シナリオ詳細
ドラネコ麦を収穫せよ
オープニング
●覇竜をかわいく生きる者達
ドラネコ、と呼ばれる亜竜がデザストルにはいる。
亜竜ではあるが、どの亜竜集落にも気が付くとドラネコの姿がある。
その姿は外でいう「猫」に酷似している。
大きさも子猫~成猫サイズ。どこまでも猫だ。
ただし、食べてはいけないものなどはない。食べられないものもない。
猫では有り得ない色も存在することと、その背中にドラゴンの翼が生えており、フワフワ飛んでいることがあるのは如何にも亜竜っぽいだろうか。
亜竜種と共に生きている亜竜でも、大抵は大きくなれば危険になって処分されたりする。
だが、ドラネコにはそれがない。
何故か。危険じゃないからだ。
あえていうなら可愛すぎて萌え殺されるかもしれないのが危険だろうか。
そんな感じに可愛らしさに全振りして生きている亜竜なので、それそのものには危険性はないのだが……可愛さだけで生きていける程デザストルは甘くない。
まあ、他の亜竜やモンスターに可愛がられて生きるドラネコもいるようだが……「かわいい」という概念を理解できないモンスターや亜竜も当然いる。
ちなみにフリアノンで酒職人をしている老人、黒鉄・相賀はワイバーンと一緒に飛んでいたりアダマンアントの頭に乗っているドラネコを見たことがあるらしい。さておいて。
そんな感じでフリアノンに来るイレギュラーズたちもドラネコを見ると思わず二度見、三度見してしまう程度にはドラネコは愛らしい。
そして大抵の場合、そのドラネコを巡る騒動に巻き込まれたりもする。
しかし、しかしだ。
あえてそんな騒動に巻き込まれたい人間も……存在、するのである。
●ドラネコ麦とは
「そろそろドラネコ麦の収穫の季節でのう」
『フリアノンの酒職人』黒鉄・相賀(p3n000250)は集まった面々にそう切り出した。
ドラネコ麦。それは銘菓ドラネコの里にも使われている、特殊な麦である。
ドラネコが好むとかそういうアレではない。ドラネコは何でも食べるから。
そうではなく、ドラネコの身体にくっついていたものが見つかったのが最初ということでドラネコ麦と名付けられたのだ。
そんなドラネコ麦だが、リーベルタースを原生地としていた。
霊嶺リーベルタース。あるいは浮遊島リーベルタース。
かの竜種アウラスカルト(p3n000256)の旧居であり、現在は浮遊島リーベルタース付近の丘に存在する洞穴にワイバーンの係留施設が作られている。
そんなリーベルタースから持ち帰られたドラネコ麦は今、フリアノン近くでも作物として育てられている。
栄養価の高いドラネコ麦は今となってはフリアノンの大事な作物だ。
しかしこのドラネコ麦、この収穫の時期になると気持ちがいいのか畑の中、ドラネコ麦の間によくドラネコがいるのである。
勿論ドラネコなのでそっとどかせばどいてくれるのだが、かわいくて仕事にならないという声が続出しているのである。
「というわけでの。手が足りないんじゃよ。麦畑を1つ担当してくれるかの?」
ドラネコ麦の収穫をしていればドラネコがたくさん出てくるし、周囲からもドラネコが集まってくるだろう。
そんなモフモフな収穫体験、逃す手はない……!
