PandoraPartyProject
街の噂3
「……………」
「どうした?」
「ショックを受けてるんだよ」
「やぶからぼうに。何があった」
「取引で良く行く街にな。本当に気立ての良い美人三姉妹が居るんだよ。
本当に優しくて可愛い子達でさ。街ではちょっとしたアイドルよ。
俺も年甲斐もなくいいなって……いや、それはいい。
その、彼女達が事件を起こしたって……それもバラバラ殺人」
「おいおいおいおい、ちょっと猟奇的過ぎるだろ。
聞いた話じゃ、他所じゃ異端審問まで始まったらしいな。
神様狂いなんて天義だけで十分……いや、天義だけでも要らねえってのに……」
「サリューの件も続報が無いし……
一体全体この国はどうなっちまったんだ? 何が起きてるんだ」
「例のサーカスは……」
「相変わらずだよ。もう評判は幻想中に広がってる。老いも若いもサーカスだ」
「話題がサーカスと猟奇騒ぎか……馬鹿騒ぎにも程があるな」
「……『花の騎士』様はちゃんと見張ってくれてるんだよな?」
「多分……」
「……ああ、もうよそうぜ。こんな景気の悪い話。こんなの今だけだ、今だけ。
その内全部落ち着くさ。きっと、全部元通り。眠たい退屈な日常が戻ってくるだけさ」
「そうだよ。ああ、そうだ。たまたま、全部たまたまだよ!」
「……そうだよ、な」