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シナリオ詳細

<グレート・カタストロフ>勇者進水GC:滅び行くこの世界で

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 海を割って突き進む一台のクルーザー。それを操縦するのは青き装甲をもつひとりのロボットだった。彼の名を、グッドクルーザー。
 記憶を持たず、魔を払う使命だけをうけて現代に目覚めたレガシー・ゼロの勇者である。
 そんな彼が今目指しているのは……。
「終焉獣発見! 攻撃します!」
 海上をすべるように航行する怪物、終焉獣だ。
 丸っこい身体に砲台を備えたそのボディはさながら小さな戦闘船舶のようであり、備えた砲台から次々に砲撃を放ってくる。
「くっ……!」
 グッドクルーザーは己の愛機ブルークルーザーをジグザグに操縦し砲撃を回避。そして両肩に備えたビームキャノン砲を発射する。
 一撃、二撃。それでも倒れない終焉獣に、グッドクルーザーは胸のエンブレムを光らせる。
「ならば――パンドラフュージョン!」
 ジェット噴射で跳躍したグッドクルーザーと、同じく飛び上がるブルークルーザー。二つは複雑に変形すると巨大な人型ロボットへと合体した。
「完成、ビッググッドクルーザー!」
 肩や腰に備えたビームキャノンを乱射することで周囲の終焉獣たちを蹴散らすビッググッドクルーザー。勝利が確信できたかに見えた、その時。
 グッドクルーザーの備えたエネミーサーチがビーコンを鳴らした。
「新たな敵性反応――!? これは!」
 ザバッと海水を押し上げ、海上へと飛び出してきたのは巨大な船舶型をした終焉獣。
 それも一体だけではない。何体もの終焉獣が姿を見せ、一斉に砲撃をしかけてきたのだった。
「ぐああ……!?」
 火花をちらし、爆発を起こして吹き飛ぶビッググッドクルーザー。
 彼は、強力な終焉獣が群がる敵地へ単身で飛び込んでしまった愚を犯したことに後悔する。
 だが、希望までは失っていなかった。
 なぜなら――そう、あなたがこの場に、駆けつけるからだ!


「皆、急いで出港して欲しい。強力な終焉獣の出現が確認されたのだ!」
 そう叫ぶのは幻想南部の港街を領地とする貴族ペンドラゴン卿であった。
 彼はグッドクルーザーをサポートする幻想貴族のひとりである。
 世界は滅びへのカウントダウンを始め、各地にはバグホールが開き終焉獣がばらまかれている。
 それは勿論、この平和な海を維持してきた幻想南部の海域とて例外ではなかった。
「始めは弱い終焉獣のみが観測されていたのだ。そこへグッドクルーザーが出動したのだが、まるで奇襲をかけるように強力な個体群が出現し、グッドクルーザーは……」
 始めは幻想南部の島々を襲撃する小型の終焉獣が出現したという情報だった。
 グッドクルーザーは正義の名の下にこれを撃退すべく出撃。しかしそれは終焉獣たちの罠だったのかもしれない。
 なぜなら、大型の強力な終焉獣が突如として現れグッドクルーザーを撃破してしまったのだから。
 悔しげに歯をかみしめるペンドラゴン卿。だが希望を失ったわけではない。
 撃破されたといっても彼はイレギュラーズ。簡単に死ぬような奴ではないだろう。
「今すぐ向かえば間に合うはずだ。皆、グッドクルーザーを助け、そして終焉獣を倒すのだ!」

GMコメント

●シチュエーション
 グッドクルーザーが終焉獣と戦い敗北してしまいました。
 現地へと急いで向かい、彼を助け終焉獣を共に倒しましょう。

●前半戦
・小型船舶型終焉獣×多数
 全長1m前後の小型船舶型終焉獣の群れを一気に突破することでグッドクルーザーのいる場所を目指します。
 当然彼らはこちらを邪魔するべく攻撃やブロックをかけてくるでしょうが、これらを蹴散らしながら突き進みましょう。

 このとき自前の『小型船』相当アイテムを持っていると有利に戦うことができます。
 もしない場合でも船舶をペンドラゴン卿から借りることが可能です。あるいは仲間に乗せて貰いましょう。