- ドラネコ麦を収穫せよ完了
- GM名天野ハザマ
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2023年09月22日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●収穫しようぜ!(前編)
「さて今回の仕事は、ドラネコ麦という麦を収穫する事だ。農作業はあまりしたことがねえが、真面目にやるのが一番だろう……まあ、人間はどうあがいてもお猫様にゃかなわねえだろうがよ」
「ねこぉぉぉぉぉドラネコぉぉぉぉぉぉ! 可愛いーーーーー!! ドラネコもふ……収穫……ドラもふ収穫頑張るよ!」
「……そうだな」
『侠骨の拳』亘理 義弘(p3p000398)は『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)を見て、その顔にヨツバではない別のドラネコが張り付いているのを見る。うん、やはり駄目そうだ。
……というわけで今日はドラネコ麦の収穫なのだが、すでにドラネコが義弘たちに寄ってきている。先程から義弘の顔の匂いをフンフンと嗅いでいるドラネコもいる。飛べるのでやりたい放題だ。
ともかく麦の収穫は手作業だからと、鎌と背負い籠と麦わら帽子、ツナギの農耕セットを持ってきているが……先程から背負い籠が重い。
「よし、あっち行ってような」
下ろしてみればドラネコが詰まっているので、優しくどけていく。
そうして麦を刈り取ろうとすれば、ドラネコがひょっこりと顔を出す。
「ニャー」
「危ないからどいてもらうしかねえが……よっと、すまねえな」
猫に負担がかからないような持ち方でさっと移動して貰うとしようとする義弘だが、なん秘密兵器がある。
「こういうときにはこれだ、段ボールだ。俺のいた世界で昔よく聞いてたんだが猫というのは段ボールにこもるのが好きらしい。折角おもちゃを買ったのに、実際に気に入られるのはその箱だったりするらしいぞ。取り敢えず段ボールに入っていてもらおう」
そう、よくある話だ。猫は人の思う通りには動かない。ドラネコであればなおさらだ。
「こらこら、背中に乗るんじゃない。動けなくなるだろう。猫は本当に軽いやつ、マッシブで重いやついるからなあ。下手に乗られるとバランスを取るのが大変だぜ」
言いながら義弘は周囲の仲間たちに視線を向ける。
「……お前さんら、大丈夫か?ドラネコに絡まれたりしてねえか? ……なんか絡みに行ってるのも見えるんだが」
「ヨツバさん、他のドラネコだよ! ほら可愛いよモフモフだよー他のドラネコとも遊ぼう! ……ってあー麦収穫のおじゃまは困りますあー!」
楽しそうにしているヨゾラを見て頷いて、義弘はそっと視線を外す。
「まあ、仕事の敵ではあるが敵じゃねえ。気の向くままに刈り取っていればいつかは終わるだろう」
刈り取った麦を馬車に持っていけば、そこにはドラネコが香箱座りをしている。
どかないぞ、という目のドラネコを見ながら義弘はフッと微笑む。
「この麦……相賀のじいさんが酒に仕込んでくれるんだろう? どのくらいの期間がかかるかはわからねえが、楽しみに生きないとな」
そう、そのためにも麦の収穫をしなければならない……のだが。
「さぁまずは麦の収穫を……麦を手にもふっと、これは可愛いドラネコだー! 収穫の時に刃物も使うんだから危ないよー、もうー」
ヨゾラも中々ドラネコのモフモフで苦戦しているようだ。ドラネコをそっと抱きかかえて他の所に寄せていく。
「暖かふわもこ最高……!」
さておき、収穫する為にはドラネコにどうにか退いて貰わないといけない。だからこそヨゾラは、その任務に全力で挑むつもりだった。
「他の人が収穫する為にも猫じゃらしと猫おもちゃ乱舞でドラネコ達の気を引くよ! さぁほらこっちだドラネコ達!」
おもちゃを持って走れば、ドラネコたちも飛んで追いかけてくる。そうして引き付けることが出来れば、あとは足止めするだけだ。今日のヨゾラには秘密兵器があるし、その香りをドラネコたちも察しているのでどんどん集まってくる。
「にゅる~(液状猫おやつ)や猫おやつをドラネコにあげよう。わ、すごい勢い! おやつ食べる姿も可愛いよね……ああああ癒される……! でもごめんねー、ドラネコ麦はあげられないんだ……! 後で麦関係の人にお願いしてみてね!」
まあ、単純に居心地がいいからではあるだろう。収穫されたドラネコ麦の上に座っているドラネコを見て『優穏の聲』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)も頷いていた。なんとゲオルグ、ドラネコを5匹も連れている。
