PandoraPartyProject

シナリオ詳細

蒼き舞台の間者祭

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●何か、ちょっと、一花添えたい
「うーん……」
 ミゼ・ルカータは頭を抱えていた。
 幻想国では寒空の下に輝く一つの街。
 シャイネンナハトより少し日をずらした夜に、一際光を帯びる場所が在った。
 一度に百人以上は集まれようかという広さの室内会場。
「お嬢様、パーティーのお悩みですか?」
 その中で首を捻る青髪の彼女、ミゼに、白髪の老執事が声を掛ける。
「うん? あ……うん。ええ、まぁ、そうね」
 心ここに在らずですね、と老執事は心配そうに少し首を傾げた。
 会場のど真ん中に佇んでは、両腕を組んで無言で眉根を寄せている。
 ミゼは先程からずっとこの調子だ。
 折角の可愛らしい小顔も、これでは寄る者も寄らなくなってしまうかもしれない。
「是非、この私めにもお聞かせ願えませんか」
 ミゼから返答があったのは、執事が言葉を終えてから約五秒は経過した後。
「……あのさ、何か……最近マンネリ化してない?」
 また、二人の間で次の言葉が出て来るまでに数秒の間が空いた。
「マンネリ」
「マンネリ」
 予想だにしなかった単語が出たのか、老執事は呆然と繰り返し、ミゼが食い気味にオウム返しで頷いた。
「……マンネリと言いますと、お嬢様。それは勿論……」
「パーティーの事だけど?」
 それ以外何が有るの? とミゼは逆に不思議そうな顔で寄せた眉の片方を上げる。
 ミゼ・ルカータは幻想国は西、とある街の貴族令嬢だ。
 ルカータ家では、季節や時期ごとにパーティーを開催している。実はファントムナイトの期間でも行ってはいた。
 なのだが、どうも最近代わり映えがしないな、と開く度に感じてしまう彼女が居る。
 開いた手元のスケジュール表。うん、無難だ。
 無難過ぎて客足も徐々に遠のいてしまっている気がする。
 因みにシャイネンナハト当日ではなく、少し日をずらしての開催には理由が有る。
 そんな大層な事でもないのだが、何故かシャイネンナハトの日に限って本当に何故か不参加の申し込みが多かったからだ。
 最近恋人が出来たと言ったミゼの友人からも日程を理由に断られた。世知辛れぇ世の中です。
 そんなこんなで熱も収まる数日後のパーティーである。忘年会と言い換えても差し支えない。
「まぁ、それはそれで良いんだけど。今年は輪をかけて参加者が少ないのよね。何かこう……もっとこの会を認知して貰えるような方法、無いかしら」
「ふむ……でしたら、お嬢様。認知と言わず、直接頼んでみては如何で御座いましょう」
「もしかして……ローレット?」
「左様で御座います」
 そんな依頼通るのか? というか、そんな依頼を申し込んでまで誰かに来て貰いたいだなんて。
「……何か私、友達作りがド下手クソな寂しがり屋みたいじゃない?」
「左様で御座います」
「左様に御座らないで?」
「でもお誘いする時は大抵、お金か物をチラつけせていらっしゃいますよね」
「私の事、詐欺師とかと思って仕えてる?」
 言いながら、ミゼは友人に断られた際に「今年は珍しいプレゼントとか用意しとくから!」と言ったのを思い出した。
 左様に御座るかもしれない。
「まぁ、ものは相談。行くだけ行って駄目だったら醜態を晒した上で寂しい想いをするだけですよ」
「その時は貴方を呪いの棺桶か何かにぶち込んでやるわ」
「では、早速ご準備を……おや? その手に持たれている物は……」
 ミゼの手に持たれたスケジュール表。
 二枚重ねになっていると思いきや、片方だけやけに質感が違う。
「あぁ、これ? さっき部屋に戻ったら机に置かれてたの」
 宛名の無い正方形に近い白の封筒。
 渡された執事が中を開くと、綺麗な文字の掛かれた一枚の手紙が入っていた。
「お嬢様……これは……!」
「そ、『予告状』。まぁサプライズイベントくらいにはなるかしらね?」
「あの、お嬢様、こっ……」
「さ、取り敢えず人数集めの依頼よね。ギューネイ、ほら行くわよ」
「……っちの方が本命の依頼になるのでは……?」


