ギルドスレッド
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樹上の村
返事を聞いて一瞬目を丸くしてしまった。
きっと自分で食べるだろうと思ってたから。
言ってみるものだと嬉しくなって表情が緩む。
「うん、もちろん! 熱いから気を付けてね」
フォークに刺したパンケーキをアレクシアの口元に近寄せて。
――なんだか……思ったより緊張する……!
しばらく黙って彼女が食べ終わるのを見届けてから思い出したように尋ねる。
「……あ、おいしい?」
まだあまり顔色のよくない彼女が食事をとってくれるのは素直に嬉しい。
でも今はそれ以上にある種の達成感のようなものを感じてしまう。
こんなふうに甘えてくれるのも気を許してくれるのもたまらなく心地よかった。
「暫くは何でもやってあげるからゆっくり休んでくれよな。
カムイグラは本当に大変だったけれど、この先もきっと山積みなんだから。
早くまた元気になって一緒に仕事、ううん、冒険しようぜ。
俺も助けて欲しいこと色々とあるんだ、ユリアンを探したいし、フランツェルのことも調べたい、また魔法の練習だって付き合って欲しいし……あと一緒に遊びたい! シャイネンナハトだってもう直ぐだからね」
彼女が攫われて戻ってまた戦って、この一月半位ずっとこんな時間が無かった。
やっといつも通りが帰ってきた気がする。
大切にしたい、これからも当たり前に続くものでは無いのだから。
きっと自分で食べるだろうと思ってたから。
言ってみるものだと嬉しくなって表情が緩む。
「うん、もちろん! 熱いから気を付けてね」
フォークに刺したパンケーキをアレクシアの口元に近寄せて。
――なんだか……思ったより緊張する……!
しばらく黙って彼女が食べ終わるのを見届けてから思い出したように尋ねる。
「……あ、おいしい?」
まだあまり顔色のよくない彼女が食事をとってくれるのは素直に嬉しい。
でも今はそれ以上にある種の達成感のようなものを感じてしまう。
こんなふうに甘えてくれるのも気を許してくれるのもたまらなく心地よかった。
「暫くは何でもやってあげるからゆっくり休んでくれよな。
カムイグラは本当に大変だったけれど、この先もきっと山積みなんだから。
早くまた元気になって一緒に仕事、ううん、冒険しようぜ。
俺も助けて欲しいこと色々とあるんだ、ユリアンを探したいし、フランツェルのことも調べたい、また魔法の練習だって付き合って欲しいし……あと一緒に遊びたい! シャイネンナハトだってもう直ぐだからね」
彼女が攫われて戻ってまた戦って、この一月半位ずっとこんな時間が無かった。
やっといつも通りが帰ってきた気がする。
大切にしたい、これからも当たり前に続くものでは無いのだから。
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秋も終わり、冬が差し迫る頃。
ツリーハウスの窓から差し込む夕陽に目を覚ます。
「……また寝ちゃってたのか……」
あの激しいカムイグラでの決戦を戦い、最低限の事後処理を終えて家に着いたのは数日前のことだったか。
とにかく今は、身体が休息を欲していた。
元々体力に自信がある方ではなかったことに加え、自凝島の脱出行からさして間をおかずに大きな戦いに臨んだ身体はもはや気力だけで動いているような状態だったのだ。
なればこそ、帰り着くやいなや糸が切れたように眠りこけていたのも当然で、一度目覚めてからも寝る以外の行動は最小限だった。
「おなかすいた……」
ベッドから抜け出そうと、ゆっくりと身を起こす。
寝起きと疲労で曖昧な意識のなかでも、何か食べなければという気持ちだけは確かにあったのだ。
(シラス様との1:1のスレッドです。当事者以外の書き込みはご遠慮ください)