイオレットさん、聞こえましたよね? お二人の隠しごとのない言葉と、互いを信じ預け合う友情の結果を。
 占い師として振舞うあなたはいつもどこかミステリアスで何か隠しているようでした。でも、占いのカードと心は違うんです」
 影の闇は色濃くまだ距離はあるが『バグ・ホール』の虚無も迫る中で、ココロの囁きなどちっぽけかもしれない。
 それでも真っ直ぐに左手を伸ばし。迷わず魔力を解き放つ。
「伏せっぱなしになんてしないで、試しに一度全部ひっくり返せばいいんですよ。……怖がらなくても大丈夫です、みんな暖かいですよ」
 もし、善人が幸せに暮らし穏やかな死を迎え。
 悪人は報いを受けて絶望のうちに死ぬのが正しい世の中だったとしても。
 ココロは思う。
 死ねば全ては大いなる海へ還る。
 『その人』という物語は終わり、生者の世界には何も残せない。
 例え生き残った者が思いを継ごうとも、それはその人だけの意思ではない。
 例え死んだ者がどんな思いで逝ったとしても、死の善悪はその人だけで決められるものではない。
 どんなに孤独と感じていても、人は一人だけにはなれないと。
 どこかで他者に、環境に包まれているのだと。
 それは至福か、はたまた。
 まだ答えを見つけられてはいないけれど。
「善人と悪人の境目は海と川の境のようにあいまいで、見てわかるものではありません。だからわたし達の生き方は正しいと、善であると信じてみませんか?
 運命は定められていますが、それを形にするのは自らの行いです。自業自得の死が待つ運命なら、形にしないでほっときましょうよ」
 生きて叶えたいと思う願いを見つけるその日まで、後悔のない運命を歩みきるまで、生き続けてほしいと彼女は願うのだ。
「ヴァイオレットさんの願いの行く末まで……わたし達を一緒に連れて行って下さい。誰かに頼まれたからじゃない、わたし達がそれを望むからここにいるんです。だから……こんなところで死なせませんから!」
 医術の光が仲間達を包み、生きているという実感を与えていく。
(いつもそうなのねぇ、あなたは)
 戦いの様子を見守る『ルベル・ゼノ・ドラクルート』は、ココロの光に目を細めつつも視線は外さない。
 かつてこの船で開かれたゲームの数々。
 ルベルも一度だけイレギュラーズ達と対決した事があるが、その中にココロがいた事を覚えていた。
(『味方を勝たせる』ために尽くす。純真に輝く救いと奉仕の光……素敵ねぇ)
 赤の女王はどこから持ち出したワインを口へ運ぶ。
 余裕を見せはするものの、そう長らくこの状態を維持できるわけではない。
(さて、半端者。大方お仲間達の手札は切られたようだけれど) 
 To live is to think――生きることとは、考えることだ。
(あなたは言ったわよねぇ? 『……悪には悪を、因果には応報を』)
 The gods send nuts to those who have no teeth――神は歯のない者にクルミを授ける。
(今のあなたに、その瞳のあなたに……あの頃の信念はどう作用するのかしらぁ?)
 ルベルは用意していた白い蝶を踏みつぶした。
 思っていた形とは異なるが、これはこれで見物としての価値は充分だ。
 ゲームとは、賭けとは。
 勝敗、ルール、そして両陣営へのbetがあって成立する。
(ココロ、と言ったかしらぁ。……カードはただ返すだけなら『アホウ』のする事よぉ。相手の意表を突いてこそ、効果的なんだからぁ)

 ねぇ? 『同胞』。


●『黄昏の影』ヴァイオレット・ホロウウォーカー(p3p007470)
 ぼんやりする。
 ふわふわとして、それでいて波に揺られる感覚は、かつて夜の学校――プールに忍び込んだ時を思い出す。
 何度潜っても、浮かび上がる。
 死のうとしても、生かされる。
 悲しかった。苦しかった。
 渦巻く感情の糸はどうしようもなくこじれていて。
 しかし所詮は子供であった。
 まだ根拠のない希望が湧きだす年頃で。
 晴れない悪夢に凍える身体も、僅かな炎があれば充分に温まったものだ。

 時が流れ、少女は少しずつ大人になった。
 名を、生き方を受け継ぎ、やがて『因果応報』を己が生の定めとした。
 罪なき者も、罪ありし者も殺してきた日々。
 邪神の性質を植え付けられたから、というのはキッカケに過ぎない。
 他でもない少女自身が、儚い望みを捧げて選び続けた道である。
 その手はもう、数多の血にまみれている。

 それなのに。

(あぁ、皆様……)

 少しずつ、温かな熱が流れ込んでくる。
 聖霊が、ウルズが、エマが、エクスマリアが、ステラが、フラーゴラが、ココロが。
 皆が届けてくれる、自分への気持ち。

(どうして、そこまで……)

