シナリオ詳細
<神の門>星灯聖典の名の下に
オープニング
●喪失に回帰せよ
失ったものの話をしよう。
君にもあるだろう?
過去に失い、二度と戻らないもの。
多くの人は忘れ、別れ、前に進もうとする。
かれどそれが全てじゃない。私は知っているんだ。過去に生きたまま、先に進めない臆病な人間達を。
だって私自身が、そうだからね。
「母様(ママ)がいたんだ。世界で一番美しくて、世界で一番優しかった」
「過去形で語られるんですね」
聖騎士グラキエスの開いたロケットペンダントを横目に、聖女マリーンは問いかける。
それこそ聖女を絵に描いたような、美しい女性だ。
「お亡くなりに、なられたのですか?」
「そうさ。ずっとずっと前にね。私は母との再会を望んでいる」
「そ……」
そんなひとはありふれている。そう言いかけて、マリーンはやめた。
「どんな人だったのかしら?」
かわりに尋ねてくれたのは黒羊だった。髪の長い男性で、女性めいた口調で話す。
彼の優しげな眼差しを受けて、グラキエスは苦笑した。
「私の家庭は貧しくてね。明日のパンも満足に得られない生活だった。それでも母は私に優しかったよ。自分のパンをためらいなく私に与える、そういう人さ」
自分の子供だ。そういうことは誰でもするだろう。
けれど、とグラキエスは言った。
「母様は誰にでもそうした。年老いた老夫婦。道ばたに座り込む子供。酒浸りになった男。相手が誰でも、優しかったんだ。だからあのひとは好かれ、愛され、慕われて……そして早くして消えてしまった」
「それは……」
イルハンが声をあげ、そして開いた口を閉じてしまった。
憎まれ口を叩くのが得意な少年といった様子の彼も、しかして何も言えなかった。
だって分かっているのだ。失った悲しみを。取り戻したい渇望を。
星灯聖典に属する者はみな、多かれ少なかれ、そうだ。
「しかしこの聖骸布の力があれば、また出会うことができる。そういうことですね」
法衣を纏った飛行種の青年ナジュドは真面目くさった顔でいう。
「これはいわば、ルスト様の権能に干渉するための処理装置。
ひとつひとつは弱くとも、何十人何百人という願いが集まれば、帳として下ろす『正しい歴史』を僅かながら書き換えることができる」
「ああ。そうして、オイラの仲間とも再会できる……ってわけだ」
ネズミめいた獣種のズィールがハンマーの柄をさすりながら眼を細めた。
「言われたよ。帳の中だけの幻だって。けれど、オイラにとっては現実と一緒だ。そこから出なければ、ずっと一緒にいられるんだから……さ」
パタン、とロケットペンダントが閉じられる。
グラキエスはそれを服の下にしまうと、顔をあげた。
●殴り込み
予言者ツロによってイレギュラーズへの直接のオファーが行われ、二人のイレギュラーズは離反を選び、そして残った何人かが神の国にて遂行者と共にあるという。
「しかしこれは同時に、冠位傲慢ルスト・シファーを表舞台に引きずり出すためのチャンスだ。であると同時に、天義に蔓延っている星灯聖典の教祖グラキエスを追い詰めるチャンスでもある」
今回の作戦に成功すれば、庭園に通じる道をこじ開けることができる。
ローレットにおける優先事項である、薔薇庭園に滞在するイレギュラーズの帰路を確保する事もできるというわけだ。
それにグラキエスとその幹部遂行者たちは、聖痕を持つ者しか入ることの許されない『テュリム大神殿』の一角にその本拠地のひとつを構えている。
彼らにとって安全地帯とも言えるその場所を叩くことが出来れば、一気に形成を傾けることも可能となるだろう。
「だが状況は複雑だ。大神殿に続く『レテの回廊』は聖痕を持たぬ者を焼き尽くすと言われている。下手に兵を送り込めばただ無駄に失うことになるだろう」
そう述べたのは天義に所属する騎士ボルドーであった。
「それに、話によれば大神殿には『原罪の呼び声』が響いているともいう。兵を死なせるどころか敵に回る可能性すらある場所だ。ここへ突入できるのは、精鋭しかいない。つまり……」
「俺たち、ってわけか!」
ぱしんと拳を鳴らしてカイト・シャルラハ(p3p000684)は快活に笑った。
「まず問題になるのは聖痕を持たないものを焼き尽くすという『レテの回廊』だな」
カイト(p3p007128)が作戦図に指をさす。そこには『預言の騎士』たちだけでなく『幻影竜』なる存在まで飛び交い、幻影竜は聖痕をもたないものを焼き払うという。
「だが、グラキエスを逃がすわけにはいかない。あのような考えを持った者を……!」
ムサシ・セルブライト(p3p010126)がぎゅっと拳を握りしめる。
観音打 至東(p3p008495)がそれに応じるように頷いた。
「私たちは否定しなければなりません。失ったものを取り戻せるというその思想を。なにより『誰かから奪い獲得する』という手段自体を」
「ああ、絶対に止める。彼女は間違っている……!」
ファニー(p3p010255)は強い決意を込めた瞳で作戦図をにらみ付けている。
「『レテの回廊』は無理矢理突破するとして……やはり一番の問題は大神殿にあるという星灯聖典の拠点だな。聖騎士グラキエスの戦闘力は凄まじいものだったんだろう?」
天目 錬(p3p008364)の問いかけに、セララ(p3p000273)がこくんと頷く。
