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シナリオ詳細

覇竜も栗の季節だから

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●秋は栗の季節
 栗。それはおおよその国において秋の味覚として知られている。
 茹で栗、焼き栗、栗ご飯。手間こそかかるものの、その独特の甘みは多くの人を魅了してきた。
 一般的に栗はイガグリのようなたくさんの針の生えた殻に守られる形で地面に落下する頃が食べごろとされている。
 それを拾ってみたら時折虫食いだったりと、そんな思い出がある者もいるだろう。
 そんな栗だが……覇竜にも当然のように栗がある。
 覇竜の外の栗の木同様にイガグリをその木に実らせ、味も上等な栗の味がする。
 とても素晴らしい栗だが……1つだけ問題がある。
 そう、たとえば栗の木の近くを飛ぶデミワイバーン。どうにも栗の木を避けて飛ぼうとしているようだが……いったい何があるのか?
 その答えは、デミワイバーンが何かを回避したことで示された。
「ギャアア!?」
 デミワイバーンに向かって発射されるイガグリの数々。何発かはデミワイバーンに命中するが、なんとも痛そうだ。
 まさかイガグリを投げている者が栗の木にいるのか? いいや、そうではない。
 栗の木が近くを通る者にイガグリを射出しているのだ。
 そう、それが覇竜の栗の特性なのだ……なんとも、なんとも面倒臭い木だろうか。
 しかし、そんな栗だからこそ覇竜で生き残っているのもまた、事実なのである。

●栗を収穫しよう
「そろそろ、秋の味覚で取れるものがあるのでは?」
 『ライブキッチン』アルフィオーネ・エクリプス・ブランエトワル(p3p010486)はそう考えた。
 覇竜に秋の味覚と呼ばれるものは多々あるが、残暑の厳しいこの季節に採れるものはなんだっただろうか?
 その答えは、すぐに『フリアノンの酒職人』黒鉄・相賀(p3n000250)から示された。
「栗じゃな。そろそろ栗の美味い季節じゃの」
「ああ、栗……そういえばそうね」
 丁度この時期、覇竜でも栗が収穫の時期だ。
 しかし覇竜で栗と言っても数種類ある。あるが……一番美味しいものといえば覇竜栗だろう。
 大きさは普通の栗の木同様なのだが、近づくとイガグリを射出してくる面倒な栗なのである。
 ダメージ自体はそうでもないので怪我をする可能性は低いがこの覇竜栗、実はとある厄介な特性を持っている。
 それは何か? と問われれば答えは簡単で「痛い」という概念をぶつけてくるのである。
 どういうことかというと、ダメージを受けずとも「痛い」と思ってしまうのである。
 怪我はしない。しないが……その痛みたるや、尻を棒で叩かれるが如し。
 受ければ「アーッ」と声をあげてしまうような、そんな痛みだという。
 こうなると、怪我をしないのがタチが悪い。しかしこの覇竜栗、生き物にぶつかることで美味しくなる厄介な特性を持っている。より強い者に当たるほど美味しくなるというが……そうなると、この栗を美味しくするには鍛え上げられたイレギュラーズが採りに行くのが一番ということになる。
「きっと美味くなるじゃろうて。ではな、任せたぞ」

GMコメント

貴方の鍛え上げられた身体はこの日のためにあったんだ!
というわけで、栗にその身を捧げて美味しい栗を手に入れましょう。
栗の木の林にはたっぷり栗がなっていますので、近づけば思う存分栗が射出されます。
頑張って栗を収穫しましょう。収穫したら実食です! 貴方はどんな風に栗を食べますか?

●覇竜栗×好きなだけ
近くを通る生き物にイガグリを射出する栗の木。あるいはその栗。
イガグリが相手に当たると「痛い」という概念を相手にぶつける。
痛みは尻を棒で叩かれるか、尻を凄いキックで蹴られるくらいの痛み。怪我はしない。
強い相手にぶつかるほど美味しくなる。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 覇竜も栗の季節だから完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年09月24日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)
灰雪に舞う翼
観音打 至東(p3p008495)
クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)
海淵の祭司
フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)
挫けぬ笑顔
ユーフォニー(p3p010323)
竜域の娘
曉・銘恵(p3p010376)
初めてのネコ探し
アルフィオーネ・エクリプス・ブランエトワル(p3p010486)
ライブキッチン
ビスコッティ=CON=MOS(p3p010556)
メカモスカ

