シナリオ詳細
<グレート・カタストロフ>大食らいのラムズワード
オープニング
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世界中にバグホールが発言した。それは覇竜集落フリアノンやヘスペリデスも例外ではない。
強大なる竜たる存在であれどバグ・ホールに触れてはならぬのだと友誼を結んだ者達は口々に言った。
「危険よ」
珱・琉珂 (p3n000246)は静かな声音で言う。
「ヘスペリデスもそう。集落周辺も、いえ、集落だっていつ何があるかも分らないもの」
覇竜集落フリアノンは『竜骨フリアノン』の内部に護られるようにして存在して居る。これまではその巨竜の威光か、はたまた、『里おじさま』と呼ばれていたかの冠位魔種のお陰であるかは定かではないがある程度の安全が担保されてきたのだ。
だが――此度は状況が違う。竜の襲来や、亜竜達による襲撃なんてものではない。世界的な規模で危機が訪れているのだ。
バグ・ホールは触れてはならないと里長代行達を通じ、各集落には通達されている。だが、それだけではないのだ。
里周辺にまで終焉獣が現れ、遂には。
「災厄が砂漠から立ち上がったから……?
それとも……何が起こっているか分からない、けれど、星が落ちてくる……」
――遂には、空より、来たるのだ。
宙空に煌めく隕石は瞬く間に地を抉る。バグ・ホールに飲まれるものもあれば、田畑を荒し、燃やす篝火となるものもある。
其れ等を扇動するように、星界獣の姿が見えた。それらは竜の形をしている。
滅気竜――滅びのアークを帯びた竜達は声を荒げ、餌を求めるようにフリアノン周辺を飛び交っている。
「緊急事態だわ」
琉珂は呟いた。フリアノンだけではない。近隣集落もそうだ。ヘスペリデスだって、きっと。
ぞっと背筋に嫌な気配が伝った。これが全国的に散見されているのか。
この滅びの気配が。全てが終わってしまう前兆が。
「……っ、オジサマ」
あの人ならばこういう時にどういっただろう。民の心を掴む事がまだ年若い里長には出来ないだろうか。
いいや、違う。己だってイレギュラーズだ。仲間達が居てくれさえすれば前を向ける。
「集落を護りましょう。
これは『神託の成就』……つまり、世界を滅ぼす為に人が起こす災いよ。なら、人が勝てないという訳がないわ。
驚く話だけれど、私達覇竜領域は『冠位魔種』だって倒し、平和を保っているわ。竜とだって手を取り合えた」
ああ、オジサマを悪く言うだなんて、悪い子だと叱ってくれたって構わない。
――それでも、きっと彼ならば許してくれる。
「空から落ちてきている隕石の中に敵が見えるわ。それを打ち倒しましょう。標的を里から逸らすの。
……何度だってやればいい。それが、里を守り切るためのものになるわ。
相手が、バグ・ホールが開いたから本気を出すって言うなら私達だって本気を出せばいいのだもの!」
●
「琉珂」
呼び掛けたのは『転寝竜』オーリアティアであった。
どこか拗ねた様子の彼女は唇をつんと尖らせている。
「空から何か振ってきているし、何か変なのが来た。アレは竜じゃないし、人じゃないな。あれはなに?」
指を差すオーリアティアは「ぼくは今日はフリアノンで寝るつもりだったのに、邪魔が入った」と憤慨しているようでもあった。
その視線の先には人間がいる。亜竜種にも良く似た翼を有した人間だ。
ただ、オーリアティアの言う通りそれは人でも竜でもないようだ。
「こんにちは」
「こんにちは。おまえは何?」
オーリアティアは『彼女なりには』礼儀正しく答えた。拗ねている竜種は眠りを第一に考える。昼寝を邪魔された転寝竜は爆発寸前だ。
「大食らいのラムズワードです。竜種(ドラゴン)さん」
「うん。名前はどうでも良い。ぼくはおまえの事を覚えるつもりはない。おまえは何?」
「『星界獣』と呼ばれています。
フリアノンを食べにやってきました。とても美味しそうです」
「そう。フリアノンは食べちゃ駄目だから他に行けば良い、大食らいの何とか」
苛立つオーリアティアの背の向こう側で琉珂が小さく息を呑んだ。彼は何か、『大食らい』と言ったか。しかもフリアノンを食うと。
(……だから、隕石も此処に向かってきている……?)