「プルシャンブルーの夜空の下、マリーゴールドに染まった人々が一堂に会する……」
 声を掛けられたのは、『色彩の魔女』プルー・ビビットカラー(p3n000004)が窓辺から今年の出来事に想いを馳せ、外をぼうっと眺めている時だった。
「一応訊いておきたいのだけれど、依頼内容は『こっち』で良いのかしら?」
「ええ! 是非ともギルドとしての知恵を見せて頂きたく!」
 ミゼが依頼したのは『会場護衛としてパーティーに参加し、可能なら余興を考えて貰いたい』。
 今日のご飯何にする? に対する、何でも良い、に近いものを感じる。
 何と言うか、依頼文の前半と後半が掛け離れていやしないだろうか。
「うっ……それは……」
「お嬢様は素直じゃ御座いませんので」
 ミゼの後ろに立つ老執事、ギューネイは会釈のように頭を下げて発言する。
「本当は『皆さんにパーティーへ参加して欲しい』。これだけ言えれば良かったものを、建前とプライドに抗えずに『会場護衛』という名目をお作りになられたのです」
「何で全部言っちゃうの!?」
 基本的には、パーティーを楽しんで貰えればそれで良いそうだ。
 パーティーは立食形式の食事会、合間合間にミゼ自身が歌うディナーショーと特大ケーキのお披露目が挟まっている。
 特徴的なのは皆が動物の仮面を被って参加する事だ。
 貴族と平民が顔を明かさずに身分を気にせずパーティーに参加出来るように、と考案されたらしい。今ではその発端を知る者も居なくなっているようだが。
 これだけ聞くと仮面を除けば何ら変哲の無いただの宴会。護衛なんて逆に悪目立ちしそうだ。
「本当にその必要性が出てきたのが、この『予告状』……スノーホワイトの夜に紛れ込む一欠片のマウスグレー……」
 真っ白の予告状には、以下の文が二行だけ書かれていた。

『宵も宵闇、鳥は去る。鳴き始めた犬が暗がりに迷い込み、青鳥の涙は零れ落ちる。
 怪盗、メルヘス』

「……青鳥の涙?」
「あぁ。当日、ケーキの上に飾り付ける宝石ね」
 見映えに拘りたかったのだろうか。わざわざケーキの上に乗せるなんて貴族らしいというか何というか。
 盗みの予告状。にしては、ミゼはやけに余裕の有る表情だ。盗られる事を何とも思ってないようにも見える。
「でも、それだったらご心配なく。実際のケーキに乗せるのは偽物、良く似せて作った加工品だから」
「なら、本物は?」
 顔を上げたプルーに、ミゼは上着を捲り、内側の左胸に付けたブローチに手を添えた。
 濃ゆい青色の小さな宝石。左右に三つずつ、羽のように細く枝分かれした細工が施されている。
「ここ。別に家宝でも何でもないのだけれど、価値は確かに高いわよ」
 本物は、偽物に対して一回り小さいし色も濃ゆい。
 当日はケーキに乗せる物を本物と、お披露目の際に紹介するらしい。
 本当の本物はミゼが服の内側、誰にも見えない箇所に付けている。
「じゃあ、その紹介も入れて……当日のスケジュールを一応教えて貰えるかしら?」
「ええ、良いわよ」
 開宴は十八時。
 時刻になったら会場に設置されたステージ上でミゼが開会の言葉を始める。オープニングだ。
 十八時十分、宴会の開始。約五十分の立食式、食事雑談タイム。
 イレギュラーズが何かをするなら、この時間が最も適しているかもしれない。
 十九時、いよいよ特大ケーキのお披露目。
 ケーキはシンプルに苺のケーキ。
 だがその高さが目を見張る。成人男性の平均身長を越し、大体二メートルはあるんじゃないだろうか。シャンパンタワーならぬケーキタワーである。
 その天辺に、ちょこんと煌めく青鳥の涙が乗っかっている。
 もしイレギュラーズがケーキに拘りが有るならば、他の味を作っても良いだろう。
 紹介される際に、一度会場が暗転するらしい。そこをスポットライトがケーキを照らし出し、堂々のお披露目とするのだと。
 十九時三十分。再び雑談食事タイム。
 余興などを挟む時間は充分に有る。
 二十時。
 ミゼにとってはここからが本番。
 暗転した会場で彼女自身が衣装を着替えた薄青ドレスの歌姫となり、光を浴びたステージ上でソロコンサートを行う。歌う曲はバラードが中心。
 約一時間の時間が有るが、もし音に自信が有るなら飛び入りで参加しても良いとの事。
 ただ、コンサート中はずっと会場が暗転したままの為、足元には注意して貰いたい。
 二十一時、閉会の言葉。
 そこから約三十分は退場の時間となっている。
 開場時間は約三時間半。
 怪盗が現れるとしたらどのタイミングだろうか。
 そんな疑問に、ミゼは何故か朗らかに笑っていた。
「別に良いのよ、怪盗の一人や二人。命を狙われてる訳でもないんだし……それに、私としてはむしろサプライズイベント的な感じで捉えてるわ。何処からどう現れてどう盗っていくのか、ふふ……ちょっと気になるじゃない?」
 どうやら、本当に主となる依頼目的はパーティーへの参加、これだけのようだ。
 その他に起きる事は彼女にとってはどれもイベント。いつものパーティーにちょっと変化を加えたいミゼからすれば、それもまたアリなのだろう。
 となれば、依頼の最終的な目的はパーティーを無事に閉会まで続ける事。途中で中断させてはならない。
 それで、とプルーはもう一つの疑問を口にした。
「この怪盗メルヘスというのに心当たりは?」
 答えたのはギューネイの方であった。
「最近、巷で噂の盗賊ですな。私も少し耳に挟んだ事が有ります。声まで変える変装の達人であり、年齢性別含めて実際の中身を知る者は居ないとか。神出鬼没で、犯行の前には必ず予告状を送り付けるそうです」
「うーん、参加者の中で怪しいのはピックアップしてみたけど……」
 ミゼが挙げた人物は三人。
 一人目は古物商の店主、ダデム。珍しい品物には目がない。
 二人目は同じ貴族の青年、チャミー。何かと言い寄られ、いつもミゼの近くに寄って来る。
 三人目はルカータ家の料理メイド、リリアンテ。ミゼも前に驚いたがこの娘、イレギュラーズと変わらないくらい身体能力が高い。
「解ってるわよ、我ながら安直だなって! でもケーキに近付く事が出来たり、宝石に興味を持つのってこの三人くらいなの! ま、そっちは偽物だし、盗ってくなら盗ってくで良いんだけどね」
 彼女のそんな言葉を聞きながら、様子を伺っていた怪盗は「盗り甲斐が無いなぁ……」などと思ったりしたのだった。

