シナリオ詳細
<悠久残夢>モリオンの涙雫
オープニング
●
ぽたりと落ちてくる雫が手の平の上を滑る。
それは次から次へと落ちて来て、自分が泣いているのだと気付いた。
どうして、こんな事になってしまったのだろう。
曖昧な記憶の中に刻まれた恐怖が足下から這い上がってくるようだ。
暗黒卿オルキットはジュエリアたちの事を憎んでいるわけではなかった。
ただ、欠けてしまった命響石の喪失感と、全身を覆う恐怖に縛られていたのだ。
醜い自分がジュエリアとして生を受けた理由を、強い騎士であることで見出した。
誰かを守ることは生きていていいのだと自分に言い訳できた。
だからこれ以上命を失うのが怖かった。戦えぬ騎士など存在する意味はなかった。
たった一人でいい。ニル・リリアでいい。
――必要とされたかった。
美しく輝くこともできない、出来損ないの石(ジュエリア)が叶わぬ夢を見てしまった。
だから、これは罰なのだろう。
侵食は既に全身に広がっていた。
這い上がる恐怖で身体が強張る。
いつからこうなっていたのかと、オルキットは歯を食いしばった。
身体の中に異物が存在する恐怖に胃の中が掻き回される。
意識が朦朧として、いくら吐いても一向に収まらなかった。
オルキットがのたうち回る様子を積み上がったゼロ・クールの虚ろな瞳が見下ろす。
「私が、作ったのですか?」
コアが無い大量のゼロ・クールの素体を見つめオルキットは頭を振った。
夢の記憶を思い出すように朧気な断片が脳裏を過る。
その度に頭を殴られたような痛みが走った。
同時に、黒曜館に囚われたままの『仲間』の気配を感じる。
黒い鎖に繋がれて身動きが出来ないのだろう。
「これも私が……?」
ジュエリアたちを解放すべく黒い鎖を断ち切らんと魔力を込めるオルキット。
一人目のタンザナイトの鎖が切れた瞬間、右腕に青い目が浮かび上がった。
「なッ!?」
スッとオレンジの虹彩を細くした青い目は、吹き出す血のように黒い粘液を広げる。
それは弾力のあるスライムのように収縮し人の手の形となった。
手の甲に目がついた腕はオルキットの首を捕える。
「っ、離して」
気道が締まる程に身体の力が抜けていった。意識が朦朧としてくれば抑えていた侵食が始まる。
「傀儡は滑稽に踊ってこそだろう?」
深淵より這い上がる声がオルキットの耳に届いた。
「貴様は叶わぬ夢を追い求めた。醜い貴様がどうして美しいジュエリアと同等となれる。彼奴らのようになれぬのなら同じ醜さにしてやればいい」
「嫌、です」
首を締めている指を剥がそうとオルキットは力を込める。
「本当に嫌だと思ってたのか? なら、何故ブライトレスたちはジュエリアを黒い水晶に変えた? 胸の奥底で貴様は思っていたのだ。同じように醜くなれと」
口に出すことは無い、思いというものは誰にだってある。
生まれの劣等を悔み、高みにいる者を羨む心は子供にだって芽生えるものだ。
けれど、オルキットにとってそれは鋭い刃を突きつけられたようなものだった。
「ちが……」
いくら違うと否定しようとも、実際にジュエリアたちは黒い鎖に繋がれている。夢のように朧気な断片だが自分がそれを強制したことを覚えていた。
「受け入れろ。自分が心底醜いものだということを。そして、壊してやるがいい。お前を醜いと定めた世界そのものをな」
禍々しい声と共に再び足下から侵食が始まった。
●
夜の迷宮を抜けた先、示された道筋を辿っていく。
木々は次第に黒い水晶に変わり、土さえも硬く光を反射するようになった。
魔法で歪められた空間の中に入れば、目の前に大きな洋館が佇む。
全てが黒い水晶で覆われて異様な瘴気を感じた。
「これが黒曜館か……」
金熊 両儀(p3p009992)は瘴気を纏う黒曜館を見上げ事もなげに鼻を鳴らす。
「暗黒卿がなんぼのもんじゃい」
威嚇するように歯を剥いた両儀を諫めるのは藍玉と呼ばれるアクアマリンのジュエリアだ。
「両儀さん落ち着いて。作戦が先だから」
ぐいぐいと腕を引っ張る藍玉に渋々戻って来る両儀。
エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)はシルフィという名のムーンストーンのジュエリアに視線を向ける。彼女達ジュエリアは長月・イナリ(p3p008096)が持ち帰った社の研究成果により黒い水晶が綺麗に取り払われていた。
「この黒い水晶が取れて助かったぞイナリ」
「お役に立てて良かったわ」
『麗輝帝』プルトリア・ジュエリアルもイナリへと感謝を述べる。
ジュエリアたちが神と崇める女帝ですら取り除けなかった黒い水晶をイレギュラーズは祓い、取り除くことが出来るのだ。ジュエリア達にとってイレギュラーズは希望の輝きであった。
「よかったな、シルフィ」
「うん、あなた達のおかげね。ありがとうエクスマリア!」
