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イラスト詳細

新道 風牙のぺいゆによる3人ピンナップクリスマス2020(横)

作者 ぺいゆ
人物 新道 風牙
アカツキ・アマギ
リンディス=クァドラータ
イラスト種別 3人ピンナップクリスマス2020(サイズアップ)
納品日 2020年12月24日

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イラストSS

 アカツキ(p3p008034)と風牙(p3p005012)は、リンディス(p3p007979)に自宅へ招かれた。シャイネンナハトの日に、友人3人で誰かの家に集まって、パーティーとプレゼント交換をしようと云う事になったのだ。この場合、アカツキは親戚の家に居候、風牙は師匠と野営地でのキャンプ暮らしなので、必然的にと云うべきか、誰にも気兼ねなく思いきり楽しむならと、彼女達はリンディスのギルドハウスに集まった。

 そこは小さな図書館と云えるくらい、リンディスが集めた本がたくさんある家だ。その家の談話室でパーティーは行われた。ミニスカサンタ姿のアカツキ、男装サンタ姿の風牙、赤いストールにサンタ帽子を着たリンディスは、テーブルを囲んで座り、料理と飲み物を楽しみながら話に花を咲かせた。咲いた花に思わず時間も忘れかけるほど。宴もたけなわ。
 アカツキがグリューワインの酒精に火勢を得て、口火を切った。
「のう、良いではないか。良い時間じゃ。妾は、汝らとプレゼント交換を行いたい。妾は汝らとの約束通り、これはと見込んだ良き品物を選んで持って参ったぞ! ――さあ、汝ら、この炎の魔女からのプレゼントを、その目にしかと焼き付けて、受け取るが良い!」
 テーブルの上に箱が置かれた。アカツキが八重歯がチャーミングな笑顔をして、ちょっぴり煽る。そして箱の中からリボンを3つ取り出した。
「妾からは、3人お揃いの柄のリボンじゃ。妾にとってリンちゃんは初めての友達、風ちゃんは炎の誓いをした仲じゃ。これからも末永く、仲良うしておくれ」
 にかっと笑った風牙がプレゼントを受け取って応える。
「応! こっちこそ、改めて宜しくな! 良いもん選んでくれて、有難うな!」
 リンディスがアカツキに向き直って手を握る。
「勿論です。アカツキさん。私からは、アカツキさんと風ちゃんに、特別なご本をご用意しました!」
 彼女が待っていて下さい、と云って取り出した本は、とても分厚くて大きかった。装丁もごつくて文字が細かく、絵が少ない。
風牙は受け取った本のページをぱらぱらとめくって目まいをさせる。
「はは、こりゃ、凄えな。読み応えが有りそうだ……」
 逆にアカツキは楽しそうに文字を追って、嬉しそうに本を閉じた。
「本は読み応えがあるの、楽しいですよね?」
「ああ、そうじゃのう。帰ってから、ゆっくり楽しませて貰うことにする」
 リンディスが瞬きをして、花が綻ぶように微笑んだ。
「ええ、きっとアカツキさんなら、気に入る内容だと思います。感想、お待ちしています!」
「ならば、尚更の事、じっくりと味わって読ませて貰うとしようかのう」
「はい!」
 本をしまった風牙が、気を取り直して自分のプレゼントを取り出した。
「それじゃあ次は、オレだな」
 それは彫刻が入った木刀だった。アカツキとリンディスが揃って、きょとりと目をぱちくりさせた。
「風ちゃん、何故、木刀を選んだのじゃ?」 
「私もアカツキさんも、木刀を使うような戦闘スタイルをしていませんよ?」
「普段でも、使わんのう」
「ええ、残念ながら」
 風牙は木刀に手を添わせて表情を曇らせる。
「オレはこの木刀を『超かっこよくて渋い木刀』だと思った! だから贈るんだ。オレが贈るのは志! オレはこれからもアカツキ、リンディスとともに――」
「木刀はその証と言う訳じゃな」
 風牙は頷く。
「まったく、ほんに良いプレゼントじゃ!」
「この木刀は私が預かりましょう。今日の記念に」
「頼めるかのう?」
「ええ、この家のどこかにでも、飾っておきます。せっかくの、風ちゃんからの贈り物ですから!」
 風牙の顔に安堵の笑顔が浮かんだ。その笑顔は次第に満面の笑顔に変わる。風牙は友達に優しい目を向けて、ぽつりと呟いた。
「ああ、守りたいな」
 その声は、音にならずに、密かに――。



 *SS担当者:神寺 柚子陽NM

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