GMコメント

●依頼内容と、このシナリオ自体で何をすべきか
・ミゼの開催するパーティーに、会場護衛という名目で参加する。
(飽くまでお客様という扱いになります)

・基本的にパーティーに参加し、閉会までパーティーが進行すれば目標達成です。
パーティー中は二人きりで会話をするも良し、一人で想いに耽るも良し、複数人でステージに立つも良し。ひたすら料理やケーキを喰らい続けるも良しです。

●成功目標
パーティーを中断させる事なく、閉会まで終わらせる。
怪盗の出現と犯行は中断になりませんのでご安心下さい。

●副目標くらいのもの
・パーティー中、各々盛り上がりそうな余興を披露する。
 タイミングはお任せ。
・怪盗、メルヘスの犯行を防ぐ。または『青鳥の涙』が盗まれた場合、怪盗を見つけ取り返す。

●注意事項
良識に従って頂ければ何をしても大丈夫ですが、例えば乱闘騒ぎを起こしたりなどするとパーティーが中断される恐れが有ります。
もし何か事を起こすならコッソリやるか、閉会後に行うと宜しいかもしれません。

●会場
幻想国のパーティー会場、室内です。
天井にはシャンデリア、前面には十人以上が並べるステージ。
歌うも踊るも問題無い広さです。

当日は約百人、プラスでイレギュラーズの皆様とオープニングのNPC達が参加する事になります。
描写は開会から閉会の言葉までになりますが、パーティー外で何かやっておきたい事が有ればプレイングにてご記入下さい。

入室時に何らかの動物の仮面の貸し出しがありますが、義務ではないのでイレギュラーズの皆様も付ける必要は御座いません。
付けるのはNPCのみ。途中で外す奴も居ます。

会場は何と一階と吹き抜けの二階に分かれております。広いです。
食事が一階部分にご用意されています。
食事用の円卓テーブルが幾つも並べられており、中心にはローストチキンやシチュー、焼きそばなど様々な料理を置いたテーブルが御座います。
もしかしたらこれまで幻想国で食べた料理も有るかもしれません。
ドリンクは入り口付近、セルフです。
立食方式ですが、壁際には椅子とテーブルが設置されていますのでごゆっくりどうぞ。
二階部分はロの字の通路のようになっており、テーブルと椅子のみ置かれています。

●『青鳥の涙』について
濃ゆい青色の小さな宝石です。左右に羽のように細く枝分かれした細工が施されており、そこからこの名前が付けられました。
当日、本物はミゼの服の内側に付けられています。
ちなみに盗られます。

●怪盗メルヘスについて
変装の達人。声まで別人に変えるとか。
年齢性別不詳。
リプレイ中に登場しますが、どのタイミングで出て来るかは秘密です。
誰かに化けてるかも?
怪盗関連に関してはフレーバー要素であり、依頼の成功失敗には関わりません。