夜の迷宮で怯えていたジュエリア達は見違えるほど明るくなっていた。
イレギュラーズのおかげで絶望が希望に変わった。
これが彼女達の本来の笑顔なのだとエクスマリアは目を細める。
「ラーラ、タンザナイトの様子はどう?」
ジェック・アーロン(p3p004755)は一人逃げてきたタンザナイトを心配して様子を見に来た。
タンザナイトは黒曜館に捕まっていたジュエリアだ。
ジェックたちが夜の迷宮を進んでいる途中で逃げてきた所を保護した。
「私は大丈夫よ」
『レビ=ウムの精霊』ラーラ・ルタ・カンデラの回復で立ち上がったタンザナイトはジェックに頷く。
イナリの術式で黒い水晶は取り除かれ、確りと自分の足で立っていた。
「じゃあ、話しを聞かせてくれるかしら? 中の様子とか知りたいし」
ジルーシャ・グレイ(p3p002246)の問いにタンザナイトは「分かったわ」と返答する。
暗黒卿オルキットに捕えられてからタンザナイトは近くで様子を伺っていたらしい。
人が変わったように沢山のゼロ・クールを作り出し、ジュエリアを黒い水晶に変えた。
けれど誰一人として『死んで』はいないとタンザナイトは語る。
「オルキットは何かに操られているみたいだったわ」
「寄生終焉獣か……」
恋屍・愛無(p3p007296)はこのプーレルジールで存在が確認されている寄生型の終焉獣を思い返す。
「報告書によれば意のままに寄生主を操れるみたいですね。でも、タンザナイトさんの話しによればオルキットさんの意識は戻っていたんですよね?」
『揺り籠の妖精』テアドール(p3n000243)は考え込む様に顎に手を当てた。
「そうね。オルキットは私達の事を捕えていたのも本意ではなかったみたいだった。でも、禍々しい腕が突然現れてオルキットの首を絞めたの。そうしたらオルキットがまたおかしくなって……ニルって」
タンザナイトはオルキットが作っていたゼロ・クールにそっくりなニル(p3p009185)を見つめる。
ニルは眉を下げてどうすればいいのかと考えを巡らせた。
自分が黒曜館に入ることは、オルキットの思惑に乗るということだ。
けれど、オルキットから寄生型終焉獣を取り除かねばジュエリアたちに平穏は訪れない。
「ニル……安心してください。僕が居ますから」
「テアドール……」
ニルの手をぎゅっと握ったテアドールは安心させるように微笑む。
「皆居るから大丈夫だ」
ジェラルド・ヴォルタ(p3p010356)の声に「そうだぜ」と両儀も口角を上げた。
「じゃあ、行くか。全員きっちりと救う為に!」
黒曜館の入口で響いたイレギュラーズの声は地下の洞窟まで届く。
虚ろな瞳で口を歪める暗黒卿が小さく「ごめんなさい」と呟いた。
- <悠久残夢>モリオンの涙雫完了
- GM名もみじ
- 種別EX
- 難易度HARD
- 冒険終了日時2023年12月05日 22時05分
- 参加人数10/10人
- 相談6日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(10人)
サポートNPC一覧(3人)
リプレイ
●
黒曜館の地下へと続く階段は、一歩進む度にまとわりつくように重くなった。
「……この黒曜館の奥で、オルキットは今も、ずっと一人で戦い続けているのね」
『ベルディグリの傍ら』ジルーシャ・グレイ(p3p002246)は眉を寄せて昏い階段の奥を見遣る。
「あの子も、きっと助けを求めている。迎えに行ってあげなくちゃ」
ジルーシャの言葉に『黒撃』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)は「そうだね!」と答えた。この局面を押さえ無ければ、魔王との戦いにも馳せることは出来ない。イグナートは拳を打ち鳴らし気合いを入れる。
階段を降りる間にも『狐です』長月・イナリ(p3p008096)は警戒を怠らない。
前を往くソレイユやダリアを見つめイナリは「よかった」と頷く。
ジュエリア達の事も随分と解析が進んでいた。経験値としては大満足だ。
この先に居るジュエリアは暗黒卿オルキットに囚われている。
彼女達を助け出し、オルキットを侵食している寄生型終焉獣を倒せばハッピーエンドだろうか。
「それとも……もう一幕、二幕あるのか……それも楽しみだわね♪」
小さく漏れ出たイナリの声に気付いた者は居ないだろう。
「ジュエリア達を苦しめていたオルキットも、その原因は終焉獣、か」
階段の壁に手をついた『薔薇冠のしるし』エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)は先の暗闇に視線を落す。プーレルジールの魔王に関しても終焉獣が関与していると聞いた。