「斃すとか殺すとか、そういう考えじゃダメだと思う。相手は精鋭揃いの遂行者たちで、本気を出したグラキエスには流石にボクたちも苦戦してたからね。ダメージを与えて撤退させるって考えでいくのがいいと思う」
つまり作戦目標は――レテの回廊を突破し、グラキエスたち星灯聖典の拠点を叩くこと。
それがひいては薔薇庭園に閉ざされている仲間たちを助けることにも繋がる、というわけだ。
騎士ボルドーは剣を抜き、それを水平に持って祈るように目を閉じた。
いや、それは実際祈りだったのだろう。
「俺たち騎士に代わって、どうかこの任務を成し遂げてほしい。頼んだぞ!」
- <神の門>星灯聖典の名の下に完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別EX
- 難易度HARD
- 冒険終了日時2023年10月27日 22時06分
- 参加人数10/10人
- 相談6日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(10人)
リプレイ
●正しさと正しさ
星灯聖典。それは失ったものを取り戻すための、ぬけがらの集団。
今を生きることを、未来を見ることを諦め、過去に生きようとする者たちの、その醜悪。
されど集まってしまえば、並んで唱えてしまえば、正しく見える。
自分達は正しいのだと。正しいから、奪えるのだと。
鏡にも映らぬ自らの愚かさに、気付かぬままに。
レテの回廊へ続く道を進みながら、『願いの星』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)はいつものメイス『天の王に捧ぐ凱歌』を握り直した。
「神殿を荒らすのはあまり気が進まないけれど、戦いですもの。仕方ありませんわよね」
聖職者であるヴァレーリヤにとって、たとえ異教の神殿であろうとも荒らすことに抵抗があるのだろう。なにせやっていることは殴り込みだ。
「そうか? オレはシンプルでいいと思うがな」
『Star[K]night』ファニー(p3p010255)が両手を上着のポケットに入れたままからからと笑う。
「そろそろあちらさんにも痛い目見てもらわないといけねぇしな」
「痛い目……そうですわね」
話に聞く星灯聖典は『やりすぎた』。天義各地に信徒を集め、彼らに失ったものを取り戻せると吹き込み、天義に対して反旗を翻させた。蓄積されたその群衆がどこにあるのか、今はわからないが……。
「――未だ形と命しか斬れぬこの身の未熟を思えば。
たまさか頂いた二つ名も、泣いておりますや――」
ふと、『悪縁斬り』観音打 至東(p3p008495)が何かを唱えた。気になってヴァレーリヤたちが振り返ると、いやなにと首を振る。
「敵戦力の撤退を主目的とするなら、中核メンバーへの欠員が出ない状態を保たねばならないと思いまして」
「そいつは……」
どういう意味だ? とファニーが問いかけると、至東はなんてことはありませんよという風に続けた。
「撤退を強いるには、『ここで撤退しても計画にさして支障はない』と思わせねばなりません。やぶれかぶれになってもらっては、こちらが困る」
「ああ、なるほどな……」
いわんとすることを理解したらしく、ファニーは上向く。そして、なにやら物思いにふけりはじめた。
「俺個人としては「『誰かから奪い獲得する』という手段」自体は否定しないんだがな」
そう語ったのは『鳥種勇者』カイト・シャルラハ(p3p000684)だ。
なにせ海賊。『風読禽』である。力あるからこそ奪うのであって、弱いからこそ奪われる。それはこの世の摂理そのものだ。
そこは否定しない。しないけれど……。
「ただ個人的に気に入らねえんだよ。過去にしがみつき続ける奴。上を見なきゃ空も飛べないぜ?」
ナジュド。彼らは明らかに過去に執着している。過去に奪われたものに、過去に失われたものに、過去に手放したものに執着し、それをチャラにしようと足掻いている。本来ならば、それは破滅的な行為なのだ。
「そうだな、『俺』」
冗談めかした愛称でシャルラハを呼び、『雨夜の映し身』カイト(p3p007128)は腕組みをする。
「確かに別にいいんだ。人を思ったりやり直したいって思ったりするのは自由だし」
思うことは、自由だ。というより、誰もが思ってすらいるだろう。
だからこそ星灯聖典はあれだけの人間を集めたのだから。
『失ったものを取り返そう』。分かりやすく、誰もが抱けるメッセージだ。
「だが、実際に『本来は出来ないものを行動に起こしちゃ』駄目なんだ。
だって、お前ら『そうでもしねぇとやってられない』って気持ちが見え見えだからな。
そんなに縋りたい『だけ』なら無理矢理にでも目を覚まさせてやるよ」
カイトの言葉は、途中から星灯聖典に向けられていた。
「……『それはルール違反です』ってな」
星灯聖典が掲げる文句にはちゃんと絡繰があったらしい。
信徒に下賜されるという聖骸布。それがリソースとなって願いが帳の内側を書き換えるのだという。
より厳密にいうならば、『正しい歴史を主張し続ける』ことで彼らの失ったものを帳のなかに投影するのである。死者も、財産も、思い出だって帰ってくることだろう。
それが本物であるかどうかなど、過去に縋った者たちにとって関係がない。
一方で『陰陽鍛冶師』天目 錬(p3p008364)などは、まずこう思う。
「それで蘇ったように見えるのは「願った自分に都合の良い者」なんじゃないのか?
