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人でなし連合『HNR』

水切り豆腐カレー物語

 "豆腐を水を切ってソテーしたものにカレールーをかける"『水切り豆腐カレー』を食すべく、カレー馬鹿の【鮫島 寿彰】は豆腐を捕獲しに、生きている天然の豆腐が生息するという『島腐(とうふ)』へと旅立った……
 島腐には数多の豆腐達が自由気ままに暮らしており、島全体がまるで豆腐料理のようだ。普通の麻婆豆腐より100倍もの豆腐が入っている麻婆豆腐の湖『麻婆湖』、水が滴り、まるで取り立ての葉物野菜のように瑞々しいく、夏でも涼しく寝れる冷奴の布団『冷や冷やっこ布団』、頂上からトロトロの餡掛けが湧き出で、豆腐の山を包み込んでいる豆腐あんかけの山『あんかけ豆腐マウンテン』等、そこはまるで豆腐パラダイスであった

 世はカレー時代ーー

 カレーをどう食べるか、どれだけ美味しいカレーを食べられるか、カレーを極めし者は世界を極めると言われている。人々はカレーに合う食材を求め、探求する時代

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●麻婆湖
「ここが伝説の豆腐島『島腐(とうふ)』でありますか……はぁあ、それにしてもこの見渡す限りの豆腐。圧巻でありますな! さて、早速『水切り豆腐カレー』になる豆腐を探すでありますよ!」
 鮫島は背負っている大きなリュックをよいしょと背負いなおし、奥へと足を進めるのであった
「そういえば麻婆カレーなるものもあるそうですよ鮫島殿!」
 異様に多くの割合の豆腐が占めている麻婆豆腐の湖『麻婆湖』を見つけて、鮫島の斜め後ろを歩いていた日車 迅が二カっと八重歯を見せて笑った
「麻婆カレー……で、ありますか? 食べたことないでありますね」
「だったら、よいしょっと」
 迅は湖の傍までひょいっと降りていき、腰にぶら下げていた魔法瓶に麻婆豆腐を汲みいれた。麻婆湖はぐつぐつとよく煮えておりとても熱そうだ
「これでよしっと」
 魔法瓶の蓋を固く閉め、迅は鮫島の元に戻ってきた
「これを持ち帰って、後で美味しい麻婆カレーを食べましょう!」
「おぉ! それはとっても良いでありますね!」
 二人はわっはっはと豪快に笑い合い、また歩きだした

