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シナリオ詳細

<英雄譚の始まり>もぐらパニック

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●困っている魔法使い
「さて、困った」
 プリエの回廊(ギャルリ・ド・プリエ)の職人……魔法使いである老人は、そう呟いた。
 老人の目の前にあるゼロ・クール……A-52ナ号。大きなハンマーを持った青年のような姿をした、アンドロイドにも似たような形状をしている。
 名前は……「ヤール・名護」。
 前回の稼働試験後、そういう名前になった。
 つい先程まで老人は、このA-52ナ号……ヤールをとある訓練に出すつもりだった。
 簡単な話だ。近隣の道に出ているモンスターを殴って追い出すだけの仕事だ。
 しかし、どうにも数が多いらしい。
 勿論、ナールであれば簡単に出来るかもしれない。しかし、出来ないかもしれない。
 稼働試験を終えたとはいえ、その辺りに老人は確信がもてなかった。
 ならばどうするか? 当然ながら、諦めるという選択肢はない。
「……待てよ。そういえば、確か……」
 老人が思い出したのはアトリエ・コンフィーの『お手伝いさん』たちだ。
 確かちょっとした手伝いなどを受けてくれると聞いていたが……今がまさにその人たちに頼むべきときであるのかもしれない。
 そうと決まれば動くのは早い方がいい。老人はアトリエ・コンフィーに連絡をとる準備を始めていた。

●もぐらたたけ
「ようこそ、ギャルリ・ド・プリエへ」
 ゼロ・クール『Guide05』はそう集まった面々に告げた。
 依頼主である老人に委託され、今回はGuide05……通称をギーコと呼ばれるアトリエ・コンフィーの案内嬢が今回は説明を請け負うことになったようだ。
 ギーコの隣に立っているのは、青年の姿をしたゼロ・クールであるようで、型番はA-52ナ号であるとのことだった。
 名前はヤール・名護。ヤールと呼べばいいだろう。
「今回の依頼は、彼を連れて近隣のとある道へ行き、穴を埋めてくる……といった内容になります」
 そう、その道にはあちこちに穴が開いているのだという。
 人間ならスッポリ落ちてしまいそうな穴はどうにも深く、危ないことこの上ない。
 だからこそ埋めなければならないのだが、どうもそこからモグラのようなモンスターが顔を出すのだという。
 穴を埋めようとするものに火を吹くそのモンスターは危険で、どうにも1体ではないらしい。
 稼働試験を終えたばかりのヤールを壊されてはたまらない。
 そんな当然の心理が、今回の依頼につながったらしいとギーコは説明してくれる。
「ですから、今回の仕事の内容は大きく分けて2つです」
 まずは、モグラを叩くこと。
 どうにもモグラは「穴から顔を出す→火を吹く」という行動をとるので、穴から顔を出した瞬間に強力な打撃を加えてやれば自然と穴の奥に落ちていく。
 それを繰り返せば、「此処から顔を出さない方がいい」となるだろう。そうすればしめたものだ。穴を埋めて、安全な道を取り戻せる。
「ここで大切なことですが『たまたま強い奴がいただけ』と思われないよう、強い技の類は使わない方がいいでしょう」
 そんなに難しい話ではない。わるいモグラの頭を叩いて穴を埋める。ただそれだけなのだから……!

GMコメント

穴から顔を出すモグラを叩くやつです。
段々こういうのも通じなくなってくるのでしょう(ノスタルジック)

はい、というわけでかなり平和なシナリオです。
普段やらないような動きとかを混ぜて面白いことすると面白い結果になります。
なお、ヤール君は皆さんの行動を学習しています。
話しかけたりして仲良くなることでヤール君の行動パターンが変化していく可能性もあります。

●いたずらモグラ×9
でっかいモグラ型モンスター。
穴から顔を出して火を吹きます。顔を出した瞬間を逃さず叩くと引っ込んでいきます。
穴はたくさんありますが、落ちないようにしましょう。必殺のモグラトラップが貴方を穴の上空に砲弾みたいに吹っ飛ばします。
こいつらが諦めるまで叩いて叩いて叩きまくりましょう!

