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シナリオ詳細

鉄帝酉の市(勘違い)

完了

参加者 : 5 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●酉の市
「トリノイチ? なんだそれは?」
「練達だか豊穣だかでのお祭りらしいです。丁度この辺りにやるらしく」
「ほう……またけったいなものだが。それでこれは?」
「お祭りにはシンボルが必要でしょう? それです」
 なるほど、確かにそうかもしれないと監察官は思う。
 トリノイチ……よく分からないが、鳥のお祭りなのだろうから鳥のシンボルは正しい、のだろうが。
「コケコッコー!」
 人間よりデカいニワトリゴーレムにする必要があったかどうかは分からない。
「こいつであれば子どもも大喜び! 見た目にも可愛いですしね!」
「まあ、そう、かもな……?」
 見た感じ、ちゃんと稼働してもいる。こんなものがいれば盛り上がるかもしれない。
 トリノイチとやらについてはどうにも審査が通って準備も進んでいるようだし、まあ問題ないだろう。
 そう監察官が考えて監査が通ったのはまだまだ甘い証拠といえるだろうか。
 より高いクオリティを求めて余計なことをするのは、鉄帝の研究者の常である。

●酉の市って何?
 酉の市。それは決して鳥のお祭りではない。では酉の市とは何か。
 その始まりは練達とも、あるいは豊穣とも言われている。
 11月の酉の日に行われるお祭りであるとされ、開運招福と商売繁盛を願うお祭りである。
 熊手が売っているのも特徴で運をかっこむというまあ、そんな感じの縁起物だ。
 つまるところ開運のお祭りであるのだが……その「名前」だけが鉄帝に輸入されるとどうなるか。
「まあ、鳥のお祭りになってしまったわけですね」
 【旅するグルメ辞典】チーサ・ナコック (p3n000201)は集まった面々にそう切り出した。
 そう、酉の市を鳥の市と勘違いした鉄帝では、なんか鳥さんのお祭りだと勘違いして焼き鳥や卵料理を出す区画や、ヒヨコや観賞用の鳥などを売る屋台が並ぶお祭りにしてしまったのである。
 それだけじゃ寂しいということでお菓子やらお酒やらを売る屋台も並び、いつもの感じになってしまっているのだが。
 今回は中央広場にいるニワトリゴーレムがマスコットとして用意されている。大人ほどの大きさのニワトリゴーレムは「コケコッコー」と鳴きながら中央広場を走り回る……のだが、開発者が余計なことをしたせいで、全部で9体いるニワトリゴーレムのうちの8体がプチ暴走を始めているのだという。
「とはいえ、難しい話じゃないです。触れ合いイベントとして用意されていた『ヒヨコになろう』企画に問題が出たらしいです」
 そう、せっかくのニワトリゴーレムと楽しく遊ぼうということで「保護対象」として認識される卵殻帽子を用意したのだが、肝心のニワトリゴーレムたちが卵殻帽子を被ったものを敵と認識する状態になってしまったのだという。しかもその敵を探して会場をウロウロするものだからたまらない。
 何か不慮の事故が起こる前に修正プログラムを叩き込まなければならない。
「それがこの青い卵殻帽子です。こいつを使って上手くおびき寄せ、隙を見せて被せる。それだけで全部解決です」
 それが出来ればお祭りを楽しむことも、屋台を出すこともできる。
 この本格的な冬がようやく見え始めたこの時期に、そんな楽しみ方もオツなものだろう……!

