PandoraPartyProject

シナリオ詳細

覇竜の秋祭り

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●覇竜の秋
 覇竜領域デザストル。そこに「外」の人間が流れ込んでから、本当に色々とあった。
 覇竜全域を揺るがしたアダマンアント事件。
 交易路の開通。竜種との関係を構築するきっかけとなった、忘れ難きあの事件。
 そうして色々とあった中で、外の文化の流れ込む機会も当然のように多かった。
 たとえば秋祭りだ。本来であれば秋祭りは収穫祭であったり、今年1年の無事を喜び来年の幸福を祈る……などなど、色々なものがある。
 そういう意味では覇竜で秋祭りが行われたところで、何の不思議もない。
 だからこそ今年の覇竜……というよりもフリアノンでは、秋祭りが行われることになった。
 秋の味覚などに舌鼓を打ちながら、来年が良い年であるように祈るお祭りだ。
 幸いにも必要なものは交易路を通じていくらでも手に入る。
 ならばあとは、お祭りを盛り上げる人材がいれば尚良い。
 ついでにメイン食材があれば更に良い。
 そしてその役目は……毎度の如く、イレギュラーズに託されたのだ。

●覇竜の秋刀魚と秋祭り
「秋祭りがしたいぞ! 秋刀魚食べたい!!」
「うむ。では秋刀魚を獲ってこなければのう」
 『ナチュラルボーン食いしん坊!』ニャンタル・ポルタ(p3p010190)に『フリアノンの酒職人』黒鉄・相賀(p3n000250)がそう頷く。
「幸いにも今年は秋刀魚が大量に飛んでいるらしいからの。メイン食材としては適当じゃろうのう」
「飛んで……?」
 そう、覇竜の秋刀魚は空を飛ぶ。
 元々秋刀魚とは秋の刀の魚と書くが、その豊穣刀の如き美しい姿と形はまさにそう呼ばれるに相応しいだろう。
 そしてそんな覇竜秋刀魚だが、空を飛ぶのだ。大事なことなので2回言った。
 空を飛ぶ覇竜秋刀魚の群れは非常に美しい。キラキラと輝くその美しさは筆舌に尽くしがたい……が。
 実のところ、結構狂暴でもある。具体的には1体ごとがハンマーの如き突破力を持っている。
 敵を見つけると突っ込んできてドッゴーンと吹っ飛ばすそのパワーは、まさに秋の味覚であるからこそだろうか。
 そんな覇竜秋刀魚が今年は群れを成して飛んでいる。おお、なんとも恐ろしい。
 しかしこの覇竜秋刀魚……とっても脂がのって美味しいのだ。焼けばパリッとした皮の奥にジューシーな身が詰まっていて、大根おろしでも添えればさっぱり感も加わり幾らでも食べられそうな味になるという。
「その秋刀魚をメイン食材にして、あとは色々な露店も出るでのう。お主等も興味があれば色々とやってみるとええ」
 そう、何しろ秋祭りだ。露店はいくらあってもいい。
 食べ物の露店でもいいし、何か出し物の露店でもいいだろう。
 基本無料が原則なので、お客さんもたくさんくることだろう。
 今だからこそ、こうした試みは覇竜の未来へと繋がっていくはずだ。
「そのメインがお主等の獲ってくる秋刀魚というのは……なんかこう、素晴らしい感じがせんかの?」
 覇竜の未来を祈る、美味しい秋刀魚料理と楽しい露店。
 それはきっと、素晴らしい秋祭りになるのではないだろうか?

GMコメント

今回のパートは覇竜秋刀魚と秋祭りです。
覇竜秋刀魚はフリアノンの近くで待ち構えればやってくるので頑張って捕まえてください。
露店は参加する側でもいいですし、秋刀魚を焼いたりしてもいいですし、別の露店などをやってもいいです。
なお、相賀は清酒とリンゴのワインとジュースの露店を出すようです。勿論無料です。
さあ、盛り上げていきましょう!