自己満足にしかならないままごとのためにあんな事件を起こしたんだとしたら死んだ人も浮かばれないな」
当然、そうだろう。死者の復活などはありえない。死者の投影だけがなされるのであれば、それこそ死者は浮かばれまい。
「気付いて虚しくなる前に止めてやる、ありがたく思えよな!」
「……辞めさせる、には、どうしたらいいかな」
ふと『魔法騎士』セララ(p3p000273)がそんなことを言い出した。
『?』と疑問符を浮かべて小首をかしげてみせる錬。
セララは言葉が足りないことに気付いて説明を加えた。
「『ネズミ』っていう友達がいるんだ。前も戦ったことがあるでしょ?」
「ああ。あの獣種の……」
錬が思い出していると、セララは続ける。
「今のやりかたは間違ってる。そう思うんだ。だからネズミを辞めさせたい。星灯聖典から抜けさせたい。どうすればいいと思う?」
「そいつは、ちょっと難しい問題だな……。既に奴は中核メンバーだ。色々と『やらかした』あとだと思う。今更って本人的な気持ちもあるだろうし、周りがそもそも許さないだろう。なにより、過去に執着しちまってるそいつ自身の『正しさ』を書き換えないと」
「『正しさ』を書き換える……かあ。説得するしか、ないよね」
「まあ、できることはそれだけかもな」
そこで、ふと。
『水月花の墓守』フリークライ(p3p008595)が声を上げた。
「寂シイ気持チ 否定シナイ。
会イタイ想イ 否定デキナイ。
フリック 主 モウイナイ」
「うん?」
「サレド。
我 フリック。我 フリークライ。我 墓守。死 護ル者也。
大切ナヒトノ死 間違イデアロウカ?
否。
死ンダコト過チデ無シ。
死 過チトスル。ソレハ死者 過チトスル 同義。
死 否定スルコト。ソレハ死者 否定スル 同義。
死モマタ死者 ソノモノデアル。
大切ナヒト ソノモノデアル。
死 間違イトスルコト 死 否定スルコト 弔イ 忘レサセル」
フリークライが言わんとしていることをかみ砕いてから、セララはそうだねと頷いた。
星灯聖典のありかたは、死者を死者とすることへの否定だ。弔いの中断だ。いつか死者を弔うことを忘れ、そして逆に、生への執着すらも薄れていくことだろう。
それこそ破滅的な思想なのだ。
『白き寓話』ヴァイス・ブルメホフナ・ストランド(p3p000921)はそうした考えを聞きながら、感心したように頷く。
「思ったよりも、向こうもいろいろな思惑の人がいるのねぇ」
戦いが起きるとき、往々にして『正しさ』が対立する。
いま起きている戦いもまた、正しさの対立だ。
極論、今と未来に生きようとする行為自体が間違っている可能性だってある。そうは思いたくないが。
「だからといって、刃を向けてきた以上こちらも抵抗せざるを得ないのだけれど……兎角、どうにかして帰ってもらわないと、ね」
「その通り――グラキエス。奴らの野望は叩き潰す!」
『宇宙の保安官』ムサシ・セルブライト(p3p010126)がぎゅっと拳を握りしめた。
「叩き潰す?」
強固な物言いにヴァイスが問い返すと、ムサシは強く頷いた。
「奴は、絶望に打ちひしがれた人々に手を差し伸べた。それはいいのです。ですが、その内容が許せない。投影し『取り戻したことにする』など……それでは失った人々に胸を張れない。それは、過去への逃避です」
「そう……そうね……」
ヴァイスはムサシが何に憤っているのかを理解した。
逃避する人々に、それを促し惑わすものに。そして自分自身の信じるものを脅かすものに、憤っているのだ。
「わかったわ。手を貸しましょう」
それは『正しさ』とは違うけれど。この戦いの末に、それが見えるのならば。
●回廊を踏み越えてゆけ
レテの回廊を遮る部隊のうち、白騎士シャーレオンは星灯聖典の拠点のひとつである大神殿を守る部隊を率いていた。
率いているのは赤騎士によって作り出された炎の獣の集団。それが元は『誰』であったかなど、白騎士シャーレオンは気にしない。
ルストの権能によって作り出された彼にとって、それは些事でしかないからだ。
彼にとって気にするべきは、誰を阻むか。どう阻むか。
そしてそれが、今目の前まで迫っているという事実に他ならないのだから。
「セラフインストール!」
『セラフィム』のカードをポーチから引き抜いたセララはそれを剣に翳し白い光に包まれた。
