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at no.9
(寂しくはない。友人が増えたのだから、と)
(告げる少年のかんばせは晴れやかで、影にはすこし眩しいくらいだった)
(もじもじと縮こまり乍らもこくんとひとつ頷いて)
科学。
練達の、魔術のようだけれど、ニンゲンのちからが作り出したもの、だっけ。
わたしはいつも精霊たちがそばにいてくれたから、なんだかふしぎ。
(其方から見れば、此の混沌こそがおかしな世界なのだろうけれど)
(射手の少年は其れすら楽しんでくれているようだから、よかったと胸を撫で下ろしつつに)
大規模召喚のあの日から。私、ずっと驚きっぱなしなの。
このせかいには、ありとあらゆる種のいきものが共存しているということ。
それから……私以外にも、尖った耳をもつひとたちが、たくさんいるのだということ。
(変じゃない。怖くない。ふたりから重ねられる言の葉に、ちいさなちいさな謝辞を添えて)
(逡巡。ややあって、恐る恐ると云った体で。微かに声が上擦り、震えてしまったけれど)
……このかっこうは村を出たときから、ずっとこうで。
ひとりで生きて行くのに、おんなだって思われると、不便だから。
”夜鷹”は村で呼ばれていたなまえなの。
(男か女か判らぬ名。けれど、自分を指し示す音)
(自身もまた自分が”そう”だと認識していたが故に、本来の名を捨ててそう名乗り続けていたのだと訥々と語り)
(告げる少年のかんばせは晴れやかで、影にはすこし眩しいくらいだった)
(もじもじと縮こまり乍らもこくんとひとつ頷いて)
科学。
練達の、魔術のようだけれど、ニンゲンのちからが作り出したもの、だっけ。
わたしはいつも精霊たちがそばにいてくれたから、なんだかふしぎ。
(其方から見れば、此の混沌こそがおかしな世界なのだろうけれど)
(射手の少年は其れすら楽しんでくれているようだから、よかったと胸を撫で下ろしつつに)
大規模召喚のあの日から。私、ずっと驚きっぱなしなの。
このせかいには、ありとあらゆる種のいきものが共存しているということ。
それから……私以外にも、尖った耳をもつひとたちが、たくさんいるのだということ。
(変じゃない。怖くない。ふたりから重ねられる言の葉に、ちいさなちいさな謝辞を添えて)
(逡巡。ややあって、恐る恐ると云った体で。微かに声が上擦り、震えてしまったけれど)
……このかっこうは村を出たときから、ずっとこうで。
ひとりで生きて行くのに、おんなだって思われると、不便だから。
”夜鷹”は村で呼ばれていたなまえなの。
(男か女か判らぬ名。けれど、自分を指し示す音)
(自身もまた自分が”そう”だと認識していたが故に、本来の名を捨ててそう名乗り続けていたのだと訥々と語り)
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