PandoraPartyProject

ギルドスレッド

待ち惚けの館

【個別RP】たまの休日には

偶然二人、休日だった。
偶然二人、私用もなかった。
或いは、偶然ではなく狙っていたのかもしれないが……。

兎にも角にも、何もない一日を自分のために欲しいとお願いしたのはアルヴァだし、偶にはと付いていったのは愛奈である。
向かう足は幻想国家中心部。そして、少し特別な日。

【時期】
少々肌寒くなってきた10月の上旬

【幻想国家】
収穫祭、オクトーバーフェスト。
ソーセージやハンバーガー等の出店があり、それを肴にワインとビールを飲み歩くことができる大きなお祭り。

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あら。自己責任の範疇に収まるなら私は別に止めませんが。
未知のいわば毒物を口に入れて無事でいられる自信がおありで?

あとはまあ、ビールの方が比較的アルコール分が少ないというのもあります。
こういうお祭りでほろ酔いするならそちらの方がいいでしょう。
――何かがっつり食べます?
「流石に1杯で潰れるなんて事にはならんだろ」
 それに、イザとなれば自己治癒で解毒できる、と。
 そうは言ったものの、本気ではないらしく、愛奈の飲んでいるワインにもあまり興味を示さない。

「向こうの方で七面鳥の燻製を出してる店があるらしい。行ってもいいか?」
どうでしょうね……一口で酩酊状態になる方もいますし……
まあ、適度に楽しむものですよこういうのは。

ええ、構いませんよ。行きましょうか。
「つっても、犬はマタタビじゃ酔えないからな」
 酔う手段は酒くらいだと言いたいらしい。

「よしきた。そういや、愛奈は嫌いな食い物とかあるのか?」
 軽い足取りで屋台の方まで向かうと、その最後尾に並ぶ。
 アルヴァは基本的に肉類全般が好きだ。野菜を食べることもあるが、犬という肉食の種により、狩りもするし干し肉を常に携帯するくらいに肉を食べる。
お酒はまあ……一種の麻薬のようなものです。
身を亡ぼす人だっている。適度に付き合うのが一番ですよ。
(言って、ワインをひと呷り)

私の嫌いな食べ物ですか…?
どうでしょう。割と何でも…食事の好き嫌いについては祖父が厳しかったので。
普段習慣的に食べないモノは判りませんが……
「前の世界にはあったのにこっちには無い食い物もあるのか?」
 少し列が前に進む。
 純粋に、愛奈が前に居た世界について気になるらしい。

「っと、七面鳥の燻製。クォーターを二つと……ビールを一つ?」
 注文。愛奈を見てビールでいいかと首をかしげた。
(ふふ)探せばありそうです。練達なんかは流石に見知ったものが多いですが。
覇竜地域とか凄そうですね。そもそも見たことない生物も居ますし。

ええ、ビールで。
――そういえば七面鳥もあんまり馴染みはないですね。鶏肉ならよく頂きますけども。
「あそこはとりあえず何でも食うからな。魔物の肉とか」
 じゃあビール1つでと、注文を言い直し、受け渡しの場所で待つ。
 程なくして七面鳥の足を燻製肉にしたものと、ビールの入った大きめのカップが運ばれる。

「む、少し大きいな。向こうで座って食うか?」
 少なくとも、アルヴァ一人では燻製足一つ持てば手が塞がってしまう。
 食べ歩きには不便だと思ったらしく、近くにある木製のイートスペースを見て、また愛奈を見る。
逞しいというかワイルドというか。
ただまあそういう土壌だからこそあちらの方は生きていけるんだろうなとも思いますね。

あらこれは……
ええ、そうしましょうか。これはゆっくり頂きましょう。
(残りの商品を受け取って、テーブルに向かう)
「そもそも文明が発達してないんだろ、ありゃあ」
 細目になって、七面鳥の足にかぶりつきながら言う。

「仕事に行く分にゃ構わんが、あっちに住みたいとは思わん」
 てってこ歩いていき、スペースを軽く確保して。
 疲れた訳ではないだろうが、ふんぞり返るようにドサッと寛ぐ構え。
まあそれはそうでしょう。交易もなかったわけですしね……
私も開拓者ではありませんから、住むのは大変そうですが……まあ、今ではイレギュラーズにも領地解放されましたしね。
整えば快適なのかもしれません。
(ひとかけお肉を頂きながらビールをひとくち)
「俺は住むなら豊穣のがいい」
 肉を頬張り、もぐもぐしながら一言。