「全ては終焉……魔種の指先で、踊らされていたわけ、だ。全く以て、度し難い」
エクスマリアの苦しげな声にソレイユ達は振り返る。
「ハッピーエンドの保証なんて、何処にも無い」
重なる『猛き者の意志』ゼファー(p3p007625)の声にジュエリア達に不安が過った。
それ程までに厳しい戦いであるのだろう。自分達も覚悟しなければと拳を握るジュエリアたち。
「……でも。だからこそ、足掻くんでしょう。お嬢さん達?」
ゼファーは鼓舞するようにウィンクを投げてみせれば、ジュエリア達は心の中に勇気が湧いてきた。
エクスマリアは重ねて、ジュエリアたちに言葉を紡ぐ。
「そう……安心しろ。ソレイユの時もダリアの時も、シルフィの時も、零さず、助けられた。今度も皆、必ず助ける」
ゼファーとエクスマリアの声にジュエリアたちの心に火が灯る。
「のう、藍玉、今は未来に希望は持てとるか?」
『特異運命座標』金熊 両儀(p3p009992)は階段を後ろからついてくるアクアマリンのジュエリアへ問いかけた。藍玉はまた『変なこと』をきくのだと目を細める。
「あなたが、希望を持てと言ってくれた。生きろと言ってくれた。私の未来には希望(あなた)がいる」
絶望の淵に居た藍玉を救い上げたのは両儀だ。そんな彼を藍玉は彼女なりに慕っていた。
嫁にしたいだなんて。最初は自分を励ます方便だと思っていたのに。両儀からの愛は本物だと気付いた時には、藍玉は彼の事が好きだった。自分を死の淵から救い上げてくれた人を愛さないはずがないのだから。
「この戦い、おまんは何を望む? おまんが一言、頼めば、儂はその願いを全力で叶えちゃる。
さぁ、この戦いの結末を……どうしたい?」
「……私は皆を救いたい。私があなたに救われたように。オルキットだって救いたい」
「そうか、なら……いっちょやったるか!」
両儀の快活な声が昏い闇を祓うように響きわたった。
階段を降りた先。広く昏い洞窟に、紫色の焔が揺れている。
『冠位狙撃者』ジェック・アーロン(p3p004755)は蠢く敵の奥に佇む暗黒卿オルキット・ブライトレスを見つめた。
「約束を、守りにきたよ」
ジェックの言葉が洞窟に響けば、『おいしいで満たされて』ニル(p3p009185)が顔を上げた。
「オルキット様……ニルは、会いに来たのです。だから、お話しましょう」
ニルは深呼吸をしてから周囲に結界を張り巡らせる。
もし、天井が崩れでもしたら大変な事になってしまうからだ。
ジェックは銃を構え、オルキットの身体に張り付いている終焉獣を狙う。
彼女の命中精度を持ってすれば終焉獣に付いている目へ照準を絞ることは造作も無い。
「アタシなら……当てられるから」
戦場を駆け抜ける弾丸は真っ直ぐに終焉獣の目へ走った。
吹き飛ばされた終焉獣の瞳から真っ黒な泥が地面へ落ちる。
オルキットへの射線をこれ以上通すまいとブライトレスが蠢き出した。
其処へニルの杖から解き放たれた混沌の泥が一気に広がる。
動きを鈍らせたブライトレスへ走り込むのはイグナートだ。
「ひぃ、ふぅ、みぃ、寄生体がわんさか居るね! 魔王を倒しに行く前哨戦には悪くない難易度ってところだね!」
わざと挑発するような言葉を選ぶイグナートにブライトレスたちは一斉に襲いかかる。
ブライトレス達の攻撃を受け止める度に傷口が黒く染まった。
「うーん、これはジュエリアたちは怖いだろうね! でもオレには関係無い!」
たとえその身が黒く汚れようとも、イグナートは竜虎の如く暴れ回るのだから。
「ほら、こっちだよ!」
すばしっこく動くイグナートに翻弄されるままブライトレスは彼を追いかけ回した。
「やるべきことはシンプルだ。狩りたいモノは狩る。守りたいモノは守る」
『縒り糸』恋屍・愛無(p3p007296)はビジネスの始まりだと戦場を駆け抜ける。
「そういえば、報酬の話を忘れていたな」
ブライトレスをなぎ倒しながら、愛無は戦場の隅にいる『麗輝帝』プルトリア・ジュエリアルを見遣る。
手をひらひらと振ったプルトリアから視線をブライトレスに戻した愛無はその身体の中にある核を掴み、力を込めて握りつぶした。
霧散するブライトレスを睨み付けた『不屈の太陽』ジェラルド・ヴォルタ(p3p010356)は、傍らの『籠の中の雲雀』アルエット(p3n000009)へ声を掛ける。
「アンタは前に出るなよ」
「どうして? 私も戦えるわ?」
「今回は乱戦になるだろうからな。負傷も多いだろう。だから、回復を頼むぜ」
ジェラルドの言葉に「わかったわ」と頷くアルエット。
駆け出したジェラルドは寄生されたジュエリア達の元へ走り込む。
彼女達の顔は一様に申し訳なさそうな表情だった。
「いま、解放してやるからな!」
ジェラルドは寄生終焉獣の攻撃を大剣で受け止め、そのまま炎を纏わせ薙ぎ払う。
「ダンスの相手としては上々」
