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シナリオ詳細

<悠久残夢>サハイェル城へ到れ。魔王の軍勢を退けよ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●魔王城にて
 魔王城。あるいはサハイェル城。魔王イルドゼキアと四天王の待ち受ける場所。
 伝説に謳われるそれとは似て非なる場所なれど、この世界における魔王城に思うところのある者も多いだろう。
 このプーレルジールにおける状況も、最終局面へと移行した。
 遂に対面した魔王イルドゼギア、そして彼等が鍵として認識している破滅を見守る少女・ステラ。
 魔王イルドゼギアは『本来は存在し得ない魔王を作りだし世界が滅びを迎えるまでがこの世界の運命だ』と、そう語った。
 混沌世界が直面する滅びも、避けきれぬ確定的滅亡として神託が下されている。
 それらが目に見えぬ神の意志だとしても、納得など出来るわけもない。イルドゼギアとて『彼本人の意志』ではなく、世界のあるべき形に改変された存在なのだという。
 彼等は混沌世界の来るべき滅亡のために、このプーレルジールが滅びた後にステラの異能力を駆使して混沌へと渡らんとしている。
 そうして滅びの徒として改めて世界に滅びを齎すのだ。混沌世界に存在する原罪達と共に、来るべき終焉を待ち受けて。
 そしてサハイェル城へ至らんとした者達の前には、どこから湧き出たか大量の終焉獣もまた立ち塞がらんとしていた。
 率いる者はプーレルジールの『管理人』『魔法使い』……いや。
 その者は、未だ正体不明である『終焉』の勢力に属する存在だった。
 彼は大量の終焉獣を引き連れていた。
 そもそもイレギュラーズを外から来たと認識している終焉獣達は何処から来たのか――
 その真相はなんと、サハイェル城の地下に『終焉』の地に繋がる扉があったのである。
『迷宮の果て』から至るのが本来の――例えるならば正規の入り口たる『表口』ならば、その扉は『裏口』とも言うべき場所。
 かの扉を破壊せねば無尽蔵の滅びがプーレルジールに蔓延り、いつかは滅びで覆い尽くされるだろう……。
 だがその問題はプーレルジールだけに留まらない。
 混沌世界は万象の上に座す上位世界だ。下位の世界を飲み喰らう程に強い――
 つまり混沌世界に限りなく近いプーレルジールはいつか混沌世界に呑み込まれるのだ。それがプーレルジールの避けられぬ滅びの一つ。
 その時にもしも『滅びのアーク』が可能な限り凝縮されていたら?
 ――夥しい滅びの結晶が、混沌世界を内側から侵食していく。
 それこそが終焉に属する者達の狙い。混沌世界を支えるシステムそのものを攻撃せんとする計画。
 プーレルジールの行く末は混沌世界にも確実な影響を齎すだろう。
 見過ごせぬ。七罪達を撃滅し、滅びから遠ざけてきたというのに、一気に盤面をひっくり返されぬ事態など。
 抗えるのは希望の可能性を持つイレギュラーズのみ。
 その魔王城での戦いが今、始まろうとしていた……!

●サンゴより
 魔王を倒し、『レガド・イルシオン』の建国の祖となった男『アイオン』とその仲間達が『勇者』と呼ばれることのなかった『IFの物語』。
 そして、そんな世界のプリエの回廊(ギャルリ・ド・プリエ)の1つの店……「青の珊瑚礁」で、1人の魔法使いの少女が集まった面々の前に立っていた。
「世界を守る戦い。違う世界と、魔王。そして終焉……とんでもない話ばかりだけれども」
 その少女はもう死んだはずの少女……「覇竜侵食」事件で出会った少女、サンゴによく似ていた。
 しかし、あの狂気は感じない……よく似ているだけの別人であるのは確かだろう。
「私はサンゴ。この『青い珊瑚礁』の職人。皆、今回のお話は聞いてると思う」
「サハイェル城のこと……ですよね」
「予想より話がずっと大きくなったなあ」
 『おいしいで満たされて』ニル(p3p009185)と『晶竜封殺』火野・彩陽(p3p010663)がそう頷く。
 サハィエル城。魔王イルドゼキアと『終焉』の勢力に属する存在の待ち受けるその場所には、混沌世界を一気に滅ぼしかねない、最悪の企みが隠されていた。
 だからこそ、サハィエル城へと挑まなければならない。そこに待ち受ける敵を倒し、滅びのアークの力を減少させなければならないのだ。
「状況は共有してる。私たちは行くのは、サハイェル城1階の『黒骨の領域』と呼ばれている場所」
 黒が主体となったサハィエル城の中において、その領域は奥へ進む者を阻むように黒い霧で覆われている。
 いったん中に入れば広間のような場所が広がっており、そこにいる守護者を倒さねば先に進めないようになっているのだ。恐らくは魔王たちによる妨害策の一環だろう。しかし後に続く者のために倒し『黒骨の領域』を解除しなければならないのだ。
「あの、ところで私たち、って……?」
「今回はレクラだけじゃない。私も手伝う。よろしく」
 そう言うとサンゴはゆらりと、巨大な剣を持ち出すのだった。

