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フォルデルマン三世

 何と素晴らしい事だろう!
 あの有名なシルク・ド・マントゥールがこの幻想にやって来るなんて。
 ローレットといい、サーカスといい……私は実に幸運だ。
 イレギュラーズ諸君も、きっとこれは楽しんでくれる事だろう。
 おお、そうだ。間違いない。ならば、これは全力で協力するしかないじゃないか!
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???
 機械の翼が見事な月を陰らせた。
 涼やかに、何事も無いかのように彼女はそこに佇んでいる。
「ええ。分かってるわ、オニーサマ」
 年の頃は十代半ば程にしか見えない、しかして『絶対に無辜の十代半ばの少女には見えない』。
 矛盾の塊のような、魔性の塊のような。そんな少女が口元を僅かに歪めていた。
(そうは言うけどね。君は遊び過ぎる癖があるから)
 頭の中に響く『オニーサマ』の声に媚びるように、反面せせら嗤うかのように彼女は応じる。
「それの何処がいけなくて? 『罪の果実は齧ってこそのものでしょう?』
 そう、ずっと昔から。少なくとも他ならぬオニーサマと、私達にとっては間違いなく」
 伝わってくる苦笑のような気配に少女は一層機嫌を良くした。
(……そう言われると手詰まりだ。君がどういう意図でそう呼ぶかは、何となく分かっている心算だけど。
 僕はそれを言われると弱いからね。君がそうあろうとするならば、きっとそういう事なんだろう)
 相手は親愛なる、そして唾棄すべき――兄であり、父であり、造物主であり、恋人である。
 揶揄する心算で『オニーサマ』と呼ぶ度に。嗚呼、その度に。
 劣情に直結するような激しい愛情と、それ以上の殺意がマーヴルする。
 即ち、彼との会話は極上の快楽を伴うと共に激しい苦痛を覚える彼女にとってのお気に入りに違いない。
「冗談ばかりではなくってよ。運命が転がった以上、全てはここから始まるのでしょう?
 オニーサマだって、まさかむざむざと終局に抗う程のパンドラを貯めさせる気では無いのでしょう?
 だから、もう頃合。これから先はこれまでの何百年――でしたっけ――永遠のような凪とは全く別物」
 少女は言葉を切って、遥か彼方――歓楽に沸く幻想の王都を見下ろした。
 彼等は彼方より来たる有名なサーカス団(シルク・ド・マントゥール)の公演に沸いているのだろう。
「――まぁ、何れにせよ。任せておいて下さいな。
 私も貴方も『罪』だから。きっと素敵にご覧に入れましてよ」

 ――これより始まる終局(滅びのアーク)の、その愉快な第一章を。

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ルドラ・ヘス
 グラオ・クローネか。
 ふふ……異郷の彼等にとって、どんな時間になっただろうか。
 ……楽しんで貰えていればいいのだが。
 それから、出来れば……そうだな。何時かこのファルカウに招く事も出来れば……
 ……少し気が急いてしまった。
 彼等がどんな存在なのか、アルティオ=エルムの警備責任者としてしっかり見極めねば。

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メフ・メフィート
「昨日の公演、驚いたな」
「ああ、流石有名なサーカス団だ。あんなに凄いの見たの人生で初めてだったよ」
「何でも、今回は今までに類を見ない長期公演だそうだぞ。王様も大喜びだ」
「珍しいな。シルク・ド・マントゥールは一箇所に留まらない事で有名なのに」
「余程支払いが良かったのかな? 王様が褒美を出したとか」
「だとしたら税金を少しは安くして貰いたいもんだよ」
「……やれやれだな。ああ、そう言えば」
「どうした?」
「昨晩、表通りで殺人事件があったみたいだぞ。酔っ払いが暴れた所から大事になっちまったみたいだが」
「サーカスに浮かれるのもいいが、程々にして貰いたいもんだよなあ」

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メフ・メフィート2