参加したは良いけど余興とか何も思いつかないなぁ、なんて時にご利用下さい。
ただ、パーティー中にいつもの戦闘みたく思いっきり暴れて捕まえようとしたらパーティー中止になりかねませんので、その点はご注意を。
あと出来れば手加減はしてあげて下さい。
捕まえるのに攻撃スキルを使用されても大丈夫ですが、全力全開で攻撃されると大丈夫じゃなくなります。
メルヘスがいつ犯行に及ぶか予告状から推測されても良いですし、ロールプレイで見つけ出しても良いでしょう。手っ取り早いのはやはりスキル。

●予告状について
暗号のように書かれていますが、別に解読する必要は一切御座いません。
飽くまでフレーバー要素です。
それとなく意味は持たせてますので、もし気が向いたら何となく予測してみて下さい。
自信は無いけど予測してみたい! という方はプレイングにふんわりと書いてみて下さい。
破っても良いですよ。待ってりゃ来るし。
または何も触れなくても全く問題御座いません。

●当日のスケジュール表
※どう過ごすかのご参考になればと思います。
 このスケジュール表は既に参加客には配られています。

18:00~
『開会の言葉・パーティー開宴』
…ミゼがステージ上に立って最初の挨拶をします。

18:10~
『雑談・食事時間(立食形式)』
…余興をするならここが良いかも。

19:00~
『特大ケーキ、及び青鳥の涙の披露』
…披露直前、会場が暗転します。お手元にご注意を。

19:30~
『雑談・食事時間(立食形式)』
…何か芸を披露するならここも使えます。

20:00~
『ミゼ・ルカータ、ソロコンサート』
…ステージ上には演奏隊のNPCも何人か並びます。全員ルカータ家の雇いの音楽隊です。
コンサート前にミゼは別のドレスに着替えます。
飛び入りで参加しても良いですよ。
コンサート中の一時間はずっと暗いままなので、足元にはお気を付け下さい。

21:00~
『閉会の言葉』
…ミゼがステージ上に立って最後の挨拶をします。

~21:30
退場の時間です。
食事のお持ち帰りはしてませんので、足りなかったらここで全部食べましょう。

●NPC

ミゼ・ルカータ
・幻想国の令嬢。20歳。
 蒼の綺麗な長髪に緑色の瞳。最近執事に舐められてる気がする。
 パーティーの主催。

ギューネイ
・ルカータ家に仕える白髪の老執事。
 ミゼに対してやや当たりが強い。
 当日はずっとミゼの側におり、着替えなども手伝う。

ダデム
・古物商の店長
 珍しい物品に目がなく、青鳥の涙も喉から手が出る程欲しがっている。
「ははは、いや相変わらずお美しいですな。ところでそちらの宝石、少し手に取ってみても……?」

チャミー
・ミゼと同年代の貴族
 ミゼに度々言い寄ってくる。どちらかと言えば宝石よりミゼなのかもしれない。
「やぁ、今日のドレスも似合ってるね。さっきの衣装も、もう少し見てみたいかな……」

リリアンテ
・ルカータ家のメイド
 主に料理担当。当日もケーキの準備に忙しいが、持ち前の身体能力の高さで何とかしている。
 青鳥の涙は彼女が最後に取り付ける。
「あの、これ、本当にケーキの上に? 価値下がりません?」

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。
 怪盗関連とか含めてAです。

  • 蒼き舞台の間者祭完了
  • GM名夜影 鈴
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2024年01月14日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

シラス(p3p004421)
超える者
アベリア・クォーツ・バルツァーレク(p3p004937)
願いの先
ソア(p3p007025)
愛しき雷陣
ヴァイオレット・ホロウウォーカー(p3p007470)
咲き誇る菫、友に抱かれ
シューヴェルト・シェヴァリエ(p3p008387)
天下無双の貴族騎士
ジョシュア・セス・セルウィン(p3p009462)
月夜の魔法使い
イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色
紅花 牡丹(p3p010983)
ガイアネモネ

