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ギルドスレッド

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噴水前の歌広場

【イーリン・ジョーンズ】海を継ぐもの

 指はわななき調べに触れて、ついぞ鳴らなかったのだ。

 水しぶきは白く、顔を撫でて、なのにまるで弾かれるようにその肌を通り過ぎていく。それは、生まれた時からの習性のようなものだった。
 だから、感情だって当然のように受け流して生きて来た。そうやって生きていけると思い込んでいた。
 だが少女は、今生まれて初めて思い知ったのだ。
 ほんとうに生まれた心というのは。
 生まれて初めてのともだちだなんて、そんな重たくて苦しいものをこんなに大きくなってから得てしまった歪な心というのは。
 こんなにも重たくて、苦しくて、熱くて、それが胸の奥のそこからしゃくりあげるように生まれてくるものなのだということを。

 荒波の中、仲間たちに大声を上げて、がんばろう、がんばろうと今まで生きてきて初めてその言葉を本心から用いながら叫んでいた彼女を、ほんの数刻だけ別れていた---たぶん、一生分別れていたような気のする、赤い瞳が見つめていた。

 だから僕は、うたうことすらできなかったんだ。

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参加者向けハンドアウト:
 ここは、絶海龍リヴァイアサンに立ち向かう海洋の軍艦の上です。
 ここは、幾度かの攻撃を負え、補給と負傷者の後送の為に後退しており、次の出撃まで幾許かの余があります。
 あなたは、伝説の海賊ドレイクとの協約を見事取り付け、海洋の艦へと戻ってきました。
 あなたの目の前には、彼女がいます。
 彼女は、必死に抱えていた楽器を取り落としました。

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(カタラァナの言葉に、火が灯るように瞳からわずかに魔力が漏れ、髪から燐光が漏れる。それは流星の纏う炎のようで。手のひらを太陽に向ける時、流れ星はきっと見えない。
けれどそれでも輝こうとするのが、イーリンという人で。夜に駆け抜けることを選ばないのはきっと、彼女が只人だからで。
只人であろうとするからこそ、カタラァナに涙を流して。
だからこそ、いけると聞かれれば。いつもの魔書を手にとって見せる。そこから出るのは旗か、剣か、いずれにせよ、それは武器(楽器)だった。お互い見慣れたお互いの武器で、デュエットを奏でるだろうか、いつか見た、夢のように)

もちろん。ブラッドオーシャンとの連携は私達が一番うまくできるでしょう。
そのための手はもうアトに考えさせてる。
私は貴方の集めてくれた戦力を最大限活用しながら、全力で、アレを叩くわ。

――生きましょう、行きましょう(そう二度、頷いた)

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