GMコメント

サハィエル城へと攻め込むときが来ました!
後続の仲間たちのため、皆さんが先陣を切るのです!
『黒骨の領域』はサハィエル城に突入してすぐの場所にあり、奥に進もうとする者を妨害しています。
中に居る敵を殲滅すれば消滅するので、早くやっつけてしまいましょう!

●出てくる敵
・『黒骨騎士長』バアル
『骸騎将』ダルギーズの一の部下を名乗る髑髏騎士。黒い騎士鎧を纏い、大剣を振るい戦います。
近距離の斬撃と、黒いオーラの遠距離斬撃を放つ「ブラックギロチン」、傷を癒し状態異常を解除する『死せども蘇りて』を使用します。

・黒骨騎士団×50
バアルの配下の髑髏騎士たちです。剣、杖の2種類がいます。
剣は近距離攻撃オンリーですが、杖は遠距離攻撃と範囲回復を使用します。

●友軍
・サンゴ
『青の珊瑚礁』の職人。謎の大剣を振るい戦います。戦闘力は普通。まあ、ほっといても死なないんじゃないかな……
炎を纏う斬撃『太陽剣』と対象1人のHPとAPを回復する『再生の炎』を使えるようです。

・『ゼロ・クール『A-00ア号』』レクラ・エイワース
ゼロ・クールの1体。鎧騎士のような外見で長剣を持っています。
現状、『誰かの護衛を重視し、力任せに叩き切る』ような戦い方をします。
『連携』を覚えました。指定された1人の攻撃に連携しタイミングを合わせることが出来ます。

●サハイェル城攻略度
フィールドが『サハイェル城』のシナリオにおいては城内の攻略度が全体成功度に寄与します。
シナリオが『成功』時にこの攻略度が上昇し、全体勝利となり、プーレルジールにおける『滅びのアーク』が減少します。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

  • <悠久残夢>サハイェル城へ到れ。魔王の軍勢を退けよ完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年12月04日 22時06分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

武器商人(p3p001107)
闇之雲
バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)
老練老獪
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
胡桃・ツァンフオ(p3p008299)
ファイアフォックス
鏡禍・A・水月(p3p008354)
鏡花の盾
ニル(p3p009185)
願い紡ぎ
火野・彩陽(p3p010663)
晶竜封殺

