シナリオ詳細
覇竜で餅をつく。当然、餅は襲ってくるものとする
オープニング
●餅は生きている
新しい年の始まりに餅を食う。それは然程珍しい話でもないだろう。
そしてそのために旧年中に餅を搗く。それ自体も珍しい話ではない。
しかし同時にこう聞いたことはないだろうか?
餅は危険だ、気をつけなければならない……と。
そしてそれは事実だ。餅を食べる時には喉に詰まらせないように注意しなければならない。
万が一詰まってしまった場合は、適切な方法による処置が大事だ。
腹部突き上げ法と背部叩打法については、覚えておいた方がいい。さておいて。
餅が危険というのは当然のことだ。美味しいものには罠がある。
そして……覇竜の場合は、それに加えてもう1つ気をつけなければならない。
何に気をつければいいのか? それは、餅そのものに……だ。
どういう意味なのか? それは、見れば分かるだろう。
ぺったんぺったんと、何かが跳ねる音。
そう、それは餅が跳ねる音なのだ。
意味が分からない? そんなはずはない。
今この場では、餅が跳ねている。
そう、そうなのだ。覇竜においては餅つきとは餅を特製の杵でついて倒して食べるものなのだ……!
なお、ちゃんと普通の餅もあるので安心してほしい。
覇竜全部がそんなだとは思わないでほしい。
たまに変な風習が混ざっているだけなのだ、信じてほしい。
ごめん、嘘。覇竜は変なとこだよ。でも仕方ないよね。覇竜だもん。
●覇竜に餅を搗きに行く
「正月を迎えるには、お餅をつかねばならないわよね」
『ライブキッチン』アルフィオーネ・エクリプス・ブランエトワル(p3p010486)はそう呟くが……実際、お餅ほどお正月に合うものはないだろう。
焼餅にお雑煮、お汁粉……食べ方は様々だ。しかしそれも全て餅が無ければ始まらない。
だからこそアルフィオーネは此処に来たわけだが……そんなアルフィオーネに『フリアノンの酒職人』黒鉄・相賀(p3n000250)はは頷く。
「餅か。確かに早めに準備しておくのもよいものじゃろうの」
そう、餅は良いものだ。新年一発目に餅を食べたい者も多いだろう。
「じゃからほれ、準備は出来ておる」
しかし……杵と臼はあってもモチ米がない。
一体どういうことなのか?
その理由は、相賀がニヤリと笑ったことで何となく察せられた。なお、去年参加した者はすでに知っている。
「さて、餅についてじゃが……見ての通り、各種の調味料は此処にある」
醤油に海苔、きな粉に餡子、大根おろしまで……各種の調味料が用意してあるのが見える。
しかし、餅がない。餅がないのだ。
「餅じゃがな……この杵と臼を使い、狩ってきてほしいんじゃよ」
買ってくるのではない、狩ってくるのである。
そう、覇竜にはご存じ「覇竜餅」がある。知らない? これを機に知ってほしい。
大人が両手に抱える程の大きさの丸い覇竜餅は、この季節になると何処からか現れて跳ね回るのだという。
どういう理屈か、覇竜餅は丁度良い大きさの臼を見つけると着地する性質がある。
そこを特製の杵でついてついてつきまくると、ついた分だけ美味しい覇竜餅に仕上がるのだという。
勿論、そこに至るまでには普通に戦って弱らせなければいけないのだが……後で食べることを考えれば、あえて最初から杵で戦うという選択肢もアリかもしれない。
そうしてつけばつく程美味しくなるのだから、その辺りはメンバーの選択次第……といったところだろうか?
幸いにも覇竜餅は倒すまでは不思議な力で汚れの類は一切つかないらしい。
「と、いうわけで……旨い餅が食えるかどうかは、お主らにかかっておる……というわけじゃの」
早速行ってくるとええ、と。相賀はそう言って杵を差し出すのだった。
- 覇竜で餅をつく。当然、餅は襲ってくるものとする完了
- GM名天野ハザマ
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2023年12月31日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●餅をつけ!