「あそこは空気が綺麗だし、温泉があるし、静かなのがいい」
 頬張っていた肉を飲み込んで、愛奈を眺めながらいう。
 前にも一緒に豊穣へ内見にいった愛奈ならわかっているかもしれないが、豊穣に拠点が欲しいのは本気らしい。それも、航空猟兵としての拠点ではないらしいが。
ああ。豊穣はいいですね。
穏やかな空気が流れていそうなのは良く判ります。
……最も、ハレの日はどうだかわかりませんけどね。今日のこのお祭りみたいに。

そういえば内見したあの家はどうするんです?
買うんですか?
「あの家、は愛奈はどう思う?」
 優柔不断なのか知らないが、何故か愛奈に感想を求める。
 それも、ちょっと目が逸れてぎこちなく、少し聞き難そうで。

「俺はいい感じの雰囲気と思ったんだが、愛奈の感想も聞いてみたくてな」
 そう言って、また肉を頬張って静かになり。
…?

まあいいところだと思います。
景色もいいですし、日々の暮らしもあそこは困らないでしょう。
少々寝室が広めかと思いましたが……それぐらいの贅沢もまあよしかと。

(ビールをひとあおり)
「…………」
 愛奈の言葉を聞いて、明らかに少しそわついた。
 三度、齧り付こうとした七面鳥の足は既に骨だけになっており。

「そうか。それなら――、いや、ちょっと待て、違う、まだ気が早い」
 赤くなりながら慌ただしい独り言をつべこべ言っている。
??
骨も食べるんですか?

まあ強いて不便を上げるとするなら、例えば幻想の品物を手に入れないといけないとかになったときですかね。
向こうにとっての舶来品は手に入れるのが大変でしょうし。

(一本吸っても?)
「その時は空中神殿のテレポート機能を使わせてもらえばいい」
 各国のローレット支部に設置されているテレポート装置。
 イレギュラーズしか使うことができず、情報屋のユリーカですら通ることができないが、自分たちであれば例え私用だろうと使うことができる、と早口で。

「第一、使えんでも俺がひとっ飛びすれば――、ん、ぁ? ああ、良いぜ?」
 垂れ耳がぱたりと動いたのは、取り出しただけの煙草の臭いを嗅ぎ取ったからか。
 少し深呼吸をして赤くなった顔を戻しながら、お構いなくというジェスチャーをする。
(失礼。煙草に火をつけ)
あのテレポートは……どうなんでしょうね。完全私用で使わせてくれるのか…
こっちの家具使いたいとかになると運搬も考えないとですね。
――そういう意味では最初の引っ越しから大変そうです。もしあの家買うならお手伝いしますね。
「前に豊穣に旅行行った時使わせてもらえたし、問題ないと――」
 言い掛けた所で愛奈に手伝うと言われ、少し静かになり。

「……いやいやいや、大丈夫だ。家を用意するのはの仕事だろ」
 また顔がかっかと赤くなる。傍から見れば甚く忙しい人間だ。
 それはそれとして、さっきからずっと、大きな尻尾がブンブン左右に振れている。
…?どうしたんですかさっきから。間違えてお酒飲みました?

シンプルに荷物が多かったりしたらどうするんです?
搬入に運搬手段の手配に……豊穣ならまず間違いなく船便でしょうし。
(ふう、と煙を吐いて)
「…………」
 深呼吸して落ち着こうとするも、顔は赤いまま。
 もしかしたら本当にお酒を飲んだのかもしれないと、勘違いさせてしまいそうな程。

「要らないもんは捨てて現地調達すりゃいい。それでも荷物が多くなったなら、馬車でも引くさ」
(もう一度煙を吸い込んで)
体調がすぐれないなら今日は帰りますか?(ふむ)

まあ、最終的にはそうなりそうですね。
実際に引っ越すとなると荷物の取捨選択が大変そうです。
「いや……別に、体調が悪いんじゃない」
 赤くなりながらも冷静に、首を横に振りながら体調は悪くないアピール。
 言いたいことをなかなか言えず、ぐむむと唸り声を上げてはいるけど。

「まあ、あそこはガラクタも多いし、建物自体を取り壊すわけじゃないから置いたままでも問題なかろう。つか、あそこ消えたら航空猟兵の拠点も消えるし……」
 喋りすぎて口が乾いたのか、何か飲み物を探して周りをきょろきょろ見ている。
(すみません、と店員を呼び)
まあそれならいいんですが。お冷でも頼みなさいな。
何かこう前掛かりになってません今日?