琉珂はじらりとラムズワードを睨め付ける。気怠げにも見える男は適当な竜を喰らうように噛み付いてから咀嚼を繰返す。
その光景に琉珂が忌避感を覚えたのは無理もない。オーリアティアとて気味が悪い物を見るような顔をして居た。
「そうやってフリアノンは食わせない」
「ティア」
「ぼくは、ああいうの嫌いだ。フリアノンはぼくの寝床だから」
――竜種らしい判断だ。オーリアティアは人間を護るのではない。寝床を護るついでに人間を護るのだろう。
「琉珂、ぼくが留守にしている間、ヘスペリデスにはラドネスチタがいる。
アッチもきっと、何かいるよ。心配はしてないけどね。それに、ラドンはぼくがフリアノンを放置したら怒るからね」
「ラドンは恐いわね」
「そうだよ。あいつ、ベルゼーが好きだから。ベルゼーはフリアノンを護れって言うだろうからね。じゃ、戦おうか。ぼくが勝つよ」
告げるオーリアティアにラムズワードはやや首を傾げてから「戦います」と答えた。
後方から現れた蟹を思わせたのは星界獣の幼体か。あんぐりと口を開けてやってくる滅気竜と共に、空より隕石が降り注ぐ。
「石は割っちゃえ、行くぜ。琉珂」
「ええ。……里を護る為に!」
- <グレート・カタストロフ>大食らいのラムズワード完了
- GM名夏あかね
- 種別EX
- 難易度HARD
- 冒険終了日時2024年01月23日 22時25分
- 参加人数10/10人
- 相談7日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(10人)
サポートNPC一覧(1人)
リプレイ
●
小さな頃に聞いた事がある。空に浮かんだ星々が落ちてくることがあるのか、と。
その人は「落ちてきたら吃驚ですなあ」と笑うのだ。その大きな掌が頭を撫でてから「星々は、一つ一つが命なのだ」と告げた。
「じゃあ、命は落ちてこないのね。死んだ人は星になると言うけれど、本当?」
「そうならいいとは思って居るがね」
彼はそう言って笑うのだ。屈託ない笑顔、大好きな顔をして。
「もしも、そうだったら琉珂を見ていられる」
――まるで、私が大きくなるまでは傍に居るかのような、居心地の良い言葉だけをそうやって口にして。
「なんというか、終わりの始まりって感じだね」
星石と呼ぶ事があるのだと『蒼穹の魔女』アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)は聞いた事がある。
隕――天空から落ちるもの。メテオライトの軌跡はフリアノンへと向けやってくる。
これが終わりの始まり。終焉の傍ら。正しく『ラスト・ダンジョン』を前にした冒険者の気持ちだ。
「そうさせないために私達が居るのだけれど」
唇の端の乗せたのは高揚にも似た気配だった。余裕があるわけでもない、侮っているわけでもない。ただ、決意は笑みとしてそのかんばせに張付いた。
「大丈夫、この里も、覇竜領域も、きっちり護って見せるから」
堂々と告げるアレクシアの傍では重苦しい空気を肺が凋む勢いで吐き出した『運命砕き』ルカ・ガンビーノ(p3p007268)が立っている。
「これが終焉の光景。なるほど、嫌な気分にさせやがる」
毒吐く言葉の端。『アイツ』はこんなもんを背負わされていたのか、と呟く声音に肩を揺らしたのは『里長』珱・琉珂(p3n000246)だった。
「どれ程に恐ろしいことだったんでしょうね」
「ああ。神を名乗ってたルストの奴はぶん殴ってやったが……やっぱり本物を殴りたくなってきたな。
不幸中の幸いは、隕石については目の前のあいつを倒せば避けられるって事か」
思い切り助走を付けてぶん殴ってやりたいとでも口にすれば現里長となった年若い娘は笑うか。勿論、ルカは彼女の空元気を知っている。
「安心しろ琉珂。フリアノンは俺にとっても実家みたいなもんだ。必ず守り切ってやるさ。
ベルゼーと母さんが守ろうとしたフリアノンを終焉の使い走り如きに好きにさせるかよ」
「……ええ」
ベルゼー。ベルゼー・グラトニオス。その人は冠位魔種であり、滅びの徒だった。
本来ならば世界各地に現れたバグ・ホールや天より落ちる隕石の数々に、終焉獣なども彼にとっては仲間であった筈だ。
彼が抱いた慈愛が歪な形であれどもイレギュラーズの味方となった事は確かであり、琉珂にとっては大事な存在で合ったことは確かだ。
「んもー! 面倒ごとってどーして忙しいときに来るのかな!!!