●後半戦
・大型船舶型終焉獣×複数
 巨大な船舶型の終焉獣との戦いに入ります。
 グッドクルーザーを助け、牽制しつつ全員のディープパンドラフュージョンで一気に決着をつけることになるでしょう。

----用語説明----
●深層希望合体(ディープパンドラフュージョン)
 希望の戦士イレギュラーズと使命の勇者グッドクルーザーが心を通わせることで発動する力です。
 現代の勇者として認められたあなたは、大型ロボットビッグクルーザーDの核として合体することができます。
 その際名称が『ビッグクルーザー・XZ(クロスゼット)・〇〇(PC名)』となり、戦闘スタイルも核としたPCを反映したものになります。
 システム的には1ターン限定の超強化状態と考えてください。ここぞという必殺技や超防御、超回復、敵の群れを大量に殲滅する時など見せ場を引き寄せましょう。

・潜水艇ホエールクルーザー
 グッドクルーザー専用の潜水艇です。
 これとグッドクルーザーが合体することで大型ロボット『ビッグクルーザーD(ディープ)』となります。いわゆる水中行動仕様の本気モードです。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <グレート・カタストロフ>勇者進水GC:滅び行くこの世界で完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2024年02月05日 22時15分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

カイト・シャルラハ(p3p000684)
風読禽
清水 洸汰(p3p000845)
理想のにーちゃん
ウォリア(p3p001789)
生命に焦がれて
新道 風牙(p3p005012)
よをつむぐもの
リサ・ディーラング(p3p008016)
特異運命座標
フリークライ(p3p008595)
水月花の墓守
ムサシ・セルブライト(p3p010126)
宇宙の保安官
ニャンタル・ポルタ(p3p010190)
ナチュラルボーン食いしん坊!

サポートNPC一覧(1人)

