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神ヶ浜の異変
神ヶ浜の異変
例年ならばサマーフェスティバルは海洋で行われる筈だった。
しかし海洋王国大号令から始まり、カムイグラという新天地の発見。その後諸々の折衝を経て――今年のサマーフェスティバルはカムイグラの神ヶ浜で行われる合同祭事となったのだ。
それは海洋と豊穣の交流。
未だ大々的に窓が開かれた訳ではないが、新しき流れを民は歓迎し――
ついに今日、夏の祭典が行われる事になったのであった。
「おお、アレが外の神使の方々……」
「見るべ、あれが妖を退治してくださった方々だべ……！！」
そして民たちはざわめいている。
その原因は――先だって天香・長胤より下されていた妖討滅の令に参加したイレギュラーズ達の姿であった。あれは高天京周辺など、カムイグラの各地に出回る怨霊の討伐令であり、それは直接民の生活に関わる事。
であればこそ、討滅作戦に多く関わった者の顔は彼らの記憶により深く刻まれており。
「やれやれ、一躍有名人だね会長さんも……はっ。もしかしてカムイグラの民の認識が、羽衣教会の教えに追いついたのかな！？ あ、どうだいそこの君！ 会長さんが属する羽衣教会に入信とか！」
「こ、こんなに視線を頂くとはこれはなんとも……俵丸！ 一端人気のない所にゴー！」
その中でも特に妖の討伐数が多かった者――楊枝 茄子子（p3p008356）と稲守 朱祠（p3p008680）の姿が見えれば一層にざわつきが多くなる。茄子子はこれ幸いと彼らに接触し、己が宗教をこの地に広めんとして。朱祠は己が軍馬の名前を紡ぎながら駆け抜け。
「やれやれ……祭りの酔いもあれば、より激しく騒ぐものなのかもしれんな」
「ふふ～ん♪ 別に狩って良い首を狩り続けただけなんですけどねぇ♪」
「ぶはははっ！ まぁ感謝されて気分の悪いもんじゃねぇわな！」
鬼の瑞鬼（p3p008720）が言を紡ぎ。されば紅迅 斬華（p3p008460）は陽気に首狩りの鼻歌を……いやなんか非常に物騒な内容だが、ともかく。祭事のどんちゃん騒ぎにゴリョウ・クートン（p3p002081）は煙管を一服。
これほどの熱意は確かに、祭りの出来事も重ねればの故もあるだろう。
人々が湧く感情はあちらこちらから――しかし。
「鬼にもこんな催しを解放するとは、八百万くんたち手ぬるいのでは？
それともあれかな。催しで誘き寄せて一気に殲滅するつもりなのかな？」
斬華よりも更に物騒な事を鬼嫌いの源 頼々（p3p008328）は紡いだ。
ああ駄目だ駄目だ鬼の笑い声なんて。斬らないと。いや駄目だ一応我慢しないと。
瀬戸際で彼は立ち続ける。あぁあぁどうしようかと散々に悩みながら。
「わわわ、僕も、僕もッスか！？ ええと、どうしよう、その。あわわ！」
渦中にて鹿ノ子（p3p007279）はカムイグラの民の流れに揉まれていた。
捕まれば胴上げの嵐だ。感謝の印と、祭りの風物詩。
――妖怪にはここ最近特に悩まされていたのだ。霞帝が眠りに付いた頃から、治安は段々と乱れ始めていた。高天京はそうでもないが、辺境に至るほどその傾向がより強くなっていて。
「おお、来たぞ――お三方だ！」
と。その時。
妖討滅の中でも目覚ましい活躍を挙げた『三羽烏』と言うべき者達――Binah（p3p008677）、ソロア・ズヌシュカ（p3p008060）、コレット・ロンバルド（p3p001192）の姿が神ヶ浜に見えていた。彼らの名はよりカムイグラに轟き、民の中でも話題になっている。
彼ら三人だけで千以上の討滅回数。正に鬼神達である。
「ふむ――こう目立つとは、思ってもいなかったけどね」
Binahは語る。意識していた訳でも無かったのだが、と。
目前の妖怪たちを倒し続けた結果であり……ああだが。
「結果によって夏祭りが無事に開催された一端となったのなら、幸いと言うべきかしらね」
「妖怪が溢れていたらとてもそれ所じゃなかっただろうしな！
なんにせよこれで祭りも平穏に――」
コレットが周囲を眺め、そしてソロアが胸を張って空を見据えた――その時。
「――失礼。特異運命座標のお歴々、少し良いだろうか」
そこへ現れたのは建葉・晴明だ。
鬼人種の中での有力者。中務郷の地位にいる青年……
表面上は無表情を装いながらも、その言葉の端々からは焦りの感情が見えて。
「祭りを楽しんでいる最中に申し訳ないが……厄介な出来事が各地で勃発している。
力を貸してほしい」
「……と言うと？ また妖怪でも現れたの？」
「近い。大別すれば妖怪の一種なのだろうが……」
コレットの言に、晴明は少し言葉を濁して。
「『肉腫』――と呼ばれる妖怪の種族を知っているだろうか？ 仔細はまた後で話すが……奴らはこの世の病気の様なモノだと、帝も話していた、が。奴らが各地に発生して、民に危害を加えている」
「――それはまずいね。今騒ぎが波及したら、夏祭りそのものが……」
中止になるかもしれないとソロアは懸念を。
肉腫。アークモンスターの一種であり、ガイアキャンサーとも呼称される魔物である。
奴らは――この世で生まれたこの世の異物。
「滅びのアークがあったが故に生まれた特異点」
イレギュラーズ達がいた故に精霊種や秘宝種に特異な運命が生じた様に。
魔手が――滅びのアークが蓄積したが故にこそ生まれたこの世の悪意共。
顔を見合わせ晴明と共にイレギュラーズ達は歩みを進める。
――夏祭りを、決して終わりになどさせない。
今日は平穏であったとする為の戦いが、始まろうとしていた。
※ネオフロンティア＆カムイグラ合同サマーフェスティバル2020開催中です！
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※豊穣全体依頼『禍ツ星』が開始されました！！！
※妖精郷アルヴィオン『エウィンの町』での攻防戦は、イレギュラーズが勝利しました！
※妖精女王の救出に成功しました！ 敵軍は撤退していきます！
※エルシア・クレンオータ(p3p008209)さんが消息不明となりました……。
※シナリオ関連クエスト『迷宮踏破ヘイムダル・リオン』はそろそろ終了予定です。
これまでの妖精郷アルヴィオン
※カムイグラ：新種族『ゼノポルタ』が追加されました！
※カムイグラ：期間限定クエスト『神威神楽・妖討滅』は終了しました！ 名声報酬が以下の条件で付与されました！
・クエスト回数1以上：豊穣名声10
・クエスト回数10以上：豊穣名声20
・クエスト回数上位10～7位：豊穣名声30
・クエスト回数上位3～1位：豊穣名声40