衣装が白く、燐光を纏い、パワーアップフォームへと変化する。
ついでとばかりにポーチから取り出したポンデドーナツをもちっと囓り、そのままぱくぱくと呑み込むセララ。
これで準備万端。
「それじゃあいくよ!」
突進してくる『炎の獣』の集団。
彼らの腕からは鋭い鉤爪が生え、それを繰り出し斬りかかってくる。
セララは盾で鉤爪の攻撃を受け止めると、白き燐光を纏いながら強烈な突きを繰り出した。
「セラフ――ギガセララブレイク!」
衝撃。波動。爆発。凄まじい威力の白き閃光が走ったかと思うと、それが物理的な波となって炎の獣たちを押しのけて吹き飛ばす。
その攻撃の威力に白騎士シャーレオンはチッと舌打ちをした。馬上から剣を掲げ、付与魔法を唱える。
「レギオンズフォースアーマー!」
たちまち炎の獣たちに不可視の鎧が装着され、二度目のギガセララブレイクを弾き始める。
雑魚がもっていい防御力ではない……が。
「付与のブレイクは任せた。こっちはこっちで――」
カイトは『葬送舞台・冷え切った雨帳』を発動。自らを強化する舞台演出を行うと、すぐさま氷戒凍葬『凍獄愁雨』を発動しにかかった。
『死出を彩る呪われた舞台演出』とまで言われるそれは、際限なく降り注ぐ雨と、一帯を凍土へと誘う冷気を生み出す。【絶凍】【氷漬】の効果を浴びた炎の獣たちはたちまち手足を凍り付かせ、それを払いのけんと腕をふる。
そして一部はこれ以上の妨害をさせまいとカイトに襲いかかった。
攻撃をさけるべくセララの後ろに隠れ、頑強なセララを盾にするカイト。
そして二度目の攻撃に入る。
氷戒凍葬『黒顎逆雨』。地面より雨が降るという反転現象を引き起こし、一帯に不吉系のBSをばらまく舞台演出だ。
ここまでされれば炎の獣から鎧を剥ぎ取ることなど容易。セララが更なるギガセララブレイクで鎧を剥ぎ取ったのを確認すると、ファニーが即座に『降りしきる二番星』を発動させた。
「そら、よっ!」
ポケットに入れていた片手を出し、遥か上段から下段へと何かをたたき落とすような動きを加える。それによって炎の獣たちは纏めて地面に叩きつけられ、直後に空中に浮かんだ大量の獣の頭蓋骨がカッと口を開いた。
大量に浴びせられる青白い光線は流星の如し。
これによって大量の炎の獣が崩壊し、グオオオという獣めいたうなりだけを残して消えていく。
「こうなっちまうと、元が誰かも分からねえな……」
もしかしたら、聖痕を持たずここへ入ることを許されなかった星灯聖典の信徒たちのなれはてなのだろうか。だとすれば救われない。そうでなく、ただ獣に変えられた無関係な一般人たちだったならもっと救われない。
いずれにせよ、許されることではあるまい。
そこへひらりと舞うように飛び込んでいったのは至東である。
「――蓮華刹」
炎の獣たちの集団のただなかに飛び込み、美しい声で一言、そう告げた。
告げた時には、既に動いている。ヒュンという刀の走る音だけが残り、何人もの炎の獣の首が落ちていった。
そうでない獣も足を、あるいは腕を切り落とされ動きを損ない、せめて反撃をと振り返った炎の獣の攻撃は……腕の長さが足りなかった。
鉤爪で攻撃したと思ったはずが、肘から先がなくなっていたことに気付いて愕然と固まる炎の獣。
至東はそれをどこか哀れむように、スパンと彼の首を切り落としてしまった。
刀がさがり、追撃をさけるべく飛び退く。
いや、飛び退いたのは炎の獣からの追撃ではなく、空から急襲する幻影竜の追撃だ。
ゴオッと激しい炎が回廊の床を焼き、飛び退いた地面に焦げ付いたあとを残す。
「こいつは俺が引きつける!」
そんな幻影竜へと突撃していったのはカイト・シャルラハである。彼の槍が一度幻影竜へと突き刺さったかと思うと、すぐに引き抜きはるか上空へと飛翔。
範囲攻撃が届かないくらいの上空へと飛び上がると天井すれすれを飛行しはじめる。
幻影竜はそんなシャルラハを追いかけて炎を吹き付ける。
ただの雑魚モンスターが相手であったなら、シャルラハにかすり傷一つ追わせることはできないだろう。しかし相手は幻影竜。かなりの強敵である。
「うおっ、と!」
シャルラハは素早く回避したはずがスレスレのところを炎がかすめていったことに驚愕する。
「こいつ、『当ててくる』……!」
直後に激しい炎がシャルラハを包み込み、翼を羽ばたかせて払いのける。
ならばと急降下をかけて仲間とは離れたエリアへと直行。
