ローレットにほど近いとある居住地区の奥、窮屈に並ぶアパルトメントの隙間から続く路地裏にその店はあった。色褪せた看板にからは辛うじて『Ｃａｆｅ』の文字が読み取れる。呼び鈴のついた戸を開いて入店しても従業員らしいエプロンドレスの少女は一瞥もくれない。
代わりに狭い店内にただ一人の客、ソファに踏ん反り返っていた少年が身を起こすと小さく手を振ってくる。
――シラスだ。

やあ、正純。改めまして、こんにちは。
分かりにくい場所でごめんね。
でもここなら何時来ても貸し切りだし、ケーキも美味しいんだ。
折角だから何か食べていってよ、奢るからさ。

さて、ツァンラートの件だったね。
とりあえず聞き込みの線で頭を捻ってみよう。
それで何も思い浮かばなければ魔獣の討伐にしたいと思ってる。
そんな感じに話を進めていくのでいいかな？

今回はお招きいただきありがとうございます。
こんな場所があるなんて知らなかったです。
(キョロキョロと店内を物珍しそうに見回し)
ではご好意に甘えてケーキをいただきましょうか。
(といいつつ、向かいに座り)

そうですね。お誘いのお手紙では酒場、と書いてありましたがシラスさんが調査したい場所とかはありますか？

幻想は暮らしは長いんでね、この辺りも詳しいんだ。

（やがて配膳された二皿のケーキの片方をフォークで口に運んで）

うん、やっぱり酒場は聞き込みの定番だと思ってさ。

でもその前に気になることがあるんだ。
しばらく外から人が入られなかったわけでしょう。
中で「普通に生活している」ことがもう普通じゃないよね。
普通なら騒ぎになるだろうし入ってきた俺らだって放っておかないはずだ。

先ずはこの辺りをフックに調べてみるのはどうかな、酒場は夜からだし。

なるほどなるほど、私はあまり来ないので新鮮ですね。

(相手がケーキに口をつけたのに習い、自分もケーキを一口) ！美味しい！

ふむ、ふむ。
確かに、問題なく生活を送れていること自体が問題ですね。街を回りつつその辺を調べるのが良いでしょうか。

外に出ようとしている方や、この街に異常を感じている方に接触できるのが良いでしょうか。

へへっ、だろう？
趣味みたいな店だけれど味は本当に大したものなんだ。

（得意気に笑ってペロリとケーキを平らげてお茶を啜り）

あっ、鋭い。
住人の中に現状を不審に思ってる人がいるかも知れないね。
接触出来たら大きな情報源になると思う。
ぜひ探してみたいな、上手く見つける方法を考えてみる。

後は……野菜を毎日卸してる商人の話もあったからさ。
市場で流通を追ってみるのも良いかなと思ってた。
それと漠然としてるけれど、時計に関する何か。
この街の特徴と言えばやっぱり時計だから何か関係がある気がする。

ええ、ええ。
幻想に来ることはそう多くはないですがリピーターになってしまうかもしれません。(口元を布布で拭いつつ)

個人的に狙い目としては、外壁の近くにいる住人などどうかな、と思います。
今回の依頼で外壁付近で戦う方々もいるでしょう。囮、という訳ではありませんがその戦いを聞きつけた住人などは、少なくとも外壁に興味のある可能性が高いでしょうし。

確かに流通などの毎日止まらず続いているものを追ってみるのはいいかもしれませんね。
この街の日常から非日常が見つかる可能性は高いかと。
時計台を調査しに行く、と言っていた方々もいましたし、市場調査に合わせて職人さんたちの話を盗み聞くのもありかもしれませんね。

外壁付近に当たりをつけるのは良いかもしれないね
見えない壁が気になって調べてる人もいるかも知れない

じゃあ、聞きこむ場所は次の三つでいいかな？

①外壁付近

②市場『フリッシュ』

③酒場『トワイライト』

うーん、特にアイディアは無いから酒場は外しちゃってもいいかもね？

俺は感情探知の術を用意できるから俺はそれで当たってみようかな
一見して普通に生活している中で不安や不審を感じてる人を探してみるよ

ですね。あまり散らしても仕方ありませんし、①と②を中心に聞き込み、と言った感じで。

私はアノニマスと人心掌握術を使って、悪印象を持たれないように話を聞くお手伝いになるでしょうかね？

じゃあ、決まりだ！

人心掌握術は良さそう！
俺の術に引っかかるのは不安を抱えてる相手だから警戒を解いてもらうのに役立つぜ！

それじゃあ、相談卓に俺と正純の行先を宣言してきても良いかな？

はい！私も宣言を確認したら私自身で発言しますね。

一応、今回の活動指針(プレイング)を纏めましたのでよろしければ。
https://rev1.reversion.jp/guild/1085/thread/12885

遅くなったけれど俺もこれで出しておいたよ。

https://rev1.reversion.jp/guild/636/thread/15453

今回は誘いに乗ってくれてありがとう、一人じゃ考えがまとまらなかったから助かったぜ。
結果が来たらまた話を出来たら嬉しいよ。