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イラスト詳細

ヴァイオレット・ホロウウォーカーのぺいゆによる4人ピンナップクリスマス2020(横)

作者 ぺいゆ
人物 ヴァイオレット・ホロウウォーカー
夢見 ルル家
九重 竜胆
アレクシア・アトリー・アバークロンビー
イラスト種別 4人ピンナップクリスマス2020(サイズアップ)
納品日 2020年12月24日

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イラストSS

●Then heigh ho,the holly,This life is most jolly.

 ――帰れなくなっても良いかなと思ってはいたけれど。自分もそうなら、周りも大概『お人好し』なのだなあ、と云うのが正直な感想で。其れで『友達』ってのは如何してこうも、悪くない。
「其れでは皆様、グラスをお手に。輝かんばかりの此の夜と――……そして、ルルさんの帰還を祝して」
「「「「乾杯!」」」」
 腕を目一杯伸ばして掲げた4つのグラスが惹き付けられる様に合わさり、カチン、と小気味良い音を鳴らして、テーブルに所狭しと並べられたサラダにオードブル、パイシチューに着飾ったビュッシュ・ド・ノエル迄――さあ何れから手を付けようかだなんて、気心知れた同性の集まりともなれば少し許り行儀が悪くても許されると云うもの。
「いやはや、此度は拙者の為に有難う御座います!」
 辛味スパイスの利いた骨付き腿肉に豪快に齧り付いてルル家が照れ臭そうにはにかんで、少しまごついて――そして、『ただいまです』と頭を下げた。
「お互い無事で何より、って所かな。私も皆には随分迷惑を掛けちゃったし」
 共に捕らえられ、一度は道を違えた様にも見えたアレクシアが頬を掻いて、あの時は如何なるか判らず不安だったと振り返る。
「まあ、こうして集まれる事に感謝よ。ふたりも、ヴァイオレットも余り心配を掛けさせてくれないでね?」
「……肝に銘じておきます。其れでルルさん、重大発表があるって云ってませんでした?」
 竜胆の云う『心配』に己も其の勘定に入って居る事に驚いた様にごく僅か、普段より眸を見開き――其れが悟られない様に、手元の葡萄ジュースに口付けて前髪越しに話題をスライドさせれば、待ってましたとルル家が胸を張った。
「ええ、ええ、良くぞ訊いてくれました! ――拙者、本気の恋なんてしちゃったりしてましてねえ!」
「何回目の本気なのかしら」
「今回ばかりはガチですぞ、竜胆殿!!!」
「え、えっ、やっぱりもしかしなくてもお相手は彼の子、だよね?」
「ふっふーん、アレクシア殿、ザッツライト!!!」
 こんな会話で盛り上がれるのも、『女の子』ならでは。フェイスヴェールの下、ヴァイオレットの形の良い脣が意地悪気に歪んで。
「では、占ってみます? ……――特別に、タダで構いませんよ」
「マジですか! 拙者、占いは良い結果だけ信じる派ですが!」

 路地裏カプリチオ、本日終日貸切につき。其の宴は夜遅くまで続いたと云う――。




 *SS担当者:しらね葵NM

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