ジュエリアたちの前に風を纏ったゼファーの槍が閃いた。
ゼファーはジュエリアたちの黒い水晶になった部分を弾く。
「可愛いお顔が揃い並んで、嬉しいぐらい。其れじゃ、愉しくやるとしましょ?」
「う、う……」
ジュエリアの中の終焉獣が怒り狂うように暴れ出す。
彼女達の意に反して背中から生えた黒くぶよぶよとした大きな腕がゼファーを掴まえようと動いた。
されど、その腕をひらりと避けたゼファーは返す動きで槍を突き刺す。
舞うように地面を蹴ったゼファーはジェラルドと分担するように残りのジュエリアを相手取る。
狙いを引きつけ、確実に体力を削る。地道な作戦だが、重要な役回りであろう。
●
両儀はオルキットと対峙し、血に濡れていた。
「皆で相談して決めたき、最初は最速最短でブライトレスを片付けよう思っちょったんじゃがの。色々考えた結果、皆を信じる事にしたぜよ。儂の嫁やジュエリア達は護り抜いてくれる、と」
それに、と両儀は後ろに居るニルへ視線を送る。
オルキットの押さえにニル一人では荷が重いであろう。テアドールが傍に居るとしてもだ。オルキットの力が不明瞭な現時点でニルを守り切れる保障は何処にも無い。
「──じゃから儂が全てを以て、ニルのサポートをするき。
ニル、おまんのやりたい事を遠慮なくやっちょれ。
何、これも儂の嫁の願いの為じゃ」
「両儀様……!」
ニルはオルキットからの攻撃を受け止めニルへ笑顔を向けた。
その先には後方に控える藍玉の姿がある。
彼女が「皆を救ってほしい」と願ったのだ。
妻の願いは夫である自分が叶えてやるべきものだ。
それが結果的に全員の『ハッピーエンド』に繋がるなら尚更。
ここで両儀が倒れる訳にはいかなかった。
「儂ぁ、打たれ弱い……じゃが、この通り、唯じゃ転ばん」
両儀を攻撃すればするほどオルキットにもダメージが重なっていく。
「時間稼ぎ、嫌がらせなら……ニ、三手は稼げるぞ?」
「倒れたら、許さないから!!」
戦場に響き渡った藍玉の声に両儀は口角を上げた。
「ああ、儂の嫁は素直じゃないのう……どれ、もういっちょ、踏ん張るとするかの」
運命を燃やし、両儀は盾となるべく踏みとどまる。
その両儀を癒すのはエクスマリアだ。
戦場において傷付いた仲間に的確な回復を施すのは容易ではない。
こと、盾役が分散している状況ではエクスマリアの力量が試される。
盾役の中で最も気を付けなければならないのはオルキットと対峙する両儀であろう。
残存体力を鑑みて、注視する必要があるのだ。
されど、ジュエリアを引きつけるゼファーやジェラルドにも気を配らねばならない。
気付けば体力を消耗しすぎて倒れてしまっていたなんて事は避けるべきなのだ。
「イグナートは……大丈夫か?」
ブライトレスの敵視を集めていたイグナートはそれなりに体力を削られているようだが。それを上回る仲間の攻撃により比較的深手はは追ってないように見えた。
「うん! モンダイ無いよ! エクスマリアの回復のおかげだね!」
腕を振り回したイグナートは元気よく応える。
イグナートはブライトレスが妙な動きを見せているのに気が付いた。
「もしかして……!」
ブライトレスが移動する先には友軍のジュエリアたちが戦っている。
「あぶない! 気を付けて! ねらわれてるよ!」
「え!?」
イグナートの声にソレイユたちは一斉に後方へ下がった。
新たに狙われる可能性もあるのだとソレイユたちはイグナートの言葉に息を飲む。
「大丈夫! オレたちの近くに居れば問題無いよ。一緒にたたかおう!」
「はい!」
元気よく頷いたソレイユたちはイグナートを支援する形で戦場を動く。
イグナートが引きつけたブライトレスを包み込むのはジルーシャの香術だ。
昏く重い香りは蛇の王を呼び寄せ、その視線に睨まれたものは石と化す。
動きを鈍らせたブライトレスの合間を縫ってジュエリアたちが攻撃を仕掛けた。
「みんな良い感じよ! このまま倒しちゃいましょ!」
「はい!」
ジルーシャの声と共に友軍のジュエリアたちが攻撃を叩き込む。
それでも悪あがきの如くブライトレスはジルーシャへと黒い泥を飛ばした。
されど、それはジルーシャの前で展開したシールドによって阻まれる。
「残念。そんな攻撃アタシには効かないわよ」
ジルーシャの対角線では愛無が猛威を振っていた。
ブライトレスへの蹂躙はまるで獣が同族を喰らっているかのようで。
そこはかとない恐怖がソレイユたちの背を駆け抜ける。
もしかして愛無はブライトレスと同じものではないのかという憶測が脳裏を過った。
「どうしたのかね? 動きが止まっているようだが?」
愛無の言葉にソレイユたちはビクリと肩を振わせる。
「僕が化け物にでも見えたのかね? それは、気の毒に。でも、間違ってない。近づきすぎると君達も食べてしまうかもしれない……なんて冗談だ。本気にしないでくれたまえよ。それよりも……」
