ギルドスレッド
桃紅柳緑
(唐紅の亭の下。
人がいないのをいいことに、繋げた長椅子を占領している人物が一人。
剣客然とした出で立ちのその青年は、《与儀坊》と刺繍された——とある世界では人をダメにするソファと評判の——人間を丸々包み込める巨大なクッションに体を預け、寝息を立てていた。
何かの本を読んでいたのか、開いたままのそれを顔の上に乗せ。
ふわふわとした毛並みの小猿が、青年の傍らに潜り込み、同じく心地良さそうな寝息を立てていた。)
人がいないのをいいことに、繋げた長椅子を占領している人物が一人。
剣客然とした出で立ちのその青年は、《与儀坊》と刺繍された——とある世界では人をダメにするソファと評判の——人間を丸々包み込める巨大なクッションに体を預け、寝息を立てていた。
何かの本を読んでいたのか、開いたままのそれを顔の上に乗せ。
ふわふわとした毛並みの小猿が、青年の傍らに潜り込み、同じく心地良さそうな寝息を立てていた。)
(常春の陽気に誘われてやって来たのか、庭園に足を踏み入れる人影がひとつ。
桃の花の香りに頬を緩ませ、柳の葉がさらさらと揺れる様を眺めつつ。とりあえず落ち着けそうな所に、と考えたらしく、唐紅の亭へと歩を進める。
亭に辿り着くと、青年と小猿が寝ている姿があることに気付き、おや、と小さく呟いた)
なんだか気持ちよさそうに寝ているねえ。
暖かい日差しに、穏やかな風。
うふふ、そうだね。こんなに心地よかったら眠くなってしまうよね。
(二人の様子を見てそう独りごちると、起こさないようにと思ったのか、池の方に赴き、動物たちが過ごす様子をのんびりと眺め始めた)
桃の花の香りに頬を緩ませ、柳の葉がさらさらと揺れる様を眺めつつ。とりあえず落ち着けそうな所に、と考えたらしく、唐紅の亭へと歩を進める。
亭に辿り着くと、青年と小猿が寝ている姿があることに気付き、おや、と小さく呟いた)
なんだか気持ちよさそうに寝ているねえ。
暖かい日差しに、穏やかな風。
うふふ、そうだね。こんなに心地よかったら眠くなってしまうよね。
(二人の様子を見てそう独りごちると、起こさないようにと思ったのか、池の方に赴き、動物たちが過ごす様子をのんびりと眺め始めた)
(さわさわとした柔らかな風が通り抜け、陽の光で照らし出された柳の影が少し傾いた頃。なにやら、青年がもごもごと寝言を言い始める。
何事かを呻いたり片手を中空でかいたり、ひとしきり蠢いて、)
あ~~!!俺の小龍包~~!!
(一際大きな声で叫び、体勢を崩したせいで長椅子が傾き派手な音を立てて転がり出される。
傍らにいた子猿も飛び起きかけた所を放り出され、「キュウ~~!」という鳴き声を上げながらコロコロと池のほとりへ転がっていく。)
いってえ……尻割れたかと思った……。
(ゆるゆると上体を起こし、ぶつけたらしい腰回りをさすっている。)
何事かを呻いたり片手を中空でかいたり、ひとしきり蠢いて、)
あ~~!!俺の小龍包~~!!
(一際大きな声で叫び、体勢を崩したせいで長椅子が傾き派手な音を立てて転がり出される。
傍らにいた子猿も飛び起きかけた所を放り出され、「キュウ~~!」という鳴き声を上げながらコロコロと池のほとりへ転がっていく。)
いってえ……尻割れたかと思った……。
(ゆるゆると上体を起こし、ぶつけたらしい腰回りをさすっている。)
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池の中心に位置する紅の亭には無数の絹提灯が吊るされ、金の房飾りが回遊魚のように緩やかに風に吹かれている。
亭を囲む池にはお腹を空かせているらしい鯉達と、のんびりマイペースに日向ぼっこをする亀達、水浴びを楽しむ小鳥達など、動物の憩いの場ともなっているらしい。
いくつか置かれた木製の長椅子には、種々様々な綿織物のクッションが置かれ、昼寝にもうってつけだ。
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