「なんつうか、珍妙な餅だなあ、おい。なんでもありかよ、覇竜!?」
「大体こんな感じね」
『ガイアネモネ』紅花 牡丹(p3p010983)に『ライブキッチン』アルフィオーネ・エクリプス・ブランエトワル(p3p010486)がそう頷く。
実際変な食材が出てくることにかけては他の追随を許さないワクワク食材ランドな面が覇竜にはあるが、今回もその1つというわけだ。
「いやまあ混沌来てからこんなんばっかなんで、他も大概な気がすっがよ。郷にいればなんとやらだ! これでも料理は得意なんでな。美味しい餅にしてやるぜ!」
そう言うと牡丹はズンと臼を仕掛ける。そう、これが始まりなのだ。
「一人一餅担当だ! オレは硬さには自身があるが、火力はからっきしだが……料理となれば話は別だぜ? っつうわけで最初から杵装備! 臼はいい感じに罠設置済だ! 跳んで臼に入る冬の餅、オレが料理してやるぜ!」
そう叫ぶ牡丹の前で、覇竜餅が臼に入る……そう、今だ!
「せーのっせい! 臼から逃しはしねえぜ!」
(倒すだけなら享楽のボルジアといきてえとこだが……。食い物に疫病致死毒を盛るのはなあ……。しかも滅茶苦茶練って混ぜ込んじまうし……。オレは硬くて無敵だし、料理も得意だから毒抜きもできる自信はあるにはあるが……なんとなくやだよなあ)
まあ、毒餅はちょっと食べる人を選んでしまう。それはちょっと牡丹としてもやめておきたいところではあった。
「食う側としても料理する側のプライドとしても。素直に杵でつくのに専念するか」
少なくとも良い感じにつけている。毒を使う必要は無さそうだ。
「臼にハマってるからオレの命中でも当たるしな。ぺったんぺったんってなあ! つきまくってやるぜ!」
そしてアルフィオーネも牡丹とは別の場所に臼を設置していた。
「酒職人だから、もち米あまってないかなって、お酒買うついでに、それとなく聞いてみたかっただけなのに、また、珍妙な事案に巻き込まれてしまったわ……」
まあ、あのジジイはもち米のことを承知した上で言っている可能性は非常に高いがそれはさておいて。しかし、慣れているので、どうにかなるだろうとアルフィオーネは思っている。珍妙な事案ではない。いや、それも慣れているが、そうではない。杵と臼に関して、で、ある。何を隠そう、プラーナ村餅つき永世名人なのだ。
ちなみにプラーナ村は人口約50人ほどの小さな村落で、うち30人は修道院の関係者であるらしい。
とにかく、そんなアルフィオーネの準備は手慣れている。合いの手のためのお湯を準備し、臼を叩いて、地面にしっかりと固定。
そうしてまずは、覇竜餅の跳ね具合を観察する。そして、どのタイミングで、跳躍の頂点に達するか見定め、そこを狙って、杵を振り下ろすのだ。
「よいしょ!」
そして、自分ごと飛び込むようにして、臼に餅を打ち付けていく。
「跳ねようが飛ぼうが、所詮、餅は餅。わたしにかかればお茶の子さいさいってものよ? って、あいた!?」
とはいえ向こうも体当たりはしてくるので油断は禁物である。
そして『狙われた想い』メリーノ・アリテンシア(p3p010217)と『無尽虎爪』ソア(p3p007025)も、やる気は充分だ。
「パーフェクトな餅つきをしてみせるわ! ねっソアちゃん!」
「ボクたちで完璧なお餅に仕上げようね、メリーノさん!」
得意な舞踏のイメージでリズムよく動けるようにリハーサルは入念に。だから、メリーノとソアはしっかりと準備運動をしていく。
「肩とか、手首とか。杵が手元から飛んでいっちゃわないようにカタバミちゃん(納刀モード)にしっかりくくりつけておいて……っと。ソアちゃんもわたしも、いっぱい動けるしね!ふわっふわの完璧な餅、パーフェクト餅を! 作り上げるわ!!!」
覇竜餅はすぐそこにいる。だからこそメリーノはソリッドシナジー、SSSガジェット3.0b、パーフェクトフォーム、プロトコル・ハデスと付与していく。幸いにも臼があれば足止めは充分に出来る。時間はしっかりある。
そうやって静かにウォーミングアップして準備万端になれば、ソアはつき立てのお餅の食感を想像して自然と笑顔になってしまう。
そうすれば2人で覇竜餅を挟み込むように立ち回って、攻撃開始だ。
「ちゃんと杵を持ってきたから、これで思い切り突きまくるよ!」
ソアのそんな叫び声と共に、メリーノと2人でつきまくる。
「ソアちゃんと交互に、リズミカルに!二人で舞踏するみたいに、餅を練り上げ、突き上げて!」
「ただの餅つきじゃあない、持てる技をフル回転でやってみよう!」
「だめよ、餅ちゃん、お前はパーフェクト餅になるっていう使命があるんだから、逃げたってダメなのよ! お前の運命はもう、パーフェクト餅になることに決まってるの!」
「立て続けに突く! 突く! とびきりの餅に仕上げるよ!」
そうして充分につきあげれば、ほっかほかのお餅の完成である……!