 影は止まることを知らない。
 エマがすれ違いざまに斬りつければ、大きな尻尾で薙ぎ払う。
 エクスマリアが魔空間を生じさせ圧搾せんとすれば、第三の目から怪光を放ち彼女ごと空間の檻を爆発させる。
 行く手を遮る強火女子同盟も、戦線を維持するため血を流し。
 ステラの魔砲が翼の一枚を吹き飛ばせば、燃え立つ羽根の残滓が反逆の棘となって彼女へ返る。

(もう、もう嫌だ……)

 誰かを大切に想うのが怖かった。
 他でもない自分の手で、不幸にしてしまうのが恐ろしかった。
 だから私は、不幸になるべき悪人となって、いつか報いを受けて消えてなくなることを望んでいた。
 占い師(蓬莱)のように死ぬ事だけが、唯一の希望。
 ――そのだったはずなのに。

「ヴァイオレットさん! 聞こえているかは分かりませんが、それでも私は叫びます!
  あなたの心にどんな嘆きがあるのか、私はまだ知りません!
  ですがそれがどんなものであっても、知りたいと、一緒に何とかしたいと願うんです!
  理由なんていくらでもあります!
  海に眠る私の友や、ウルズさんの言う先輩のため!
  ここにいる私達や、あなたの帰りを待つ友のため!
  あなたの中で光として輝く人々のため!
  だからとにかく今は生き残って……私達と話をしてくれませんか!」

(エマ様は……突然こうした不幸に巻き込んでしまったのに、私を友だと言ってくれる)

 名は、その人をその人たらしめる楔だと。
 そう信じて、影を歩むと己に刻み、神託に『ざんげ』したではないか。
――ワタクシの名前はヴァイオレット・ホロウウォーカー……しがない占い師でございます。
 それがどうだ?
 混沌での日々は、出会いは。
 自分が悪人だと、『ばけもの』だという事を忘れさせて。
 陽の光の中を歩いていけると、縋らずとも縁は結ばれていくのだと、教えてくる。

「ヴァイオレット。悪人とは、なんだ? 善人とは、なんだ?
 善が信念のために悪を背負うことも、悪とされるものが善を成すこともあるだろう。
 数え切れない因と果が、糸となって繋がり、織り上がって生まれたもの。
 応えて報いるものの善悪は、何で決まるんだ?
 マリアも、この世界に呼ばれて以来、誰かを傷つけただの、殺しただの。
 罪と、悪とされる行いに、心当たりがある。
 他の者も同じだろう。
 きっと誰もが、罪と罰を、背負っている。
 そんな世界で、ヴァイオレットだけが、不幸な報いを受けるなど、邪神の勝手な都合が入っていると思わないか?
 少なくとも、マリアはそう思う。
 だからマリアは、ヴァイオレットの善行に応え、報いるために、この影を叩き壊す。
 嫌だというなら、帰って風呂と食事を済ませてから、聞いてやる。
 わかったら、もう少しだけ待っていろ」

(マリア様は……私の紡いだ因果にもう一つの道があると伝えてくれようとしている)

 影の動きが鈍り始めた。
 ほんの僅かな違いだ。
 ともすれば、倒れそうな自分達がそう信じたいだけなのかもしれないと思うほどに。
 だが、それは曇りなき真実だと。
 きっとどこかに可能性が繋ぐハッピーエンドがあるはずだと。
 信じる炎がココロの右腕から舞い上がる。
「フェニックス! 私のこの炎が希望を掴むまで、大アルカナ『悪魔』が『逆位置』になるまで、伏せられたカードをあばいてみせます!
 ……ヴァイオレットさんなら分かりますよね? わたしはそれを望みます!」

(ココロ様は……私の心の中にある善性を癒し、更生の道を照らしてくれている)

 ばかみたいだ。
 はなから死んで消え去る事を望んでたくせに。
 私は、こんなにも信じてくれる皆様を……大切にしたい存在を持ってしまったんだ。

 残された時間は、命はもう僅か。
 影より咲き出でた白き菫は、一体何なのか。
 少なくとも、今は。
 影にも純潔が宿ると示す希望の花だ。
「見えました、拙が抑えます!」
 ステラが前に出る。
 弱ったといえど、かの障害は未だ漆黒の力を全身から放つ巨悪。
 自分自身、ここでこの行動を取ればどうなるかなんて百も承知だ。
 それでも希望を繋ぐため、闇夜を裂くべく、星は可能性を燃やしながら影の片腕に組みかかる。
「――――――!!!」
 ならばと掲げられたもう一方の鉤爪が鈍く光れば。
「絶対に――」
「――邪魔させないっす!」
 泣いても笑っても、今できる最大限を。
 二人の狼が、こじ開ける。
「マリー!」
「エマ先輩!」