そこへ走り込んだフリークライに合図を送る。
フリークライは頷いて両手を翳すと、治癒魔法をシャルラハへと浴びせ、飛行能力を回復。と同時にカイトを自分の後ろへと回るようにジェスチャーした。
ゴオッと吹き付けられる幻影竜の炎。大してフリークライは両腕を翳しカウンターの治癒魔法を発動。炎はフリークライを中心とした球型の範囲に留まり、止められる。
シャルラハひとりでは難しくとも、フリークライと交代でなら幻影竜をとめておけるだろう。
「あちらは、任せておいても大丈夫そうね」
幻影竜を抑え込めたことを確認したヴァイスは、炎の獣たちを突き抜けるようにして白騎士シャーレオンへと突き進んだ。
鞘から抜く儀礼短剣、トレーネ。白一色のそれは、瞳を覗いて白く染まったヴァイスの一部のようにきらりと光った。
繰り出されるのは『白薔薇』と呼ばれる技、もとい術式である。
ヴァイスのオリジナルが暗器の扱いに長けていたという。それを再現したかのような華麗な舞いが、白騎士シャーレオンへと襲いかかった。
馬上から剣を払うことで初撃を回避した白騎士シャーレオンだが、ヴァイスの攻撃はとまらない。
今度は馬の方を斬り付け、いななく馬から白騎士シャーレオンを転落させる。
素早く転がり、盾を翳すことで次なる攻撃を払いのける白騎士シャーレオン。
ヴァイスはしかし、その払いのけこそを狙っていた。
「さあ、どうぞ」
「お言葉に甘えますわ!」
凄まじい大ぶりの、ヴァレーリヤが放つ『太陽が燃える夜』。
「『主よ、天の王よ。この炎をもて彼らの罪を許し、その魂に安息を。どうか我らを憐れみ給え』――!」
炎の渦が、炎の獣たちをなぎ払い、そして盾をあげてしまっていた白騎士シャーレオンへと直撃する。
それだけでは終わらない。ヴァレーリヤは白騎士シャーレオンへと突進すると、手にしたメイスを思い切り、大上段から叩き込んだ。
ゴッという凄まじい音が白騎士シャーレオンの鎧に響く。
「もう一発!」
ぶおんという風をきる音が聞こえる勢いでメイスを再び振り上げ、ヴァレーリヤのメイスが白騎士シャーレオンの顔面に炸裂した。
思い切り顔面を打たれた白騎士シャーレオンはまさに隙だらけだ。
そこへ飛び込んでいく錬。
『式符・殻繰』を発動させて数体の絡繰兵士を立ち上がらせると、腕に仕込んだ小銃を乱射させる。
と同時に『式符・陰陽鏡』を発動。絡繰兵士の乱射にあわせて炎の獣たちを一掃しにかかると、その向こうで隙を見せた白騎士シャーレオンへと走り出した。
「一気に攻める!」
発動する『式符・相克斧』。杖と盾を合体させて作り出した斧を握り、跳躍。
大上段から白騎士シャーレオンへと叩きつける。
「ぐ、おおおおおお!?」
直撃を受けた白騎士シャーレオンが今度こそ悲鳴のような声をあげ、そして剣を振り回す。
ここで直撃をうける錬ではない。飛び退き、『五行占陣』を発動させて弱らせにかかる。
「誰かトドメを!」
「任されたであります!」
ムサシが吠えた。
「行けっ! ディフェンダー・ファンネルッ!」
彼の背部に装着されていたディフェンダーファンネルがはずれ、白騎士シャーレオンへと飛んで行く。
彼を庇おうと炎の獣が飛び出してきたためだ。それを一掃すべく放たれた多角的なビーム砲撃は炎の獣を一掃し、そして――。
「ビームバスター!」
クロスした腕を一度額に翳すと、胸をそらし両拳を腰へと引き落とす。
ドゥッという衝撃の音と共に放たれた頭部からのビームが、白騎士シャーレオンの身体を貫いて破壊する。
「無……念……!」
よろめき、倒れ、消えていく白騎士シャーレオン。
その一方で、幻影竜がこちらを見据え吠えた。
シャルラハによる引きつけの効果が途切れたのだろう。
が、今更こちらに気付いてももう遅い。
「一斉攻撃だ!」
シャルラハが叫ぶと同時、全員が一斉に攻撃に移った。
防御に回りきっていたフリークライでさえその防御にあてていた障壁を叩きつけ、それとサンドするようにヴァレーリヤのメイスが幻影竜のボディに叩き込まれる。
更に撃ち込まれる錬の斧。グオオと叫ぶ幻影竜が彼らを振り払った直後に、セララの剣が、至東の刀が、ヴァイスのナイフが三方向からそれぞれ突き刺される。
誰かが『離れろ』と叫ぶと同時、カイトの舞台演出が、ファニーの放つ光線が、ムサシの放つビームがそれぞれ幻影竜へと殺到。
それがトドメとなって、幻影竜は爆発四散したのだった。