リプレイ

●サハィエル城へ到れ
 魔王城サハィエル。ついに敵の本拠地に乗り込むとあって、全員の士気は最高潮であった。
 それだけではない……今日はちょっとした助っ人がいることも、あるいはそのテンションの理由だろうか?
 陰惨な雰囲気漂うこの魔王城の中にあって、まるで遠足のような楽しげな雰囲気すら漂っていた。
「今回はレクラはんだけやのーてサンゴはんも一緒なんやね。がんばろーおー」
「ぶはははッ! 今回はレクラだけじゃなくてサンゴの嬢ちゃんも一緒か!」
「ですね。レクラ様だけではなく、サンゴ様も一緒なのですね? ちょっぴり心配で、とても心強くてニルはとってもとってもそわそわします。ここをなんとかすることで、奥へ進むことができるのですよね。いっしょにがんばりましょうね!」
「サンゴの方自身も戦えるとは、頼もしいこと。多才なのだねぇキミ。ここにいる面子は幸い、こと多数の敵を引きつけて戦うことに関しては最上級のコらが揃ってるから安心しておくといい。ヒヒヒ!」
「ん、期待してる」
 『晶竜封殺』火野・彩陽(p3p010663)、『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)と『おいしいで満たされて』ニル(p3p009185)、そして『闇之雲』武器商人(p3p001107)に、サンゴがそう答える。
 どうにもクールなサンゴとレクラが似ているのは流石というほかないが、そのサンゴに感じる既視感は……こうして何度も会えば、そういうものだと納得できるものではあった。
 そして……何処かで出会った誰かに似たサンゴと同じように、この場所に既視感のようなものを覚える者もいた。
「前に行った魔王城はエピトゥシ城だったかしら~(後詰めの城と呼ばれていたはずだけれども)。何はともあれ魔王城攻略なの。ダンジョンアタックなの。魔王イルドゼキアへの道を開くと考えれば、やるべきことは単純なのかしら~。サンゴさんレクラさんもよろしくお願いしますの」
「ん」
「はい、よろしくお願いします」
 サンゴに続いて『ゼロ・クール『A-00ア号』』レクラ・エイワースも『ファイアフォックス』胡桃・ツァンフオ(p3p008299)に頷くが、実際胡桃たちの戦いがこの後に続く者たちの道を開く……そんな、とても重要な戦いなのだ。
 このプーレルジールという世界そのものが既視感の塊ではあるが、胡桃の言うエピトゥシ城も今ではアーカーシュの拠点でもあるため、その既視感も仕方ないといったところだろうか。
 元の世界では四天王の劣化コピーのごとき面白い敵とも出会ったが、此処はそれとも何処か似ているような、けれど確実に違う、そんな場所であった。そして幸いにも、サンゴたちのせいで胡桃たちは既視感に振り回されることもない……いわゆる耐性もついていたのだ。
「ニルの砦の争奪戦と言い防衛線といい、やけに髑髏に縁があるとは思っていたが、まさかここまで増えるとはな」
 『蛇喰らい』バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)の呟きどおり、『骸騎将』ダルギーズの配下に関わることが非常に多い……ここまでくると因縁といってもいいのかもしれない。
 そして『黒骨の領域』と呼ばれるこの場所は、明らかに普通ではない。強い妨害の意思を感じるこの場所に……無数の敵意が待ち受けているのが『夜鏡』水月・鏡禍(p3p008354)にも分かる。
「しかしダルギーズの部下ということは終焉獣が憑りついていたりするんでしょうか。憑依される可能性もゼロではないですしちょっと気にしておきたいですね……ま、何はともあれ数の多さにはビックリです。それを押さえてこそ、でもあるでしょうが。ゴリョウさんも武器商人さんもいらっしゃいますし、変なところ見せられませんね。僕だってやってみせましょう」
「ああ。魔王城の攻略もいよいよ開始か。こりゃ気合を入れ直さないといけないな」
 『狂言回し』回言 世界(p3p007315)も周囲を見回しながら頷く。
 黒骨の領域。黒を基調とした魔王城の中でも更に黒いこの場所は、闇がたまっているかのようで……明らかに普通の場所ではない。先程から何か不可思議な力に邪魔をされているようにも感じており、それは此処の守護者を倒さなければならない理由の1つでもあった。
 世界も一応敵の居城だからと、エキスパートな罠対処を使い敵の罠を警戒していたし、ニルも2羽のファミリアーで周りを確認し、敵と味方の位置はしっかり確認して動けるようにしていた。それだけではなく彩陽も不意打ちの類を防ぐつもりで広域俯瞰や超視力を組み合わせ周囲を索敵していた。
「『黒骨の領域』とやらはそこにいる守護者を倒さないと進めないらしいが、言い換えればいつも通り敵を打ちのめすだけ……と考えれば幾分気が楽になるな。まあ面倒な事に変わりはないが。悪いが俺は魔王と戦わないといけないんでな、ここは通らせてもらう」
 世界の言う通り、此処の突破は魔王のいる場所へとつなぐ前哨戦であり、開幕戦でもある。だからこそ、姿の見えてきた髑髏の軍勢を前に士気は上がるばかりであった……!

