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樹上の村

【RP】小さな祝宴【1:1】(シラス君と)

「これでよし、と!」

ツリーハウスの食卓に並べられたのは、大小いくつかの料理。
普段は自分だけだから、と使っていないスペースのほうが多いこの食卓も、客が来る時は大忙しだ。
ファルカウを取り戻したことでどうにか再開した『フローラリア』から頂いたケーキも並べ、準備は万全。

「後はシラス君を待つだけ、だね!」

ハッキリと時間を約束したわけじゃないので、どうにもソワソワと窓から外を伺ってしまう。
そろそろ来る頃だろうか……ファミリアーには、見つけたら戻ってくるようにと伝えてあるのだけれど……

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向けられた笑顔に緊張が緩んだのか、ゆっくりと息をして力が抜ける。

「アレクシアならそう言ってくれると思ってたぜ。
 そうだよ、キミに諦めなんて似合わない」

まだ胸は早鐘を打つようなのに手指はすっかり冷え切っていた。
拳を解いては握り直して血を巡らせる。

「俺だって絶対に嫌だよ。
 キミの言う通り消えた分だけ、いいや。
 それよりも沢山の思い出を増やしていこう。
 今できることの一番はやっぱりそれだと思う」

失くした分を新しく埋めていく。
そんな単純な話では済まないことは分かってる。
それでも自分たちで動き出さなくては何も変えられないんだ。

「それは確かにそうかも……皆に話したらきっと大騒ぎになるね。
 そりゃ誰だって心配するし、キミに忘れられるのは寂しいさ」

分かった、約束すると頷く。
親しい顔がいくつも浮かんだ。
みんな今さっきの俺のように驚いて心配してしまうだろう。
秘密にするのは少し罪悪感があるけれど仕方のない話だ。
その分、フランツェルや未散に相談出来るのは心強い。
2人だけでは抱えていられないこともこの先にあるかも知れないから。

「知ってるよ、キミは昔から色んなことに首を突っ込みたがるもんな。
 でもこうなったからにはちょっと強引にでも引っ張り回すから覚悟してくれよ。
 それか俺の方がアレクシアの用事に付き合わせてもらうぜ」

言いながらニッと笑う、自分のいつもの顔だ。
例え手探りでも前に進むと決めた方がやはり心が軽い。

「ねえ、こんな時にこういう言い方はおかしいかも知れないけれどさ。
 何だか新しい冒険に踏み出した気がしないか?
 そうだ、せっかくだから乾杯しようぜ」

少し背伸びをしたつもりで言ってみた。
それはジュースでも次の旅立ちの為の特別な一杯になる気がしたから。
彼女がせっかく用意してくれたご馳走もある。

もう新しい思い出作りは始まっているんだ。

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