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映像詳細

アベルのK.Tによる5人ピンナップクリスマス2019(横)

作者 K.T
人物 アベル
リチャード・F・ロウ
ゴリョウ・クートン
アーリア・スピリッツ
加賀・栄龍
イラスト種別 5人ピンナップクリスマス2019(横)(サイズアップ)

9 

イラストSS

今夜はシャイネンナハト。今日は俺の誕生日。
今日、俺は二十歳になった。そして今日、俺は――を捨てた。
みんなに祝福されながら。

「ガーハッハッハ! いや、めでたい。めでたい! おめでとうだ!」
 早くも鼻を赤くしたゴリョウ・クートンの笑い声が、シックなBARに響く。ゴリョウはばしっとアベルの肩をたたいた。
「ここはみんなのおごりだ。遠慮せず、ぐいぐいいけ!」
手本をみせてやろう、と泡をこぼすジョッキをぐいっと傾ける。
「アベル、誕生日おめでとう」
 着なれていない洋装が窮屈になったか、加賀・栄龍は御銚子をテーブルに置いて、ネクタイを緩める。
「ゴリョウはああいうが、まあ、最初は味をみるつもりでちびちび飲んだほうがいいだろうな。自分の限界もわからないだろうし」
「ハッピーバースディ、アベルさん」
リチャード・F・ロウは優しい味わいのアイリッシュのウイスキーをほんの僅か、静かに口に含んだ。
「シングルモルト、ブレンデッド、ヴィンテージ、ヴァッテッド、グレーン、ボトラーズ。どのウイスキーが美味いのか……今宵、あなたを美酒の迷宮にご案内いたしましょう」
ウイスキーの数だけの生き様がある。そしてBARには夜の数だけの出会いがある。人生の先輩は微笑みを浮かべて呟いた。
右の頬あたりに視線を感じた。
目線を向けるよりも先に、甘い匂いが鼻先でふわりと香る。
「うふふ……、アベルも今日から大人の仲間入りね」
 アーリア・スピリッツがカクテルグラスを掲げ持つ。髪はラベンダー色に染まっていた。飲んでいるのは、ラベンダーシロップを入れたブルームーンだ。
BARのマスター曰く、通常のブルームーンと比べると、より華やかで柔らかな仕上がりになっているそうだ。
 俺はグラスを手に持った。
人生初めてオーダーしたカクテルの名は『アラウンド・ザ・ワールド』。
とある世界の飛行機という乗りものが世界一周を初めて行う際に、開催されたカクテルコンクールで優勝したのがこのカクテルらしい。
エピソードを聞いて、晴れの門出を祝うのにふさわしい飲み物だと思ったから頼んだ。
「みなさん、本日は俺のために祝いの席を設けていただき、ありがとうございます」
「それじゃあ、あらためて!」

 ――おめでとう!!!!

 ゴリョウの合図で、みんな同時に杯をあげる。
やわらかな光に包まれた空間の中、アベルは気心知れた仲間たちと笑いながら酒を飲み、優しい時間を過ごした。

フローエ・シャイネン・ナハト。
忘れられない夜をありがとう。

※担当『そうすけ』

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