●黒骨の領域を突破せよ
「クハハハハハ! よくぞ来た! 我こそは『骸騎将』ダルギーズ様の一の部下、『黒骨騎士長』バアル! 貴様等は此処を通れはせん! この我と部下たちがいるのだからな!」
「レクラはんとサンゴはんは騎士団の相手を!」
「流石に二度目ともなると感覚も掴めてきてるだろうしな! ここまで来てお客様扱いをする気はねぇさ! 戦友として存分に頼らせてもらうぜ! サンゴもな、事前の打ち合わせ通りに頼む!」
「ええ。任せて」
 自身とゴリョウの言葉にサンゴとレクラが頷くのを見ながら彩陽は糸切傀儡を展開していく。そうして武器商人、ゴリョウ、胡桃、ニル、バクルド、鏡禍たち……仲間を連鎖行動で引っ張っていく。
「ぶはははッ! また会ったな肉無しども! 肉も骨もあるこの豚さんをその細腕で倒せるかなぁッ!」
 招惹誘導とルーンシールドを発動させたゴリョウは、平常心と闘志全開を合わせた不敵な笑みを見せつけていく。
 すでにサンゴとレクラの2人もゴリョウをサポートできる態勢になっており、すべて順調……といったところだが、攻勢はこれでは終わらない。
 たとえば武器商人の狙いはバアルだ。バアルに対して衒罪の呼び声を発動させる武器商人は、ゴリョウ同様に壁役をこなしつつも攻撃をしていくつもりだ。
 だからこそ、ニルは彼等の負担を減らす意味も含め少しでも早く倒すべく多くの敵を巻き込めるようにしようとしていた。
「せんてひっしょー! です! まずはケイオスタイドで動きを鈍らせましょう!」
 そうしてニルのケイオスタイドが展開していくと、バクルドはまずはバアルを倒すべく広域俯瞰で敵密度を観測しつつゴリョウたちに何処を押し進めるかを情報共有していく。
「見つけたぜ……!」
 敵集団の薄い箇所を見つけたバクルドは一気に敵を蹴散らして最前線に向かいバアルに接敵するべくマグネブラストからのガウス・バーストを放つ。
「蘇ろうと骸骨だけなら何も意味ねえだろ、とっととくたばりな」
「バアルさんは門番的な役割なのかしら~? 辛気臭そうな場所だけれどもライフワークバランスは大丈夫なのかしら。正々堂々正面から勝負なの」
 胡桃もそんな冗談を飛ばしながらバアルへの集中攻撃を狙っていく。連鎖行動によって味方の行動順を同時にする事によって、回復する隙を与えないという方向であるからこその胡桃の行動は、同じ連鎖行動による仲間たちの中で、あえて後に行動することによって自分の得意とする呪殺系の攻撃の底上げを狙おうというのだ。
 通常攻撃とぶれいじんぐぶらすた~も混ぜて黒骨騎士団を薙ぎ払いながら戦っていく胡桃は、まさに火の化身といった勢いだ。
「そういうわけで、火葬の時間なの」
「彩陽さんの連鎖行動の力、お借りします」
 鏡禍もゴリョウさんと手分けをして黒骨騎士団へ突っ込み、ブレイズハート・ヒートソウルを発動させていた。
 常に広域俯瞰で状況を確認することで、バアルに向かう仲間に黒骨騎士団が行かないような立ち回りをするつもりでもある。
(特に遠距離攻撃持ちの杖には確実に怒りを付与していきたいところですが……とにかく騎士団の取り逃しをするわけにはいきませんからね)
 移動時には囲まれて動けなくなることを考慮して飛行で敵を跳び越すよう移動する鏡禍は、まさに縦横無尽だ。
「ぐぬぬっ、なんという……! ええい、おのれおのれ! 者ども怯むな、打ち倒せ!」
「命令する方は楽だよなー」
「コラー!」
 何やら楽しい集団のようではあるが、その実力は確かだ。ゴリョウへと斬りかかる一撃の重さは無視できるものではなく、それでもゴリョウは余裕の笑みを見せつける。
(弱気を見せりゃ敵の士気は上がるからな。ハッタリ上等! 苦しい時こそ不敵と笑うのがタンクの心意気よ!)
 敵がテンションの高い集団と分かったのもゴリョウにとっては収穫だ。そうして余裕を見せつけることで、相手の士気を削ぐ作戦も充分に可能と思えるからだ。