リプレイ

●栗を手に入れろ
「が……概念攻撃をしてくる栗……! 傷をつけないで痛みだけ与えるとか拷問に使えるんじゃないかなこれ」
「概念攻撃を行ってくるイガグリとは斬新だね。盾役やってるから痛みに慣れているとはいえ、傷もつかないのに確かに痛いというのは、脳とか心に後遺症残りそうでちょっと怖いね。とはいえそんな恐怖に抗えば美味しい栗も食べれるんだよね?  頑張っていこう!」
 『灰雪に舞う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)に『挫けぬ笑顔』フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)が頷く。
 そう、今日は栗を採りにきた……のだが。覇竜栗は「痛い」という概念を相手にぶつける栗なのだ。なんとも恐ろしい栗だ。
「いえーい、覇竜うまいもんいっぱいなんじゃー。母上もおるし、前にそうめん食いに行った皆もおるし、めっちゃハッピー! 愉快な遠足の始まりじゃー!」
「おい。お主、栗を食べるだけと言うて我を誘ったではないか。……騙したな? あと母上と呼ぶでないわ!!」
「いえーい!」
「いえーいではないわ!」
 『メカモスカ』ビスコッティ=CON=MOS(p3p010556)と『海淵の祭司』クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)も楽しそうだ。
「幽く深山に佇む異国の秋オラァ! ミステリアス美栗拾いer観音打至東のエントリーだ! 次々と襲いくる覇竜栗を斬っては払い斬っては払……え、斬っちゃだめ? そんなー。じゃあ刀じゃなくて心で斬りますよ心で。インパクトの瞬間に太刀筋を合わせるシャドースラッシングってことで!」
 『悪縁斬り』観音打 至東(p3p008495)もそんなタツジンめいたことを言うが、至東なら出来そうと思えるのが凄いところだ。
「覇竜の栗…お外の栗もおいしかったけど、覇竜の栗も楽しみ……! しゃおみーに当たる栗、おいしくなってくれるといいなぁ」
「『痛み』という概念をぶつけてくる……か。要するに精神攻撃をしてくるということね。ふんっ! プラーナ村修道院の祭祀長たるわたしには、その程度の”苦行”どうということはないわ。だてに250年も聖職についていないのよ」
 『初めてのネコ探し』曉・銘恵(p3p010376)と『ライブキッチン』アルフィオーネ・エクリプス・ブランエトワル(p3p010486)も頼もしいことを言っている。ちなみにアルフィオーネは240年ほど瞑想(居眠り)をしていたので、実質的には10年程度の務めらしい。さておいて『相賀の弟子』ユーフォニー(p3p010323)も燃えそうなほどの気合を入れている。
「私たちが日々身体を鍛えていたのはこのために……! んん? 概念的痛み? それは……心の強さが問われるものじゃないです? ……大丈夫、たくさんの戦いを経験して心だって強くなってるはず。闘志全開で、いざ、栗拾いです!」
 そんなユーフォニーの掛け声と同時に栗拾いが早速始まっていく。クレマァダとビスコッティも挑もうとして……その顔面に早速1個イガグリが命中する。
「ン゛ー!!」
 強靱な聖職者メンタルで耐え抜いたクレマァダは、しかしなんとも不可思議な感覚であった。
「概念というところが厄介じゃな。今まで感じたどんな痛みとも種類が違う……」
「あひゃいっ!」
 そしてビスコッティは……痛い。そんな気がした。
「は? 我メカだが? メカだから痛くないが? 今まで腕がふっとぼうが墜落しようが焼かれのされ折檻されようが余裕だった我が痛いってどういうこと? は? これが「痛み」か? ま、待つのじゃ。我こんなの知らん。痛いって我慢できるものではないのか? なぜ我が我慢できんのじゃ? 耐えられない痛みってなんじゃ。や、やめ。ひゃうっ! は、母上~~!助けて、我こんなの耐えられんのじゃ~~!」
「なんぞ大袈裟な反応じゃな……痛みに慣れておらぬのか? そうか、レガシーゼロ。そういうこともあろうが……しかしそれも学びよ。生きる事は痛みだと、言うにはあまりに生とは多様じゃが。しかし、それを体験しておくのは決して悪い経験ではないはずじゃ。よしよし、痛いのはどこじゃ?」
 ちょっと可哀想になってきたのもあり、クレマァダが母性のようなものを発揮しているが……なんとも厄介な栗である。