(ステラ様が……私の影すらも抱いてくれている。
 フラーゴラ様が、ウルズ様が……生きると誓う炎で悪の心を溶かそうとしてくれている)

 身体に走る痛みなど二の次で。
 今まさに、こんなにも大事な人たちが傷つく所を見せられている。
 ああ、そうか。
 だからこれが、私への罰……因果応報なんだ。
 誰かを失うことが、どんなに辛く、苦しく、抗いたいものか。
 まじまじと見せつけられたからこそ、その心には強く響く。

「エマ、合わせるぞ」
「もちろんです、フレンズですから!」
 願いは伝えた。
 想いは集った。
 そして今、生者は死者の花を、その『影』から切り落とす。
「うあああああああぁぁぁぁぁあぁぁ!!!???」
 轟く断末魔。
 死に等しい痛みを浴びて、子供を覆う影が荒ぶる。
 その狂気は、彼女を貫くはずだった。
 けれど、可能性が。伸ばし続けた腕が、やっと小さなそれを掴んで。
 ほんの少しだけ、痛みを肩代わりする。
「それでいい。こんなもんに何度刺されようが、お前が受けた苦しみに比べれば傷のうちにも入らねぇ。
  だからお前は自分を傷つけるな。
  お前は傷つけることに、傷つけられることに怯える普通の娘。
  運命に翻弄されたとしても、普通の女なんだ。
  大丈夫。
  お前が自分の善を信じられるまで、自分自身を救えるまで……。
  俺も、皆も側にいる。
  だって俺達は、お前に生きていて欲しいから」

(……聖霊様は、こんな罪を重ねた私の命すら背負おうとしてくれている)

 何が本当かなんて、もう分からない。
 全身を走る身を裂くような痛みも。
 傷つきながらも笑顔を浮かべる人達も。
 自身が為してきた悪行の価値も。
 全て、本当のような。
 全て、嘘のような。
 でも、聞こえる声だけは、本当だと信じたくて。
 そこで彼女の意識は途絶えた。