 そして黒骨騎士団たちの攻撃も降り注ぐが……しかし、世界が回復役として控えている。
「やはり数が多ければこうなるか……だが、まあ。計算通りといったところか」
 世界のハイネス・ハーモニクスが仲間たちの傷を癒していく。
 優先すべきは盾役あるいは瀕死の味方だが、今はまだそこまでではない。
 可能な限り副行動かつ味方を多く巻き込んで使用するために常に立ち位置を意識している世界は、まさに回復役の鑑であるだろう。
「熟練を感じる動き……」
「はい、そうですね」
 サンゴとレクラも壁役の面々をフォローできるように動いているが、やはりその戦い慣れた動きには驚きが勝るようだ。
「まともに動かさんのがこっちの勝利への布石ってな」
 彩陽もそう言いながら糸切傀儡からのアンジュ・デシュを発動させていく。とにかくこっちのペースに巻き込んでいくことは、まさにどんな場合でも勝利の布石と言えるだろう。
「さあ、もう1度こちらを見るといい」
「ぬうっ!?」
 武器商人の衒罪の呼び声がバアルへと響き、そしてゴリョウは黒骨騎士団へとオークライからの積極的受動回復を起動させていく。戦いはそうして激化していき……しかし、流れを掴んだのは確実にゴリョウたちであった。
 だからこそ、戦いは優位に進んでいき……そこにバクルドが、ついにトドメを刺すべく動き出す。
「そっちの好きにはさせねえってな」
 バクルドのブルーフェイクIIIからの三光梅舟がバアルへと突き刺さる。とにかくバアルさえ倒してしまえば、あとは掃討戦なのだから当然の流れと言える。しかしその動きは流石のバアルも理解したようだった。
「ハハハ! 我を先に倒そうというか! なめられたものだ!」
「うるせえ、さっさと死んどきな!」
「ま、そういうことなの」
「えーい!」
「ごはあああああ!?」
 胡桃のぶれいじんぐぶらすた~も炸裂し、ニルの凄まじい威力のフルルーンブラスターがバアルにトドメを刺す。
「よし、あとは掃討戦だ! 逃がさず仕留めるぞ!」
 まだこの黒骨の領域が消えていない。となるとバアルだけではなく黒骨騎士団そのものがこの領域の核なのだと世界は看破する。
 しかし当然だが、将であるバアルを欠いた状態で黒骨騎士団が本来の能力を発揮できるはずもなく……全ての黒骨騎士団を倒し終わると同時に、黒骨領域の闇が消えていく。まるで霧が晴れるように消えたその先には、魔王城の更なる奥の領域が見えていた。
「これで全部か、やれやれ骨が折れる仕事だったな。文字通り」
「コャー」
 色んな感情を含んでいるかもしれない胡桃の鳴き声が応えて、バクルドは軽く咳払いをする。
「アホなこと言うぐらいならさっさと先に進むか」
「ああ。この先に魔王が待ち受けている」
 世界もそう頷く。勿論、まだまだ突破すべき障害はあるが……そこでも横を通り抜けていく仲間たちが排していくだろう。
 仲間を信じ、そして魔王に到り……そうして決戦に挑んでいくのだ。
 そこまでは、まだほんの少しの時間があるだろう。だからこそゴリョウは皆と友軍二人の健闘を称えていた。
「ぶはははッ! まあ、これからが本番ではあるが……まずはよしってところだな! お二人さんにも、今後とも末永く仲良くしてぇもんだ!」
 そう、そのためにも……さらに奥へ到り、魔王を倒さなければならないのだ。

成否

成功

MVP

火野・彩陽(p3p010663)
晶竜封殺

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました!
今回は凄く悩んだのですが、戦いの核となりました彩陽さんにMVPを。

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