アンペロスもどうなってるか心配だしこんな奴さくっと倒しちゃお! ま、おかーさんなら大丈夫だと思うけど」
唇を尖らせた『未来を背負う者』月瑠(p3p010361)は拗ねた様子でそう言った。そして、その眸はじらりと星界獣を捉える。
「大食らいのラムズワードです。『星界獣』と呼ばれています。
フリアノンを食べにやってきました。とても美味しそうです」
「なんだあいつ」
指差す竜種『オーリアティア』に「分からない」と首を振ってから月瑠はラムズワードを睨め付けた。
「大食らいだなんてわたしたちの前では名乗って欲しくない」
「っていうかそこの! ゆえも言ってるけどねぇ、大食らいなんて上等じゃない。
事前に言っておいてくれればリュカが最恐……いえ最強のフルコースを用意してくれてたのに!」
琉珂が「鈴花?」と問い掛けたのはさて置いて――『未来を背負う者』秦・鈴花(p3p010358)は僅かな苛立ちを滲ませた。
如何したってフリアノンは覇竜では重要拠点だ。こうして幾度となく難が訪れる可能性がある。それが歯痒くて、悔しいのだ。
それでも、何度でも立ちはだかるものを『ぶん殴って打ち倒す』とは決めて居た。それが、この里を護るという事だと知っていたから。
●
「フリアノンを喰らう、ときましたか。
先日のベルゼー様を模した者といい、星界獣というのは本当に碌な者がいませんね。喰らわせるものですか、私たちの里を」
ただ、冷えた声音が唇から漏れたのは里長と共にフリアノンを護ると決めた『未来を背負う者』劉・紫琳(p3p010462)の決意であったのだろう。
紫水晶の眸に冷徹な色が滲む。酷く怒りを露わにしたのは紫琳だけではなかった。
傍らには『息子』と呼んだ『未来を託す』ヴィルメイズ・サズ・ブロート(p3p010531)を気遣う『心よ、友に届いているか』水天宮 妙見子(p3p010644)が居ようとも。
ヴィルメイズにとってはフリアノンとは護るべき場所だ。悪戯にその場を害し、フリアノンの骨そのものを喰らうと宣う言葉が巫山戯た児戯以外のなんであるか。
「フリアノンを喰らう、などと巫山戯たこと言いましたね。
自分ではそこそこ気の長い方だと思っているのですが……私にも逆鱗というものがあるのですよ?」
怒りを滲ませたその顔は珍しいものであるとも妙見子は感じていた。振り仰げば洞穴と同化した竜の骨が存在する。
遠巻きに見てもフリアノンの存在が健在であるだけで覇竜はある程度の『治安』を維持できているのだ。あれを巻込まんと空から降る。
天上より落ちるものが地を叩く前に全てを万事丸く収めねばならないのだ。
(隕石、星の獣……あぁ、どこかで聞いたような単語ばっかり……ほんと嫌になります。
珍しくうちの息子も怒っていらっしゃいますし、私も母親として一肌脱ぎましょうか。
それに覇竜という領域は私の大切な方の……いえ、今は考えるのはやめておきましょう……母親としての顔を見せなければ)
大切なその人にとって人の集落は大した関わりは無いのかも知れない。それでも、主と仰いだ黒竜の娘がベルゼーと心を通わせていたのは確かなこと。
ならば、彼の心を護る事にも繋がるのだ。けれど、一番に護りたいのは――
「ヴィルメイズ様、少し落ち着いてくださいましね。大きい怪我だけは注意して、そちらは任せましたから」
眼前を真っ向に見据えた妙見子と、その動きをバックアップする『金庫破り』サンディ・カルタ(p3p000438)は「妙見子、オーケー?」と問うた。
「ええ、これしきのこと」
大仰に扇が開かれる。星々の煌めきを宿す尾が揺らぎ、その姿を一瞥してからサンディは「オーケー。万全に護れるように俺が必ず助ける!」と拳を固めた。
「ぼくのことは放っておいて良い。何する?」
「そうですね。この様なときに手を拱いてみているなど愚の骨頂……そうでしょう?」
柔らかな榛色の尾を揺らす『信ず刄』すずな(p3p005307)にオーリアティアは「そう言うと思ってたから、人間のこと嫌いって言わなくなったぜ」と笑う。少年のような言葉遣いの幼竜は娘である。その尾を揺らがせ唇を吊り上げる。
「じゃあ、どうする?」
「皆様の里、フリアノンを護る。そのお手伝いをさせて頂きましょう。
空から降る石がなんだというのですか。そんなもの、斬って捨ててしまえばいいだけの事……!」
刀を引き寄せ、鯉口を切って見せるすずなの傍ら、『導きの双閃』ルーキス・ファウン(p3p008870)は腰の二刀を確かめる。
「星が振ろうが槍が振ろうが、こちらが怯む理由にはならない。終焉など願い下げだ。これ以上、敵の好きにはさせない!」
一瞥、そして、各位が動き出す。オーリアティアはと言えば滅気竜を前にしてその姿を竜へと転じてみせる。
「じゃあ、ぼくはあいつをもらう」
「オーリアティア君!」
呼び掛けるアレクシアの杖に魔力が宿った。ヴィリディフローラの緑の花弁が紫苑に染まり、魔法陣に釣り鐘の花が浮かび上がる。
アトロファ・ヴェラの魔力が狙うのは滅気竜であった。幻覚作用を用いた妨害魔法。魔法使いの魔力の気配を感じ取り、驚いたようにオーリアティアが顔を上げる。
「ぼくの邪魔をするのか?」