 これからどんな冒険が待ち受けているのか……彼らには知る術はない
●巨大豆
 麻婆湖を後にした二人は巨大な大豆の茎を見上げていた。もうすっかり枯れて亜麻色に染まった茎は、風になびいてさわさわと音を立てている。……というかグラグラしてて今にも倒れそうだ
「これは、巨大大豆の茎『巨大豆』でありますね。捕獲レベルは10と低めではありますが、こちらに倒れてくると危険であります」
「巨大豆……そのままですね。それでは鮫島殿、早く進みましょう!」
 二人は今にも倒れそうな巨大豆の横をなるべく振動を立てないように進む。……その時びゅうと大きな風が吹き荒れた
「「あーーーぶない!」」
その強風に煽られ、巨大豆がミシミシという音を立てて倒れ始める
「ヤバい、早く逃げるであります!」
「はぃい!」
 だが、二人が逃げ延びるよりも早く巨大豆の茎は倒れそうだ。もう無理だと目を瞑り諦める二人。目を瞑る前に何か黒くも輝いている影が二人の目に映った
 ドォン
 巨大豆は大きな音と共に地面に叩きつけられた。二人は無事か!? 読者誰もが心配している……はず
「ふふふ、二人とも危ないところだったね」
 金色の髪を靡かせながらクリスティアン=リクセト=エードルンドは爽やかな笑みを浮かべた
「おやおや、これでは折角の衣装が台無しじゃないか! ……まぁ仕方ない」
 どうやらクリスティアンは倒れる前に茎を見事一刀両断し二人の危機を救ったのだった
「おぉ!!! 凄いでありますね!」
「おかげで助かりました!! ありがとうございます」
「いいや、礼には及ばないさ。当然のことをしたまでだよ」
 クリスティアンは白い歯をきらりと光らせて二人に微笑んだ。ま、眩しい!
「さぁ、先を急ごうか。君達は水切り豆腐カレーに使う豆腐を探しているんだよね」
 首を傾げて尋ねるクリスティアンに、二人はコクコクと首を縦に振った
「じゃあ僕も共に行こう。いいかな?」
「も、勿論であります!! クリスティアン殿がいれば十人力……いや、百人力でありますからね!」
「よろしくお願いします!」
「こちらこそよろしく」
 こうして仲間が増えた。やったね。三人の豆腐探しはまだまだ続く……
●BIG SILK
「ここは……どこ?」
目を覚ますと辺り一面銀世界……ではなく豆腐世界であった。傍で一緒に流れ着いていたぬいぐるみを抱き寄せ、イーハトーヴ・アーケイディアンはヨロヨロと立ち上がった。どうやら乗っていた船が難破し見知らぬ島に流されてたようだ
「不幸中の幸い、なのかな」
 水が滴り落ちる大きな絹ごし豆腐たちを不思議そうに眺めながら、イーハトーヴはぽつりと呟いた。このまま無事帰れるのだろうか、自分はどうなってしまうのか。そんな漠然とした不安で胸がいっぱいになる
「ねぇ、無事に帰れるよね?」
 イーハトーヴはぬいぐるみを持ち上げ話しかけた
『大丈夫だよ。心配しないで』
 ぬいぐるみの声を聞いたイーハトーヴの気持ちは少し落ち着いた。大丈夫だ、きっと大丈夫。そう自分の胸に言い聞かせる
 ゴゴゴゴゴゴ
 その時、近くから物凄い大きな音が聞こえてきた
「え、何!?」
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
 音は益々大きくなって響いてくる。ぬいぐるみをしっかりと抱きしめ、イーハトーヴは辺りをキョロキョロ警戒する
「あ! あれは……!」
 イーハトーヴの視線の先にはなんと、二足歩行で立っている先程の絹ごし豆腐がぽたぽたと水を垂らせていた
「ど、どうしよう」
 恐怖で足が動かないイーハトーヴは恐怖からへなへなとその場に崩れ落ちてしまう
「あ! あれは捕獲レベル34の巨大な歩く絹ごし豆腐であります! その瑞々しさと新鮮さから歩く畑の王様とも呼ばれているであります! その名も『BIG SILK』!!!!」
「名前そのままじゃないかっ! でも、美容とか健康に良さそうだね」
「あ、あれが水切り豆腐カレーの豆腐ですか?」
 崩れ落ちるイーハトーヴの背後から三人の男の声が聞こえてくる
「いやぁ、どうでありましょう。食べてみないことには何とも」
「それじゃあ捕獲してみるとしようか」
「了解しました!」
 そして、声の主達である三人がイーハトーヴに笑いかけた
「大丈夫でありますか?」
「う、うん。大丈夫」
 鮫島の大きくゴツゴツした手に引っ張られ、イーハトーヴは立ち上がった。自然とさっきまでの恐怖はない
「俺も戦えるよ」
「そうかい? じゃあ共に戦おうではないか」
 四人はBIG SILKに姿勢を向ける
「それでは、世界中の全ての食材に感謝し、頂くであります!」