 アルフィオーネも祈りを捧げながら、痛みに耐えている。
「マロングラッセ……栗饅頭……栗ようかん……栗きんとん……マロンタルト……焼き栗……マロンプリン……栗おこわ……栗ぜんざい……甘露煮……天津甘栗……モンブラン」
 なんだか栗メニューに対する祈りな気もするが、さておいて。
「これから始まる、マロンスィーツフェア&ティータイムのことを思えば、なんてことはないわね。弾が尽きるまで、刈まくってあげる」
 おっと、しかし効果があるのであれば問題はない。そういうことだ。銘恵も気合万全だ。
「栗の木の林…つまり飛んでくる栗が沢山……しゃおみーも栗を受けないと、だね…さぁ来い栗ーーーー!! ……って、痛い痛い痛いいったーーーい!?」
 覇竜栗の木から発射されるイガグリと「痛い」という概念。これはもう凄まじい。
 実際には怪我をしていないのがなんとも恐ろしい。
「確か海で似たような形の生き物を見た気が、えーと名前は……うにゃーーーーー!?」
 ウニではない。ウニではないのだ。地方によってはウニと叫ぶかもしれないが、これは栗なのだ。さておこう。
 栗の木の林の中を駆け抜けるユーフォニーも、覚悟完了といった風情だ。
「これも苦行と思えばなんてことないです。耐え忍んだ分だけ栗の美味しさも増して感じられるというものって、アーーーッ! いたっ、いっっった、いたああぁぁぁ……! よ、容赦なさ過ぎません……? フリアノンに帰りたい……相賀さぁぁん……」
 心が折れるかに見えたユーフォニーはしかし、そこで踏みとどまる。その瞳には、確かな闘志の炎があったのだ。
「……いえ。ここで負けたら栗の思う壺ですね。強い相手にぶつかるほど美味しいなら、今の私にぶつかってもきっとあんまり美味しくないです弱音はおしまい。今こそ鍛えた心で栗に立ち向かう時……!」
 そう、今のユーフォニーはまさにエキスパートだ。
「何度だって闘志全開! どんな苦行も乗り越えるんです! 全ては美味しい栗のため! ためらいには、勇気を……!」
(全力で林の中を駆け回り栗拾いです! 障害物等は飛行で飛び越えて……決して手も足も止めるものか!)
 ここでそんなカッコいい感じで大丈夫だろうか。いや、大丈夫だ。人生におけるカッコいいときは何度でも訪れるものなのだから。
「指先とか……翼にかすらせたらそんなに痛くないとかそういう甘い判断が通用するかなぐあああー! ……むしろダメージと等量の傷がついた方が回復スキルで治るからマシな感じがするなあ!」
「アーッ!  痛い!  これは痛いね。痛いよ。聞いてた通りお尻を棒で叩かれるくらいの痛み。いや棒で叩かれたらお尻じゃなくても痛いよ。防具抜きで棒で叩かれるのはなかなかないからこその痛み。初心に帰ってとはいうけど、とはいえ痛い!  それこそ最近の依頼だと素手で刃物を掴んだりしたし、流石にそれよりはマシだけどさ。こうやって思ったことを話すことで痛みを紛らわせてるというわけだよ。これも一種のテクニック。痛いものは痛いけれど」
 アクセルとフォルトゥナリアもそんな感じではあるが、流石に痛みに負けてはいない。叩かれたのがお尻だったらはれ上がっているレベルだが、幸いにも怪我はないのだから。至東もそれを分かっているからこそ大胆な行動に出ている。
 そう、シャドースラッシング(という名のイガグリ正面受け行)である。
「かの覇竜栗の梢を前に、自然体・三昧で立ち、視線は軽く下へ。飛来する覇竜栗の気配を掴み――。――想像の刀を思考の速度で流し、斬る!」
 植物の気配があるかは定かではないが空気の流れとかまあ、そういうのはあるかもしれない。しかして、結果は……。
「よっしゃ、観たかお前ら七枚抜きですよ……ということはまあ、七発、私のbodyに皆命中ということでして」
 想像の刀だからね、仕方ないね。
「………………ふっ」
(なかない。みねうちなかないもん。十九歳だもん。でも七発も食らったらちょっと泣くかも)
 至東はちょっと泣いた。それをそっとしながらアクセルがイガグリを回収していく。
「ひとしきりぶつけられたし、地面に落ちた覇竜栗を回収だよ! ……踏んでイガの口を開けたりするときはもう概念攻撃ないよね? 頑丈なサンダルかなんかで踏んでイガを開いて、火ばさみで回収して……よし! あとは苦難をなぐさめるように栗パーティーだよ!」
 そう、栗さえ回収してしまえばもう大丈夫。あとは栗パーティである!