軽口を叩きながらも愛無はジュエリアたち全体の様子を伺っていた。
友軍のジュエリアもそうだが、注視すべきは寄生されている彼女達だ。
ダメージが大きい宿主から他のジュエリアへ寄生対象を移す可能性は大いにあるだろう。
「気を付けたまえジュエリアの諸君。黒い水晶になりたくなければ……な」
それを啓発するのも重要な役割である。愛無の取った行動は全体の士気に関わるものだ。
自分が狙われる対象であるのを自覚するのとそうでないのでは、動き方がまるで違うのだから。
――――
――
イナリは戦場を忙しなく動き回る。
それは止まる事の無い戦況に対応するイナリの戦術だ。
御神渡りと呼ばれるそれは、異界の神事を術式的に再現したもの。
イナリはそれを巧みに操り戦場を操るのだ。
されど、この技は扱いが非常に難しい。仲間を巻き込まぬよう戦況を読み、先の一手としてうたなければ無差別攻撃となりうるからだ。
考えも無く展開できる術式では無い。
だからこそ、イナリは戦場の一箇所に留まらず動き回っているのだ。
最良のタイミングで術式を発動出来る様に、敵によりダメージを与えられるように。
仲間が集まる中央部分を避けて、術式展開を遠くに寄せる。
そうすれば、端に広がった敵だけを巻き込めると判断したイナリは躊躇無く術式を練った。
瞬時に目の前に現れたイナリに敵は驚いたことだろう。
こうして、術が上手く行った時はイナリは嬉しくなるのだ。
更に連続して重なる攻撃にブライトレスは核諸共消し炭になる。
「すごいわねイナリ」
「そうかしら?」
ソレイユ達が圧倒的なイナリの術式に感嘆の声を上げた。
ブライトレスのコアを打ち抜いたジェックは「ふう」と息を吐く。
残るは寄生されたジュエリアたち。彼女たちにはゼファーとジェラルドが対峙してくれていた。
「大丈夫!? ゼファーちゃんたち!」
ジルーシャの声に「問題ない」とゼファーとジェラルドは答える。
よかったと安心したジルーシャは改めて寄生されたジュエリアたちに声を掛けた。
心が絶望に支配されてしまわないように。彼女達が生きたいと願えるように。
「大丈夫よ、アタシたちを信じて! アンタたちには誰も傷つけさせたりしないわ!」
響き渡るジルーシャの声にジュエリアたちも励まされる。
だからこそ、自分達がイレギュラーズに攻撃をしてしまうのが辛い。
「そんな辛そうな顔をして武器を振り回されちゃ、こっちも調子が狂っちゃいそう」
ゼファーはエメラルドたちの苦悶の表情に眉を下げる。
「何、直ぐにまた笑える様にしてあげる」
「ごめんなさい……」
エメラルドの声に「大丈夫」だとゼファーは笑った。
華麗に避けたその槍の先が見事に寄生終焉獣だけを貫く。
「――私はハッピーエンドが大好きなんだもの!」
ゼファーの言葉は戦場に響き渡り、終焉獣はジュエリアの身体から引き剥がされたあと、黒い粒子となって砕け散ったのだ。
●
オルキットの瞳は昏く深淵を写す鏡のようだった。
その表情は悲しみに満ちて今にも泣き出しそうなもの。
ニルはぎゅっと杖を握り締め、オルキットの前に立ちはだかる。
向けられる感情を受け止められないと分かっているからこそ、伝えなければならないから。
「ニル……来てくれたのですね」
真っ直ぐにオルキットを見つめたニルは意を決して言葉を紡ぐ。
「オルキット様、ニルはこの世界のひとではないから。帰りたい場所が、一緒にいたいひとがいるから。ずっとあなと一緒にはいられないのです」
ニルから発せられた声に、オルキットは驚愕と悲しみを露わにした。
聞きたくないというように耳を塞ぎ首を左右に振る。
「でも、ニルはあなたを助けたい。あなたのかなしい、さみしいきもち……それが、ニルはつらいから」
耳を塞いでいてもニルの声はよく聞こえた。
――ああ、なんて。優しいのだろう。
思い描いていた理想の姿。慈愛に満ちた言葉。真っ直ぐな瞳。
そんなニルの隣に立つ『真っ白な自分(テアドール)』が心底羨ましい。
羨ましい。自分には無いもの。
辛く苦しい心が、侵食を加速させる。
寄生されていたジュエリアをエクスマリアは担ぎ上げた。
その傍ではラビがもう一人のジュエリアを背負っている。
「これで全員か?」
戦場である洞窟を見渡したエクスマリアは、ブライトレスが消滅していることを確認した。
こくりと頷いたラビと共に戦場の隅へとジュエリアたちを運ぶエクスマリア。
エクスマリアは待機していたイナリと共にジュエリアたちの治療にあたる。
ソレイユやダリアよりも、長い間侵食されていたエメラルド達は治るまでに時間が掛かるだろう。
「でも、任せて。私達はこの黒い水晶を取り払えるわ」
イナリはエメラルド達を安心させるように微笑んだ。