「いいえ、いつもは好きに戦ってもらってるけど、今回は協力といきましょ! どっちがうまく耐えられるか勝負してもいいよ!」
「……」
オーリアティアは竜種だ。竜と人は相容れない。それは誰もが理解している。竜とは上位存在であり人間を対等に見ることは稀なこと。
つまり、この脈々と受け継がれた血族のうち名の知れた竜の末裔であるオーリアティアとて自然とその認識を有してはいるはずなのだ。
だが――幼い竜は『勝負』という言葉に心躍らせ唇を吊り上げる。
「いいぜ!」
尾を揺らす。滅気竜に飛び掛からん勢いで駆け寄っていくオーリアティアとは別の滅気竜の対処を担うアレクシアは「気合入れていこう!」と自らを鼓舞した。
気の抜ける相手では無い。滅気竜は竜相応の能力を有している滅びのアークの化身だ。オーリアティアが油断しなければ倒せるだろう。
耐えきればアレクシアの受け持った滅気竜は二人がかりでの対処も敵う。此処からは根競べ。アレクシアが小さく息を呑み――
「参ります」
隕石に、そしてラムズワードに向かわせないために星界獣達の抑えを担うこととなった妙見子は、その尾に力を集めた。東方に存在する島国に存在した術式が結びつき作られた呪術が九尾の女王としての実力をより強固なものとする。
鉄扇は傾国の気配を宿し、無数の獣を焚き付けた。射干玉の髪がふわりと揺らぎ眉を顰める。
「……中々の数ではありますけれど――息子の為です。母親は、子のためならば強くなれるのですよ」
本来の母ではない。けれど、母たる存在の在り方を妙見子は良く理解している。その戦闘を効率的にと支援するサンディは「数が多すぎるのは確かだ」とぽつりと呟き、風の気配を感じ取る。
淡き風は、背を押すように吹いている。数が多いから遠くしている訳には行かず、妙見子と己でこの戦線を維持することが大いなる目的の一つとなる。
それも全て天より落ちるあの隕石が、そして、眼前に立ったラムズワードが、滅するべき存在であるからだ。
地を蹴った。踏み込み征く場は決まっている。精神統一を行ない、困難をも好機とせよと心頭滅却、定めを知る。
剣の道は未だ未熟でアロウとも、すずなは『答え』を有している。こうした困難を前にして、何を為すべきか――そう。
「降ってくる隕石が面倒ではありますが、邪魔な横槍はないと言って良い。ならば――是非もなく」
風が吹き荒れた。疾風怒涛の勢いで踏込んで抜き去られた剣がラムズワードの体を叩く。人間の身でありながら硬質な甲羅でも有するかのように硬い。
刃がぎり、と音を立てる。一歩後退し、すずなの眸がじらりと睨め付ける。
「この里は皆様の大切な場所。貴方のような悪食に食わせてやれるような場所ではありません……!」
「はい。ですが、食べます。空からは仲間が振ってきます」
仲間、と呟いたのは琉珂だった。あの隕石が仲間であるというのか。ならば、それらは天で破壊せねば地に落ち動き出す――?
「琉珂」
ルカが呼ぶ。彼の手にした巨剣は片手で乱雑に振り上げられる。背負うように持ったその構え。
「琉珂」
「……師匠」
呼び掛けられてからルカは琉珂の肩を一度握った。やわやわと、それでいてしっかりと鼓舞するように。
剣を握り、鍛練を積んだ掌は、硬く無骨なものだった。それは励ましと、そして『前を見ろ』と叱咤するかのように。
「いくぞ琉珂。遅れるなよ!」
駆ける。琉珂がカトラリーセットを手に頷いた。完全なる逸脱と、憤怒の力を手に、ルカが前へ、前へ行く。
その動きに合せられる、と琉珂の唇が吊り上がった。師匠は『仲間と戦う方法』を仕込んでくれ。『二刀流』のカトラリーセットを手に琉珂が呼ぶ。
「月瑠! 鈴花!」
「オーケー! リュカ、頭上に注意だからね!」
飛ぶ事の出来ない彼女と違い、空を自由に駆け抜ける竜の本質。ラムズワードを一瞥した鈴花に頷いて、宙を踊るように飛び込む月瑠の斧槍がラムズワードだけを狙い続ける。
「お星さまって見てるのは綺麗だけど近くには来てほしくないね!」
月瑠が飛び込む瞬間に、周辺の隕石を狙う鈴花が叩き付けた衝撃波が無数に宙に散らばっていく。爆風、だが視界はクリアなままに――それが『親友』の戦い方であると識っているから。
「ゆえ!」
「りんりん!」
呼ぶ。その勢いの儘でやり斧を振り下ろす。「言いたいことが山ほどあるんだからね!」と拗ねた様子で言葉を弾ませて。
「ええ。山のように。ですから――『落ちて頂きましょう』
鉛弾を直接ご馳走できないのは残念ですが、そこは皆様にお任せします。琉珂様、不届き者に手痛い一撃を喰らわせて差し上げましょう」
穏やかに微笑んで、スカートをついと持ち上げてカーテシーをする紫琳の眸は笑って等居ない。
ヴィルメイズが舞う。ひらひらと、蝶々の如く。一対の扇を揺らがせて、ふわりと踊るように産み出された魔力弾丸が叩き付けられる。
隕石の炸裂する音と共に紫琳は眼鏡の奥で怪しく笑った。平穏を揺らがす者を決して許してなるものか――此処より先に立ち入りたければこの弾丸の海を越えて行け。
●
一片の花が咲いたのだ。美しい、その地に良く似合うようにと植えた花は春の芽吹きを待っているだろう。
「オーリアティア君、今回ばかりは油断したらどうなるかわからないし気をつけてよ!