ふう、と息をつく錬。
「さあ……次は大神殿だ」
●大神殿にて
聖騎士グラキエスにとって、最大の誤算はイレギュラーズの存在だった。
彼らさえいなければと思うことは幾度も起こり、そして今もまた起ころうとしている。
それでも戦うことを、挑むことをやめないのは、それが傲慢の魔種に連なるものゆえか。
「来たね。イレギュラーズ……」
聖騎士グラキエスは仕込み杖から僅かに剣を抜き、凍るような瞳でイレギュラーズたちを見据える。
その間には星灯聖典の中核メンバー、そして影の兵団。
十人並んだイレギュラーズたちは、それぞれ一斉に走り出した。
「ネズミ! 今日こそ話を聞いて貰うよ!」
そう叫んで突っ込んだのはセララである。
影の天使たちによる攻撃をギガセララブレイクで蹴散らすと、一気にズィールへと距離を詰める。
対抗し、ハンマーの一撃を叩き込んでくるズィールだが、それをセララは盾を使って受け止めた。
「回廊の炎の獣達を見た?ネズミも、キミが蘇らせた後の仲間達もああなるかもしれない。
冠位傲慢はきっとキミ達を尊重しない。仲間も含めて捨て石にされるかもしれない」
「それはないな。帳の内側に作られるのは投影された現実だけだ。捨て石にする意味が無い。そうやってオイラを誘導しようったって――」
「そうじゃないよ!」
セララは強く叫んだ。
「キミの仲間達の声が届くとしたらきっと、星灯聖典をやめて真っ当に生きて欲しいって言うと思う」
「仲間の言葉を勝手に作るな! オマエに何が分かるんだよ!」
「いいやわかるよ! どうしても止められないなら。キミ達の仲間に代わってボクが止めてみせる! ボクに負けたら星灯聖典をやめて貰うよ、ネズミ!」
「そんな約束が通るかよ!」
ドカドカとお互いに攻撃をぶつけ合うセララとズィール。
その一方で、カイト・シャルラハは影の天使たちを引きつけにかかり――直後、白い斬撃の直撃をうけた。
「この攻撃、ナジュドか」
「風読禽! ここで死んで貰うぞ!」
「誰が死ぬかよ!」
ナジュドの放つ必中攻撃をなんとか防御しつつ、影の天使たちを器用に引きつけていくシャルラハ。
「死んだやつは蘇らない。過去は戻らない。
俺に復讐するのは構わないが、関係ない奴と海に手を出すんじゃねえ! てめぇだけの覚悟でかかってきやがれ! てめぇも海の男なんだろうが!」
「関係ないだと!?」
怒りを噴出させるナジュド。その目に、シャルラハは悟った。彼は今、己の不幸を『世界のせい』にしているのだ。
抗う力がなくとも、抗う覚悟が無くとも、それを誰かのせいにはできる。ナジュドはそうやって、逃げているのだ。
「その逃避先がこの俺かよ。随分象徴的になったもんだな!」
「――黙れ!」
繰り出される剣を、三叉槍で受け止めるシャルラハ。
仲間たちのそうした光景を横目に、カイトは黒羊とその周囲を固める影の天使たちへと挑みかかる。
術式と術式がぶつかり合い、相殺でもするように炸裂する。
「付き合ってもらうわよ、色男さん」
「構わないが、付き合うのはお前の最後までだけだ」
術式を更に組み替え、発動させるカイト。
「俺にとっては『お前に取って他の連中がどれだけ大切だろうと』分からせてやる連中に変わりはねぇんだ。至極平等に叩き潰すまでさ」
「そう、そうよね。それでいいの」
まるで神に縋るように、神に祈るように、黒羊は囁いた。
黒羊にとってカイトは、『揺るがない自分』だ。それに触れていることが、繋がっていることが、何よりも救いとなる。
「だから誰の代わりでもなく。
お前が、お前自身の動機の為に必死になってくれる顔を、さ? 見せてくれよ。
そうでないと、『お前がお前として此処にいる』理由を俺は証明してやれないんだ。
……なぁ、黒羊?」
「いいわ、教えてあげる。アタシの物語を――!」
ぶつかり合う術式の中で語られたのは、黒羊の物語。
死の運命を肩代わりするためだけに作られた黒羊の物語だ。
なぜ生まれたのか。
なぜ生きねばならぬのか。
なぜ生かされているのか。
自分のような偽物が。自分のような、身代わりが。
召喚され役目を失い、それでも生きるには、世界はあまりに広すぎた。だからこそ……指標を見つけようとしたのだ。
それこそが、カイトという男だったのである。
「アタシに教えて。生き方を、死に方を。アタシに、死に場所を頂戴……!」