「ドラネコ麦の上で気持ちよさそうにゴロゴロしているドラネコの可愛さ、プライスレス! 金銭などという俗物的なものでは決して測ることの出来ない価値がここにはある。そんなもふもふな収穫体験を逃す手があろうか。否、断固として否である! 最終的にドラネコ麦を収穫さえすればいいのだから収穫の間にもふったり、モフったりしたとしても何も問題はないわけだ」
「ニャー!」
5匹のドラネコたちも同意するように鳴く。いや、6匹いるような……? すでに何処かの野生のドラネコが混ざっている。
「この時期のドラネコ麦はなんとも気持ち良いのだとか。ならば、私の飼っているドラネコ達だって連れてくるに決まっている。今回は戦闘を行うわけではないから安心して自由にさせてあげられるな」
そう、今回はドラネコがお仕事の邪魔なのであって、それはかわいいので仕方がない。
「それにしても、収穫している最中ですらもドラネコ達がじゃれついてくるな……まるでまたたびのようにドラネコ達を惹き寄せてしまうとは恐るべし、ドラネコ麦」
そう、ゲオルグの近くにいるドラネコが1匹、また1匹と増えていく。まるでドラネコのなる木か何かのようだ。
「こんなふうにじゃれついてこられて振り解くことができるわけがない。だって可愛いから!」
そう、これはまさに試練。第一の試練だとゲオルグは思う。
「第一の試練を乗り越えてもまだまだ試練は続くのだ。見ていただきたい、この台車に乗せられたドラネコ麦の上でゴロゴロしているドラネコを。ただでさえ私達はふわもこアニマルの可愛さの前では無力だというのに「今、私がゴロゴロしているんですが何か?」と言わんばかりの姿を見せられれば私達が一方的に悪いようにすら思えてくる。だが、ものは考えようだ。この台車をドラネコがゴロゴロする用のデコイにして。本命の台車に麦を積み込むのだ」
しかし当然ながらそこにもドラネコがニャーンと座っている。
「ふふ、仕方がないな」
モフッとゲオルグがすればドラネコはニャーと応える。よきにはからえ、と言っているかのようだ。
そんなドラネコまみれの光景に『ささやかな祈り』Lily Aileen Lane(p3p002187)もほっこりとしてしまう。
「はぅ、ドラネコちゃん達が一杯なのです」
うっとりしながらもLilyは出来れば、うちの子になる子が居ないか探してみよう……などとも考えていたが、その頭にはすでにドラネコが乗っている。
「ドラネコ麦、収穫頑張るのです。他の人がドラネコを誘導(?)してドラネコ密度の減った麦エリアを、慎重に収穫作業していき、たまたまドラネコの居ない籠を見つけて其所に麦を入れていくのです」
そう、ゲオルグやヨゾラ、義弘たちのおかげで畑の中のドラネコも減っている。Lilyの背中にも数匹貼りついているけども。
それだけではない。時々、ドラネコと遊んであげるのも大切な仕事だと思うので、麦数本を纏めて猫じゃらし風にして遊んであげたり、液状のおやつをあげたりして、至福の時間を過ごしたりも……と、ここでLilyはハッとする。
「はっ、危うく収穫作業を怠けるところだったのです。危ない、危ない、です」
なんかよだれが出ていたのは気のせいではないだろう。さておいて。
「ドラネコ栄養分(?)を補給して元気になったので収穫作業追い込みをかけるのです。そしてドラネコともっと遊んであげるのです 頑張るぞ、えいえい、にゃー!」
おー! と言おうとしたら遊ぶ合図にでも見えたのか、ドラネコの群れに飲み込まれていくLilyだが……まあ、よくあることだ。
●収穫しようぜ!(後編)
「麦を退け、ドラネコを収穫する……了解だ……え、逆?」
『灰想繰切』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)の手にはにゃんにゃんおやつセット。やる気満々である。
「くろねこダンジョーがいればネコ科とは心を交わす事が出来るがこいつら亜竜なんだよな……まあ、心が猫なら猫科に含まれるから圧倒的セーフだろう?」
そんなことを言うアーマデルだが、ドラネコとココロを交わしたらドラネコ津波が起きる気がするが大丈夫だろうか。きっと大丈夫だろう。アーマデルは強いし。
疎通できる霊がいれば探索補助を頼み広域俯瞰で分布を確認するつもりだったのだが……ドラネコがたくさん過ぎてあまり意味がないのは困ったものだ。だからこそ、アーマデルは動物疎通とハイテレパスでドラネコ達におやつの宣伝をしていく。
「茹でたささみとおやつセットが欲しければ大人しく投降するがいい……立て籠もり犯の説得みたいだと? 大体合ってる」
(こうやって麦畑からドラネコ達が出てきたらおやつを与えてごろにゃんさせるという次第だ。すぐに与えるより逃げ回って追いかけさせ、纏めた方が当初の目的(麦畑周回)を忘れるのでは? ……そういう思考形態は猫より犬っぽい気がしなくもないが、野生動物だから大体セーフ、ヨシ!)