「知ってるか?」
「何をだよ」
「また殺しがあったらしいぜ」
「嫌なニュースばかりだな。『恋する殺人鬼』だろ。何だって急に大暴れを始めたんだ」
「ジョンボードクラブもだ。どいつもこいつもイカレてやがる。
 それにそれだけじゃないぞ、余り大きな声では言えないが、あのサリューが……大混乱だと」
「クリスチアン・バダンデールの『王国』が暴動とか……何があったんだ」
「……世も末だな。で、例の『不吉なサーカス』はどうなんだい」
「絶好調さ。評判が評判を呼んで、国中から観覧客が集まってるぜ。
 こっちとしちゃ王都にカネが落ちるんだから様々だ。全く有り難い話だが」
「噂は笑えねえが噂だからなあ。連中、おかしな動きはしてないんだろ」
「官憲じゃねえから知らないよ。唯、『花の騎士』様とかはしっかり見張ってるって噂だぜ」
「流石!」
「ま、王様はともかく彼女が動いてるなら安心だぜ」
「そうそう。ま、事件は王都だけじゃないんだ。サーカスは関係ねえよ。単なる噂に違いねえ」
メフ・メフィート3
「……………」
「どうした?」
「ショックを受けてるんだよ」
「やぶからぼうに。何があった」
「取引で良く行く街にな。本当に気立ての良い美人三姉妹が居るんだよ。
 本当に優しくて可愛い子達でさ。街ではちょっとしたアイドルよ。
 俺も年甲斐もなくいいなって……いや、それはいい。
 その、彼女達が事件を起こしたって……それもバラバラ殺人」
「おいおいおいおい、ちょっと猟奇的過ぎるだろ。
 聞いた話じゃ、他所じゃ異端審問まで始まったらしいな。
 神様狂いなんて天義だけで十分……いや、天義だけでも要らねえってのに……」
「サリューの件も続報が無いし……
 一体全体この国はどうなっちまったんだ? 何が起きてるんだ」
「例のサーカスは……」
「相変わらずだよ。もう評判は幻想中に広がってる。老いも若いもサーカスだ」
「話題がサーカスと猟奇騒ぎか……馬鹿騒ぎにも程があるな」
「……『花の騎士』様はちゃんと見張ってくれてるんだよな?」
「多分……」
「……ああ、もうよそうぜ。こんな景気の悪い話。こんなの今だけだ、今だけ。
 その内全部落ち着くさ。きっと、全部元通り。眠たい退屈な日常が戻ってくるだけさ」
「そうだよ。ああ、そうだ。たまたま、全部たまたまだよ!」
「……そうだよ、な」
メフ・メフィート4
「……………」
「おい、どうした。尋常じゃない顔色だぞ」
「……………ああ、お前か……」
「しっかりしろ。何があった」
「嫁が事件に巻き込まれた。
 白昼いきなり襲われて……クソ……何だってんだよ!
 一体アイツが何をしたって言うんだ……!」
「マジかよ……お前の嫁さんって……すげぇいい子だったのに」
「もう何が何だか分からねぇよ。犯人は気でも触れたみたいに笑い続けてるって言うしよお」
「あの曰くつきのミセス・ロウの姿が見えないって……
 まさか貴族様まで事件に巻き込まれてるんじゃないだろうな!?」
「神様に祈りたい気分だぜ。そんなもんが居るならこんな状態になってねえだろうがよ」
「サリューも大丈夫だろうな? クリスチアンが無事ならいいんだが……」
「もう、分かんねぇよ。何もかも」
「『不吉なサーカス』……」
「……相変わらず楽しそうだな。サーカスは」
「俺よ、少し考えたんだが……動きは無い。無いんだから、そんなのオカルトに決まってるんだ。
 だけどよ、タイミングがよ。おかしいじゃねえか。なあ、そうだろ?」
「ああ……」
「『まさかあの噂、本当じゃないだろうな?』」
「……………」
「……知らねぇよ。俺は知らねぇ。分からねぇって言ってるだろ!」
メフ・メフィート5
「……………」
「……嫁さん、助からなかったよ」
「……………」
「毎日毎日嫌な話ばっかりだ。誰が死んだ、誰が殺された、傷付けられた」
「……………」
「今度はお茶会に、耳泥棒……
 挙句の果てにはヘンゼルとグレーテルだってよ。笑えるぜ……」
「……………」
「なあ」
「……………」
「どうしてこんな事になっちまったんだろうな」
「……………」
「嫁さんが死んで、親友も亡くして……」
「……………」
「……サーカス。……サーカス、サーカス、サーカス!