イルハンと錬の術式が激しく交差し、ぶつかり合う。
大量の剣が地面へ突き刺さる中を走りながら、五行結界符をふるう錬。
「いい加減あきらめてよね! 僕は僕の村を取り返したいだけなんだ。それの何が悪いっていうのさ!」
「ああ悪いな。お前が作ろうとしてるのは蘇った家族でも暮らしでもない。自分に都合のいい幻だ。そんなものに踊らされて――」
絡繰儀杖と瞬間鍛造した盾を合体。斧に変えて殴りかかる。対するイルハンは巨大な盾を創造して斧の攻撃を受け止めた。
直後、絡繰兵士たちによる一斉射撃が浴びせられる。それも創造した無数の盾で防御する――が、盾によって視界を塞いだイルハンの横側に回り込んだ錬は『五行占陣』を発動。
「しまっ――!」
直撃を受けたイルハンは反撃とばかりに大量の槍を創造。発射する。
そんな猛攻と猛攻が交差する中で、ファニーは仲間たちと共にマリーンを狙い攻撃していた。
彼女を庇う影の天使たちを『降りしきる二番星』の砲撃によって撃ち払う。
『奪われたものを取り返したい、死んだ友人を生き返らせたい、それなら同情の余地もある。
だが、おまえはそもそも”それ”を一度も手にしてないだろうが! 手にするための努力を怠り二度と手に入れられなくなったものを”取り戻したい”だなんて、ガキの駄々と変わらねぇ!』
『子供の駄々のなにがおかしいのです。もはやわたしもあなたも、大きな子供にすぎません。確かに私は失っていない。手に入れていない。けれど……どうしてもほしかったのです。ほしかったから、手を伸ばした。あなたと私で、何が違うというのです』
「嗚呼、本当に……」
ファニーは『終焉のレーヴァテイン』を発動。
「自分を見ているみたいですげぇ腹立つ!!」
凄まじく強化された砲撃がマリーンへと直撃する。
「どうやら、ここまでのようですね。グラキエス様、あとはお任せします」
マリーンが撤退を始める。
追いかけようとは……しなかった。
敵を追い詰めるのは、また別の仲間の役割だ。
グラキエスの斬撃が激しい吹雪のように打ち付けてくる。
至東はその中をフリークライの治癒と防御に頼りながら駆け抜け、斬りかかる。
そして、あえてグラキエス以外の信徒たちに聞こえるように叫んだ。
「ここで殺されたとしても、帳の中でまた会えるからと、グラキエス殿は仰せですか?
はたしてその時に復活した自分は、今を生きる自分でしょうか?」
彼らは、応えない。応えないが、確かに彼らの心に刺さったのを至東は感じ取った。
命を賭してまで、仕えるつもりはない。命を捨ててまで、託すものではない。
星灯聖典はそういう意味で、歪んだ集団なのだ。
己の願いをこそ叶えるために、『自分達以外』を犠牲にすることを望んだ集団なのだ。
勝ち馬に乗って、その恩恵にあずかる。しかしそれは本当に『勝ち馬』であり続けるのだろうか。
「私たちはここを通らないといけないの。大人しくどいてくれる気はないかしら?」
グラキエスめがけ急速に距離を詰め、白き短剣を繰り出すヴァイス。
その洗練されきった動きでさえ、グラキエスをとらえきれない。
グラキエスは抜刀した剣によってヴァイスの的確なまでの一撃を払いのけ、大きく飛び退く。
「僕たちが、『どうぞお通りください』とお辞儀をしながら手を差し伸べるとでも?」
「いいえ、思わないわ。ただあなたたちはこれからなにもせず黙って帰る、という選択肢もあるのだけれど……そうはしてくれないわよね」
「わかってもらえて助かるよ、お嬢さん」
グラキエスの斬撃がヴァイスを遅う。それをフリークライが庇うことで受け止めるが、受けきれる斬撃ではどうやらないらしい。斬り付けられたボディが凍り付き、動きを鈍らせる。彼の抵抗能力がなければとっくに動きを止め、切り刻まれていたことだろう。
「ン――」
それでもなんとか耐えて自らに治癒魔法をかけるフリークライ。
そこへ、ムサシの猛攻がふりかかる。
「グラキエス。自分は大切な人を失う痛みをまだ知らない」
いいながら放たれたリリカルスターを、グラキエスは剣によって払いのける。
が、意識はどうやらムサシへと向いているようだ。
ムサシはビームバスターを放ちながら距離を詰めた。
「それでも自分は……俺は、お前や他の信者の人と同じ状況になっても同じことはしない!
失った大切な人を蘇らせたとして、それが正しくないやり方なら……その時、俺はその人に胸を張れない!