寝床で気持ちよく寝るためにも、万全の態勢で倒し切っちゃおう! 主が怪我して帰ったら、せっかくあそこに植えた花たちも悲しがるだろうしね!」
滅気流を前に『耐え忍ぶ』事がアレクシアに課せられたオーダーだった。引き寄せた滅気竜は強い。杖ごと砕かんと研ぎ澄まされた牙を弾くように魔力が渦を巻く。
「おかあさんか」
拗ねた様子で竜が言った。アレクシアとの共闘を前にして、人の姿に転じたオーリアティアが眉を吊り上げた。
幼い少女のなりをしていても彼女は竜だ。その身体能力は懸け離れたものである。自らの方が滅気竜には苦戦するか――いや、それ以上に、傷付くことを厭うことない在り方にオーリアティアが「人間は脆いんだろ、ばか!」と掛けた声に笑うしかなかった。
「これでも頑丈だからね! でも心配なら、さっさとやっつけて手伝って欲しいかな?」
「いいぜ。ぼくが二体ともやっつけてやる。アレクシア?」
「うん、アレクシアだよ」
「アレクシアはぼくが苦戦するなら二匹ともやっつけるつもりなんだろ。わかってるよ。ぼくもそのつもりだ」
オーリアティアは笑った。じゃあ最初から二人で『やっつけた方が』面白いと言わんばかりにオーリアティアがアレクシアの肩を掴む。
「やけどするなよ」
大口を開いたオーリアティアが吐き出したのは赫々たる焔。その気配にぎょっとアレクシアが目を剥いた。
「ええ!?」
「竜の吐息だぞ! ぼくのとっておきだ!」
オーリアティアとの共同戦線にアレクシアは小さく笑った。竜だ。竜との協力体制だ。引き寄せ、そして支える。アレクシアの仕事だ。
その上でオーリアティアが滅気竜を斥け続ける。二匹も相手取るとなれば長くは保たないだろう。だが、二人でならば――
「オーリアティア君! まかせて」
「アレクシア、ぼくの代わりに死ぬの?」
「死ぬ気は無いよ。でもね、オーリアティア君が困ったときには頑張れる。友達のためだからね!」
にかりと笑ったアレクシア。その笑みは誰もの心を支えるものだ。
笑っていよう。琉珂もそう思う。空を行く鈴花や月瑠と同じようには行くことは出来ない、けれど。
「さとちょー! こっちだよ!」
呼ぶ、声がする。彼女の明るい声音は何時だって引き上げてくれるのだ。
「リュカァッ! いくわよ!」
何があったって鈴花は琉珂を護る事を決めていた。何があったって、どんなことが起きたって琉珂だけを守り切る。
それがフリアノンに棲まう者であり、『里長の親友』の使命だ。
珠珀に対して、花明が出来なかった事を娘がする。父は屹度後悔しただろう。里長を失って、幼い娘が継ぐ様を見たときに。
(いじでも護ってやる! どうせ、アタシは最後の最後。思いっきり殴るだけよ!)
隕石の爆風の中でだって鈴花は構うことは無かった。その分ラムズワードも巻込んでやれと考えて居たからだ。
隕石を吹き飛ばす役割を担う紫琳が「皆様、お任せを」と静かに囁く。
「琉珂様の歩みを邪魔するのならば、許しません」
砕いた隕石の破片がこの周囲を荒さぬように。叩き込む。目を活かし、そして先を見通す戦法を打ち立てて――
吹き飛ばす弾丸と共に、紫水晶の光が散らばった。誰にも害させるつもりは無いのだ。琉珂の身を案じるだけでは無い、フリアノンは『彼』の遺したものだから。
「琉珂様、不届き者に貴女様の手が届くように支えます」
銃弾はぶれることは無かった。それが紫琳の信念だからだ。
己が抱いた感情は、彼女が健やかに進む未来を求めての事なのだろう。手を伸ばし、そして届いて欲しい。
彼女が望んだ未来が暗いものではないように。ただ、微笑んでさえ居てくれればそれでいい。
(その未来にはフリアノンは必要不可欠。このような不届き者に、渡してなどなるものですか)
ひらりと舞い踊っていたヴィルメイズが「おっと、隕石の破片は激しいですねえ」と眉を寄せる。
「この美しい私に掠めてしまいそうですが……ええ、これもフリアノンの為です共。
里長様が前に行くならば、その応援の舞を踊るのみ。ええ、勿論、妙見子様も応援しておりますよ~~私は親孝行息子ですのでね!」
にっかりと笑ったヴィルメイズに「む、息子」と琉珂がぱちくりと瞬いた。
息子。その事については後ほど詳しく説明するしかないだろうか。『母様』の役割を担った九尾の娘は巨大な扇をはらりと揺らす。
「ええ、ヴィルメイズ様……いいえ、息子も手が掛かる頃合いですもの。
母がその手助けを為ぬ訳には参りません。ちょっとだけ無理も押し通させて頂きましょう!」
自らが耐え忍ぶ。その内に、空からやってくる隕石の破片は星界獣たちにも突き刺さることだろう。爆風など、扇風で吹き飛ばしてしまえば良い。
射干玉の髪をはらりと揺らした傾国の娘の笑みに「流石は母上様では~?」と茶化すようにヴィルメイズが言った。
彼も少しは落ち着いたのだろうか。いいや、そうしていなくては怒りが抑えきれないのだ。
(……ええ、そうでしょうとも。覇竜領域は護るべきもの)
あの愛しき紅竜も戦わねばならぬのだ。この地だけが平穏でいられるわけでは無い。
それ以上に竜とは強い。猛き存在だ。だからこそ――『共に立てるだけの力』がその身にあるべきだ。