●覇竜秋刀魚×好きなだけ
秋になると空を泳ぐ秋刀魚。とっても大振りで脂がのって美味しいです。
攻撃方法は相手に突撃してドゴーンと吹っ飛ばす体当たり攻撃です。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • 覇竜の秋祭り完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年10月31日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ
ルカ・ガンビーノ(p3p007268)
運命砕き
ニャンタル・ポルタ(p3p010190)
ナチュラルボーン食いしん坊!
秦・鈴花(p3p010358)
未来を背負う者
月瑠(p3p010361)
未来を背負う者
紲 白虎(p3p010475)
ドラゴニュート
常田・円(p3p010798)
青薔薇救護隊

リプレイ

●秋刀魚を手に入れろ
「さぁって秋刀魚か! 空を飛んで強烈な体当たりしてくるくらいなら特に問題ねぇな! てなわけで、群れを引き付けるぜ! うおー! この重量級を吹っ飛ばせるもんなら吹っ飛ばしてみやがれぃ!」
「ゴリョウさんという最高の料理人がいるなら、食材は料理人の腕と熱意にふさわしい、最高の状態で供されるべきでしょう。その案件、私にお任せいただけませんか」
「お!? やる気だねぇ!」
 『白米親善大使』ゴリョウ・クートン(p3p002081)と『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)がそんなことを言い合っているが、秋祭りのための秋刀魚捕獲の話である。
「一般に魚は漁獲してから暴れるほど、時間が立つほどに鮮度が失われ、味が落ちていく。覇竜秋刀魚ほどの大型魚ともなれば、尚更です。故に、しっかりと即死させ、適切な処理をする必要がある。その活け締めの中でも最新の技法である、「神経締め」を披露しましょう」
 神経締め。それはかなり高度な技法だが、寛治はどのようにそれを為そうというのか?
「まずは『バロール』を使用して命中を極限まで高め、スイーパーで覇竜秋刀魚を「神経締め」の形になるよう必殺の狙撃。狙うは覇竜秋刀魚の脳天。ここを正面から狙い、脳を破壊した上で中骨上部にある神経束を破壊。正面から狙えるように『棒立ち』で怒り付与し、自分に向かってきた所を正面から銃弾で神経締めにする。臭みの発生や腐敗の進行を防ぎ、筋肉破断強度の低下を遅らせることで、新鮮な状態の味・香り・食感を長時間維持する「神経締め」。この締め方ならば、祭りの営業時間中、常時最高の状態の覇竜秋刀魚を提供できるというわけです」
「ほお、見事に出来てるなあ」
「通常であれば専用の道具を使いワイヤーを撃ち込むのですが……ローレットでも指折りの私の腕前と覇竜秋刀魚ほどの魚体の大きさなら、この銃でも可能です。さあ、この調子で十分な数を確保したら、調理はお任せして、大根おろしや酢橘など、秋刀魚に欠かせない薬味を集めましょう」
 キメ顔で言いながら、寛治はゴリョウへふと思い出したように声をかける。
「ところで秋も深まり、そろそろ豚汁の美味しい季節ですね」
「いっその事、豚汁になってくれてもいいのよ?」
「そのネタもお馴染みになってきたなァ!?」
 『ドラゴニュート』紲 白虎(p3p010475)も混ざっていたがさておいて。
「――いやなんか新田やけに活き活きしてない? 絶対あの手の男飲み屋のカウンターで今日の秋刀魚の味についてどうだのこうだの語るタイプだわ」
 『未来を背負う者』秦・鈴花(p3p010358)のたとえ話もキレッキレだ。
 そして『運命砕き』ルカ・ガンビーノ(p3p007268)も秋刀魚漁に本気を出している。
「あっちも順調みたいだが……まずは秋刀魚漁だな。両手持ちに切り替えて魚群にぶちかます!」