●A-52ナ号「ヤール・名護」
生まれたばかりの青年型ゼロ・クール。
大きなハンマーでの打撃を得意とします。
連携重視の戦い方をするようです。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <英雄譚の始まり>もぐらパニック完了
  • 反射神経を鍛えるんだ……!
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年09月03日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)
灰雪に舞う翼
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
雨紅(p3p008287)
愛星
ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)
航空猟兵
秦・鈴花(p3p010358)
未来を背負う者
月瑠(p3p010361)
未来を背負う者
多次元世界 観測端末(p3p010858)
観測中

リプレイ

●モグラパニック(前編)
「練達で他の世界の記録見たけど、世界によっては地面に巣穴を作る動物の掘った穴が馬の脚を取って大変なことになったらしいし、問題がないように整備しないとね……ここはその世界とも違うし、無辜なる混沌の中ってだけでオイラ達のいるところとも違うけど……空気も景色も幻想に似てて、不思議めな生き物がいるのも幻想と同じ。困っているヒトがいたりやれることがあるならがんばりたいね! ……可燃性ガスとか穴に撒きたいね」
 『灰雪に舞う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)が何やら恐ろしげなことを言っているが、今回の仕事は穴から出てくるモグラを叩くことである。練達に昔そんな感じのゲームがあった気がするが、ちょうどあんな感じである。『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)も知っているようだ。
「ほぉう、今回はモグラ叩きか。この手のヤツは久しぶりだな。ふふふ、ねこの血が騒ぐぞฅ•ω•ฅ」
 ねこの血が騒ぐらしいが、汰磨羈の華麗なステップは中々のものだ。
「穴の中からひょこひょこと頭を出されたら、それはもう……叩かざるを得ない!」
 ⁽⁽ฅ₍₍⁽⁽ฅ•ω•ฅ₎₎⁾⁾ฅ₎₎
 なんか動きが凄い。シュッシュッとシャドーボクシングの動きだ。
「ねこの本能ォー!!」
「元気だな……」
 そんな汰磨羈を見ながら『狂言回し』回言 世界(p3p007315)は同行しているゼロ・クール……ヤール・名護に視線を向ける。
「ふむ、モグラを倒す討伐依頼というよりはヤールの運用試験の護衛という側面が強そうだな。ということはヤールの性能次第で俺も楽ができる……と楽観視はできないか。しかし、わざわざ手加減しないといけないのが少し厄介だ。もっとも俺のよわよわフィジカルじゃ本気で叩いても大したダメージにはならないだろうが………ところで名前の名護は何処から来た?」
「私の型番がA-52ナ号であることから来ているそうです。護りの名前になるように『名護』……であったと記録しています」
 ヤールが『刑天(シンティエン)』雨紅(p3p008287)に視線を向けると、世界は「なるほどな」と頷く。
 そして視線を向けられた雨紅も世界たちの下へとやってくる。
「こんなに早くまたお会いできるとは……二回目の依頼でしたか。ヤール様の主は、大切に扱ってくださる方なのですね」
「そうですね。期待に応える性能でありたいものです」
「ええ。その気持ちに応えたいですし、困っている方を放ってはおけませんね」
 その為にも、雨紅は広域俯瞰で穴の位置の把握をして落下しそうな方が居れば声をかけて止める役割であった。
 ちなみに、世界はヤール君モグラ戦でのやりとりをスムーズにするために道中ボケとツッコミの概念を教えてようとしていた。
「……と言いたいけどこれで変な方向に育ったら俺が怒られそうだな。今後を考えると行動パターンは真面目よりにしておいた方がいい気がする」
「?」
「だがまあ、8人もいたらさすがに一人はちゃんとした奴がいる筈なのでそれを信じて俺はふざける。いや~暑は夏いな~」
「新しい表現ですね」
「これはこれで……アリか……?」
「なんでやねん」
 汰磨羈のねこパンチツッコミに世界は満足そうな顔をした。さておいて。
 そう、もうモグラの穴はすぐそこだが……ポコポコ開いているのが見える。
 『死神の足音』ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)もそれを見て重々しく頷く。
「トラップが大量にあるようだな。だが俺に反射神経で挑もうというのが間違いなのだ。どこからでもかかってくるといい」
 まあ、確かにトラップといえる。しかし、なんとも懐かしく新しい雰囲気を感じ取っている者たちは多いようだ。
 『宝食姫』月瑠(p3p010361)と『未来を背負う者』秦・鈴花(p3p010358)もまたそうであった。
「うひょー! すっごーい! いせかい? べつせかい? 別の国じゃなくて別の世界まで行けちゃうんだ! なんかあっち穴ぼこいっぱい! 偵察じゃー! わーい!」
「イレギュラーズになって、「別の世界から来た人がいる」っていうのは当たり前に受け入れてたけど……いざこうして本当に別の世界ってものに足を踏み入れると、不思議な感じがしてくるわねってこら、ゆえははしゃいであちこち行かないの! もー、迷子になったら置いていくわよ!?」
「元気デスネ」
「元気過ぎてあっ、こけた! だから言ったでしょもー!」
 仲の良い鈴花たちに『観測中』多次元世界 観測端末(p3p010858)も頷くが、ふと近くにヤールが来ていたことに気付き観測端末は思っていたことを聞いてみる。
「モグラ叩キガ、ヤールサンノ教育、訓練ニナルノデスカ?」
「なる、ということなのでしょう」
「デハ当端末ハ、ヤールサント皆サンガ全力デモグラ叩キニ挑メマス様、支援シマス」
 そう、要は反射神経の問題だ。ならば、やるしかないのだ……!