グッドクルーザー(p3n000117)
勇者進水

リプレイ


「わざわざ弱い終焉獣で誘いをかけるとか、随分とセコい真似してくれるじゃねえか。そんなにグッディやオレたちが怖いのか?
 ああ、その考えは正解だ。そして大失敗だ。
 ダチを陥れてピンチにしてくれちまってよぉ、おかげでこっちの怒りゲージはMAX突破だぞアぁン???
 待ってろグッディ、今行くからな!」
 『よをつむぐもの』新道 風牙(p3p005012)は隕石から作られたという槍『烙地彗天』をぐるりと回して構えると、『コメットクルーザー』の甲板から海を睨んだ。
 コメットクルーザーのフォルムはどこかグッドクルーザーに似ている。なにせ、彼との最終希望合体をスムーズに行えるという作りになっているのだ。
 それだけグッドクルーザーとの絆が深い風牙である。グッドクルーザーが誘い出され襲われるという状況を許せないのは当然であった。
 そしてそれは、グッドクルーザーを『船長』と呼んで慕う『空の王』カイト・シャルラハ(p3p000684)も同じ事だ。
「船長のピンチなら助けに行くのが海の男!全速前進、邪魔するやつはぶっ飛ばすぜ!」
 操るのは改造小型船『紅鷹丸』。カイトのトレードマークとも言うべきシンボルを旗に掲げるその姿は海洋王国にて風見禽と呼ばれ恐れられた姿であり、幻想王国では『鳥種勇者』と呼ばれ尊敬を集める姿だ。
 彼は船のデッキから三叉槍を突き出すように構え、遠くにちらちらと見え始めている終焉獣の群れへと睨みを利かせた。
 その船上にて野球用のバットを背負って腕組みするのは『理想のにーちゃん』清水 洸汰(p3p000845)。海を走る力を有した彼は、いつでも甲板から飛び出す構えでニッと笑った。
「ダチのピンチなら全速前進で駆けつけるぜ!
 ……だけどその前に、こいつ等が邪魔だな!
 こんなところでタッチアウトくらってる場合じゃねーんだよ!」
「うむ!」
 隣から船を並走させ声に応える『ナチュラルボーン食いしん坊!』ニャンタル・ポルタ(p3p010190)。
「今往くぞ! グッドクルーザー!!!!
 先ずは邪魔な彼奴等を蹴散らせば良いんじゃな!
 任せろ!
 高火力範囲攻撃『ボッ』が唸る時じゃ!」
 ペンドラゴン卿から借りた船ではあるが、帆には大きく『うちゅうきれい』と書いてあった。おそらくペンドラゴン卿からのサービスであろう。
 その横に更に並んだのは『生命に焦がれて』ウォリア(p3p001789)の乗る『ブラドニール』。どこか棺を思わせる折りたたみ式の小型船。『――に抗う者よ、彼の地に捧ぐ歌を求めよ』という一節が刻まれたこの船は、乗っているというよりもウォリアと一体となっていると言った方が妥当だろう。
 船首の辺りにあいた穴からぼわりと炎が揺らめき、それが意志の光を宿していた。
(思えば、リサと出会った始まりも彼の依頼だったな。
 ある意味ではグッドクルーザーは我らのキューピッド……という事になるのか?)
 ふと見れば、魔導蒸気機関船『タービン』が寄り添うように走っている。
 頑丈そうな装甲と何かデカい魔導蒸気機関エンジンが取り付けられたタービン。船の高性能さに比してその武装は皆無だ。なぜなら、そこに乗っている『蒸気迫撃』リサ・ディーラング(p3p008016)こそが最大の武装であるからだ。
「今回はウォリアさんも一緒っすから心強いっすよー!
 さーって、しっかり迎えに行くっすよー!
 だからそこをとっととどけやぁ!」
 専用のパワードスーツ『SteamGear01』が蒸気を吹き上げ、背負った『Final Heaven』から両腕ガトリング砲を展開するリサ。
 その一方で、『龍樹大鱗甲』が更に横へと並ぶ。
 夢で見た青龍との巨大化合体にインスピレーションを得て自作したというこの船は、巨大なフリークライ(通称ツリークライ)を思わせる荘厳な船だ。
(ン。メガロビア アンデッド秘宝種 用イテイタ。
 球状モンスター 核ニシテイタケレド。
 今ノ フリック達 秘宝種 近イ存在 取リ付ク 知ッテイル。
 ゼロクール 終焉獣。死体ニモ取リ憑イテイタ。
 自己封印状態メガロビア 魔種 呼ビ声シタノト合ワセテモ 今回ノ罠 偶然デハナイノダロウ)
 そんなことを考えるフリークライの船に更に並走してくれたのが、『宇宙の保安官』ムサシ・セルブライト(p3p010126)の乗る船である。
 海上用の拡張装備(名称未定)に乗った武蔵は船上で『S・コンバットスーツtypeZ』を蒸着した。一瞬にして変身を完了させたムサシは、サプレッション・ユニットの中からレーザーコーティングされた警棒を抜いて構え、更に片手にはビームリボルバーライフル。肩には肩部装着型連装キャノン砲を展開して準備万端といった様子である。
「グッドクルーザーが…!? 終焉獣め、姑息な手を使うでありますね……!
 すぐに助けに行くでありますからね、グッドクルーザー……!」
 グッドクルーザーは小型の終焉獣退治に釣り出され、今まさに終焉獣たちに取り囲まれている。
 彼を助けに行くには、増援として現れた終焉獣たちを撃退しなければならない!
 いざ征け、友のために!