 吹き飛べ!を炸裂させれば、不殺の効果でいい感じになる……というわけだ。
「こりゃ大漁ってやつだな。さて、どんどんいくぜ!」
 ちなみにだが、別にフリアノンが海に沈んだわけではない。秋刀魚が飛んでフリアノン近くにやってきているのだ!
「秋刀魚飛んどる!!!!」
 だからこそ『ナチュラルボーン食いしん坊!』ニャンタル・ポルタ(p3p010190)も、そんな驚きの声をあげていた。
「而もムチムチナイスバディで美味そうじゃ! 気も強そうじゃし試してかからねば!! 弱肉強食! 突撃じゃーーーーー!!!! 生態系を崩さん程度にがっぽり大漁を狙うぞい! 折角の秋刀魚祭り!我等以外にも食べさせたいからの。流石我……慈愛の女神じゃな♪」
 そんなニャンタルは何故か背中に生姜(5キロ)を背負ってエキスパートな飛行をしていた。
「ほれ、こっちじゃ!」
 名乗り口上で皆の邪魔にならないような場所まで秋刀魚を引き寄せ、生姜を宙にばら撒きながらぽこちゃかパーティ! で纏めて薙ぎ払おうというのだ。
「お主等をつみれ汁にして祭りに来た者達に振る舞うんじゃ!」
 なんということか。生姜はそういう使い方であるらしい……!
「もう秋だなー。サンマの季節! 今日は露店もあるみたいだしサクッといっぱい捕ってきて色んな料理作ってもらおー!」
「いやー秋刀魚の季節ねぇ。毎年飛んでくる秋刀魚に衝突すると「秋が来たわ」って思うのよね……えっ、秋刀魚って飛ぶもんじゃないの? 嘘でしょ、外の秋刀魚活き悪くない?」
「そうだね!」
「アンタ今適当に答えたでしょ分かるのよ!」
 『宝食姫』月瑠(p3p010361)と鈴花も、いつも通りに元気いっぱいだ。
「ふっふっふ、他の所のサンマは知らないけど覇竜のサンマを捕るならおまかせあれ! こっちは毎年やってるんだもんねー!」
「よし、やるわよゆえ!」
「うん! 空飛ぶサンマを捕るにはこっちも空を飛ぶのが一番! 飛行で飛んで捕まえるのだ! 今日は山崩じゃなくておっきめの網を持っていざ出陣!」
「そしてアタシはゆえが突っ込んでくる方向に向かって飛行して秋刀魚を追い立てる! オラァッ逃げるな!!!」
「へいへーい! こっちこっちー!」
「おりゃあ!」
「どっこいしょー! 大漁大漁♪ 捕ったやつは新田さんにしんけいじめ? してもらお! いっぱいあって大変そうだけどがんばってください!!!」
 なんとも豪快だが、『青薔薇救護隊』常田・円(p3p010798)もそれを見て感心したような声をあげている。
「混沌世界にもサンマっているんですね! 何だかお決まりのように空飛んでますけど……ちゃんとエラ呼吸できてるのな……? とにかく、サンマであることに変わりはなさそうなので「目指せ大漁!」で頑張って、おいしい料理に舌鼓を打ちましょう!」
「わーい、秋刀魚だー! 食べるぞー! だから沢山捕まえなきゃ! 今回も豚さんが料理してくれるんだよね? 楽しみだー!」
 白虎もそう楽しげに声をあげる。
「えーと、サンマはこちらに向かって突撃してくるんですよね。なんだかダツみたいな感じですが、それなら投網とかなくてもどうにかなりそうです」
「どーん! してばーん! ってするんだよね!」
「そうですね。消し飛ばないなら……」
 白虎に言いながら、円も準備を始めていく。
 サンマ軍団が突撃してくるのに合わせて神気閃光を放って一網打尽にしようというのだ。
「不殺属性つきの攻撃ですし、消し飛んだりさせはしないと思いますし、ある意味で生け捕りにもできますから新鮮なまま調理する人達のところへお届けできるはず! 多分! あ、運ぶときは持ってる旗を風呂敷代わりにしますね。後でしっかりと洗濯しないといけませんが」
 なんと円、棺抱のヴァーミリオンβを風呂敷にするようだ。中々豪快だが……そうして、白虎も上手く秋刀魚を捕まえた頃には、持って帰って秋祭りの準備である……!

