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憲兵団『月影』

【RP】護り方を探してる【アレクシアさん】

幻想の端っこにある古ぼけた廃酒場。
特に何かがあるわけではないが、入り口に掛けられた民族風の飾りが風に揺れてしゃらしゃらと音を立てた。

カウンターで物思いにふけっていた顔はすぐに切り替えられて。
「いらっしゃい。なんもないとこで悪いね」
そのまま歓迎するよと淡く微笑んだ。

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「ふふ、ありがとう。私にとっても大切な想いであり目標だから、そう言ってもらえると嬉しいな」

素敵な目標、といってもらえたことに顔をほころばせ。

「どういう風になりたいか、かあ。
 きっとそれはその内に何か形を持つまで、無理に探すものでもないのだろうとは思うけれど……」

それでも、何か少しでも形にできるものはないだろうか、と少し思案する。
自分だって何かを語れるほどに成熟しているわけではないけれど、少なくとも出来得る限りの助けにはなりたかったから。

「……そうだねえ。シキ君は、さっきの話からするに、守りたい人がいるんだよね?」

眼前の少女と同じように、少し瞳を閉じて考え込む。
今ここで自分にできるのは、きっと話を聞くことだろう。

「どうしてその人を守りたいと思ったんだろう?
 きっときっかけはひとつではないのだろうけれど……そこに至るまでの出来事を振り返ってみれば、何か見つかるかもしれない」

私も人生経験がまだまだだから、絶対に見つかるとは保証はできないけれど、と少し苦笑いしながらも言葉を紡ぐ。

「シキ君は、『守り方を知らない自分が悔しくて』って言ってたよね。
 ただ守られたくないというだけなら、『守られなくていいくらい力をつける』とか思っても不思議じゃないのに、シキ君は『自分も守ってあげたい』と思ったわけだよね。
 それはどうしてなんだろう?何が君に、そう思わせたんだろう?」

なんだか小難しい話になっちゃったけど……と笑ってみせる。
あまり、こういう言い回しは未熟なばかりの自分っぽくないようで、少しおかしかった。

「要するに、自分がどう思ってきたのか……それを整理していけば、目指したい『形』もおぼろげに見えてくるかもってことだね。
 それは私のような『憧れ』かもしれないし、何か別のものかもしれないし。
 とはいえ、独りで気持ちを一つずつ棚卸ししていくのは大変だからね。よかったら、もっと詳しく聞かせてくれないかな」

単に私が、シキ君のことをもっともっと知りたいなって思ってるだけかもしれないけれど!
飲みかけのお茶に口をつけてから、笑ってそう付け足した。

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