リプレイ


「シェヴァリエ家のシューヴェルトだ。よろしく頼む」
「ルカータ家、ミゼよ。貴族で騎士なんですって? 良く来てくれたわ」
 日も明るい頃、『策士』シューヴェルト・シェヴァリエ(p3p008387)はミゼと対面していた。
 パーティーは夜、犯行も恐らく同時刻。ならば、事前準備が肝要である。
 会場内の地図を見て、シューヴェルトが真っ先に手を付けたのは全ての出入り口に対する警備の強化だった。
 如何な天才であろうと人間である以上、予告の怪盗は必ずここを通る筈。
 そして、これは怪盗の件とは少し外れてしまうが。
「刀は持ち込んで良いだろうか? 刃は潰すが」
「余興? えぇ、良いわよ。っていうか、勿体無いからそんな事しないでそのまま持って来なさいよ。見栄えも良いし」
「やけに信頼が厚いな。一応武器だぞ」
「シラスにリアって人、居るんでしょ? その人達が居るメンバーなら心配してないわよ」
 ――そして、日は沈み。
「皆様、本日はお集まり頂き――」
 開場、十八時。
 壮大なオーケストラと強い光のスポットライトが舞台を照らし上げる。
 予定通りの時刻に、白のドレスを纏ったミゼ・ルカータが一人舞台上で頭を下げた。
「始まったな」
 影と同化するように袖口の壁に身体を預ける『竜剣』シラス(p3p004421)は、そっと壁から身体を離した。
「怪盗の方はいいのか」
「良いってば。それに……ほら、見て」
 ミゼは視線で会場の中に視線を促した。
 抑揚の無い挨拶の声。仮面を被った連中。パーティーと言えば聞こえは良いが……。
「ま、ただの雑談会場よね。皆、別にパーティー自体はどうでも良いのよ。私は何か遭ったら止めなくちゃいけないけれど」
 面子を保ち、横や縦の繋がりを持たせ、当たり障りの無い数時間を過ごす。その為だけの出席。
 微笑を貼り付けて颯爽と立ち去って行くミゼを、シラスは見送る。
「なんつうか」
 片目を閉じ、深い紅の長髪をした頭を掻きながら現れたのは『ガイアネモネ』紅花 牡丹(p3p010983)。
「面倒いお嬢様だなあ……」
「貴族の面子とかいうの、面倒よね」
 面倒次いでに、と憧れの者から頂戴した騎士服の出で立ちで言葉に続く『願いの先』リア・クォーツ(p3p004937)。
「特に貴族令嬢となると尚更……おぉ、こわいこわい」
 大袈裟に肩を竦ませて見せたリアに、シラスは鼻で息を吐いた。
「だが、そのパーティーの客足が遠のくというのは割と深刻なんだろう」
 青い瞳を収めた瞼とやんわりと下げて、リアはシラスより前に出た。
「ま、主催者のミゼの名誉を守る為にも頑張りますか」
 その後に牡丹も、まだミゼが自分の警備が届く場所に居るのを確認して動いた。
 友達が欲しい寂しがり屋のお嬢様。まぁ、本人はきっと否定するだろうが。
「しゃあね、付き合うとすっかな」
 二人の後を追う様に、シラスも無言で中央に赴く。
 その影で、誰かはほくそ笑んだ。