●秋祭りしよう
「メインの秋祭りだな! 俺ぁ露店を出すぜ! 出しモンは大量の覇竜米を用意しての白飯屋だな!」
 秋祭りでゴリョウが出す屋台は、なんと白飯屋。それも覇竜産の米を出すという徹底っぷりだ。
「俺の料理経験から仕上げた粒立ちの美しい白飯を丼によそって提供するぜぇ! やっぱ秋刀魚には白飯がねぇとなぁ!」
 5年ぶり2度目であるらしいそれは、ゴリョウにとっては思い出のものでもある。それだけに気合も充分だ。
「白飯を焼き秋刀魚と共に食うもよし、蒲焼やつくね等を出してる屋台に行って丼にするもよしだ! しかしただ米を炊くだけだと面白くねぇ。もう一つ出し物をしよう」
 一体何をするのか? その答えはすぐに出てきた。
「秋刀魚を目の前で手際よく捌いて刺身や漬けにするライブキッチンだ! 新田プロデュースの炙りも出すぜ!」
 寛治が全員分の秋刀魚も神経締めをし、血抜きも済ませているので、その辺りも非常にやりやすい。
「これら刺身、漬け、炙りから好きなものを選んで丼にすることも可能だ。また、せっかく白飯と秋刀魚の刺身があるなら寿司を握らねぇのは嘘だよなぁ!」
 寿司。旬の秋刀魚の寿司は素晴らしいものだ。それがゴリョウによるものであれば、もう美味しいのは確実だろう。
 ゴリョウ曰く、握りの基本はこうだ。
『速く』(ネタは冷たく、手の熱で劣化させない)
『奇麗に』(清潔で、美しく)
「安全に(ヨシ!)」
「本手返しで素早く握り、提供していくぜ!」
 ちなみに余談だが、『秋刀魚を使った秋祭り』はゴリョウが米と料理好きになった切っ掛けの話でもあるらしい。
 その依頼で手に入れた『白米親善大使』がゴリョウの初めての料理系称号であるらしく、まさに縁と呼ぶほかない。
「場所は違えど再度こういう催しに参加することになるたぁ縁は奇なものだねぇ」
 そんなゴリョウの呟きも、そんな実感が充分すぎるほどに籠っていた。
 秋祭り中のフリアノンには色々な屋台が並んでいるが、そんな中を円は白いご飯を持って食べ歩く。
「サンマは煮てよし、焼いてよし、生のままでもよし! 塩焼き、煮付け、お刺身にお寿司! 蒲焼き丼もいいですよね。まずは新鮮なお刺身とお寿司から始めて、後は白いご飯を持って各種お料理を食べ歩き~、といきましょうか」
 秋刀魚の刺身は、これが中々に脂がのって美味しい。どうやっても美味しい魚というものはあるという証明だろう。
「やっぱりおいしい食事は今日と明日の活力になりますね。色々と大変な状況だけどまた頑張るぞ!」
「うん、いいよね! 秋刀魚おいしー!」
 白虎もその隣で食べ歩きながらニコニコと微笑んでいる。
「まず秋刀魚を焼いて、ご飯とお味噌汁も付けて定食として食べるのは基本だよね! あとは刺身丼に漬け丼! 蒲焼丼につくね丼! えへへー! 美味しそう!美味しそう! それに刺し身と炙りの2種乗せ秋刀魚丼なるものもあるんだって! 探さなきゃ! あとはー……おかずも欲しいし折角ならお酒も欲しいんだよね。何かないかな! 日本酒とか焼酎とかそういうの! おかずは秋刀魚の揚げ春巻きとか秋刀魚のサラダとかあるみたいだからそれも欲しい! わーい! ご馳走ばかりだー!」
 たくさんの御馳走は、どれも目移りするものばかりだ。そんな中で、ルカも寿司を作っていた。
「俺は焼き秋刀魚の寿司を作る。秋刀魚ってのは足が早い魚だ。傷まねえように塩漬けし、それを更に味付けに活かしてたのは昔の人の知恵ってやつだな。だが、この覇竜秋刀魚は違う!」
 ギュッと握る音が響けば、ルカの寿司を握る手も進んでいく。
「地上で生息してる覇竜秋刀魚は不殺で倒しておけば、殺さずに運搬可能だ。しかも気絶してる訳だから暴れて痛む事もねえ。それは鮮度が全く落ちてねえって事だ。塩漬けにする事なく、秋刀魚寿司が作れる。これは秋刀魚の革命と言っても良い。どれだけ保存技術が発展したとしても、鮮度を全く落とさないのは難しい……だがそもそも生かしたまま使えるなら料理の幅が広がる」
 そう、それはルカの言う通りに革命であるのだろう。
「俺はこの覇竜秋刀魚で天下を取るぜ……」
 今日のルカは輝いている。鈴花も眩しそうだ。
「料理全てのエキスパートとは行かねえが、今この時俺は覇竜秋刀魚寿司のエキスパートだ。運んできた覇竜秋刀魚は調理直前に寛治に神経締めと血抜きをして貰っている。ここで大事な酢飯だが、通常使用する酢飯より温かい温度にしておく。そしてその酢飯と合わせて捌いたばかりの覇竜秋刀魚を握る! 更に握った覇竜秋刀魚の表面を軽めに炙るぜ。塩漬けしてねえ秋刀魚ならちょいと炙るだけで秋刀魚の風味を活かせる。そして溶け出した脂が温かい酢飯と絡んで最高の一品になるって訳だ!」
 まさに覇竜秋刀魚の特性を最大に活かした寿司であると言えるだろう。