●モグラパニック(後編)
「如何ナル結末デアロウト、当端末ハタダ観測スルノミデアル……」
 そんなことを呟く観測端末の今日の仕事は皆のサポートだ。
 回復支援に広域俯瞰によるモグラの出現位置の確認と伝達、終了後の穴埋め作業の参加。
 中々に忙しそうだが、観測端末の名に相応しい働きとも言えるだろう。
 広域俯瞰を使い、モグラの現れる穴を見下ろす形で出現位置の把握をすると同時に暗視を併用して穴の中を覗き、モグラが昇ってくるのが見えたら、その穴の位置を仲間に告げる。上手くできるかはやってみないと分からないが、やる価値は充分にある。
「モグラたたきだっけ?」
「そうよ、今回はモグラ叩き!」
「ふっふーん、まっかせて!」
 月瑠と鈴花もやる気満々だ。
「穴から出てきたやつを全部完膚なきまでに叩きのめせばいいのよね? ……えっ違うの? 適度に? 適度って何? 難しすぎない……? えーと手加減手加減」
「亜竜種のわたしが土竜如きに負けるわけなし! 山崩の峰でごつんといくよー! いい感じに加減しなきゃいけないのがめんどくさいけど手加減もできなきゃダメだっておかーさんも言ってた! これもしゅぎょー!」
「そうか。修行か。修行……そうよね。ゆえに教えられるとは不覚だわ」
「なんかひどいこと言われた!?」
 さておいて、鈴花はひとまず囮として上空を飛行してみることにしていた。
 どの高さなら気付くか、とか適当に拾った石でも穴に投げてみるとかチェックしてみるが……中々出てこない。
「用心深いわね……」
 段々飛行高度を落とし気配遮断していくが……これもまた重要なことだ。
「今回ヤールには、まずは敵を観察し知ることの大事さを教えるわ」
 上手く出てくれば奇襲攻撃。誘い出せれば、仲間が待ち受ける穴に追い込むように穴の上を飛んでいき仲間にと声をかけるつもりで。
「今よ!」
「てやー! 見てた見てた!? こうやって叩くんだよ!」
「はい」
 見事なコンボだが、鈴花はどうも性に合わないようでウズウズしていた。
「りんりんが囮になってくれるみたいだしわたしは全力でぶんぶんしに行くぜ。ヤールに教えるのはもちろん攻撃! ただ闇雲に振るんじゃなくて、相手の呼吸を読んで無駄をなくして最小限の一撃で仕留める! そう、こうだよ!」
「はい」
「そして飛行して機動力の高さを活かしてじゃんじゃか叩く! コンボを繋ぐ! どーせりんりんがずっと囮なんてしてられるわけないんだしかっかするまでは自由に動こ!」
 月瑠の言葉にヤールが頷くが、実際月瑠の読み通りにそんなに鈴花は我慢できなかったようだ。
「んもーやっぱ囮とか性に合わない! 殴るわ! ヤールに本当に教えたい戦い方は「力こそパワー」!!E XAで動ける限り移動して横っ面を竜拳でずどん!」
「わー、予想より早かったね!」
 そんな月瑠のツッコミも今の鈴花には届いていない。
「殴る時は! 腰を低く! 上半身だけじゃなく下半身のバネも使う!」
 衝術で顔を出したモグラをホームランしようとするそのスイングは、鉄帝野球仕込みだ。
「今よヤール、殴り方は教えたわよね! 最後に勝つのは真直ぐ殴る、その心意気!」
「はい」
 ところで、連携ならブランシュも負けてはいない。
「用意するのは不殺スキルと救世主。モグラの匂いを覚えさせつつ、どこから来るか予測を立てる。連係プレーを見せてやる」
 救世主と名付けられた凍狼の子犬がなんか煤けた顔をしている気もするが、気のせいかもしれない。さておいて。
 まずは救済執行を自身に付与。そしてモグラが穴から出たら、レジェンダリーレアとクリストスペシャルでこちらに向かうようにさせる作戦だ。
「さあ、そうしたらかなり機動力も落ちているはずだから、穴の位置は最初に出たところから近くなりやすくなるはず。そこを殲天方陣で叩く! 後は穴を埋めて道も作っておく! 自分以外の場所に来る場合は救世主にお手感覚でぽふって貰えばいい。嚙んだらダメだぞ」
 そうして一通りの実演をすると、ブランシュはフッとクールに微笑む。