あっちはあっちで使うでしょうしね。
――取り壊すつもりがもしあるなら早めに言ってくださいね。蔵書は避難させますから…
「いや…………」
 否定しようとして、否定できなくて。
 運ばれてきた水をグビグビと飲んで、ぷは……と息を吐いて。

「あそこは北部戦線に近いし、本当に危なくなったら壊すこともあるかもな」
 とはいえ、そうなる可能性は低いだろうと前置きを添える。
 横に振れていた尻尾は疲れたのか、いつの間にくったりしな垂れて地面に付いており。

「……なぁ。もしもの話――あー、いや、違う。そうじゃなくて、ええと」
 何か言いたそうに言葉を繋ぐも、言葉選びに迷っているのかしどろもどろになりながら目が泳いでいる。
(煙草をもうひとくち。そろそろ短くなってきた)
ああ。緩衝地帯でしたっけね…もしもの時が少しでもあるなら備えておくべきですね。
(ふむ)


なんです?何かありました?(首傾げ)
「…………」
 少し上がっていた息を深呼吸して、何とか話せるレベルまで整えて。

「愛奈。あの家、買ったら一緒に住まないか?」
 泳いでいた視線は、いつの間に愛奈の目を見ていて。
 単刀直入に、回りくどいことは無く、伝えたいことだけを端的に言った。
……んん?
(持っていた煙草を消して、もう一本付けて)

あの家個人宅なのでは?兵舎にするつもりはないのでしょう?
(いまいち飲み込めていない様子だ)
「…………」
 必死に言葉を選んでいる。
 今まであくまで仕事に真面目だった彼は、こういう時、すぐに適切な言葉を選べない。

「俺は――。俺は、残りの生を、愛奈と一緒に生きたい……」
 好きとか、愛してるとか、そういう言葉で済ませるのは狡いと思った。
 好きと伝えることを躊躇ったわけでもなければ、今更恥ずかしいなんてわけでもなく、只純粋に、自分なりに言葉を紡いだつもりだった。その心算だったのだが、ある思いから肩を竦めて、尻尾は力なく地面に垂れていた。
 愛奈から目は逸らさないものの、手に持ったカップに入った水が、小刻みに震えている。
――ふむ。
(ふう、と煙を吐いて)
つまり恋人関係になって同棲したい、ということですね。

ううん…そう来ましたか…
寝室にしろなんにしろ独りで暮らすにはちょっと手広かとは思っていたんですが、そう来るとは思ってませんでした。
ふうむ……
(考え込んでいる)
「…………」
 思えば、愛奈にとっては突拍子もない話だったかと思い、目線が少し下がる。
 自分なりに、気付いてもらおうと行動はしていたつもりだった。けれど、何だかんだ言って肝心な時になあなあにしていたし、伝えたいことを伝えれていなかった自覚があったのだ。

「…………」
 情けないなと、自分でも思う。
 もう少し、下地を作るべきだったとも思う。
 言ってからそう思っては手遅れにも近いが、時間をかけてそれができていたかと考えれば、それは否である。
(ふう、ともう一口煙を吐く。ビールの泡は無くなっている)

ああ。
嫌というわけではありません。それはそれで……まあ、嬉しくあることではありますから。

ただ、そういう話はお互い素面の時にやるものだと思いますよ、アルヴァさん。
ついでに言うと……煙草を呑んでる時よりはちゃんと向かい合った時の方が良い気もしますね。
「…………」
 そう言われて、少し失敗してしまったと、しょんぼりした表情になる。
 そして、この後どうやって言葉を紡ぐべきかも、分からなくなってしまった。

「すまない。少し、いていた、と思う」
 焦りの理由は色々あるが、それを言うのは只の言い訳になってしまう。
 どうするべきか考える余裕もなく、そう言ってから暫く黙ってしまった。
(ふふ、とかすかに微笑んで)
ええ、なんせ私吞んでますからね。
――なので、この話、いったん保留にしませんか?
お互い素面で、煙草もなくて……そんな時に、また、聞かせてくれませんか?
「ん……うん……」
 気持ちを伝えられただけ進歩だ。そう思うことにしよう。
 考えてみれば、以前、愛奈と宿に泊まった時も彼女は酔っていた。あれはあれで好きだったが、あの状態の愛奈に気持ちを伝えても本心で応えが返ってくるとは限らない。