「ふっふー、もう十分かな?」
「はーいい仕事したわぁ!」
「出来たー……! よし! 一口だけ味見しちゃう、これは狩人の特権なの」
「あっ、つまみ食い! わたしもたべちゃお!」
●餅を食べよう
「……あちらは上手くやっているな」
「そうみたいですね」
『特異運命座標』エーレン・キリエ(p3p009844)と『夜を裂く星』橋場・ステラ(p3p008617)も、そう頷きあう。
「お正月にお餅を……そう聞くと元の世界を思い出しますね。それにしても、相変わらず覇竜はカオス過ぎでは?」
「初めてだとそういう感想だよな」
エーレンは経験者の余裕をステラに自然と見せる。そう、エーレンは2回目なのだ。
「懐かしいな覇竜餅。確か前にいただいたのは鉄帝の総軍鏖殺令や天義の対ファルマコン作戦の頃だったか。あれからもう1年経つんだなぁ……早いものだ」
しみじみというエーレンだがまあ、覇竜産の食材の中では覇竜餅は比較的意味わかんないけど比較的マシなほうである。
「まずは取り敢えずお餅を弱らせる所から、ですかね……お餅を弱らせるって何なんでしょう???」
「そうだな……覇竜餅をついてついてつきまくっておいしくするわけだが。そのままでは食べられないものを食べられるようにする行為、つまり今から俺たちがやることは戦闘ではない。料理だ。ややワイルドな料理だ」
「確かに、その認識なら……! それに1人1お餅だそうですから、多対一何かは気にしなくて大丈夫ですし其処は気楽ですね! これ、何かダメージ与えすぎると消えちゃう、なんて無いですよね???」
「どうだろうな……なんでもやりすぎは良くないが」
そんなことを言いながら、ステラは覇竜餅を杵で打っていく。
「えぇ、攻撃力……パワーには多少自信がありますのでガンガンいきますとも! つけばつく程に美味しくなるそうですが、どの位まで続けるべきか……魔王座の破壊神のお餅つき、臼と杵が何処まで耐えられるか楽しみですね」
さて、エーレンのほうもしっかりと臼に覇竜餅を追い込んでいる。
「料理に戦闘スキルを使っていけない法はない、刀を杵に持ち替えて、エキスパートも載せてレッツ料理!」
そう気合を入れれば、エーレンはいつもの名乗りを覇竜餅へとしていく。
「鳴神抜刀流、霧江詠蓮だ。去年に引き続き、おいしく料理してくれよう!」
そう、エーレンは臼に誘導するのを待つつもりはない。
「設置した臼に誘導するまでもなく、つきまくって臼に叩き込んでくれよう。ちなみに俺はつきたての餅を何もつけずにそのままいただくのが一番好きだ」
というわけでちょっとだけ食べているエーレンだが……そんなエーレンを『運命砕き』ルカ・ガンビーノ(p3p007268)は見ていた。
「すでに餅として出来上がってるモンをさらに杵と臼でつくか……ま、覇竜だしな。つけばつくほど美味くなるってんなら腕が千切れるまでついてやるぜ」
「このお餅、強く突けば突くほどおいしくなるの? よーし星の破撃でぺったんぺったん頑張るぞー! ……あ、臼に入れたら杵で搗けばいいんだね! よーしやるぞー!」
『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)もそうルカに頷きながら、臼を設置していく。
「俺は臼を置いて覇竜餅が臼に入るのを待つぜ。ただ待つだけじゃねえ……覇竜餅を説得して入ってもらう。食材には誠意を持って相対すべきだ」
なんということだ。ルカは覇竜餅を説得しようとしているようだ。
(それに臼に入ってからつく事で美味くなるなら出来るだけその回数を増やしたいからな)
なるほど、現実的である。しかし上手くいくのだろうか?