「「頂きます!」」

 BIG SILKとの戦いが今、幕を開けた
●決戦 BIG SILK
「うぉおおお!!!」
 鮫島は思いっきり腕を引き、拳に力を溜める
「ショットガンブロウ!!!!」
 そしてBIG SILKに渾身の一撃を打ち込む。するとBIG SILKは激しく波打つように体をくねらせた……かと思えば
 ぐしゃあぁああーーーー
 と、一瞬にして崩れ落ちた。辺りは崩れた豆腐で埋め尽くされてしまった
「「へ……?」」
 一同は、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をした
「レベル34ってかなり強いと思ってました」
「うーん、僕の美しい姿を見せられなくて残念だよ」
「え、えっと……案外簡単に倒せちゃったね」
 なんとなーく気まずい空気が流れたその時!
「わーーっはっは! 恐れる皆の衆! 我が来たからにはもう安心せい!」
 深紅のツインテールをばさばさと風になびかせ、そいつは現れた
「我こそは、魔王ホロウだ!!!」
 豪快に笑いながら武器をふるうホロウを見て、一同はより気まずい空気になった
「あれ!? もう大きい豆腐倒されてる?? 我のかっこいい登場と活躍は??!!」
 先程までの堂々とした態度から一変、ホロウは慌てた「もしかして、我登場するタイミングミスった??」
 赤面するホロウをフォローするべく、鮫島は立ち上がる
「ホロウ殿、カッコいい登場でありましたよ! 自分、感服するであります!! と、取り合えず、これで水切り豆腐カレーの試作品を作ってみるであります!!!」
「「賛成!!!」」
 この空気をなんとか打破すべく、一同は今回の目的である水切り豆腐カレーを作り始めるのであった
●調理 BIG SILK
 鮫島は崩れたBIG SILKを片手ですくってみる。すると、なんということでしょう……ぷるぷると手の中で揺れたBIG SILKが一瞬にして溶けて流れ落ちてしまったのだ
「こ……これは?」
 迅は目を丸くして鮫島のようにすくってみる。だがBIG SILKは三秒と経たず手から溶けて流れ落ちてしまう
 このままでは試作品どころか調理すらできない。一同が混乱していると、紺碧色の着物をひらひらと風になびかせながら一人の男が遠くの方からこちらに歩いてきていた
「捕獲レベル34のBIG SILK。そう簡単には調理できませんぜ?」
 にやりと口元を緩ませカンベエは頬を擦った
「そうか……BIG SILKは特殊調理食材なのか。ふむ、通りで手に持った瞬間溶けてしまうわけだ。僕としたことが、全然気が付かなかったよ!」
 きらりと白い歯を見せ、クリスティアンが呟いた
「とくしゅ……ちょうりしょくざいであるか? ……も、もちろん!我は既に気づいていたがな!」
 わーっはっはと高らかに笑うホロウを横目にカンベエが鮫島指さして言った
「BIG SILKを調理するためにはそう……真っ白な心が必要なのでごぜえますよ」
「真っ白な心……で、ありますか?」
 うーん、と一同は頭を抱える
「それは、頭を空っぽにて何も考えずに調理する。……ってことなのかな?」
 イーハトーヴの一言に、カンベエは深く頷いた
「そう、BIG SILKは面倒くさい性格故、何も考えす調理しなくては溶けて流れてしまう……皆さんもよくみたでごえましょう?」

「何も考えずに……調理……で、ありますね。やってみるであります!」
 そう強く意気込み鮫島は崩れているBIG SILKに向き直った

――――さて、彼らは無事BIG SILKを調理し、食べることができるのだろうか???つづく
●調理 特殊調理食材BIG SILK①
「やれやれ、やっと島腐に着いた。長旅であったな。何か美味いものを腹に入れたいものだ」
 ローブに身を包んだリュグナーは「なんか美味しい豆腐を持ってこい」というアバウトな依頼を遂行する為に島腐の奥へと向かっていた。その前に自分の昼食を探しているようだが

「あー! また失敗してしまったであります!」
「次こそは上手くいくよ、俺も彼も応援しているから」
「鮫島殿なら絶対成功できますよ!」

 とぼとぼと足を進めていると、遠くから騒がしい声が聞こえてくる

「次は我がやってやるぞ! さぁ包丁を貸すのだ!」
「あ、ちょっと待ちたまえホロウ氏、君さっき僕の特注で作らせ美しいの衣装を切ってしまったじゃないか!」
「では、わしがやってみましょう」

 ギャーギャーと賑やかな声につられ、リュグナーは声のする方に歩いていく

「上手いものが手に入れば儲けものであるが、さて……」

――――リュグナーは無事美味しいご飯を食べられるのか。さぁ
 

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