「……その機会を、くれるか?」
 手はもう震えていないが、言葉はぎこちなく。
(穏やかに。微笑んで。)
ええ。機会は作りましょう。
お祭りの…ハレの日にこういう話はありがちですが…少なくともこう「ザ・酔いどれたちの集い」みたいな日よりは他の日が良さそうかな……

(煙草を消して)
さ。折角出てきたんですし。
もう一品貰いましょうか。店員さん、ボイルドソーセージとビールのおかわり。
後は…アルヴァさんは何飲みます?
「ん……」
 顔をぐしぐしして、何とかいつもの表情に戻して、こくりと頷いた。

「流石に、アルコール入ってるのは不味いよな……」
 振られた訳ではないのは分かっているが、こういう時、ヤケ気味になるのは悪い癖だと思う。
 そうは思うも、飲んで潰れれば楽になれるかな、などと頭の中で。

「……大麦水を」
 ぐっ、と我慢した。
 もし愛奈が酔い潰れたとして、傍らの自分が無力になってどうするか。
 今は酔って可愛くなった愛奈を眺めて満足するとしよう。
ええ。アルコールは将来に取っときなさいな。
大麦水ってどんなのでしょう…(ふむ、と。興味津々)

……何か変なこと考えてないです?(じ。)
「変なこと考えてるなら迷わず酒を頼む気がするが」
 そんなことはないと、ポーカーフェイスを利かせながら言って。

「珈琲みたいなやつだが、珈琲ほど複雑な味はしていない」
 そう言いつつ運ばれてきた大麦水に口を付けて、一口飲む。

「つっても、俺は珈琲の方が好きだが」
もし今お酒頼んだら取り上げますからね(くすくす)

ふむ。苦味が強いんでしょうか……
珈琲のようなもの……今度、お酒が入ってないときに試してみましょう…(ふうむ)
「多分、練達にある麦茶ってのとあんまり変わらないと思うぜ?」
 逆に麦茶を飲んだことないので、少し舐めてみるか? と木製グラスをつつく。

「本来ならここに砂糖とかハーブを入れるらしい。俺はプレーンが好きだが」
 基本、彼は調味料をあまり好まない。種族的な癖もあるかもしれないが、狩りに出た後は妙に血生臭い摘まみ食いしたときもあるくらいには……。
(すごく得心した顔)
なるほど麦茶。お茶の葉じゃなくて麦なんですねえ……
嗜好品として茶葉はやっぱりこの世界でもそれなりにするのかな…

なるほど。
それこそ珈琲やら紅茶やらと同じですね。(納得)
「豊穣に行けば、茶畑くらいあるんじゃないか?」
 言った後で、少ししまったという表情をするが、気にしない。

「まあ、酒と同じで嗜好品だな。珈琲はそれなりに値が張るが、茶はあんまりわからん」
ですねえ……茶どころもあるでしょうし。取り寄せてもいいですね。
私もどっちかと言うと珈琲の方が好みではありますが。

……まあいずれにせよ。こういう嗜好品は大事です。
リラックスタイムには欠かせませんね…
「とはいえ、少なくとも肉と珈琲は合わん。こういう時は麦の方が良い」
 そう返して、近くの売り子からポテトと唐揚げを強奪する。
 困った様子で抗議しようとする売り子に、少し多めに払ってその口を黙らせて。

「それに、俺がアレを好むのは空腹が若干紛れる所もあるからな。便所が近くなるのは考え物だが、便利でいい」
 ポテトを口いっぱいに頬張ってもさもさしながら、若干饒舌さが増す。
 飲み込んでから喋れ。
(すみません、と店員さんに丁寧に謝って)
……感心しませんよ横暴すぎるのは(じ。)

まあ確かに合う合わないはありますね。
今日は私も珈琲よりはビールの気分です。
……飲み込んでから喋りなさいな。
「……んぐ、ん」
 軽く胸辺りをポンポン叩いて、喉につかえたものを落として。

「俺も愛奈と飲める日がくんのかな……」
 若干、遠い目をしながら、子を持った親みたいなことをいう。
 横暴した件については、ちょっと笑って誤魔化した。
お利口さんにしてたらいずれ来るんじゃないですかね?
(くすと笑いながらビールを呷った)
「おりこうさん」
 そもそも義賊やってる時点でアウトでは?と訝しむあるば。
 とりあえず、唐揚げをまた口いっぱいに頬張った。

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