「俺はさ、だらけきった貴族が怠惰に過ごす澱んだ日々も好きじゃねえし。
飢えと寒さと脳筋と、戦う相手に困らねえ乱世も好きじゃねえし。
……わけわかんねー神のもとに纏まって善悪を説く集団も好きじゃねえし――でもま、それもある意味じゃ世界なんだよな」
サンディはにかりと笑った。何を言って居るのだと首を傾げるラムズワード。
まるで人の心を理解して等居ないような、その様子は異国語を話す者を前にして口の動きだけを真似ているかのような空虚なものにも見える。
人間の姿を模していようともラムズワードはただの星界獣に過ぎず、その名前さえも誰ぞに付けられた識別番号のように思えてならない。
眼前の星界獣は喰らうだけが目的だ。廃頽の気配を身に纏い、堕落を傍らにソファーベッドに寝そべる道楽貴族が葡萄をひとつ摘まむ最中に、パイプを伝った雨水で露命を繋ぐ子供が居ることなど知らない。飢えと寒さに怯えながら、互いを害しながらもその武力を誇るだけの悍ましい叩きも知らない。天が与え給うた素晴らしき偽善を振り翳し新天地をと歌う敗北主義者のことだって知らないのだ。
そう、何も知らないのだ。そんな世界の在り様を、そんな世界に蔓延った当たり前だという言葉も。
奥歯を噛み締めてサンディはラムズワードを睨め付けた。
「だけどさ、お前らは違う。明らかに、世界を食ってる。世界そのものを虫食いにされたような」
すう、と吸い込んだ空気は幻想王国の者よりも澄んでいて、そして針のように冷たい気配がした。
「……アイオン。俺にも少しだけ見えたかもしれねぇ。俺の『倒すべき敵』ってやつが、さ」
プーレルジールで出会った彼ならば「其れは素晴らしいことだ」と謳うだろうが。美辞麗句の似合う即席勇者の正義感に感化されたなんざ言いやしない。
ただ、サンディ・カルタはあの日、あの風に巻かれた日からずっと、倒すべき先を見定めるために走ってきたのだ。
「さっさと終らせるぜ、こんな戦い!」
「理解出来ません」
「する気が無いのでしょう――?」
地を蹴った。袴の裾が僅かにめくれ上がる。踏み締めた石の冷たい感覚に、尖った気配が足裏を刺激する。
跳ね上がった刀の先に纏うた魔力はただ、蒼き信念が如く。流るる水は絶えず地を打ち穴をも穿つ。ああ、それだけではない。清き気配は全てを押し流すのだ。
すずなという娘は信念を胸にやってきた。研ぎ澄まされた刄が曇ることはない。それが己の剣の在り方であると気付いた頃から、尚も、研ぎ澄まされる。
ラムズワードがぐんと手を伸ばした。すずなの刀を握り込み首を傾げる。
「硬い」
「食べ物ではありません」
すずなが身を引いた。地を蹴った。そして再度肉薄する。
(星界獣、との事ですが。曲がりなりにも人の姿を取っているのが仇となりましたね。
人体と同じ場所が急所……とは限らないでしょうが。――刃を通しやすい、脆い箇所。そこは人体と同じでしょう……!)
言葉なく、そして、躊躇いも無く関節を狙う。
理不尽めいた強度など無い。翼を叩き切れば「いたい」と呟かれた。叫ぶ事もしない、獣の姿。
「ッ――」
「任せろッ!」
大地踏み締めルカが飛び込んだ。防御なんてからっきしだ。喧嘩を売って、殴って殴って殴り続ける。
アレクシアとオーリアティアの側は終るだろう。的確に弾丸に巻込まれていく星界獣の数も減った。
ならば、ラムズワードだけを見て居れば良い。
「大食らい――なんでも食べるというならば、その辺にある岩とか草で妥協してもらえませんか? ……なんて、冗談です。
生憎、食べ物の手持ちは無いので…。俺からは、この毒を差し上げましょう。空腹には結構効きますよ?」
ただ、その人実が鋭く輝いた。切っ先に纏わせた毒。それは師の教えである。
空木の剣は人殺しにも適している。それは身を守るが為に使うからこその力だ。
叩き切られた翼に、そして柔い部分を狙えというすずなの教導に頷いたルーキスは接近する。
己の肉など幾らでも持って行けば良い。骨を断つ。脚を狙う、その体が傾いだか。
「柔い部分が多いようですね、ラムズワード」
「いたい」
「ここからは逃がさない。
簡単にこの場を通れると思うなよ? 人々にも集落にも指一本触れさせはしない!」
鋭い蒼が睨め付ける。それは崇高なる決意の刄であった。鋭く、振り下ろす。
「首を!」
叫ぶすずなの声音に、ルーキスが反応した。身を捩り首を狙う。腕にぶつかったか。
「やめろ」
「やめるものか――!」
すずなが踏込む。ラムズワードの肉体がぐらりと傾いでいる。
「フリアノンを、テメェなんかに食わせてたまるかよぉ!!」
ルカの雄叫びが響いた。ぶっ倒れても構わない。首を落とせばそれで良い。
腕が折れれば蹴れば良い。何もなければ噛み付けば良い。フリアノンはラサにも劣らない大事な場所だ。
「師匠ッ! 任せて!!!」
「琉珂!」
ルカの元へと琉珂が飛び込んだ。狙う場所はルーキスが、すずなが教えてくれている。
空の親友と目があった。名を呼べば、笑ってくれる。もう一押しだと、教えてくれる。
「フリアノンだけじゃない覇竜のどこだってお前たちの好きになんてさせるもんか!