今まで杜に蓄積された情報は、このジュエリアたちの黒水晶の解明に貢献している。
「それに、貴女達の存在が外部へ流出しないように手配するわ」
「本当に? そんなことが出来るの?」
「ええ。だから安心して」
イナリの言葉にエメラルドの顔が希望に輝く。
宝石を胸に抱く種族なんて強欲な人間の乱獲対象になるのは必然。
イナリはその防止策として、此方で出来た協力者に応援を要請したのだ。
あとは、この戦場を切り抜ければ事態は収束に向かうとエクスマリアとイナリは顔を上げる。
オルキットは他のジュエリアたちより長く深く寄生されていた。
だから、一刻も早く治療しなければ命も危ぶまれる。
エクスマリアとイナリはオルキットに言葉を掛ける仲間達を祈るように見つめた。
「ゼファー、大丈夫?」
イグナートはオルキットからの攻撃を弾いたゼファーへ声を掛ける。
「ええ、問題無いわ」
疲弊しているようなら庇おうかと考えていたが、颯爽と槍で薙ぐゼファーであれば問題無いとイグナートはオルキットへ視線を上げる。
「オルキット!」
一際大きなイグナートの声が戦場に響き渡った。
「この手の寄生はキアイで跳ね返すって相場か決まってる! エゴを捨てるな! 貪欲になりなよ!」
イグナートの声にオルキットは息を吐く。
貪欲に、ニルを求めて。自分のものにしてしまいたい。そうならないのなら、いっそ壊してしまいたい。
そんな想いがオルキットの中に渦巻く。されど、その根底にあるものは何であったか。
――必要とされたい。
仲間に必要とされる自分でありたい。そう思っていたはずなのだ。
「僕も他者との違いに思い悩んだ事もあったが。まぁ、無意味だったな」
愛無の黒い爪がオルキットの目の前を切り裂く。
「……無意味?」
どういうことだとオルキットは愛無へと顔を上げた。
「何処まで行っても結局、僕は『僕』だった」
黒き獣。暴食の牙。そんな自分を浅ましいと思う。悍ましいとも思う。けれど。
「それが僕だ。人喰いの化物。恋は屍。愛も無く。この世界で、ただ一つの我だ。
他者との違いに思い悩む事などありはしない。君は君のままでいればいい」
所詮、『生きること』など思い通りになぞ行かないと愛無は首を振る。
長くとも短くとも、悪態を付きながら、罵詈雑言を吐き捨てながら死ぬまで生きるしかない。
「そうすりゃ死ぬまで楽しい事の一つもあるだろうさ」
死ぬことを選択するのは簡単であろう。死にたいというのならば、いま此処で喰らってやる。
けれど、オルキットは駄々を捏ねながらも『死にたい』とは口にしなかった。
だから愛無は痛い仕置きに留めるのだ。
愛無の鋭い爪がオルキットの胸を裂く。血に濡れ痛みに顔を歪めようともオルキットはその命響石を守ろうと身体を捻った。それこそ正に本能であるのだろう。
助けに来た、なんて言葉はきっと不要なものなのだろう。
ジェックは紅い瞳でオルキットを見据える。
「キミを助けるのはアタシ達じゃない」
真摯な眼差しが暗黒卿を射貫く。それはどんな命中力のある攻撃よりも、心を貫いただろう。
「嫉妬心も劣等感も承認欲求も、誰もが持っているものだ。
アタシだって羨ましいと感じることも認められたいと願うこともある」
この戦場にいる誰もがそうである。そんなありふれたものは特別でも何でも無い。
にも拘わらず、その心を特別醜くしているのはオルキット自身だとジェックは告げる。
「……っ!」
ジェックの言葉はオルキットの心を激しく揺らした。
「相手を羨ましい、己より優れていると思うから人は上を向ける。
認められたいと願うから努力できる。他と違うからこそ長所が生まれる。
本当はちっとも醜くなんかない……なくてはならない、うつくしいものなんだよ」
ただ、オルキットの苦悩を否定するだけでは逆効果だとジェックも分かっていた。
だからこそ、共感し手を差し伸べることが重要なのだとも。
そして、気付くべきは、オルキット自身なのだと言葉を紡ぐ。
「ねえ、そろそろ分かった? キミを許せないのも認められないのもキミだけ。
アタシ達がキミを許したって何も変わらない。
キミが許して認めなければ、何も終わらないし何も始まらない」
ジェックの紅い瞳はオルキットを唯ひたすらに真っ直ぐ見つめる。
プルトリアの子を想う気持ち、ソレイユやダリアの友愛と心配、オルキット自身が守って来たジュエリア達の声を届けたいとジェックは言葉に込めた。
この優しいひとが、自分を認め、許してあげることができるように。
「キミを助けるのは──キミ自身だ」
ジェックの言葉とその想いは光の煌めきとなって戦場に満ちる。
切なる願いを両儀も感じる。隣の藍玉と共にその煌めきへ自分達の想いを乗せる。
一つより、二つ。オルキットへ届ける言葉が増えていく。
「オルキット……私たちは貴方を仲間だって思ってる。貴方もそう思ってくれてるんでしょ?