●栗を食べよう
「まずは栗の下処理。覇竜放炎調理法により、とりあえず、とげを焼き落としておくわ」
 アルフィオーネがまず最初の下処理をする。重要なことだ。
「栗を取り出す時はイガで怪我をしないように気をつけます。下処理は入念にまずは栗を水に浸してしっかり虫出し。沈まず浮かんだ栗は虫食いかもなので避けますね……あの栗の木に近付ける虫がいるのかは謎ですが」
「マジで死ぬかと思ったんじゃ……」
 ユーフォニーにならうようにビスコッティも真顔で栗を水に浸けて虫食いを除こうとしていく。
「一晩……は待ちきれないので1時間くらいは浸けて、皮を柔らかくして剥きやすくします」
「ようわからんが、こういうアクの強そうなものは塩水で漬けるに限る」
「まずは栗をぬるま湯に15分くらい浸けて、殻をむいて。渋皮ありの栗も残すけど、渋皮使わない料理用の栗からは渋皮とって……栗って色々準備が必要だけど、おいしく料理できるように頑張るよ! 茹で栗にしてもいいし、栗きんとんとか作っても良いかも
揚げ栗……揚げ栗もいいよね、おいしそう!」
 クレマァダや銘恵もそうして下処理を進めて。そうしているうちに、ユーフォニーはサクサクと調理を進めていく。
「渋皮煮のモンブランを作りたいので、その間にスポンジやクリームの準備をしていきますね。下処理が済んだ栗の皮を剥いて、渋皮ごとシロップと煮詰めましょう。いい感じに煮詰まったらトッピング用の栗は取っておいて、他は潰してクリームと混ぜます。スポンジにマロンクリームを絞ってトッピング用の栗を乗せたら……完成♪ そして一番の緊張ポイントです。栗の美味しさは如何に…!?」
 きっと美味しいだろう。ユーフォニーの料理の腕に加え、こんなに美味しそうな栗なのだから。
 アクセルも、ユーフォニーとは少し違う視点から調理をしていた。
「栗の調理は長くかかるから、調理中につまんだり栗の味を味見できるように、いくつかの栗を丸茹でにして皮をむいてお皿に並べておくね。栗の味がぶつけられたヒト依存になるなら、8人それぞれの味があったりするかもしれないから、できればみんなから栗を広く浅くもらって食べ比べできるように」
 なんとカイトの行き届いたことか。他人のことを考えられる素敵な男である。
「オイラ自身は皮をむいた栗を甘く煮てつぶして裏ごしして、原型を残した栗の甘露煮を混ぜて綺麗な布で絞るように包むよ! 豊穣風の栗きんとん! 普通はお芋と栗で作るところを(ご家庭による)、栗100%で作ることでもう栗まみれ。覇竜栗自体の甘さが強いなら煮る時にお砂糖を減らして、栗自体の甘みを感じられるようにするのもいいね」
 対する至東は、少々趣向の違う料理に挑んでいた。
「侍のマストアイテム、勝栗……は野点に向きませんので、焼き栗にいたしましょう。選別の終わった栗をそのまま直火にポイですよー。焼き芋の栗バージョンとお考えいただければ。切れ目は入れませんので爆ぜてくるのもありますが、そこはそれ、修行の成果をお見せしましょう! 流石に現象の気配を読むのは私にもナイトメアですが……観音打の名にかけて、やってみせる!」
 キリッとしたのでなんかフラグっぽいけど大丈夫である。
「あちっ」
 大丈夫。まだ大丈夫である。
「斬った実は皆さんにお分けしましょう。そう、匙で中身をすくうんですよー」
 さて、クレマァダとビスコッティも仲良く料理しているようだ。
「料理なぞあまりせんが、栗が甘いのは知っておるからな。塩をしたのを活かして、魚介と炒め合わせてみよう。淡白な白身魚や、烏賊に蛸など合うじゃろうな。趣味の週1料理(ひそかな嫁修行)が活きる時じゃ。お主は?」
「なに我はシンプルに栗を渋皮ごと揚げるとしよう。これなら失敗せんじゃろ?」