GMコメント

というわけで、鉄帝の酉の市(勘違い)です。
色んな屋台が出ているので遊び歩くもお店を出すも自由です、が。
その前に「青い卵殻」を上手く暴走ニワトリゴーレムたちに被せましょう!
お仕事が終われば自由にやれますが、そんな難しいお仕事ではないのでお祭り部分に多めにプレイングを割いて大丈夫です。

●暴走ニワトリゴーレム×8
【人数分配布される「青い卵殻帽子」を被せるとプログラムが修正され大人しく中央広場に戻ります】
大人より少し大きいくらいのニワトリ型ゴーレム。クチバシによるツッツキ攻撃、キック攻撃を行います。
青い卵殻帽子を被っている者、その次に所持している者、といった優先順で襲い掛かります。

●会場一覧
・鳥さん通り
ヒヨコやニワトリ、その他の観賞用の鳥さんを売っています。かわいいね。
・お食事通り
色んな料理やお菓子、お酒などを売っています。
・中央広場
2つの通りがクロスする中央にあります。一番賑やかです。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 鉄帝酉の市(勘違い)完了
  • たのしくお祭り
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年11月18日 22時05分
  • 参加人数5/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 5 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(5人)

アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)
灰雪に舞う翼
ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
モカ・ビアンキーニ(p3p007999)
Pantera Nera
長月・イナリ(p3p008096)
狐です
レイテ・コロン(p3p011010)
武蔵を護る盾

リプレイ

●酉の市を楽しむために
 楽しげな太鼓の音、そして笛の音が響く。鉄帝の人々が仕事を終え、夕闇が町を覆う頃。
 鉄帝の酉の市が始まろうとしていた。響く音楽も、漂ってくる美味しそうな香りも。どれも楽しいお祭りのものだ。
 だからだろうか、『灰雪に舞う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)も楽しげに周囲を見回している。
「もともとは方角のことなんだっけ。酉って。鳥のお祭りになるのは誤解ではあるけど、色々集めたりして賑やかになってるのはいいことだね……創造物の暴走がプチで済んでるのはいいことに入るか微妙だけど」
「まあ、そこは鉄帝のいつも通りって感じはあるわね」
 『狐です』長月・イナリ(p3p008096)もアクセルにそう頷くが……確かに鉄帝で何かが暴走するのはいつも通りのことである。
「酉の市ねー。富野市なら白い悪魔とか伝説の巨大な神とかの主役のメカメカしい祭りになったのかしらね。機会があれば、そんな面白い祭りが開催される様に流言でも流してみようかしら……」
「あ、あはは……」
 流石の『新たな可能性』レイテ・コロン(p3p011010)も自分の地元でそういうことが起こらないとは言い切れずに曖昧に笑ってしまう。まあ、当然だろう。本当にそういうお祭りが起こりかねないのだから。
 ついでにいえば、そんなものが暴走したらとんでもないことになりそうではある。練達も鉄帝に負けず劣らずの暴走都市ではあるし。さておいて。そうして歩いているとレイテは「あれっ」と声をあげる。
 事件現場である中央広場に向かう際中、屋台コーナーに知っている顔を見つけたからだ。
「あら、モカじゃない」
「ああ、イナリか」