ここはずっとずーっと守っていくってわたしたちは約束したんだから。
お前になんか石の一つだってくれてやらない! そうだよね、さとちょー!」
「ええ、そうよ!」
琉珂の攻撃に遭わせる。月瑠は敢て、琉珂のサポートに徹していた。
それは鈴花も同じだった。ルカが前へと彼女を連れて遣ってきてくれるなら、その身を守るのが親友の役割だ。
月瑠と呼んで柔らかに笑う里長。ただ、心の柔らかい所を傷付けられても尚も立ち上がらねばならない彼女。
前へと、跳ねるように進んだ。
「りんりんー!」
「ええっ! 大食らいって言うなら、これでも食らいなさいよね!」
「冠位魔種だって倒したわたしたちの本気を思う存分食らえ! 大食らい!」
有りっ丈を叩き込め。
傾いだ肉体に、傷の痛みなど、どこへやらか遠ざけてすずなが踏込んだ。
切り落とされた首が大地へと転がっていく。空より降る隕石の気配は遠離り、周囲に満ち溢れたのはただの静寂であった。
●
「里長……琉珂様でしたよね? こうやってお話しするのは初めてな気がします。ヴィルメイズ様の母親役をしている妙見子と申します」
「おかあさ――……え、えーと、役?」
産んだの? と問うた琉珂に「産んでおりません」と妙見子は静かに問うた。ぱちくりと大きな緑色の瞳を瞬かせる琉珂は戸惑った様子で妙見子と遠く一人でフリアノンを眺めるヴィルメイズを見遣る。
「お母さんの代りって事?」
「はい。その様な感じです。あの子、ちょっと変わっていらっしゃるので振り回されておりませんか?
……悪い子じゃないので、琉珂様が良ければこれからも仲良くしてあげてくださいね」
「美しいところ?」
琉珂は『美しい私』と言って憚らない愉快な彼を思い浮かべてから小さく笑う。そういう所は嫌いではないのだ。
そうやって明るく笑うから、琉珂も釣られて笑ってしまう。美しく、そして嫋やかである事は良いことだ。
「私こそ、仲良くしてくれて嬉しいなあって思ってるわ。だから、お母さんも見ていてね」
「お母さ……まあ、はい。私も覇竜には大事な人……人、ではないんですが、そういう方がいらっしゃるんです。
フリアノンを守るためにも、人と竜が共に在るためにも、絶対にこれ以上が無いように――」
人では無いという言葉で琉珂はぱちぱちと瞬いてから「竜ってこと?」と問うた。
覇竜領域で人では無い存在を想うというならば竜だろう。妙見子の肩が跳ねれば琉珂はにんまりと笑う。
「素敵な事だわ。オジサマも人と竜の共存を目指していたもの」
琉珂はどちらかと言えば他者の感情の揺れ動きには鈍い。特に、恋情というものに離れて居らず――そうした感情に晒されることなく里長になった事もあるだろうが、ベルゼーが丁寧に育てた事が起因しているのは確かだ――妙見子が差す『彼』が誰なのかは分かって居ない。
「琉珂様」
呼び掛けた紫琳の優しい瞳に抱かれた感情にも何も気付かない。「りゅーか」「さとちょー」と呼ぶ鈴花と月瑠の元へと走って行ってから「皆無事で嬉しいわね!」と天真爛漫に笑うのだ。
「……これで、終いでしょうか」
呟くルーキスに首を振ったのはサンディだった。これが『はじまり』だ。此れから何が起こるかは分からない。
「それでも、目標が定まった。倒すべき奴が、分かればさ、こっちのもんだ」
サンディがにいと唇を吊り上げればオーリアティアは「殴れば倒れるかも知れないぞ」とどかりと岩の上に腰を下ろして欠伸をして居る。
「オーリアティア君」
「ティア」
「ティア君、そろそろお休みする? 怪我はないかな?」
アレクシアに声を掛けられてからオーリアティアは「ぼくは腹が空いた」と不遜に言った。
「こうして穏やかに話せるのも一先ずは脅威が去ったから……ですが『次』があるでしょうね」
すずなは天を見遣った。ルカは「琉珂、分かってるだろうな?」と静かに声を掛けた。
「こいつはまだ始まりに過ぎねえ。もっと強い奴が出てくるし、もっと危険な目にも会うだろう」
「……ええ」
「俺達ももっと強くならねえとな、琉珂」
今はフリアノンを護れたことを喜ぼうと頭をぐしゃりと撫でるルカに琉珂は笑ってから「強くならなくちゃね」と呟いた。
己にはルーキスやすずなのように誇る剣の腕も無ければルカや鈴花、月瑠に力強く戦う事も出来ない。妙見子やサンディ、アレクシアのように誰かを護る事も、ヴィルメイズや紫琳のように穿ち、遠ざけることも出来ない。
「……強くなりたいわ」
呟くその声音に己も先を見据えねばとフリアノンを見遣ったのはヴィルメイズだった。
ずきり、と頭が痛んだ。ヴィルメイズは息を吐く。誰かが、遠く呼び掛けてくる声がする。
――辛かろう、苦しかろう? 決して怒りの炎を絶やすな。 死を舞え! 憎しみこそが力の源なり! 吾にその身を委ねよ……。
(ああ――誰なのか、分からない。けれど、悪くは無い。……どうか声の主よ……教えてください。
怒りが力に変わると云うなら……覇竜を脅かす全てのものを滅ぼせるのでしょうか?)