俺を産み、愛してくれた父と母に……胸を張れる人間でありたい! だからこそ! お前を否定する!」
「そうか。君は、誇りのために『取り戻す機会』を手放すんだね」
「違う! 貴様のそれは、取り戻したことにはなっていない!」
ブレイ・ブレイザーを剣に変え、上段から撃ち込むムサシ。
それを剣で受け止め――た瞬間、ヴァレーリヤの『砲撃』が走った。
グラキエスの周囲で守りを固めていた影の天使たちが炎によって吹き飛び、散っていく。
ヴァレーリヤはメイスを突きつけ、グラキエスを見据えた。
「どうかしら。これ以上戦っても、割に合わないのではなくて? 剣を引いてくれるのなら、わざわざ追撃まではしないけれど」
影の天使はかなり減り、マリーンは撤退し、どうやら黒羊もカイトとの戦いに敗れて撤退している状態だ。であるからこそ、ヴァイスたちはグラキエスを狙って動いているのである。
「私達は、少し早く先に進める。貴方達は、体勢を立て直す時間を手に入れる。悪い取引ではないのではありませんこと?」
小首をかしげて見せるヴァレーリヤ。
「君の仲間が、大人しくそうさせてくれるなら」
「グラキエス様!?」
イルハンが抗議するような声をあげたが、グラキエスは手をかざして彼を制止させた。
「彼らは強いよ。この戦いで負けるとまでは思わないけれど、少なくとも、中核メンバーの誰かは失うことになる」
「…………」
シャルラハと撃ち合っていたナジュドが悔しげに飛び退く。
「僕はね、本当は、『仲間』を失いたくないんだ。本当だよ」
優しく響くグラキエスの言葉が、ズィールたちに染みこんでいく。
ともすれば、こちらの心まで奪われかねないような、するりと懐に滑り込んでくるような声色だ。
「いいでしょう。決着は、いずれ……」
ヴァレーリヤはそう述べると、仲間たちを見やった。頷き、それに同意する仲間たち。
「ありがとう、とは言わないよ。さようなら」
グラキエスが剣を振るうと、あたりが白い閃光に包まれた。閃光が晴れた時には……もう、星灯聖典の誰も残ってはいなかった。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
――星灯聖典およびグラキエスを撤退させることに成功しました!
GMコメント
ローレットの仲間たちが『聖女の薔薇庭園』に閉ざされています。
今現在、無理にも招かれたイレギュラーズの安全なる帰還を求めるため。
そして、ルスト・シファーを表に引き摺り出すため。
何よりも、己の意志で離反したイレギュラーズの『意志』を確認し、彼等の示した希望を掴む為に。
『テュリム大神殿』への殴り込みが決行されました。
このチームではレテの回廊を突破し、星灯聖典の拠点のひとつである『灯の庭園』を襲撃します。
●成功条件
・成功条件:グラキエスの撤退
・オプション:星灯聖典幹部たちの撤退
●レテの回廊突破作戦
回廊を突破するには力尽くしか方法がありません。
ここには『預言の騎士』と『幻影竜』が待ち構え、通ろうとするイレギュラーズたちを殲滅しようと遅いかかってくるでしょう。
・白騎士:バッファータイプ。戦に勝利を呼び込むためにエネミーを強化します。
このエリアでは大量に存在している『炎の獣』たちを強化する存在として機能しているようです。
・幻影竜:聖痕を持たぬものを焼き付くす竜型のエネミーです。
竜種ほどの強さはありませんが、竜を象るだけあって相当な戦闘力をもっています。
・炎の獣×多数
赤騎士によって作り出されたエネミーたちです。この多くはグラキエスのために命を張ろうとしている星灯聖典の信者たちが元になっているらしく、剣や槍などの武器を装備した人型タイプが大半を占めています。
●大神殿殴り込み作戦
星灯聖典の拠点のひとう『灯の庭園』へと殴り込みをかけます。
これまで一方的に襲う側であった彼らがついに追い詰められる側へと代わります。
戦力は聖騎士グラキエス、ズィール、イルハン、ナジュド、黒羊、マリーン。それに加えて影の天使たちで構成されています。
・聖騎士グラキエス:星灯聖典の教祖にして最強の存在です。
仕込み杖を武器とした騎士で、超広範囲に向けた高威力の連続斬撃を得意としています。
その威力はまるで極寒の吹雪のごとしで、実際凍気系のBSも含まれています。
・ズィール:ハンマーを用いたパワーファイターです。
・イルハン:空想を具現化する能力によって柔軟な戦い方をするオールラウンダーです。
・ナジュド:高い機動力と必中攻撃を得意とするファイターです。
・黒羊:魔術を行使する後衛職です。こちらにかなりのBSをばらまいてくるでしょう。
・マリーン:ヒーラーとして優秀な腕を持ち、その分影の天使たちにしっかり守られています。
・影の天使:大量に配置された兵隊です。彼らを放置すれば戦闘はかなり不利になってしまうので、早期に蹴散らす必要があるでしょう。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
Tweet