「頼む覇竜餅。いや、相棒。俺がお前を世界一の餅にしてみせる。だからお前の命、俺に預けてくれ」
力でねじ伏せるのはむつかしくないが、今回は心と心で語り合いたい。そう考えるルカの目の前で、覇竜餅は臼に着地する。通じ合えたのだろうか……? ちょっと判断が難しいが結果が同じなら大丈夫だ。
『Dies irae』を使って膂力を最大限まで高めたルカはさらに狂イ梅、毒泉を使って一度につく回数を増やそうとしていた。その手にあるのは、杵だ……!
「いくぜ相棒!」
そうしてルカの餅つきが始まっていく。
「コードレッド・オーバーゾーンでついてついてつきまくる! 的確に正確に、満身の力を込めても力任せではなく繊細に! 一瞬の集中力も切らさずつき続ける! そうだ、このリズム……! 約束したからな……。お前を世界一の餅にしてやるってな!」
時間の許す限り全力でつき続けるつもりのルカの表情は、この上なく真剣で。ヨゾラも自然と影響されていた。
「僕の担当お餅をおいしく搗きあげる……!」
すでに臼の中にいる覇竜餅を、とにかく搗いて搗いて搗きまくるのだ……!
「餅突け破撃ぃ! そして餅搗けぺったんにゃーん!」
猫っぽさが混ざっているがまあ問題はない。
「ぺったんばったんぺったんぺったんたまに猫が恋しいぺったんぺったん! しっかり楽しくおいしく搗いて、楽しい餅祭りとお正月だー!」
なんか一般通過ドラネコがいた気がするが、それをヨゾラはしっかり視界に捉えつつ。
近くでついているルカの技が光っているのもしっかりと見ていた。
「うわーすごい…どのくらい美味しくなってるんだろう……? よーし僕も負けじと僕担当の餅をぺったんするぞー!」
そうして出来たお餅はどれも美味しそうだけれども。無事にフリアノンに帰ったら、報酬のお餅でもうひと手間だ。
「僕等用のお餅でもちもちパーティーだー! 焼いて砂糖醤油等で食べるもよし、中に餡子を入れて食べてもよし! おしるこ等にするのもいいかも……! んー、もっちもちしてておいしいー!」
「ニャー」
「ドラネコもいるなら食べる? よく噛んで食べてね!」
「ニャッ」
「ドラネコも可愛いよね……来年もよろしくね!」
餅を食べられるのは流石にドラネコだが、ヨゾラも幸せそうだ。
「ボクは甘いお餅が好きかな? なんでも美味しいけど」
「カガミモチをつくって、あとでお友達にもお届けしよっと!」
「あ、いいね! それにしても色んな食べ方があるみたい、覇竜の定番はなにかしら? ご当地グルメみたいで面白くなってきちゃった!」
ソアとメリーノもそんなことを言い合うが、相賀の定番は山菜を入れたすっきりした風味のお雑煮であるらしい。さておいてルカも相棒(覇竜餅)をしっかりと調理するべく準備していた。
「さて、折角の正月準備なんだ。となると雑煮は外せねえよな」
そう、お雑煮。ご家庭で色々あれど、やはり定番はお雑煮であるのだろうか。
「鍋に出汁、酒、しょうゆ、砂糖を入れる。そこに小さめに切った大根と人参を加えて火をいれるぜ。好みで鶏肉なんかを入れても良いが、今回は餅が主役なんで自分の分に肉は入れねえ」
「わあー」
ソアたちが興味深そうに見ている前で、ルカの調理は進んでいく。
「おっと、希望者がいれば鶏肉を入れておくから言ってくれな。で、汁が出来たら椀に入れて、そこに餅と刻んだゆずの皮を少量入れるぜ。もちろん相賀のじーさんも含めて全員分用意する」
「ほっほっほ、ありがとうのう。うむ……美味い」
「美味しいね!」
相賀もヨゾラも、皆がそれに舌鼓をうつのを見て……ルカは満足そうに微笑む。
「相棒……みんな喜んでくれたぜ。お前は満足したか……?」
きっと喜んでくれただろう。たぶん、きっと。
さておき、ステラも餅に一工夫をしていた。
「つきたてのお餅といえば、拙としては大根おろしにお醤油等を加えた「からみ餅」、ですね!」
そう、お餅には色んな食べ方がある。大根おろしも良く合うのだ。
「勿論、きな粉をつけたり、アンコを入れたりも好きですが……あ、漉し餡でお願いします」
こし餡とつぶあんについては好みであるが、お餅の場合はこし餡がよく絡む……かもしれない。