 『紅鷹丸』から『熱血の赤翼』が拡散される。相手を高揚させ引きつけるスキルだが、今回は範囲が恐ろしく広かった。超広範囲にばらまかれたスキルの力によって終焉獣たちが次々と引き寄せられ、搭載された機銃で近距離射撃をしかけてくる。
 空へと飛び上がり、終焉獣たちの射撃を回避し続けるカイト。
「早速策に嵌まったな。今だ、やっちまえ!」
「オレもまとめて引き付けるから、ドカーンとこいつ等巻き込んじゃってよ、皆!」
 カイトの船から飛び降りた洸汰は海上を滑るように走りながら『OSK』を発動。というより大声で自らの名前を叫んでみせる。
 元気いっぱいの声に、カイトの誘引から逃れた終焉獣たちも引きつけられていく。
 それでも漏れが出るほどに終焉獣の数は多い。ウォリアは仲間にアイコンタクト(?)を取ると撃ち漏らした終焉獣めがけて突っ込み、オオオと叫び声を上げて見せた。
 棺の如き不気味な船舶に引き寄せられていく終焉獣たち。
 ここぞとばかりにウォリアは『ジャッジメントクロス』を繰り出した。船首から伸びた炎が薙ぐように終焉獣を切り裂いたのである。
 それを見た洸汰も負けじと終焉獣をバットで殴り飛ばす。
「フリークライさん、回復をお願いっす!」
「ン……」
 リサとフリークライはそれぞれの船を進ませ引きつけ役たちの元へ。
 フリークライは『幻想楽曲オデュッセイア』や『デウス・エクス・マキナ』『天上のエンテレケイア』を使いこなして引きつけ役の特に洸汰やウォリアたちを治癒していく。
「グッドクルーザー辿リ着ク優先」
「その通りっす!」
 リサは両腕のガトリング砲から弾幕をばらまきウォリアに群がる敵を殲滅すると、背部から展開したマイクロミサイルポットから大量の小型ミサイルを発射。大爆発がウォリアの身体を茜色に照らし出す。
 何故こんな風にぴったりと連携して動けたのかと言えば、風牙が連鎖行動をおこし先手を取っていたためである。
「ワラワラと雑魚が大量に湧いて出てやがるな……邪魔だ! どけぇぇっ!!」
 船の甲板から『鳳凰飛天(ほうおうびでん)』を解き放つ風牙。
 質量を持つまでに練り上げた『気』を武器に込め、一振りと共に一気に解放、敵に叩きつけるその技は扇状に衝撃を展開し終焉獣を纏めて蹴散らしていく。
「一気に吹っ飛ばす……! ビッグバン・ブレイザーッ!」
 一方のムサシはジェットスキー型の拡張装備に乗ったままレーザーブレードを展開。そこに炎を纏わせ、終焉獣めがけ強烈な一閃を繰り出す。
 かと思えば、ニャンタルは船舶に己のうちゅう力(うちゅうぢから)を纏わせると終焉獣へと突進。
「うぉりゃーーーーーー!!!!!」
 激突した衝撃は謎の宇宙エフェクトを起こしハッと振り返る猫の幻影をかすかに映しつつ凄まじい爆発を引き越した。
「ムフフ、一溜りも無いじゃろう♪」
 爆発は他の終焉獣たちを巻き込んで吹き飛ばしていく。
 気付けば、あれだけいた終焉獣はもうすっかりいなくなっていた。
「さあ皆、グッドクルーザーを助けにゆくぞ!」