「ご機嫌よう」
 艶やかな黒いドレスに身を包んだ『無尽虎爪』ソア(p3p007025)に話し掛けられた恰幅の良い男は、やけに慌てた様子で彼女へ挨拶を返した。
「早々に、こんなに見目麗しい方に話し掛けられるとは思ってなかったよ」
 あら、と口元を手で覆う仕草を見せたソアは、改めてその男に向き直った。
 少し、料理に視線が向かったが今少しの辛抱だ。
「今日はどちらから?」
「西からね。見ない顔だが、その雰囲気……君もバルツァーレク派かな? それとも、フィッツバルディ派か」
 いつもと違う会話でも、ソアは淀みなく言葉を弾ませる。
「慣れてるな」
 立ち去って行くダデムを見送り、ソアは背後に影が被さるのを感じた。
 声に振り返ると、猫の面を被った『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)の姿。
 冗談ぽくドレスの裾を持ち上げるソアが「そのお面は?」と訊ねると「さっき、受付で」とイズマは返す。
「どうかな……」
「似合ってる。虎だったらもっと」
「それはどうも。それに、ソアさんもね。ほら」
 振り返ると、痛い程に男共も視線がソアに刺さっている。いつの間にか独壇場だ。
 理由は簡単。大きなスリットの入った……というか身体の前後くらいしか隠れていないドレスのソアが一挙手一投足する度に、グラマラスな肢体が服の隙間から見え隠れしているからだ。
 一応気持ち程度に脚の側面に黒布が垂れてはいるが、豊満な横胸と締まったクビレがどうにも相殺出来てはいない。
 そんな彼らにソアはにこやかに小首を傾げながら笑顔を向ける。
 内心、ソアは立ち去りたかったかもしれない。
 何故なら。
(……思ったより、料理無くなるの早そう!)
「リリアンテ! またカナッペ切れる!」
 同時刻、会場厨房。又はもう一つの戦場。
「ん、もう出来上がるから持ってって! あ、こっちのピンチョスも一緒にね!」
 味付け、盛り付け、数確認。
「リリアンテ様はテキパキとこなしていて流石ですね」
 一人でそれらをこなすリリアンテに、『夢の贈り人』ジョシュア・セス・セルウィン(p3p009462)は感嘆の意を送った。
「流石はジョシュアさんの方でしょ! 無くなってるお料理、全部ジョシュアさんの作ったものですよ!」
 談笑がメインの会場では、片手間に食べられる物が会話を中断させずに済み、お菓子感覚で選ばれている。
「ずっとこの仕事をされてきたのですか?」
 合間を見計らってジョシュアが問う。
「ええ! って言っても数年ですけどね。アレが好き、これが嫌いってもう妹みたい……あ、内緒ですよ!」
 慕われているのか、そうじゃないのか。
 普段の生活が少し想像出来た。何だか、賑やかそうだ。
「あ、ジョシュアさん。デザートもイケたりします?」
「済みません、僕はデザートは……ですが、指示が有れば何なりと仰って下さい」
 リリアンテは厨房に置かれた箱の中から青く光る鉱石を取り出して、ジョシュアを伺った。
「これ、ホントにケーキに突っ込んじゃって良いと思います……?」
 苦笑するジョシュアの耳に、会場のアナウンスが聞こえる。
『只今より、剣舞のご披露です』
 舞台に現れた彼を一目見て、会場は自ずと静まり返った。
 眼を瞑り、シューヴェルトは赤に染まった刀をゆっくりと鞘から抜く。
 同時に、両眼を力強く開いた。
「さあ、これがシェヴァリエ家の剣舞だ。存分に見ていってくれ!」
 ルカータ家の音楽隊が奏でる和風な音と共に。
 一振り。
 赤い軌跡が宙を薙ぐ。
 二振り。
 十字に裂かれる赤の太刀。返す刀で背を向けて、更に後ろへ斜線に降ろし。
 三振り。
 甲で柄を二、三度回せば、四方に踏み込む連続閃。
「これは……」
 会場の誰かが、呟く。
 最後に一刺し、足元へ。
「流麗だ……」
 これぞシュヴァリエ家伝統、民を護る為の騎士式剣舞『此花咲夜』。
『続きましては、今回のゲスト! シラス様とソア様による演武で御座います』
 皆が舞台に注目する……誰も出て来ない?
 シューヴェルトが段上から跳ぶ。と同時。
 示し合わせたように――実際そうなのだが、客の間を縫って互いに視線を合わせた二人が会場の空いた真ん中へと駆け。
 跳んだ。電光石化の回し蹴りと赤い火花を散らせる牙の双拳が交差する。
 8の字を描きながら、雷電纏う爪と舞うソアをシラスが素手と暗器で捌きつつ、二人は徐々に前面舞台に押し進んで行く。
 勿論、当てはしない。舞台下で爆ぜるは雷撃と蛍火。
 爆ぜた煙の中から飛び出す二人が、それが晴れるのを待ちきれないと左右の階段を駆け上がる。
 これまでの鬱憤を露出させるようにソアが激しく、シラスも互いに身体に雷を帯び。
 二度目の交差、残像のように中央で絡む雷鳴。互いに構えと闘志を解いた直後に、一際大きな爆発が祝砲と言わんばかりに会場を揺らした。
 イレギュラーズ、実戦に身を置くものならではの超高速の演武劇。
 最後にシラスがソアの手を取りながら、そしてソアはその手を取って、煙の中から舞台前へ姿を見せる。
「見事、だったわ」
 会場の拍手に紛れ、自身も数回それを送ったミゼが、段から降りたシューヴェルトへ声を掛けた。
「民が満足したなら、こちらも重畳だ。それより……良いのか、ここに居て」
『それでは、このまま続けて参りましょう! 会場、入り口を御覧下さい!』
 電灯が落とされる。
 全ての客が振り返ったのを確認して、会場扉に大きなスポットライトが当てられた。
『ルカータ家のスペシャルケーキ、そして……青鳥の涙の御披露です!』


 リリアンテは特に不審な動きはしていない。
 堂々と入場していくケーキを見る彼女に、ジョシュアはそう感じた。
 何処かに潜伏しているだろう『黄昏の影』ヴァイオレット・ホロウウォーカー(p3p007470)にも動きは見えない。いやホント何処に居るのだろう。始まってから一向に姿が見えないのだが。
 舞台前まで運ばれてくるケーキに、誰もが驚嘆する。
 塔だ。塔が立っている。
 これ上から下まで横幅変わってなくないか。
 そしてその頂上に添えらえた一粒の青い宝玉。
「こちらが一目見んと各地から終結する程の! 青鳥の涙、ですわ!」
「動いた?」
 問うたイズマに、本人にミゼの幻影を重ねる牡丹は首を横に振った。
 イズマの探知にも、リアの旋律にも不協和音は流れて来ない。
 効果の範囲外か。ソアを含む暗視の瞳は、動かぬ不審な影からミゼの服に注視する。
『服の中に隠すのは怪盗にバレてると思う。本当に隠すなら誰も知らない場所が良い』
 事前にイズマにはそう言われたが、ミゼは敢えてそうしなかった。
 つまり、ミゼは『本当に隠したい』のではなく、むしろ……。
「……ミゼさんは面白い人だな」
 この依頼に危険は無い。そう察知した上で、イズマは呟いた。
 さて、暗闇に乗じる訳ではないのか。
「お嬢様、そろそろ……」
 傍らに佇む執事ギューネイが声を掛ける。
「ん、そうね」
 そう言って執事と共に去って行くミゼを、五人は一先ず見送った。
「……現れなかった?」
 シューヴェルトが呟く。一応、あれには彼の発信機が付けられている。見失う事は無いだろうが。
「いいえ、現れてました」
 歩み寄って来たのはジョシュアだ。
「ただ、真正面から手は出さなかった」
 手癖の視点から見ていたシラスも続く。
 牡丹はそれを聞くと、怪盗の特技を思い起こした。
「あぁ、じゃあアイツが……」
「そう、居たんだ」
 頷いたのはイズマ。
「ずっとね」