「素材を活かして素揚げ? ふぅん……まあ、悪くないのではないか?」
「じゃよなー」
 言いながらビスコッティは油に指突っ込んでいく。
「180度ヨシ!」
「こういうのは平気なんじゃがなぁ。あの栗はなんだったのか」
 概念である。
「あ、ほいでな。これで8分ほど素揚げすれば、栗の甘みが凝縮された揚げ栗になるんじゃ。塩を使えば渋皮のほろ苦さと栗の甘みが引き立って美味いって寸法よ。どうじゃ母上!これは良いじゃろう!!」
「これは白ワインを合わせるべきじゃろう。菓子類も含め、良いペアリングを楽しめるようにじゃな……」
「うむ! さて、他は……。あ、モンブランも食べたい。栗きんとんとかそっちもめっちゃ食べたい。我甘いもの好きかもしれん。あ、めっちゃ楽しい。これ楽しいぞ」
 そんな中、フォルトゥナリアもカイトの茹で栗をつまみながら料理に挑んでいた。
「私が作るのは栗ご飯! 栗の下ごしらえが時間かかるので大変だったけど、しっかり皮を剥いてゴロッと大きな栗を炊き込めば口の中は秋の味覚(栗)のパラダイス! ということでやっていこう。お湯に20分程栗をつけてる間に、炊くお米に浸水させて、その後栗を剥いていくよ。栗は栗のお尻近くを包丁で切り落とし、鬼皮を手で剥き、包丁で一方向ずつしっかり剥いていく。そして、その栗をご飯と一緒に炊き込むよ。塩も少し入れて炊き込むのが良いらしいね」
 栗はシンプルな料理でもしっかり甘くて美味しい。それが分かっているからこそ、この栗ご飯の美味しさも想像できる。
「皆いい感じね、負けてられないわ」
 栗を使った料理やお菓子を作りながらアルフィオーネもそう呟いて。
「モンブランもいいよね! 土台の生地を作って焼いて栗と砂糖と牛乳使ってマロンペースト作って、さらに材料加えてモンブランのクリームにして栗を乗せてモンブランクリームを絞れば……できあがり! ドラネコ達も栗食べる? 栗きんとんやモンブランクリームを袋に入れて袋の先を切ってちゅる~って感じで出したらドラネコおやつの完成!」
「ニャー!」
「食べてる姿も可愛いなぁ……!」
「さ、こっちも出来たわ。いっぱい作ったから、遠慮なく思う存分食べてね。足りないものがあれば追加で作るからいって。材料はまだまだたくさんあるから」
 アルフィオーネも、そして皆も続々と料理を完成させれば試食会が始まっていく。
「栗、良いな。うん、良く楽しめた。騙したのは怒っておるが。褒めてつかわすぞ、ビスコ」
「母上……!」
 そんなクレマァダとビスコッティに頷きながら、フォルトゥナリアも並んだ皆の料理を味わい、自分の料理を振舞っていく。
「モンブランを筆頭としたスイーツも楽しみだね。栗ご飯に関してはふっくら炊けたご飯にゴロッとした栗の食感。そして栗の甘みと旨味がマッチしてとても美味し......くなるように作ってるよ。痛みに耐えた甲斐がある美味しさだね! うん、モンブランも美味しい!」
「お口にあってよかったです♪ みんなと過ごす一足早い秋のお茶会、楽しいですね♪」
 ユーフォニーが頷く中、アルフィオーネは栗の木を自分のところで育てられないか考えていたが……まあ、頑張ってほしいところだ。
「うーん、美味しい! 頑張ったかいがありますね!」
「そうだね。これなら来年も……いや、うーん。どうかなあ……」
 至東にアクセルがなんとも微妙な表情をしながら頷くが……覇竜栗は、とっても美味しくて。
 幸せな秋の味を楽しめたのであった。

成否

成功

MVP

ユーフォニー(p3p010323)
竜域の娘

状態異常

なし

あとがき

栗ご飯、美味しいですよね。モンブランも焼き栗も好きです。

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