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樹上の村
あの日にアレクシアが兄の為の奇跡に身を捧げることは分かっていた。
可能性の対価は彼女自身だ、俺はそれが不安で仕方なかった。
そのせいだろうか、驚きの波が去った後に広がる諦念にも似た乾いた納得感。
奥歯を噛みしめてそれを追い払う。
「当たり前だ、お願いされるまでもないよ!
もうアレクシアのことを攫ってでも連れて行くから!」
向けられた笑顔が、優しさが、今は切ない。
こんな時に俺に気を遣うことなんてないのに。
「キミは俺に言ったんだ、俺の手を離さないって……」
独りで全て掴むと決めた自分がその言葉にどれほど支えられたか。
心が冷たい谷にあってそれがどんなに温かだったか。
「今度は俺が約束する!
他のどんな記憶が消えても俺のことを忘れさせやしない!
俺はアレクシアの中からずっと無くならないから!」
まくし立てるように言い放ってしまう。
込み上げるものを抑えられない。
「大きな声をだしてごめん……でも俺からもお願いをさせて。
どうか諦めないでくれよ、俺達ならきっとなんとか出来るさ」
そこまで言って、俺もやっと小さく笑えた。
可能性の対価は彼女自身だ、俺はそれが不安で仕方なかった。
そのせいだろうか、驚きの波が去った後に広がる諦念にも似た乾いた納得感。
奥歯を噛みしめてそれを追い払う。
「当たり前だ、お願いされるまでもないよ!
もうアレクシアのことを攫ってでも連れて行くから!」
向けられた笑顔が、優しさが、今は切ない。
こんな時に俺に気を遣うことなんてないのに。
「キミは俺に言ったんだ、俺の手を離さないって……」
独りで全て掴むと決めた自分がその言葉にどれほど支えられたか。
心が冷たい谷にあってそれがどんなに温かだったか。
「今度は俺が約束する!
他のどんな記憶が消えても俺のことを忘れさせやしない!
俺はアレクシアの中からずっと無くならないから!」
まくし立てるように言い放ってしまう。
込み上げるものを抑えられない。
「大きな声をだしてごめん……でも俺からもお願いをさせて。
どうか諦めないでくれよ、俺達ならきっとなんとか出来るさ」
そこまで言って、俺もやっと小さく笑えた。
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ツリーハウスの食卓に並べられたのは、大小いくつかの料理。
普段は自分だけだから、と使っていないスペースのほうが多いこの食卓も、客が来る時は大忙しだ。
ファルカウを取り戻したことでどうにか再開した『フローラリア』から頂いたケーキも並べ、準備は万全。
「後はシラス君を待つだけ、だね!」
ハッキリと時間を約束したわけじゃないので、どうにもソワソワと窓から外を伺ってしまう。
そろそろ来る頃だろうか……ファミリアーには、見つけたら戻ってくるようにと伝えてあるのだけれど……