「さてそしたら後はヤールの学習能力を上げるとしよう。俺のようなゼロクールの後続機はとても素早かったり、硬かったり、いろんな傾向にあった。その巨大なハンマーといい、昔の俺に似ている」
 だから、だろうか。今回のブランシュには、とある計画があった。
「ハンマーのような鈍器型の武器での戦い方を教えよう。速さを乗せる事だ。俺のような圧倒的な反応速度でも、機動力による推力でもいい。俺の昔はメイスによる殴打だったが、そこに思い切り機動力を乗せていたよ。まあ今は思い切って反応速度を特化した強襲を心がけているがな」
 ブランシュならではの戦法と言えるだろう。しかしヤールでも応用することはできるはずだ。
「もし、お前が更に強くなりたいのなら……答えは空にある。空中からの落下距離を稼いで叩きつける一撃は、相手への奇襲にもなり仲間への突破口にもなりえる。飛べるように望んでみる事だな」
「はい」
 頷くヤールを見ながら、雨紅はふと思うことがあった。
「そもそも、このモグラは何で敵を感知しているのでしょう?」
 光か音か、それを探ってみることで効率は上がるはずだ。
「穴の上にものを被せて影にしたり、穴の側を踏み鳴らすなり武器で叩くなり……そうそう、こんなこともあろうかと! 舞踏で使うひらひらした布もあります。機会があれば舞を披露したかったからなのですが、今回は被せるのに使います」
 そうして塞いでみると、モグラがボッと布を持ち上げながら出てくるのを雨紅は見た。
「なるほど……これは利用し、効率よく顔を出させる助けになりそうですね。顔出させる囮役、叩く役で分担すれば反応もしやすそうです。ヤール様との連携も行なえますし」
 そして雨紅は近づいてきたヤールに教導をおこなっていく。
「敵が何を頼りに動いているか。そういった『敵の情報』を得るのも戦う上では重要です。そのうち、ヤール様お一人で戦う時も来るでしょうから。その時、これが助けになれば嬉しいです」
 そんな雨紅の近くでは世界が幻影武器で作り出した巨大ハンマーを使いモグラを叩いていた。
「悪いが光になってもらおう……さあいくぞ!」
 まるで勇気で戦う系のなんかこう、練達のアニメの如きだ。今日は徹底的にボケるつもりらしい。
「と意気込んだはいいものの俺のフィジカルは8で物理攻撃力は102。ゲームで言うなら序盤の雑魚敵を倒すのがやっとのステータス。結果はお察しだ。そこでIQ200の俺は考えた。あえて穴に落下してモグラトラップで上空に撃ちだされたあとに飛行でモグラの出てくる穴まで移動、モグラが出てきた瞬間に落下しつつ叩けば重力によるダメージが加算されるのではないかと。そもそも穴に落ちず普通に飛行で飛べばいいのではとか思わなかったかいヤール君?」
「わかりません」
「それでいい、後はツッコみ方を学習すればハンマーが特徴のツッコミ役になれるぞ。――いやならなくていいけど。ちなみに攻撃は落ちるまでのタイムラグが原因で当たらないんだけどな」
「そうですね」
「ボケ殺しだ……!」
 アクセルはその姿に脅威を覚えながらも、自分の仕事を全うしていた。
「こういう場合は戦闘は穴の配置から集中攻撃を受けないような位置取りに!」
 そして勿論、ヤールに教えることも忘れてはいない。今回のような戦闘自体が簡単なものであれば、教える側にとってはボーナスタイムとも言えるだろう。
「いたずらモグラ相手には広域俯瞰で穴の位置とかを確認しつつ、高めの反応で先手を取ってモグラが顔を出したら神気閃光かヴァイス&ヴァーチュ! 不殺攻撃を使うことで被害を弱めにして、一過性じゃないじんわりとした警戒心を抱かせるようにするよ!」
 この位置取りはヤールにとっては重要な要素だとアクセルは考えていた。
「ハンマーは叩くのに向いてると思うけど、多対一は大変だし。位置取りは大事にしてね」
「はい、理解しました」
