PandoraPartyProject

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R.O.O紹介ムービー

 希望ヶ浜 佐伯製作所 研修センター。
 モニターにムービーが映し出されている。僅かな待機時間の後、軽妙なBGMが流れ始めた。


 Rapid Origin Online――
 それはもう一つの現実。それはもうひとつの混沌。それはもうひとつの世界。

 介入手続きを行ないます。
 存在固定値を検出。
 ――イレギュラーズ、検出完了。
 世界値を入力してください。
 ――当該世界です。
 介入可能域を測定。
 ――介入可能です。
 発生確率を固定。
 宿命率を固定。
 存在情報の流入を開始。
 ――介入完了。
 Rapid Origin Onlineへようこそ。今よりここはあなたの世界です。

「こんにちは、研修生さん。私の名前はスノウローズ♪
 R.O.Oに一足先にお邪魔してる……先輩、かな?
 R.O.Oは練達のサーバー内にて混沌世界をコピーして作られた電脳世界なの。
 世界の『法則』を研究すべく作られた仮想環境……ではあるのだけれど、簡単な言葉で言えばとってもリアルなVRMMOって感じかしら?
 皆にはR.O.Oに『ログイン』する必要があるわ。どんな姿にだってなれるの。私のような女のコでも、かっこいい剣士でも、ふわふわしたマスコットでも! ね、とっても心躍るでしょ?
 混沌世界ではない疑似世界……新しいMMOゲームをするのだもの。『LV1』からのスタートになるわ。
 レベリングって心躍るわよね。私も夜なべして延々とザコ敵を狩り続けて蟹に殴り倒されたわ。もう、やんなっちゃう! ヒーラーなんだもの、とっても時間掛っちゃったのよ。まあ、それは関係ないかしら。
 R.O.Oはスローライフも出来るのよ。ハウジングも出来るし、畑で何か育っても良いと思うわ。
 あなたのなりたい姿で! あなたの望んだ戦い方で!
 世界の平和を――なーんて事じゃなくって暴走状態のR.O.Oを止めるためにこのMMOをクリアしなくっちゃならないわ。
 だから、R.O.Oを頑張って――」

 そこまで口にした『スノウローズ』のボイスチェンジャーが停止したのかノイズが響いてから、男性の声に切り替わる。
「あ、ちょ、待って……あ、すみません。あの、声の調子が……!」
「山田君? どうしたのかね」
「ああああ、名前をッ、呼ばないで―――!」

 ――どんな姿にだってなれるR.O.O。
 この美少女NPCを気取っていた『スノウローズ』はローレットの情報屋、『サブカルチャー』山田・雪風(p3n000024)なのであった……

これまでのリーグルの唄 / 再現性東京 / R.O.O

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