●旅の終わり
「ふぅん。どうやら終わりみたいねぇ」
 全てを見届けてたルベルは、沈静化した影をその場に残し、生き延びた人5体をヴァイオレットの身体へ戻していく。
「さてと。今日のゲームはこれでおしまい。あたしは先に失礼するわねぇ」
「ちょっと、ルベルさん! この船とわたし達はどうなるんですか!」
 ココロの抗議に、赤の女王は空のワイングラスを放り投げて答える。
「興味ないわぁ。だって、もうこの船は最後の役目を果たしたもの。
 愚者が集い、夢に手を伸ばし、落ちていく楽園。その礎になったのよぉ」
「一体何が言いたいのか、意図が掴めませんね」
 ステラが魔砲を放たんと構えるが、ルベルは交戦の意図はないとヒラヒラ手を振った。
「じきにそこの女が教えてくれると思うわぁ。じゃあ……また会う日までせいぜい元気でねぇ」
「終わった、みたいだな」
 聖霊も集まり、各々の状況を確認する。
「ルベルが去り影も消えた今、ホロウウォーカーさんをつれて脱出するのが最優先ですね。拙が行きますから、皆さんはその間に治療と脱出を」
 ステラがヴァイオレットを保護し脱出する間、ココロと聖霊の治癒を受けながら、影と対峙した4人は互いに互いを支え合い、飛び降りれそうな甲板の端へ向かう。
「お疲れ様だな、フラー」
「マリーもね」
「何とか願いが叶いそうっすね、エマ先輩」
「えひひ……そうですね。あとの事は話を聞いてから考えましょうか」

~~~

 海洋の海に出現した巨大バグ・ホールは、愚者も持ち主も失った豪華大型客船『スカーレッド・クイーン』を飲み込んでいく。
 これできっと、ルベルによって苦しむ人もいなくなる。
 これでやっと、ヴァイオレットに安らぎを与えてあげることができる。
 消えゆく船を見据えながら、一行はそんな思いを抱いていた。


●The darkest hour is just before the dawn――夜明け前が一番暗い
 ぼんやりする。
 このかんかくを、わたしはしっている。
 でもさっきより、ずっとあったかい。
 だからもう、きっとだいじょうぶ。
 ただ、きこえるこえをしんじて。

――大切な人達が、手を差し伸べてくれる
  大切な人達が、受け止めてくれる
  勿体ないくらいの、幸福……だな。
  だがどうだ? そんな大切な人達が……
  不幸になれば、どんなにも愉快だろうか!

「かはぁ!?」
 目を見開き、意識が覚醒する。
 吐血するは戦いの影響だけか。否。
 この両目が、この第三の目が、確かな血を流している。
「あ、あぁ……」
 何もかもがわからない。
 ただ、答えを求めて、彼女は横たわるベットから這い出した。
 夜がこの空間を包んでいた。
 柔らかな月光は、癒しではなく闇に這いずる彼女を導く悪縁の標。
 厳重な絶対安静を強いられた病室なのか、支える声が、どこにもない。

 わたしはいったい、なにをしんじればいいの?

 精一杯の力を振り絞り、立ち上がる。
 そして、目があった。
 病室に備えられた鏡。
 見つめ返すそれは。
「は、あはは……」


 血塗られた笑顔で微笑んでいる。
「あ、アハハハハハハ!!!!」
 影を倒せば、悪性が消える。
 誰もがそう信じていた。
 もしかしたらそれは、混沌の神すらも信じていたのかもしれない。
 だが確かに、影はあった。
 最初から宿っていたではないか。
 小さな光の、その中に。

 やっぱりわたしは『わるいこ』だったんだ。

 心の中で何とか押さえつけていた善悪のバランス。
 大切な友人の死によって、決壊しかけていた心の防波堤は、ルベルの干渉によって遂に溢れ出した。
 消えた影の居場所を、光の中の悪が求めたのだ。

 悪蜜は注がれるものだと思っていた。
 だが違うのだと。
 注がれたのは両親からの愛情で。
 文ちゃんからの友情で。
 蓬莱からの因果応報で。
 花嫁からの永劫の呪縛であると。
 彼女は知った。

 その答えが、本当に正しいのかも分からぬまま。

「悪(わたし)は、生きてちゃ……いけない……」

 人の幸せが何よりも嬉しくて。
 人の不幸が何よりも恋しくて。
 大事に想えば想うほど、貶めたくて堪らなくなる悪性が怖かった。
 それでも受け入れ、温め、照らしてくれた想いが本当に嬉しかった。
 だからこそ。
 私に愛を注いだ存在は、皆必ず壊れていく。
 その事実がどうしようもなく受け入れ難くて。
 どうしようもなく心地よい。
 こんな自分がこの世界に存在することが、おぞましく、恐ろしく、たまらない。

 病室から抜け出した少女は、宵闇の影に溶けて交わっていく。
 そこに人としての心はない。
 否。間違いなくあるのだが、どうしようもないと思えるほど壊れている。
 彷徨う幽鬼、影の骸。
 それはただ。
 大切な誰かに不幸をもたらす悪を殺すため。
 暗闇を歩むのだ。


●覚えていますか
 聞きたいことがある? なんでしょう?
 白無垢の理由……あ、あー! そういえばそんなお話もしましたね。
 前にもお話したかと思いますがそれには深いわけが……え? 友達なんだから話してほしい?
 ううっ……その、前にお話したのは、私に生きる希望を与えてくれた女性(ひと)がとっても綺麗な花嫁さんだったことでしたでしょうか。
 そのお方が、私にこう伝えてくれたのです。
『大丈夫、大丈夫よ。辛くても、どんな時でも、笑顔は忘れたらあかん。
 ずっと忘れずに笑っていれば、毎日が幸せになっていくから。
 すてきな花嫁になるあなた、幸せになってね』と!
 なら私は花嫁になれないから幸せになれない?
 何を言われますか!
 私が幸せになれるとすれば、同根のあなたが幸せになれないはずなどありません。
 もしそれを否定する『ですてぃにー』なるものがあるのなら、私が絶対許しません!
 だって、大切なお友達ですから!
 地獄に落ちたって、あなたも幸せにしてみせますからね!
 だから一緒に……幸せになりましょうね!

 例えその幸せが、悪と称される道であったとしても。
 幸せを願うその心だけは、まごう事なき善であると。

 誰もが、信じている。

成否

成功

MVP

エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)
愛娘

状態異常

エマ(p3p000257)[重傷]
こそどろ
ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)[重傷]
Lumière Stellaire
エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)[重傷]
愛娘
ヴァイオレット・ホロウウォーカー(p3p007470)[重傷]
咲き誇る菫、友に抱かれ
松元 聖霊(p3p008208)[重傷]
それでも前へ
橋場・ステラ(p3p008617)[重傷]
夜を裂く星
フラーゴラ・トラモント(p3p008825)[重傷]
星月を掬うひと
ウルズ・ウィムフォクシー(p3p009291)[重傷]
母になった狼

あとがき

※納品遅れてしまい申し訳ありませんでした。

冒険お疲れ様でした。

まず最初に申し上げておきます。
今回の結果はGMも想定していなかったもので、非常に悩みました。
救出プレイングには皆様の想いが非常に強く表れており、GM個人としてはうるっと来ました。
そして、彼女は実に彼女らしい選択を提示されました。

MVPは最も命の危険が迫る中、迷わず我が儘を貫こうとした貴女へ。
各々思うところはあるかと思いますが、まずはどうぞお体を、心を、癒して下さい。

最後のゲームが、皆様を待っています。

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