ギルドスレッド
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樹上の村
「アレクシア……?」
真剣な表情のまま席を立ったその背中に呼びかける。
困惑したまま一人で座っていると胸に黒い雲が薄っすらと広がっていく。
どうしたのだろう。
「ううん、平気。
それよりもプルウィアの霊樹で何かあったの……それ、日記だよね?」
また何かの事件だろうか。
本当に言ってる側からという感じだ。
けれど、返ってきた言葉は、考えてもいなかった話で──
自分はその瞬間どんな顔をしたのだろうか。
驚きから一拍置き、表情をなくして絞り出せたのは一言だけだった。
「記憶って……」
逆に俺の方から目を伏せてしまう。
彼女との会話を反芻する。
つまりあの日の出来事が記憶にないという話。
それ位の物忘れは誰にだって、いや……
「他にもあるってこと?」
彼女の日記から視線を上げて見つめ直す。
たった1日のことで急にこんな話を切り出すわけがない。
日記の内容が記憶から欠けていると自覚できる程度には他にも……
「気付いたのはいつから……ううん、それよりも。
きっと大丈夫だ……打ち明けてくれてありがとう。
何とかしよう、一緒に」
膝の上で拳を握り、胸の内に沸いた冷たい不安を今は飲みこむ。
本人が一番心細いに違いないんだ。
真剣な表情のまま席を立ったその背中に呼びかける。
困惑したまま一人で座っていると胸に黒い雲が薄っすらと広がっていく。
どうしたのだろう。
「ううん、平気。
それよりもプルウィアの霊樹で何かあったの……それ、日記だよね?」
また何かの事件だろうか。
本当に言ってる側からという感じだ。
けれど、返ってきた言葉は、考えてもいなかった話で──
自分はその瞬間どんな顔をしたのだろうか。
驚きから一拍置き、表情をなくして絞り出せたのは一言だけだった。
「記憶って……」
逆に俺の方から目を伏せてしまう。
彼女との会話を反芻する。
つまりあの日の出来事が記憶にないという話。
それ位の物忘れは誰にだって、いや……
「他にもあるってこと?」
彼女の日記から視線を上げて見つめ直す。
たった1日のことで急にこんな話を切り出すわけがない。
日記の内容が記憶から欠けていると自覚できる程度には他にも……
「気付いたのはいつから……ううん、それよりも。
きっと大丈夫だ……打ち明けてくれてありがとう。
何とかしよう、一緒に」
膝の上で拳を握り、胸の内に沸いた冷たい不安を今は飲みこむ。
本人が一番心細いに違いないんだ。
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ツリーハウスの食卓に並べられたのは、大小いくつかの料理。
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