 『Pantera Nera』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)はイナリにそう返しながら、準備中の屋台を軽く叩いてみせる。
 どうやら鶏肉の屋台のようだが……まだ調理は開始していないようで、調理台に火は入っていない。
「話は聞いていた。『酉の市』とは11月の、日付を十二支で表した『酉』の日に開かれる祭りだな、本来は。たとえ形が変わろうとも、祭りは楽しければ良かろうなのだ!」
「だよね!」
「ああ!」
 アクセルと意気投合するモカだが、聞いていたということは今回の仕事の話も把握しているということである。
「という訳で私はお食事通りで鶏肉料理を屋台で販売するために準備中だったのだが……なんだと!? ニワトリゴーレムが暴走し始めただと!? もしこのまま祭りが中止になってしまうと、大赤字になってしまう! 私も事態収拾に力を貸すぞ!」
「ありがとう、凄く頼りになるよ!」
 『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)もモカにそうお礼を言いながらも、今回の事態について思う。
「しかし開運のお祭り……縁起良いかなって思ってきてみたらすごい事に!? ゴーレムの暴走を止めて、お祭り楽しむよ!」
「おー!」
 アクセルも元気よく手をあげ、モカを加えて歩き出す。そんなモカだが、屋台の宣伝を兼ねて服装は屋台で売るとき用の胸元が開いてる、ちょっとへっちでクールな服に、ギフト「胸に夢を詰め込んで 」全開でぼいーんである。ぼいーん。
 そして背中に『鶏肉料理販売中 ステラビアンカ』と書いたマントを羽織る。これで練り歩けば宣伝もバッチリというわけだ。
 この辺りは流石にモカ、しっかりと商売人である。
 そんなわけでモカたちは歩き、中央広場へと辿り着く。そこには9体の鶏ゴーレムたちがいるのだが……なんとそのうちの8体が暴走中なのだ。青い卵殻帽子さえ被っていればどれが「そう」であるかは分かるため、たいした問題は無いが……すでにヨゾラが青い卵殻帽子を被っているせいか、一斉に襲い掛かってきてツッツキと蹴りを繰り出してくる。
「あーもう痛い痛い! から揚げゴーレムにするぞこらー!」
「ゴーレムって唐揚げに出来るんですかね!?」
「ツッコミありがとう! 出来ないね!」
 レイテのツッコミが響きヨゾラのボケがキチンと処理された。ヨシ!
「では私も1つ引き受けよう」
「助かるわ!」
 モカも青い卵殻帽子を被り囮となるが、ならばとイナリはゴーレムたちの暴走を止めるべく動き出す。
 フェイク・ザ・パンドラを付与して機動力を強化してから行動を開始したイナリは、自らも青い卵殻を被り、ゴーレム達を誘き寄せながら隙が出来そうなタイミングで青い卵殻を被せて捕獲しようとしていく。
「そんなに強くはない……当然ね、お祭り用だもの」
 被せた青い卵殻帽子。瞬間、鶏ゴーレムはピタリと動きを止めるとそのばに座り込む。どうやらこれで制圧完了のようだ。
「意外に簡単ね。これなら……」
「はい。これで……もう1つ!」
 レイテも1体のゴーレムを青い卵殻帽子で制圧し、アクセルもこっそり近づいて1体制圧する。
「いい調子だね! 此処に集まってるのも話が早いし……このままやっちゃおう!」
「そうだね! 暴走ゴーレムに、誰も倒れさせないよ……!」
 ヨゾラもそう叫び、そうして全てのゴーレムが制圧完了すると……元に戻ったゴーレムたちは何もなかったかのように中央広場を歩き始める。どうやらこれでお仕事は完了のようだ。
「これで大丈夫……ということですよね?」
「うん……これで落ち着いてるといいなぁ」
 レイテにヨゾラも頷き、そのままゴーレムたちの様子を見守るが……再び暴走するような気配は微塵もない。
「どうやら、これで依頼は完了ね」
「ふう、思ったより簡単に終わってよかった!」
 イナリとアクセルもそう頷きあう。さあ、お祭りの時間だ……!