(……いつ、私には因果応報が降りかかるのでしょうか)
 会場の端の端。
 誰も近寄らないような場所で、ヴァイオレットは独り、狐面を被って静かに賑わう会場を静観している。
 かつて友が居た。
 それを殺めてしまった。壊してしまった。
 今、彼女の赤い瞳にはその色と同じ……いや、もっと濁ったような血の色が、自身の褐色の手に映っているかもしれない。
 遠くで舞台に誰かが上がる音がする。
(……或いは、このような催しで、皆様の楽しそうな姿に寄り添おうと思えない程に死んでしまった心こそ)
 私への応報なのかもしれませんね。
 隔絶された帳の中で、ヴァイオレットは舞台に上がる者達を虚ろ気に見た。
 始まる。
 シラス、リア、イズマ、そして牡丹のダンスによる、ジャズワルツ。
「あら、シラスも参加する気?」
 隣に座った男を見てリアは微笑する。
「上達を見せてやるぜ」
 リアから始まり、そして彼女に教わったもの。
 己のギフトが輝く一時。
「へえ、いいじゃない!」
「いくよ。三――」
 イズマがドラムの淵を叩く。
「アンタがどれだけ上達したか見てあげる!」
 横目でリアを見た後に、シラスは戦いよりも妙に高揚した心で両手を目の前に添えた。
「まあ、見てろって」
 軽快なイズマのドラム、ピアノの二人は同時に肩を上げ。
 重なる。リアの音色に合わせて、シラスもその速度を緩めず。
 鍵盤が止めどなく弾かれる。ピッタリの息だ。
 曲に合わせて舞うのは牡丹。
 イズマが設置したスピーカーから彼自身から鳴る音が一層派手に響き渡る。加えて華やかで、優雅なピアノの連弾。
 大胆な音をリアが弾けば、シラスは逆に繊細な合間の音を拾い上げていく。
 そんな彼ら、そしてリアの振る舞いをヴァイオレットはじっと見つめていた。
 澄んだ音色は、きっと心の蟠りが無くなった証。
「嗚呼、本当に……貴女は幸福で、良かった」
 やがて曲も終盤、一足先にシラスとリアが退場する。
 同時、ヴァイオレットの視線も下がる。
 友の幸福を喜ぶ心さえもヴァイオレットには不要、過ぎたものとその場を離れようと。
 そこに被さる影が一つ。
「そんな隅っこで暇そうね?」
 たった今演奏を終えたばかりのリア。
「あたしのクオリアからは逃げられないわよ」
「ええ……そうでしょうね」
 何処か影を落とすヴァイオレットに、リアは一言だけ告げる事にした。
「あたしはミゼの為に夜会が失敗しない様に派手に立ち回るから、怪盗と宝石には目を光らせておいて」
「承知しました」
 そう言って、ヴァイオレットは背を向けた。
 友を殺めた手で、どうしてもう一度友である貴女の前に立てようか。
 淡々とした返事を重ね、そんな彼女の背中にリアはもう一度言葉を投げた。
「そうそう、貴女に言っておきたい事があるのだけど」
 振り向かなくても判る。リアの表情はきっと今、暖かい。
「……あたしは、しつこいわよ?」
(貴女は諦める人ではないと知っています。でも)
「じゃ、また後で!」
 立ち去って行くリアとは反対の方向に、ヴァイオレットも足を進め呟く。
「私は、救われる事など……」
 そして、舞台は曲調が静かになったところで牡丹がステージ上の真ん中へと出る。
 そこへ駆け上がったのは、薄青のドレスに着替えたミゼ。
「皆様、大変です! 青鳥の涙が……!」
 息も切れ切れに。でも、その顔は。
「盗まれました! 怪盗メルヘスが現れたのです!」
 楽しそうだ。
「怪盗は予告状を送り付けてきやがった」
 スポットライトが牡丹を抜く。
『宵も宵闇、鳥は去る。鳴き始めた犬が暗がりに迷い込み、青鳥の涙は零れ落ちる』
 今度は、会場内のジョシュアに光が。
「予告状にあった鳥と犬は、それぞれ酉と戌の時間。酉が去って、戌が鳴き始めるのは十九時」
 該当する時間に、ミゼの服の中に本物が有ると知り得た人物。
 リアが会場の真ん中に躍り出た。
「一人、居たわよね。パーティー中、殆ど黙ってた人が。でしょう? ギューネイさん」
 会場内の光が、一斉に大きく輝く。