ヨシ、なら問題ない。ヨシ! さておいて。
「この時大事なのは自分が人類であることを忘れ、己もまたドラネコであると強く思い信じることだ。これほどの大役、人類には務まらない……」
そう、今日のアーマデルはドラネコということだ。アーニャデルである。さておいて。
「麦畑を通り抜けるのが心地よいなら、ブラッシングも喜ぶのでは無かろうか? このあたりの気候はわからんが、暦の上ではそろそろ換毛時期かもしれない……というわけでこうだ」
「ニャー」
ブラッシングをリズミカルにやるアーマデルにドラネコもニャーと鳴く。しっかり膝の上に乗っているので、中々に可愛らしい光景になっている。
「練達で見たニンジャドラマでやってたぞ、太古の猫抱き刑という恐ろしい刑罰を。罪人をそこらに正座させ、猫を乗せていくというやつだ。そうまさにこんな感じ……重い、ちょっとドラネコが多すぎるからお前たち一列に並んで順番に……ぐえっ」
アーマデルがドラネコがたくさん乗ってくるのに耐えきれず潰れるが、なんとも幸せな重みだ。
「うーん、可愛い。これはパンドラ強制復活を強いられてもおかしくない殺人級の可愛さだね。そんなドラネコが麦畑に大量発生。由々しき事態だね! うん! これは徹底的にもふもふ接待しないと!」
『最果てに至る邪眼』刻見 雲雀(p3p010272)もそう頷きながらドラネコをもふっていく。
「……おっといけない麦刈り忘れるところだった。とはいえ、こうも密集してると鎌が当たって危ないかもしれないから、どうにかして誘導したいんだけど……んー。とりあえず一房刈れそうなとこで刈って、猫じゃらしみたいに振ってみようかな。これできてくれたら嬉しいなー、なん」
直後押し寄せる一部のドラネコの波に飲まれた雲雀は「……うーん、元気いっぱいだね!」とドラネコに埋もれた中から叫ぶ。
まだ本津波じゃないので余裕はありそうだ。
「とりあえずそのまま誘導できるドラネコは誘導してちょうどよく日差しの当たる位置にある台車辺りにでも誘導していこうかな。きてくれたドラネコたちには今日も大活躍の液体おやつをあげよう」
「ニャー」
やはり人気だ。ドラネコたちが雲雀へと寄ってくる。
「麦の粒があちこちについてるのはブラッシングして取ってあげて、取れた粒は籠に入れて……と。これも大事な収穫だからね。ついでにドラネコのもふもふな毛並みも守れて一石二鳥ってやつさ」
まあ、麦粒も大事なのはその通りだろう。ドラネコも毛並みを整えてくれるのであれば別に抵抗もしない。
「うん、こうしてのどかな時間が過ぎていくのはいいね。平和の証だ。ここも、他の国も、こうして平和に過ごせる時がずっと続けられるといいね……そうなるようにこれからも頑張らないと。さて麦をしま――」
籠にみっちり詰まったドラネコを見ると、雲雀はフッと笑う。義弘が用意した段ボールもすでにミッチリだ。
「……まあいいか! 別に麦これだけじゃないし気持ちよさそうに寝てるし。邪魔しちゃ悪いものね」
「いいなぁ羨まし……いや何でもない! 今の内に収穫だー!」
その間にヨゾラも周囲に気を付けつつ急いでドラネコ麦を収穫していく。
「収穫した麦を台車に……猫沢山のドラネコ台車になっちゃってるなぁ可愛いもう! でもごめんよー……麦を乗せて運ばなきゃだからね、一旦降ろすからねー? いにゃーんって顔をされるとつらい……でも可愛い! あっ、あっ、顔に張り付いたらだめだよー!」
そんなヨゾラをそのままに、『夜守の魔女』セレナ・夜月(p3p010688)はドラネコ麦を見ていた。
「ドラネコ麦かぁ、なんだか懐かしいわね。リーベルタースに麦を採取に向かったり、ドラネコの里があるなら山も、ってお菓子を考えたり…あの時採取した麦が立派な麦畑になったって思うと、感慨深くもあるわね。収穫、頑張りましょ!」
「はい、そうですね♪ ですけど、あっちもこっちもドラネコさんがいっぱい……! ついもふもふしたくなっちゃいますね。今すぐもふもふしたくなる気持ちを抑えて……収穫も頑張りますねっ」
「ニャー」
『相賀の弟子』ユーフォニー(p3p010323)にセレナに頷くが、すでに2人の周囲にもドラネコが集まっている。
目の前の麦畑の間からもドラネコがひょこひょこと顔を出して、あまりの可愛さにセレナたちは「うっ」と声をあげる。なんと可愛らしい姿だろうか? 竜種ですらドラネコの可愛さには勝てないというが、まさにそんな感じである。
「ドラネコ達とふかふか戯れる!……もとい、目的は麦の収穫なんだから、ドラネコを構いつつ収穫していくわ」
そう、結局それが一番だとセレナは麦畑に入っていくが、一歩進むたびにドラネコがセレナを登ってくる。
(猫と心を交わせるお守り(夜妖憑き『猫神様』)も持ってきたし、魔女の嗜み(ウィッチクラフト)として動物疎通も出来る
そして動物の扱いも勉強してきたから、ドラネコ対策はバッチリよ!)