「後はそうですね、バター餅なんかも良いかもです。確か元々は餅米から作るのをスタートした筈ですけれど、切り餅からでも出来た、筈! ちゃんとした製法なら硬くなり難くい保存食になりますから、色々重宝するかな、とか? お餅の食べ方、割りとオーソドックスな物しか知りませんから、他の方の用意される物はかなり気になりますね!」
「オーソドックスも変わりネタもいいものだが」
エーレンはそう言いながら、調理の手を止めない。
「さて、まずは……去年とは違う雑煮を作ってみようか。皮をむいた覇竜里芋の皮を剝いて、覇竜人参と覇竜大根はそれぞれ梅の形に切り、全てだし汁で柔らかく煮る。覇竜鰹と覇竜昆布でだしを引いて白みそを溶いて沸騰しないように温めたら、新鮮な餅とさっきの具材を入れて彩りと香りに覇竜柚子の皮をあしらって完成だ。身体を冷やさないように、しっかり温まってくれよ」
どれも覇竜産の食材のようだが、流石にエーレン。色々と探して来ていたようだ。
「ステラも期待しているし……今年はアレンジレシピも作ろうか」
そう、流石のエーレン、二品目……いや、三品である。
「ジャガイモを千切りにして多めの油を引いたフライパンに敷き詰め、薄く餅を乗せたらさらにジャガイモの千切りを乗せる。イモがこんがり焼けたらひっくり返してもう片面もこんがり焼き上げたらカリカリモチモチの餅ガレットの完成だ。さらに蒸して柔らかくした餅に砂糖・牛乳・卵を混ぜて四角く焼き上げるとフレンチトースト餅になる。こっちはクリームやベリーと蜂蜜をトッピングするといい。どちらも旨いぞ、食べてみてくれ」
そしてアルフィオーネ。こちらはお汁粉とあんころもちを作るようだ。
「やっぱり、餅に一番合うのは、あんこよ。神がかっていると言っても差し支えないわ」
まあ、その辺りは諸説あるが何をしても餅は美味しい。
「プラーナ村のおしるこはさつまいもも入れる。蒸かして、一口大に切ったさつまいもと、同じ大きさに丸め、覇竜放炎調理法でこんがりと焼き色がつけた餅を入れるのよ。あんころもちは、餅をこしあんで包むだけ……簡単ね」
調理に関しても、牡丹があちこち皆のサポートに回っていたので非常にスムーズであった。
「よーし、皆できたみたいだし呈茶で美味しいお茶もごちそうしてやるぜ! 餅だとやっぱ緑茶かな? 万一喉につまらせたりするやつがいれば医療知識と医療技術でなんとかしてやっからよ!」
なんと心遣いが素晴らしい。ともかく、そんなわけで何の憂いもなく和やかな食事会は始まる。
「いただきますだ!」
「これから何があるかはわからないけど……お正月も、その先も楽しみたいよね!」
そう、これから何があるかはまだ分からない。けれど……その心さえもっていればきっと大丈夫だろう。
……ちなみにアルフィオーネは、ちゃんと餅を持ち帰ったそうである。安心であった。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
皆さま、良いお年を!
来年もよろしくお願いいたします!
GMコメント
というわけで来年の元旦から餅を食えるように今から準備をしましょう。
今回の手順はとっても簡単。
特製の杵と臼がありますので、トドメを刺す瞬間は覇竜餅が臼に嵌まったその時です!
弱らせるまでにどういう風に戦うかは皆様次第。
臼を仕掛ければ覇竜餅は勝手に着地したり逃げたりするので、コンビ技でぺったんぺったん突くも良し。
追いかけながら最後に臼でトドメを刺すも良し。
お餅が出来上がったらフリアノンに(臼ごと)持って帰って、美味しく食べましょう!
各種の調味料などは相賀が準備していますが、何か持ち込んでもOKです。
●今回の敵
覇竜餅×8
大人が両手で抱える大きさのお餅……お餅モンスターです。
倒すと美味しいお餅になりますが、杵でついた数だけ美味しくなるそうです。
攻撃技は体当たりオンリーです。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
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