 それに合わせて、牡丹は大きく叫んだ。
「いや……怪盗、メルヘス!」
 執事、ギューネイが口角を上げる。
「……お見事!」
 瞬間、客の合間を縫うように駆け出した。
 同時に、牡丹に誘われてミゼが曲を始める。
 壮大なオーケストラと共に。
 イズマが自身を発光させ、そして会場内には増幅された彼の声が響く。
「さぁ、サプライズショーの時間だ。青鳥の涙を巡るレヴュー、楽しんでくれ!」
「最初から、正面から奪うつもりじゃあなかった!」
 煌めく五線譜を纏い、リアが後を追う。
「執事に変装し、狙ったのは『暗転中のミゼの着替え』」
 シラスが続く。
「着用していたドレスを預かる体で、まるごと宝石を頂いた……」
 シューヴェルトも、警備隊と共に捕縛へと動き出す。
 リアが放つ神聖な光を掻い潜り、怪盗は笑う。
「如何にも! しかし宝石は既に……」
 服に手を突っ込んだ怪盗は何かの違和感を感じる。
「あぁ、これか? さっき落としたぜ」
「何ぃ!?」
 いつの間に!
 シラスの手に弄ばれる青鳥の涙。スリの技術は一歩上か。
「だがこんな事もあろうかと……!」
 もう一度、服に手を入れる。
 無い。
 用意していた煙玉が。
「なんだ。ハズレじゃなかったのかこれ」
 もう一人。牡丹の手元に見覚えの有る球体。
 嘘だろう? 盗みに入ってまさか二人に盗まれるなんて。
 三つ在る出入口。ソアとシューヴェルトが既に二つ抑えている。
 警備隊を潜るルートは残り二つ。
 その内の一つに牡丹が滑り込む。おいおい、さっきまでステージ上に居なかったか?
「待って!!」
 その皆の元へ、ミゼは声を張り上げた。
 派手過ぎたか。いや、彼女は変わらず笑顔だ。
『私も、混ぜて!』
 ミゼも加わり、ジョシュアが吹いた毒粉で鈍る身体に鞭を打ち、会場外の通路でシューヴェルトの呪詛の刃にも屈さずに。
 皆と一緒に怪盗を追い詰めるミゼの顔が、赤く高揚する。
(あぁ……)
 マンネリしたパーティー。もしかしたら一番退屈だったのは、私だったのかもしれない。
(――なんて、楽しい!)
「後少し……!」
 突き進んだ怪盗の目が、二階から飛び降りてきた褐色の影に丸くなった。
 後に奴はこう語る。
『あれ、足とかじゃなくて多分、鞭でした――』
 瞬間で間合いを詰めたヴァイオレットのしなる脚が。
「うわ……」
 怪盗の顔面にめり込んだ。
「きっれーに入ったなあ……」
『閉会のお時間となりました――』
 アナウンスの中、集まったイレギュラーズ達。
 ソアが一度お辞儀をした事で、ミゼがそこに来たのだと皆が気付く。
「あの、今日はどうも……」
 言い掛けて、ミゼは頭を思いっきり横に振った。
 そうじゃなくて。皆に言いたいのはそんな畏まった言葉じゃなくて。
「……また。また、開くから! その時は!」
 知り合いとして? 友達として?
 それとも仲間として?
「また、一緒に会いましょう!」

成否

大成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

依頼完了、お疲れ様でした!
怪盗がどっちの余興の時間で暴かれるのか数日悩みましたが、結果こちらとなりました。
ミゼも主催である事を忘れて参加しちゃいましたね。楽しくなっちゃいまして。
怪盗関連の対処もバッチリ……というか、プレイングで犯行時刻と中身をピッタリ当てられてました。ビビりました。マジかよ。

怪盗がいつから執事とすり替わっていたか、なんて謎も書こうかと思った依頼ですが、流石に止めておきました。それじゃ謎解き寄りになっちゃいますし。
自分で言うのも何ですが、後半の謎解明パートが割と好きです。
もうちょっと書きたかった欲は確かに有る。
因みにギューネイはちゃんと保護されておりますのでご心配なさらず。
怪盗? 多分脱走しますね、あの手の奴は。

今回は大成功で御座います!
有難う御座いました、またお会い致しましょう!

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