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人でなし連合『HNR』

水切り豆腐カレー物語

 "豆腐を水を切ってソテーしたものにカレールーをかける"『水切り豆腐カレー』を食すべく、カレー馬鹿の【鮫島 寿彰】は豆腐を捕獲しに、生きている天然の豆腐が生息するという『島腐(とうふ)』へと旅立った……
 島腐には数多の豆腐達が自由気ままに暮らしており、島全体がまるで豆腐料理のようだ。普通の麻婆豆腐より100倍もの豆腐が入っている麻婆豆腐の湖『麻婆湖』、水が滴り、まるで取り立ての葉物野菜のように瑞々しいく、夏でも涼しく寝れる冷奴の布団『冷や冷やっこ布団』、頂上からトロトロの餡掛けが湧き出で、豆腐の山を包み込んでいる豆腐あんかけの山『あんかけ豆腐マウンテン』等、そこはまるで豆腐パラダイスであった

 世はカレー時代ーー

 カレーをどう食べるか、どれだけ美味しいカレーを食べられるか、カレーを極めし者は世界を極めると言われている。人々はカレーに合う食材を求め、探求する時代

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●巨大豆
 麻婆湖を後にした二人は巨大な大豆の茎を見上げていた。もうすっかり枯れて亜麻色に染まった茎は、風になびいてさわさわと音を立てている。……というかグラグラしてて今にも倒れそうだ
「これは、巨大大豆の茎『巨大豆』でありますね。捕獲レベルは10と低めではありますが、こちらに倒れてくると危険であります」
「巨大豆……そのままですね。それでは鮫島殿、早く進みましょう!」
 二人は今にも倒れそうな巨大豆の横をなるべく振動を立てないように進む。……その時びゅうと大きな風が吹き荒れた
「「あーーーぶない!」」
その強風に煽られ、巨大豆がミシミシという音を立てて倒れ始める
「ヤバい、早く逃げるであります!」
「はぃい!」
 だが、二人が逃げ延びるよりも早く巨大豆の茎は倒れそうだ。もう無理だと目を瞑り諦める二人。目を瞑る前に何か黒くも輝いている影が二人の目に映った
 ドォン
 巨大豆は大きな音と共に地面に叩きつけられた。二人は無事か!? 読者誰もが心配している……はず
「ふふふ、二人とも危ないところだったね」
 金色の髪を靡かせながらクリスティアン=リクセト=エードルンドは爽やかな笑みを浮かべた
「おやおや、これでは折角の衣装が台無しじゃないか! ……まぁ仕方ない」
 どうやらクリスティアンは倒れる前に茎を見事一刀両断し二人の危機を救ったのだった
「おぉ!!! 凄いでありますね!」
「おかげで助かりました!! ありがとうございます」
「いいや、礼には及ばないさ。当然のことをしたまでだよ」
 クリスティアンは白い歯をきらりと光らせて二人に微笑んだ。ま、眩しい!
「さぁ、先を急ごうか。君達は水切り豆腐カレーに使う豆腐を探しているんだよね」
 首を傾げて尋ねるクリスティアンに、二人はコクコクと首を縦に振った
「じゃあ僕も共に行こう。いいかな?」
「も、勿論であります!! クリスティアン殿がいれば十人力……いや、百人力でありますからね!」
「よろしくお願いします!」
「こちらこそよろしく」
 こうして仲間が増えた。やったね。三人の豆腐探しはまだまだ続く……

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