「大丈夫か!? グッドクルーザー!
 我等が来たからにはもう安心じゃ!
 協力プレイで一気に敵を蹴散らそうぞ!」
「あなたは――希望の戦士ニャンタル! それに、皆さんも!」
 揺れる船舶の上で振り返ったのはグッドクルーザーだった。
 ビシッと親指を立て、フリークライにグッドクルーザーの治癒を任せると敵陣へと突っ込んでいく。
 大型船舶型はこれまでと異なりずっしりとした威圧感があった。搭載されている大砲も強力なもので、砲撃がニャンタルの船を激しく揺らす。
「むむっ、この程度……ワイルドキングストリーム!」
 『うちゅうやばい』と『うちゅうすごい弐式』を交差させ、跳躍するニャンタル。
「ウホホウホッウホゥッッ!!!!(行っけぇぇぇええええーーーーーーー!!!!)」
 飛行による大ジャンプによって一次的に上を取ったニャンタルはそのまま急降下突撃。終焉獣の放つ機銃掃射を受けながらもダイビングアタックを繰り出した。
「無事でありますか、グッドクルーザー!
 懐かしい。自分と貴方が初めて会った時もこんな風なシチュエーションでありましたね」
「希望の戦士ムサシ……助かりました。確かに、あのときも同じシチュエーションでしたね」
 苦笑の気配を浮かべるグッドクルーザー。
「そして……その時と同じように、無事撃退して勝利する、ハッピーエンドを掴み取る! グッドクルーザー! また共に戦いましょう!」
「はい、共に!」
 ビッと親指を立て合うムサシとグッドクルーザー。武蔵は頷くと、終焉獣めがけて船を突進させた。
 『SCAS(Superior Combat Active System)』を機動。スペックを大幅向上させるとレーザーブレードで思い切り斬り付ける。
 派手な攻撃をうけた終焉獣が揺れ、大砲による反撃を繰り出してくる。
 幾度もの爆発が水柱となってあがり、その間をムサシのジェットスキーは駆け抜けて行く。
 一方でフリークライはぐったりとしていたグッドクルーザーへと駆け寄り、治癒の魔法をかけ始めた。
「勇気システム再起動。何度デモ立チ上ガルカラコソノ希望 勇者!」
「ええ、その通りです。希望の戦士フリークライ」
 フリークライとグッドクルーザーは顔を合わせ、そして拳をこつんとぶつけ合った。
 一方でリサはウォリアと連携して終焉獣めがけミサイルと弾幕の嵐を叩きつけていた。
 ガトリングガンのあげる轟音がリサの声すらかき消していく。
 弾幕は終焉獣の装甲をはね火花をいくつも散らした。
 飛んで行くミサイルは複雑な機動を描いた後に終焉獣へと着弾、爆発を起こしその姿を一次的に霞ませる。
 そこへ強烈な突進をしかけたのはウォリアだった。
 『ワイルドキングストリーム』の凄まじい衝撃が終焉獣のボディに大きな傷を付ける。
 だが終焉獣は負けじと砲撃を仕掛けてきた。
 着弾したウォリアのボディにいくつもの爆発が起き、船舶が揺れる。
「ウォリアさん!」
「――大丈夫だ」
 瞳の炎を強く燃やして体勢を立て直すウォリア。
 その一方で、風牙は連鎖行動によって仲間達と連携しながらグッドクルーザーへと向き直った。
「グッディ! まだ生きてるな!?」
「ええ、なんとか生きていますよ、希望の戦士風牙!」
 幾度となく合体を果たした二人の魂は強くリンクし、瞳を合わせただけでその心が通じる。
「よし、まだ動けるか? 後に響くほどダメージあるなら、これ以上は戦わせねえからな?」
「大丈夫です。フリーライさんにも回復を受けましたからね」
「……よーし、じゃあ行くか! ここからがオレ達の本番だ!」
 気合いを入れて答えるグッドクルーザー。彼の両肩のランチャーから砲撃が放たれるそのそばで、風牙は槍を構え気の衝撃を解き放つ。
 巨大な槍の形となった衝撃は終焉獣に突き刺さり、そのボディに穴を明けた。
「待たせたな!大丈夫か、グッドクルーザー?
 オレや皆が来たからにゃあもう安心だぞ!
 だって希望の戦士が、ここに集結したもんなー!」
「希望の戦士洸汰! そうですね。この力があれば……!」
 洸汰は水上を滑りながらグッドクルーザーと言葉を交わすと、先ほどの終焉獣のボディめがけて跳躍。バットで思い切り殴りつける。
 揺れた船体を立て直しながら機銃の掃射を行う終焉獣。
 船体側面から生やした機銃が洸汰を襲う。
 かと思えば、間に割り込んだカイトが槍の高速回転でもって機銃をすべて撃ち払ってしまった。
「よっす船長、無事か? 無事だな? まだ勇気は枯れてないな?」
「無論です、希望の戦士カイト!」
 気合いを入れて答えるグッドクルーザーに、カイトはフッと笑って自らの船へと舞い戻った。