●酉の市を楽しもう
「無事に依頼が終わったし、お祭りだー!」
 アクセルはそんな伸び伸びとした声をあげながら鳥さん通りを歩く。
 色々な観賞用の鳥さんを売っているこの場所では、鶏やヒヨコといった定番の他にも少し珍しい鳥も並んでいる。
「オマツリダー!」
「あ、オウムだ。1発でマネできるなんて頭がいいんだね」
 アクセルの興味はこちらの出店であっただけに、並ぶ鳥さんたちは中々に可愛くもあり美しくもある。
「クックー」
「クックー」
 名前も知らないような珍しい鳥が鳴けば、アクセルもそれを真似してみたり。
 これも簡単なコミュニケーションというものだ。コミュニケーションできているかは分からないけれども。
「ちゃんと大切に世話されてるのが分かるなあ」
「そりゃあな。売り物ではあるが、だからこそ綺麗にしてやらなきゃだしな」
 露店の主人とそんなことをアクセルは話しながら歩いていく。鉄帝は平和だと……そんなことを思いながら。
「……ところでニワトリゴーレム、ちゃんと直ったのかな?」
 ホラーのようなオチをちょっと考えてしまったけれど……まあ、大丈夫である。
 そしてお食事通りでは、モカが何の憂いもなくお店を開店していた。
 モカの屋台で売るのは、本人が申告していた通りに鶏肉料理だ。
 ギフトで大きくした胸元と信仰蒐集、誘惑で鉄帝の男たちは群がってくるな、とはモカ本人の談だが……実際寄ってきているのでまあ、計算通りといったところだろうか。
 もっと目立つようにステージ技術でパフォーマンス調理していくと「おおー!」という歓声が上がる。
「さあ、どうだ。メニューは鶏もも焼き(塩コショウ/タレ)、焼き鳥(胸肉、ハツ、レバーなど塩コショウ/タレ)鶏骨出汁チキンクリームシチュー、呈茶で緑茶紅茶コーヒーなどだ」
「焼き鳥全部2本……いや、4本ずつだ!」
「こっちはもも焼きのタレを頼むよ」
「はい、毎度。ああ、今回一緒に問題解決に帆走した皆には少し大盛りにするよ。なんなら売れ残りも食べていってよ。……祭り終了時に売れ残ってたらね」
 しかし売れ残るかどうか。モカのパフォーマンスも料理も、中々に人気のようで。ヨゾラはそれを見て感心したような声をあげる。
「パフォーマンス調理、すごいなぁ……! あ、焼き鳥ください!」
「はい、どうぞ」
「わーい! 鶏肉料理おいしいー!」
 焼きたてのしっかりとタレの絡んだ焼き鳥は実に美味しい。タレもモカのオリジナルだろう……香ばしくも食欲をそそる香りが実に素晴らしい。適当なお店で唐揚げも買ってもしゃりと食べれば、なんともジューシーだ。
「うんうん、こういうのもいいよね」
 そうしてヨゾラは鳥さん通りへ歩いていくと……そこでヒヨコが売っている。カラーヒヨコも混ざっているが……。
「幸せを呼ぶ青い鳥……すみませんカラーひよこは洗ってあげて?」
「いや実はこれな、素の色なんだよ……練達から流れてきてな?」
「その流出させた組織を洗う必要があるのかな……」
「どうだろうな……動物って多かれ少なかれ品種改良の結果でもあるし……」
「闇だあ……」
 さておいて。
「酉の市、鉄帝だから別のお祭りになったけど……他の酉の市や面白い祭りもあるなら行ってみようかな、楽しみー!」
 あるいは豊穣や練達であれば、ちゃんと酉の市をやっているかもしれない。
 そんなヨゾラと入れ替わりで、イナリも歩いてくる。
「祭りいえばカラーヒヨコとか昔の出店とかでは売っていたけど、この場所ではそんな代物を販売していたりするのかしらね。動物愛護の精神的にはアウトだけどねー……あっ」
「素の色なんだよコレ。練達から流れてきてな」
「鶏になったら何色になるの……?」
「分かんねえ……ヒヨコも黄色から白になるしな……」
 生命の神秘であるが、そんなヒヨコ売りの先にはウグイスやら、よく分からない鳥やらを売っている露店が並んでいる。
「なんか変な鳥も多いわね……鉄帝産か練達産か分からないのが更に怖いけど……」
 そんな感じでイナリは面白そうな出店や鳥類が居ないかウロウロと散策し、途中でレイテとも会って手をヒラヒラと振る。
 そう、ツッコミの名手のレイテですら気付きはしなかっただろう。
 イナリは地元のダチコーを利用して富野市のちょっとした噂を流していたのだ……!
「異世界では酉の市に似て非なる祭り、富野市というのが~うんたらかんたら」って感じであるらしい。なんてことをするのだろう。
「実現したら面白そうだから見てみたいわねー」
 面白いかどうかは分からないが……ロボット大激突なことにならないことを、今は祈るばかりである……。

成否

成功

MVP

ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器

状態異常

なし

あとがき

酉の市、浅草では11月なんですが地元では12月なんですよね。
天野はじゃがバタとかを食べるのが大好きです。

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