誰かが笑った気がする。じいと身動き一つとることのなくなったヴィルメイズに気付いてから「どうしたの?」と琉珂は問い掛ける。
「いえ、何もございませんよ」
――今は、何もない。暫しの平穏は何時しか罅を割り此方の世界へと腕を伸ばすのだろう。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
お疲れ様でした。
GMコメント
夏あかねです。宜しくお願いします。
●成功条件
・『大食らい』のラムズワードの撃破
・滅気竜達の撤退
●フィールド情報
亜竜集落フリアノン。その直ぐ傍です。集落を護るように立ち回って下さい。
敵の標的はフリアノンそのものであると認識し、出来うる限りその標的を逸らすのです。
空からは隕石が降ってきています。星界獣の思惑によるものだと推測されます。
隕石のそれぞれを破壊することも可能です。遠距離攻撃などで宙空での破壊が可能です。
大地に接触or人間に接触した時点で近距離範囲に大ダメージを発生させます。またダメージは距離にて減衰します。
1ターンに降る隕石の数は不明です。隕石を狙ったスキルは『宙に打った』としてして判定します。
(宙に向かってスキルを放ったことで隕石をその場で破壊できます。隕石は1つずつを対象と見なします。その範囲なども地上と空で別ものとして扱います。)
隕石を破壊する距離が近ければ近いほど爆破ダメージが入る可能性があることを留意して下さい。
何処まで離れていれば隕石のダメージがないか、などは不明です。
●エネミー情報
・『大食らい』のラムズワード
自らをそう名乗る星界獣です。完全にヒトガタであり、全てを喰らい尽くすためにやってきたと告げます。
亜竜集落フリアノンのフリアノンの骨を喰らう事を目的としているようです。強大なエネルギーが其処に秘められているとも語ります。
何処か気怠げな雰囲気であり、兎に角全てを喰らい尽くす事を目的としているようです。
その姿は亜竜種にも酷似しています。ワイバーンを喰らい、徐々に人の形に変化した事が由来なのでしょう。
巨大な竜の翼を背に、竜語魔術を駆使します。元となったワイバーンの死骸や得た竜の情報などが攻撃の由来です。
司令官級ユニットです。彼が撃破された時点で他のエネミーは撤退します。また、隕石の軌道も逸れるようです。
・星界獣 10体
甲殻類のようにも見える幼体です。成体にまだ至っていません。
エネルギーを目的に、対象を集中狙いします。特に、弱っているモノに対しての攻撃が執拗です。注意をして下さい。
ラムズワードが撃破された時点で散り散りになって逃げて行きます。
・滅気竜 2体
滅びのアークと結びついたワイバーン達です。非常に強力な性能を発揮します。竜相応の力を有してしまった居るようです。
空を自由に飛び回り、ラムズワードの指示に従います。ラムズワードが撃破された時点で撤退します。
●NPC
・珱・琉珂
亜竜集落フリアノンの里長。父代わりだった冠位魔種、ベルゼーのコートと武器を手にしています。
お料理が苦手な元気な女の子。立派な里長となるべく奮闘しています。
近接攻撃が得意です。皆さんの指示に従います。
・『転寝竜』オーリアティア
少年のような口調で話す竜種。一応、性別分類は女性です。幼竜です。
微睡竜と呼ばれた伝承の竜オルドネウムの系譜であり、ご先祖様が最強に強いと豪語しています。
眠ることが大好きです。時々フリアノンに昼寝に来ているそうです。「ぼくの寝床、何時も狙われてる」と拗ねています。
滅気竜の撃破に力を貸します。あんまり指示に従ってくれません。
●情報精度
このシナリオの情報精度はCです。
情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。
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