(ヤールが連携重視の戦い方をするならやっぱり広域俯瞰で敵味方の配置を見つつ、味方と連係しやすいようにフォローしやすい位置とかを教えてあげたりもするのもいいかな。オイラは広域俯瞰を使ってズルしてる感じもあるけど、いい感じの位置をどんどん教えていったらたぶん普通の視点からでもいい感じの位置を割り出せると思うし)
 教えることはたくさんありそうだ。まあ、モグラトラップで飛ばされた汰磨羈の動きを真似するのは難しいだろうけども。
 そう、汰磨羈の動きは……まさにねこ。
「飛ばされたからといって、タダで落ちると思うなよ? スカイダイビングの要領で落下方向を調整しつつ、そのままモグラの頭の上へ落下して蹴りをいれてくれるわ! キャット的に空中で三回転してからキーーーーックッ!!」
 汰磨羈空中三回転。繰り出したキックがモグラの頭をぶきゅっと叩く。
 今日の汰磨羈は鳥のファミリアーを召喚し、頭上に飛ばしていた。
 そして、そのファミリアーの視界も加えた超視力+広域俯瞰で広範囲の穴を監視している。つまり、今日の汰磨羈に隙は無し。
「天網恢恢疎にして漏らさず。当然、モグラの頭も漏らさずキャッチ!」
 荒ぶるねこの構えもバッチリだ。
「兎に角只管にモグラをぶったたくアタッカーとして暴れてくれよう⁽⁽ฅ₍₍⁽⁽ฅ•ω•ฅ₎₎⁾⁾ฅ₎₎」
 至近攻撃で殴れる所にでたモグラは格闘術式でぶったたき離れた位置に出たり、至近攻撃だと穴に落ちてしまいそうな時は験禳・咆靂哮湃をぶっ放していく。
「殴るだけだと思うなよ? 必殺、ねこライトニングッ!」
 まさに派手だ。動きも派手だ。今日の汰磨羈は輝いている。
 モグラが自分を警戒するようなら、それを逆に利用して目立つように行動するようにとさらに動きが派手になっていく。
「私がフェイントを仕掛けて気を引く事で、他の面子が死角から殴れるようにするというわけだな……そらそらそら! そのモグラ頭を叩き尽くしてくれるわッ! ……かかったな? 今だ、ヤール!」
「はい」
「さあ、モグラどもよ……ねこの恐ろしさを思い知れฅ•ω•ฅ」
 そうしてモグラをどうにかしたら、穴埋めの始まりである。観測端末が木箱や荷台に集めた土砂を穴の近くまで運び、飛行を併用して、穴の真上から土砂を流し込んで埋め立てていく。
「……なーんで異世界で穴埋めてんのかしらね。はいはいやるわよ、でも一個くらい雑に布と落ち葉被せて落とし穴にしちゃいましょ。ていうかこれ絶対その内ワニが出てくる入江とかもあるでしょ。でもま、楽しかったのはホントよヤール、また遊びましょ」
「はい」
「うひーぼこぼこだ。この穴どれくらい深いのかなー石ころ落としてみよ……めちゃ深そう」
 月瑠は鈴花と話をしていたヤールの視線が向いたのに気付き、パタパタと手を振る。
「穴埋めしてないからヤールが不思議そうにこっち見てるけど違うんだよさぼってないよ。今この穴どうやって埋めようか考えてたとこだよ。ほんとだよ」
「あ、こらゆえ!サボってないで手伝いなさ――あっ」
「んげ、りんりんにもバレたしりんりんがおちた!」
 そんな2人を見てブランシュがフッとニヒルに微笑んでいるが、雨紅と協力してしっかり穴埋め中だ。
 多少ボコボコになるものの、最後は周囲の土も使って雨紅たちは埋めていく。
「岩や石があれば更に埋めやすそうなので、あれば利用しましょう」
「……動きすぎて、腹が凄く減ってきたな。帰りに焼肉行かないか?」
「それもいいな」
 汰磨羈と世界も、そう頷きあって。
「よし、これでおしまい!」
 アクセルが最後の穴を埋めることで、今日のお仕事は終了だ。
 なんだか土木作業にも似たお仕事ではあったが……不思議な満足感と共に、帰路につくのだった。




成否

成功

MVP

仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式

状態異常

なし

あとがき

そうか……ワニのほうは言われるまで忘れてたな……

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