私は、この人のお陰で強くなった。すごく変な人だけど、楽しいし大切にしてくれる。
この人の変なところオルキットにも知って欲しい。だから、帰って来てよオルキット!」
「おお、い。藍玉、言うようになったな。じゃが、まあ……オルキット、藍玉もこう言うとるし。心を強う持てよ。自分自身に負けるな」
ジェラルドは傷をアルエットに回復してもらいながらニルへと顔を上げる。
「ニル、アンタのオルキットを救いたい気持ち、俺は買うぜ」
だからこそ、ジェラルドはこの戦場に居るのだ。
自分がニルたちにしてられることは、攻撃の一手となること。
オルキットが少しでも救われてほしいから。ジェラルドは大剣に力を込める。
「ここに居る皆、オルキット……アンタの事を思ってるぜ」
ジェラルドの言葉はオルキットの耳にも届いた。
「だからもう悲しまなくたっていいのさ。
アンタの周りには俺達は勿論、ジュエリアの皆だってついてるんだ」
独りぼっちではないとジェラルドはオルキットに語りかける。
「だからアンタも求めてくれよ、自分が救われる事を!」
ジェラルドの想いを糧にまた一つ、戦場に光輝が煌めいた。
「誰も彼も憑かれてるなんて難儀ですこと」
槍を大きく振り抜いて距離を取ったゼファーは、舞うようにくるりとオルキットへ対峙する。
戦場に煌めく想いの光がゼファーの槍先へ走った。
「ま、さっさと帰ってらっしゃいな。どうにもこうにも、貴方には帰ってきて欲しい子が少なくないみたいですし」
ゼファーは藍玉やソレイユ達を見遣り口の端を上げる。
「……何より、女の子は泣かすもんじゃないわ?」
オルキットはソレイユ達に視線を移した。ジュエリア達は心配そうに此方を見ている。
その表情に浮かんでいるのは『心配』という色だ。嫌悪や怒りではない。
ゼファーはオルキットがそれに気付くように誘導したのだろう。
オルキットの瞳に涙の膜が張る。
それでも、寄生型終焉獣に操られた腕が意思とは関係無く攻撃を仕掛けた。
ニル目がけて迫る黒い腕を受け止めたのはジルーシャだ。
「ジルーシャさん!」
「大丈夫よ。このぐらい! アンタは伝えなきゃいけないことがあるでしょ?」
ニルの背を押すようにジルーシャは笑顔を浮かべる。
言葉を、想いを、紡げるように願いを込める。
皆と、ジュエリアたちと、これからずっと一緒にいられるように。
「さ、顔を上げて――明るい世界を皆で見に行きましょう、オルキット」
ジルーシャの祈りが昏い洞窟を光で満たす。ジルーシャだけではない。いままで紡いできた皆の想いが煌めき、オルキットの命響石に反射して瞬いていた。
それはまるで、昏き闇の空と星のようで。
「オルキット様のコアはキラキラではないけど醜くなんかない。とてもきれいな夜の色」
ニルはテアドールと一緒にオルキットの前に歩み寄る。
「星が輝くのは夜があってこそ。ジュエリアのみなさまのために戦っていた、やさしくて強いひと」
傷付いた心に終焉獣が憑いてしまった。その心の弱さを嗤う者など何処にも居ない。
その終焉獣を取り除けば、きっと他のジュエリアとも仲直りできるはずなのだ。
藍玉やソレイユたちがオルキットに向ける感情は悪しきものではない。
純粋に『仲間を心配する心』だった。それをオルキットも感じていたはずだ。
「戦士でなくてもオルキット様はオルキット様です。ごめんなさいからはじめましょう。
仲直りをはじめるために、終焉獣を倒しましょう!」
抗うように終焉獣は命を賭して、ニルを取り込もうとした。
黒い腕を広げ、ニルへと迫りくる終焉獣の攻撃。
されど、テアドールの張ったシールドに阻まれ、あと一歩の所でニルには届かなかったのだ。
テアドールが守ってくれるからニルが頑張る事ができる。
たいせつなともだちが作り出してくれた一瞬を、ニルは掴み取った。
ニルだけではない。この場に煌めく想いの光が流星のように瞬く。
「――オルキット様とその命鏡石に力を!」
ニルの言葉と共に洞窟に溢れた光輝は、視界を覆い尽くす程に煌めいた。
真っ白になる視界は何も見えなくて。
それでも繋いだ手から伝わるテアドールのぬくもりだけは離さなかった。
テアドールがプーレルジールに居るのは少し不安で、心配で。一緒に居ることが嬉しくて心強くて。
ずっと一緒の、だいすきなともだち。
「そばにいてくれて……ありがとうございます、テアドール」
「此方こそ。あなたが無事でよかったです、ニル」
――――
――
白い視界が晴れて、洞窟は元の静けさを取り戻した。
洞窟の真ん中に倒れ込んでいたオルキットは駆け寄ったニルに視線を上げる。
「ごめんなさい、ニル。それに、みんなも……」
儚げに謝罪をするオルキットの手を握り締めたニルとテアドール。
このまま消えてしまいそうなオルキットを離すまいとニルは名前を呼ぶ。
「オルキット、あなた……! 命響石が!」
ダリアの言葉にオルキットの胸元へ視線を上げる一同。
其処には、昏き闇を抱く丸い石と、その中に煌めく星の輝きが映っていた。
それは、濁った黒い石ではない。美しき黒水晶。
「あ、ぁ……、よかった」
星を抱く涙雫のモリオンだった。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
お疲れ様でした。
無事にジュエリアたちを救う事ができました。
オルキットの命響石も星を抱く石となって煌めいたようです。
GMコメント
もみじです。寄生終焉獣を倒してオルキットやジュエリアたちを救いましょう!