バッチリかもしれない。バッチリすぎてドラネコが寄ってきている。ものすごく。
それでも麦畑に隠れてる子がいたら収穫する時危ないかもしれないからと、セレナはしっかりと捜索していく。
麦穂をふりふりして、猫じゃらしのように誘ってみたりドラネコの里をおやつにあげてみたり……と打てる手は全部使う。
「これから麦を収穫しなきゃいけないから、危なくないようにこっちに来てもらえないかしら……にゃ?」
「ニャー」
「あ、ちょ、来すぎ……」
ドラネコまみれになったセレナは、自分についてきてくれていた2匹に頼もうと思いつく。
「そうだ、これまでにわたしについて来てくれたドラネコ達にも遊んでもらいましょう。麦採取で出会った黒猫の子と、山作りで来てくれた甘い香りの三毛猫の子……誘惑し過ぎて、ドラネコ達に殺到されちゃったりしないかしら? それならそれで、他の人が収穫しやすくなるかしら。これもある意味名乗り口上ね。それに……もふもふに包まれて、わたしも夢心地……」
すやっと寝てしまいそうになったセレナはそこでハッと気づく。
「……はっ。ね、寝ないわ。収穫しないと! ドラネコに包まれて眠るのは、収穫が終わった後の楽しみに……ところでなんでこんなに頭が重いのかしらね」
頭の上にドラネコが乗ってるからである……というわけでユーフォニーはどうだろうか?
「ドラネコさんと遊ぶための事前準備はばっちりです。定番のふわふわした猫じゃらし、セロハンがしゃかしゃかする猫じゃらし、紐の先端にネズミなど小さなおもちゃのついたもの。それからドラネコさんがお昼寝できるための毛布とカゴ。段ボールも念のため持ち込み……してますけど、もう埋まってますね!」
ぎゅうぎゅうである。可愛い。
「ちゃんと買ったおもちゃよりもこういうのの方が好きなの、本当マイペースでかわいいですよね。収穫したドラネコ麦もふりふりして、一緒に遊んじゃいましょう♪」
しかし、猫じゃらしもただ振るだけではダメだとユーフォニーは知っている。
「ドラネコさんの視界に入れて、軽く小刻みに振って……十分に興味を引けたところで一気にシュっと動かす……! せっかくなら飛行もして、ドラネコさんと一緒に飛んじゃいましょう」
そうして飛行をすれば、ドラネコたちもユーフォニーと並走するように飛行し始める。やはり相手をしてくれそうな人はドラネコも大好きだ。
「ドラネコ麦の中でドラネコさんたちと一緒にお昼寝もいいですね。どこを撫でると気持ちいいかな? 頭? 顎の下? それともお膝の上に乗る?」
動物疎通で会話もしつつ、それぞれのドラネコが気持ち良さそうにするところを探っていくユーフォニーだが、流石にドラネコの扱いに慣れている。
「好みはみんな違いますから。私ももふもふを堪能できて幸せ……! ……はっ、収穫! み、みんなと分担したり遊ぶ係を交代したりして頑張るんです。誘惑に負けない為にミーちゃんたちにお留守番してもらったんですから今度こそは……! あっでもかわいいドラネコさん……はうう」
ユーフォニーですらもふもふの魔力に負けてしまう、そんなドラネコの魅力。
けれどドラネコ麦の収穫自体はしっかり終えたのだから……そこは流石としか言いようがない、そんな収穫作業であった。
「ニャー」
なお、ドラネコのモフモフはいつでも最高である……らしい。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
ご参加ありがとうございました!
GMコメント
ドラネコ麦畑でドラネコと遊びながら収穫しましょう。
マトモに収穫できると思ってはいけません。もっふもふです。
麦畑の中にもドラネコたくさんですしその辺からも集まってきます。
台車を持ってきたら台車の上にもドラネコが転がっているでしょう。
はい、そんな感じです。
●ドラネコ
亜竜集落をトコトコ歩いてるかわいい亜竜。
大人になってもサイズは猫程度。可愛さに全振りした結果戦闘能力を失った、可愛さで世の中を渡る亜竜。
猫にドラゴンの羽が生えたような姿で、色や模様は千差万別。
鳴き声は「ニャー」です。
●情報精度
このシナリオの情報精度はD+(ドラネコプラス)です。
多くのドラネコは貴方の事情を考慮しないか、もっふもふです。
様々なドラネコの可愛さに悶え、不測のドラネコに備えて下さい。
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