 そして――。
「船長、俺らが来たからにはもう負けはねえ。というか、まだ船長は負けてねえ!いいな、心さえ折れてなければ、生きて勇気さえ残ってれば負けじゃねえからな!」
 グッドクルーザーが跳躍し、ディープクルーザーを召喚。それぞれのパーツが分離すると、カイトへと集まり合体する。
「「最終希望合体(ディープパンドラフュージョン)! ――ビッグクルーザー・XZ・カイト!」」
 紅蓮のボディに巨大な三叉槍を備えたロボットが完成。彼はその槍に激しい炎を纏わせると終焉獣めがけて突進。
 相手のボディを盛大に破壊しながら突き進み、そして二人は分離して空中へと飛び上がった。
「な、勇気があれば負けねえだろ? 船長!」
「はい!」
 すると。
「ディープパンドラフュージョン……!? なんかすっげーかっくいいじゃん、グッドクルーザー! オレも乗っけてー!」
「勿論です。希望の戦士洸汰!」
 落下するグッドクルーザーを受け止めるように跳躍する洸汰。
「「最終希望合体(ディープパンドラフュージョン)! ――ビッグクルーザー・XZ・洸汰!」」
 ブルーのボディに巨大なバット。そしてどこからか取り出した野球帽型のヘルメットを装着すると、終焉獣の放った砲撃をバットで豪快に打ち返してしまった。
「オレが望むのは、どデカい逆転の一発、つまり2点ビハインドからの逆転ホームラン!
 オレが黙って打たれてると思ったら大間違いだぜ!」
 砲撃を打ち返された終焉獣がその船体を揺らし、そこへ大上段からスイカ割りのようにバットを叩き込む。
 真っ二つにした直後。
「深層(ディープ)!」
「希望(パンドラ)!」
「合体(フューーーージョン)!!」
 一度分離し、風牙と再合体。そこへ変形したコメットクルーザーが合体し、巨大なバックパックとなってブースターを点火した。
「「ビッグクルーザー・XZ・風牙!!
 プラスッ! コメットクルーザー!
 ハイマニューバモード!!」」
 豪速で突っ込むビッグクルーザー・XZ・風牙。その槍の突撃は終焉獣に穴をあけ、大爆発を起こさせる。
 そんなグッドクルーザーたちに残った終焉獣たちが一斉に砲撃を開始――したかと思うと。
「「最終希望合体(ディープパンドラフュージョン)! ――ビッグクルーザー・XZ・フリークライ!」」
 巨大なフリークライを思わせるボディとなった二人が強烈な治癒の力でカウンターヒールを展開。大量の砲弾が浴びせられ爆発が起こるも、そのすべてを耐えて見せた。
「っし。グッドクルーザーさんの準備が出来次第でいいんで、深層希望合体、いくっすよ!
 戦闘の音を聞いて出てきた雑魚諸共、吹き飛ばしてやるっすよ!」
 そこへ船を寄せてくるリサ。
 リサの跳躍と同時に分離したグッドクルーザーは、リサへと再合体する。
「「最終希望合体(ディープパンドラフュージョン)! ――ビッグクルーザー・XZ・リサ」」
 白いボディに両腕の巨大ガトリングガン。更には背部のミサイルポット。それはSteamGear01を更に進化させた姿にも見えた。
「全弾発射っす!」
 突き出した両腕、そして放たれる大量のミサイル。弾幕は大爆発を引き起こし、終焉獣を引き裂いた。
「では、自分も!」
 ジェットスキーから跳躍するムサシ。
「「深層希望合体(ディープパンドラフュージョン)!」」
「ビッグクルーザー・XZ・ムサシ推参ッ!」
 スーパーコンバットスーツを更に巨大にしたようなその姿で、ビームサーベルを展開。
 砲撃をしかけてくる終焉獣に突進すると、その船体を連続斬撃で破壊してしまった。
「グックルよ!」
 そこで手を伸ばすニャンタルと再合体。
「「最終希望合体(ディープパンドラフュージョン)! ――ビッグクルーザー・XZ・ニャンタル」」
 両腕に装備した巨大なうちゅうブレードによる回転斬りが、終焉獣を滅茶苦茶に切り裂く。
 そして満を侍して――。
「「最終希望合体(ディープパンドラフュージョン)! ――ビッグクルーザー・XZ・ウォリア」」
 巨大な姿を露わとした彼らは最後に残った終焉獣めがけ巨大な剣を振りかざす。
「渾身の一撃を解き放つ!」
 炎を纏ったその剣は、終焉獣を見事に真っ二つに切り裂いたのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 そしてまた、幻想に平和な海が戻ってきた。
 健闘をたたえ合ったグッドクルーザーと仲間達は、船を出し帰路へとつくのであった。

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