●目的
・寄生終焉獣の撃破
・オルキットを含むジュエリアの救出
●ロケーション
アガルティア帝国の精霊都市レビ=ウムです。
無数にあったとされる混沌世界のアーカーシュに連なる浮島の一つです。
アーカーシュの建物と似ているものがあります。他には宝石で出来た建物があります。
ジュエリアの隠れ里には大きな塔があり暗黒卿が住まう黒曜館を見つけることが出来ます。
今回の舞台となる『黒曜館』には魔法が掛けられており、外見よりも広い空間になっています。
黒曜館の地下の洞窟に暗黒卿オルキットが居ます。
ごつごつした岩が四方を囲む広い空間なので戦闘に支障はありません。
灯りもラーラの灯火が揺らめいています。
●敵
○『暗黒卿』オルキット・ブライトレス
精霊都市レビ=ウムの北端に位置する黒曜館に住む人物。
眩い宝石を抱いて生まれてくるジュエリアの中で唯一『黒く濁った命鏡石』を宿した者。
混沌世界のテアドールと同じ顔をしています。
ジュエリアを黒い水晶に変えていました。
寄生終焉獣に操られ、醜い心のままジュエリアを捕えていたのです。
ジュエリアを殺さなかったのは、操られていても仲間を殺すことを忌避したためでしょう。
不殺でとどめを差すと寄生終焉獣を倒すことができます。
戦闘能力は寄生終焉獣がいるのでとても向上しています。
魔法と剣を使うオールラウンダーです。
○寄生終焉獣
オルキットやジュエリアたちに取り憑いた寄生型の終焉獣です。
寄生型終焉獣を操っているのは手の甲に目がついた腕が
黒い水晶となっている部分から侵食していきます。
寄生した対象に高い戦闘能力を与えます。
○寄生されたジュエリア×6
エメラルド、ルチル、シトリン(近距離剣術系)
トパーズ、トルマリン、オパール(遠距離魔法系)
手や足を黒い水晶に変えられています。
寄生終焉獣に操られていますが意識はあり、仲間を傷つけることが悲しいです。
不殺でとどめを差すと寄生終焉獣を倒すことができます。
○ブライトレス×10
ジュエリアを黒い水晶に変える終焉獣です。
身体の中に核を持っています。以前の戦いから核の位置は判明しています。
●NPC
○『ジュエリアの騎士』ソレイユ・プリズム
胸にダイヤモンドを抱くジュエリアです。
凜々しい立ち振る舞いとダイヤモンドの強さを誇る騎士です。
しかし、終焉獣の軍勢を相手に負傷し足を黒い水晶に変えられてしまいました。
現在は綺麗に元通りになりました。
ダリアと共に前線で戦います。
○『ジュエリアの赤花』ダリア・ルベウス
暗黒卿に捕まり身体を黒い水晶へと変えられたジュエリアです。
現在は回復して、殆ど元通りになりました。
ソレイユと共に前線で戦います。
○『レビ=ウムの精霊』ラーラ・ルタ・カンデラ
アガルティア帝国の精霊都市レビ=ウムを管理する灯火の精霊です。
イレギュラーズにランプを貸してくれます。
ラーラの灯火はあたたかくて心強いでしょう。
灯火で戦場を照らし、後方で回復を行います。
○『麗輝帝』プルトリア・ジュエリアル
ジュエリアたちが神と崇める女帝。
暗黒卿が作り出した『夜の迷宮』でジュエリアたちを励ましていました。
彼女は全てのジュエリアを助けてあげたいと願っています。
主に後方で指揮を担当します。
○ジュエリアたち
黒い水晶を取り除いてもらったジュエリアたちです。
戦えるジュエリアはプルトリアの指示でブライトレスやジュエリア相手に動きます。
ムーンストーン(シルフィ)、アメジスト(ローリス)、サファイヤ(コバルト)アクアマリン(藍玉)、ペリドット、ガーネット、ベスビアナイト、タンザナイトなど。
○『揺り籠の妖精』テアドール(p3n000243)
夢で見た暗黒卿オルキットと対峙するためやってきました。
魔術で障壁を張り、イレギュラーズを援護するバフを付与します。
ルーンシールド、マギ・ペンタグラム、ヴァルハラ・スタディオン、歪曲運命黙示録
エンピリアルローサイト、神気閃光など
○アルエット、ラビ
ジュエリア救出のお手伝いをしています。
●プーレルジール
境界深度を駆使することで渡航可能となった異世界です。
勇者アイオンが勇者と呼ばれることのなかったIFの世界で、魔王の配下が跋扈しています。
この世界に空中神殿やローレットはありませんが、かわりにアトリエ・コンフィーがイレギュラーズの拠点として機能しています。
●情報精度
このシナリオの情報精度はCです。
実際のところ安全ですが、情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。
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