 一体あんなもんなの何が楽しいんだ!? ええ!?」 「……………」
「間違ってる。狂ってる。間違ってる。狂ってる。
 おかしい。おかしい。許されない。こんなの変だ。
 不吉? 不幸? 冗談じゃねえ! こんなもん全部――何もかも――」

 ――殺してやる。

「何だ、何するんだ、お前!?」
「きゃあああああああああ――ッ!?」
「だ、誰か衛兵を――」
「――死ね。死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね! 全部死ね!」
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ローレット
「……と言う訳だ。状況は聞いての通り、聞きしに勝る大騒ぎだな」
 溜息を吐いたレオンに集まった情報屋三人は苦笑した。
「とっても心外だけど、これを表現する色は『ブラック』のみね」
「おや、血の色の『レッド』も混ざるかと思ったけど」
「……ショウ、笑えない冗談を聞く気分じゃないの」
 プルーの言葉にショウは「悪いね」と肩を竦めた。
 幻想楽団『シルク・ド・マントゥール』の公演が始まってから幾分か経つ。
 公演は噂通り大層立派なもので、ユリーカも含めた四人も一度は見に行った。
 確かに評判が上がるのは当然で、噂になるのは当たり前ーーそれは共通認識である。
「最新の報告をするのです。
 誘拐事件に、鍛冶屋のおじさんの辻斬り……
 ……一番気になるのはイレギュラーズの偽物事件なのです。
 皆、大変な事件を一生懸命追いかけているのです。酷いのです」
 大きな瞳を潤ませてそう言うユリーカは余程憤慨しているのだろう。その顔色は赤らんでいる。
「……ま、揃いも揃ったり酷い有様だ」
 そんなユリーカの頭にポン、と手を置いたレオンは何時に無く真面目な顔をしている。
「これまでの『公演』でこれだけの『不吉』が起きたって話は聞いた事がねぇ。
 蛇の道は蛇ってな。長い間やくざな仕事してりゃ、伝わってくるモンも多い。俺が知らねぇって事は過去にねぇって事だろう。
 まぁ、これが初めての事態だとして。それを前提にした時、考えられる可能性は何だと思うね」
「まず、『変異』。現象自体が変わった場合。これまではこうでなく、今回からこうなった。
 その場合はもしかしたら、当事者の意識にはない受動的な変化かもね」
 プルーの言葉をショウが継ぐ。
「次に『意識』だな。この事態を起こしている何者かが居るとするなら、ソイツが本気になったって事。
 こちらは能動的な目的意識や悪意を帯びているかも知れない」
「どちらだと思うね」
「そりゃあ」と言葉を揃えかけたプルーとショウに代わってユリーカが言い切った。
「悪い奴が居るに決まっているのです!」
 ユリーカの言葉は酷く感情的なものだったが、同時にある種の正鵠も射抜いていた。
 一連の事件は自然発生するには余りにもドス黒い。タールのように煮詰めた悪意は高度な知性と意志を感じさせる志向的な邪悪そのものだ。所詮勘に過ぎないが、レオン以下二名も自身の直感を現時点で疑っていない。
「生憎と俺も余り遭遇した事はないがね。今回の事件は『魔種』絡みの可能性を疑ってる。
 連中が帯びる『原罪の呼び声(クリミナル・オファー)』は魔種を増やす副産物に狂気を伝播させるって聞くからな。
 まぁ、実際の所、魔種がゴロゴロしてるとは考え難い。魔種化と狂気感染は別レベルの適性が必要なんだろうがね。
 何れにせよ、何らか力のある魔種が『本気』になって力を解放している、何てストーリーは納得がいかないかい」
「……………」
「……いよいよ、って感じか」