 思わず拍手するフリアノンの住人たちに職人の顔を見せるルカ。
「うわっ! めっちゃ美味ァアアア!!!! ぉぉぉ……これが素人と料理人の違いか……」
 ニャンタルも思わずそう感動してしまうが、ゴリョウやルカに敵わずともニャンタルの料理にはその良さがある。
「負けてはおれん!つみれも大量に出来たことじゃし巨大鍋(助けて相賀えも〜ん!!)を準備したら大根、人参、長ネギ、和風だし、しめじを食べやすく包丁でカット! 猫の手必須!」
 ちなみに巨大鍋は相賀が用意してくれた。ヨシ!
「味付けは醤油派、味噌派が喧嘩せんように2種類作るぞい! 後は一緒に炊くだけじゃな! 具材に火が通る迄は1匹スタンダードな塩焼きを食してみるぞい! 焚き火の用意をして串に刺していい匂いがする迄返しながら待つ! おわ! 身がふわっふわじゃ! うまぁ!!」
 鈴花と月瑠も出店側だ。
「凝った料理はゴリョウに任せるとして、アタシは屋台ならではのお客さんが楽しめる形に! その前に気分を上げるためにうちの物置から持ってきた法被をアタシとゆえにっと」
「何をやるか知らないけどお手伝いしに来ました!」
「火を囲んで、いわゆる囲炉裏焼きよ!」
「わたしは意外とグルメだからね。美味しそうなサンマを持って来たよ」
「ナイスよゆえ!」
 そんなわけで、早速秋刀魚を串に刺したらそれを並べて、そのままかぶりつけるようにしていく。
「捌いたりはできないからわたしは火の番かな~。一緒に持って来たお芋も焼いとこ。秋と言えば焼きいもだもんね。直接炭に乗っけても美味しいらしいからやってみるのだ! 包むやつ忘れたわけじゃないよ!」
「お芋……そうね。ゆえが用意したお芋や、キノコに野菜――いろんなものをそのまま火にかけたり、小さく切ったものをお客さんに好きに串に刺して自分だけの一本を作ってもらいましょ。自分で選んで、出来る様子を見守って、お箸なんて使わずがぶっと行って食べ歩けるのが屋台の醍醐味! で、これは手伝ってくれたゆえの為の宝石のホイル焼き――火傷しないようにね!? あっ……」
「あっつい!」
 さておいて。そちらもひと段落すれば、月瑠がそわそわとし始め他の屋台を回り始める。
「ゴリョウせんぱいのところはマストだね! 豚汁の屋台はないの?」
「ないねえ!」
「サンマも色々お料理があるんだなー。わたしはなんばん漬け? が好みかもしれない! なんばんって何か知らないけど!」
 そうして戻っていけば、寛治やルカが囲炉裏の近くにやってきていた。
「秋刀魚に合わせる清酒なら、季節のお酒「ひやおろし」が間違いありません。冬に仕込んで夏を超え、外気が冷えてから卸すので「ひやおろし」と呼ばれます。半年の熟成で旨味が乗って、秋刀魚の味わいをしっかりと受け止める力があります。鈴花さんどうぞ一献。月瑠さんが呑めるのはもう少し先ですね」
「そして、こいつが既存の秋刀魚寿司をベースにした新しい寿司、覇竜秋刀魚寿司だ。さぁ、楽しんでくれよな」
 なんと2人とも手土産を持ってきている。出来る男だ。
「ひやおろし? とやらも勿論頂くわ。秋刀魚は好きだけど内臓食べるのはちょっと理解できなかったけど――あ、この苦みもひやおろしと合わせればいい感じかも」
「お酒って美味しいのかなー。おかーさんも好きだけど。わたしはこっち(宝石)の方がいいや。がじがじ」
 そんな2人を見て、ルカも寛治のおすすめのひやおろしを飲んでいく。
「ああ、こいつは中々美味え。ゴリョウの料理も鈴花の料理も楽しみだな! アイツらの料理はいつも美味ぇからな……鈴花はいい加減慣れろよな……つーかお前、なんか顔赤いぞ。風邪か? ちょっと熱測るからデコ触るぞ?」
「どあああ! だから! 顔がいいのよルカ! 慣れるわけあるか! お酒飲むと顔が紅葉で自然遺産よアンタ!! 顔が ちか まっ だから ま むり アッーー!! あっなんか興奮が限界でぶん回した手が何かに当たって。新田……し、しんでる……」
「流れ弾ならぬ流れ暴力については甘んじて受け入れましょう。青春ですしね……」
「あ、生きてた」
「それにしてもりんりんはいつまで経ってもルカせんぱいに慣れないなー。いけめんに弱い! ルカせんぱいもっとお顔を見せてあげて!」
 月瑠もそんなことを言いながら、秋刀魚にかぶりつく。
「……サンマの塩焼きおいしー。頭も骨も食べちゃうもんね」
 旬のものは美味しい。それが分かるのは、やはり実際に食べてみてこそなのだろう。



成否

成功

MVP

ルカ・ガンビーノ(p3p007268)
運命砕き

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました!
今年の秋、皆さんは秋刀魚を召し上がられましたか?
天野は食べました。美味しいですよね、秋刀魚。

PAGETOPPAGEBOTTOM