 無言のプルー、苦笑のショウ。恐らくは考えた所は一緒だろう。
 一先ず最も疑いが濃いのは言わずと知れたサーカスだ。連中が仮に魔種ならば、その拡散力は極めて高い。
 原罪の呼び声の仕組みは分からないが、もし。感染した誰かがキャリアーとなり、その呪いを周囲にばら撒くのだとすれば。
 嗚呼――『国中から評判を聞きつけた観客がサーカスに会いに来ているではないか』。
 現状に厄介な点は明らかだ。『花の騎士』ことシャルロッテが彼等を自主的に見張っているとは聞いているが、恐らくは何の証拠も上がるまい。となるとサーカスの庇護者となっているフォルデルマン三世の存在がいよいよ重い。何らか強力な材料を『てこ』にして状況をひっくり返さねばこの流れは止まるまい。
「大規模召喚が起きた以上、反動する勢力が黙っているとは思わなかったけど。
 この国の、いえ。この世界の運命も、これから動き始めるって事なんでしょうね」
 アコナイト・バイオレットのヴェールは行く手を厚く包む。
 誰にもこの先の未来は分からなかったが……
「売られたケンカは買うもんだろ」
「そうなのです! 悪いやつをやっつけるのです!!!」
 レオンの言葉にユリーカは大きく頷いた。
「ローレットが反撃するのです! やり方は……これから、考えるのです!!!」
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夢の都ネフェレスト
「聞いたか、イルナス」
「どの話かは分からないけど……多分聞いてるわよ」
「話が早いな。だが、一応確認しておこう。例のクソ共――ジャスティーン・クラブの話だよ」
「……ああ。貴方(ディルク)が始末すると言っていた」
「そう、そのジャスティーン・クラブだが。あの――レオンの所の救世主サマ達が片付けてくれたらしい」
「旧交は温めておくものね。手間が省けたじゃない。
 ローレットは幻想のギルドよね。ああ、貴方が何を言いたいか何となく分かってきたわ」
「当ててみなよ」
「『砂蠍』のキング・スコルピオが幻想に侵入したって噂があるわね。
 つまり、自動的に、必然的に彼等がキングの対戦相手になるんじゃないかと思ってる」
「ご名答。幻想は上得意だが貴族主義だ。国と国の関係になると『赤犬』も始末をつけにくいんでね。
 例の『サーカス』だっけ? 唯でさえ混乱している所に……
 ま、彼等には災難だが一つお手並みを拝見しようという話にもなる」
「……自分達の失敗でしょうに」
「何、タダとは言わねぇよ。連中が上手い仕事をしたら、こっちにだって考えがある。
 傭兵ってのは信義則が大切だ。契約が無くとも、そういう使える連中とは仲良くしたいもんだからな!」
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レオン&ざんげ
「――そういう訳で意見を伺いたいね」
 ローレットを含む幾つかの重要施設には神託の少女ざんげと繋がる映像通信装置が設置されている。
 ざんげとコンタクトを行える個人は多くはなく、幻想国内で言えばローレットのギルドマスターであるレオン・ドナーツ・バルトロメイと大司教であるイレーヌ・アルエに限られている。とは言え、イレギュラーズ(及び『バグ』であるレオン)は、空中神殿に直接赴く事も出来るのだから、彼等にとってそれは然して特别な機能と呼ぶ必要は無いのだが。
「意見とゆーと、例のサーカスについての話でごぜーますか?」
「そう。そのサーカスについて、だ。ぶっちゃけ連中は『魔種』なのかどうか。
 オマエに分かるかどうかは知らないが、例の『滅びのアーク』は『空繰パンドラ』の対なんだろう?
 後生大事に溜めてるパンドラに悪影響や、逆の要素が感知出来るなら、一つ情報にはなるだろ」
「用がある時しか顔出さねーですね」と淡々と言ったざんげにレオンは「用がなきゃ相手にもしねぇだろ」と応じ、直接的に本題を投げかけた。『滅びのアーク』は『空繰パンドラ』と対照的にこの世界を終わりにする可能性――より厳密に言うならば『パンドラという希望を打ち砕く可能性』を蓄積する神器であるとされる。ざんげ曰く魔種の王とでも呼ぶべき人物が持っている、との事であるが、レオンですらも余り多くを語られてはいない。このざんげが語りたがらないのは酷く珍しい出来事なのだが。
 硝子球のような無機質の瞳は神託の少女の『本質』を余り外に伝えない。
「予めお断りしておくですが、私に『魔種』を感知する力はねーです。
 レオンの言う通り『滅びのアーク』の加算自体は確認出来るですけれど。
 まぁ、この世界から魔種が絶滅しねー限りそうなります。してねーので当然とゆー話で。
 その上で結論から申し上げますと、一連の事件に魔種が絡んでる可能性は高いです。
 それで、現在世界中で起きている『事件』を見ていくと幻想国内の大混乱が一番でっけー事件です。
 同時に滅びのアークの加算値が跳ね上がってるんで……恐らくは。
 まぁ、本当に断言出来ねーのが非常に申し訳ねーのですが」
 神様やその託宣というものは往々にして身勝手で使い勝手が悪いものだが、それはざんげでも同じようだ。
「成る程ね。つまりこう言いたい訳だ。
『サーカス自体が魔種かは断言しかねるが、事件には魔種が関わっていると思われる』。
 まぁ、ストレートに考えるなら全く無関係って訳でもねぇだろうがな」
「そういう理解の仕方しか出来ねーので、話が遅くてすまねーです」と頭を下げたざんげにレオンは笑う。
「まぁ、そう簡単に話が済むとは思ってねぇよ。
 神託ってのがそんなに便利なら最初から苦労はねぇし、ローレットも不要だ。
 それにオマエが確認している間にこっちも幾つか事件を解決して――話の流れは掴んでる」
「……どういう事でごぜーます?」
「一連の猟奇事件の下手人がおかしな事を言ってんだよな。
『神の声を聞いた』だの『衝動がどうこうだの』。『原罪の呼び声』ってのと一致するだろ。
 元から頭のおかしい殺人鬼は兎も角、美人三姉妹の神のお声はまったくもってそれらしい。
 うちの連中が上手くやったお陰だ。水先案内人(オマエ)としても嬉しかろうよ。
 まぁ、兎に角。ほぼ断定だ。オマエの話とこっちの話で、犯人は魔種野郎だってな。
 サーカスが白か黒かは知らんが、取り敢えず排除すべき対象なのは間違いない。
 これで事件と何の因果関係も無かったら土下座して詫びても足りねぇが、まずねぇよ」
「レオンの勘、でごぜーます?」
「その通り」
「成る程、じゃあ多分当たってると思います」
 頷いたざんげはレオンの言葉に納得したようだった。
 魔種が大規模な活動をする事はこの二十年にも無かった出来事である。ローレット設立以降、レオンは常にその相手を警戒していたが、それが現実のものになったのは今回が初めてである。大規模召喚が世界の悪足掻きだとするならば、加速し始めたこの流れはそう簡単に止まる事は無いだろう。
「この後、ローレットはどう動くのです?」
「まぁ、プランは無くはない。戦力強化や準備もしてる。
 だが……まぁ、正直いい手は無いな。
 選択肢が足りないと言うか、サーカスは国王のお気に入りだ。
 このクソ国で逆転打を打とうとするなら、多少の問題は避け得ないが、国王はまずい。
 ……俺の読み通りなら、その内事態は動く筈だ。無論、悪い方向にだが、そこからやっと打つ手が増える。
 ま、上手くいくかどうかは分からん。取り敢えず思い切る意味でも確信が欲しいのは山々だ。
 サーカスに絞ってくれてもいい。何とか連中が魔種であるって結論を頂ければ、こっちとしては捗るね」
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