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自由図書館

【RPスレ】白い馬の居る厩

図書館の外、敷地内のほんの隅っこの方に、馬が一頭、小ぢんまりとした厩に繋がれている。

大人しく、美しい、真っ白な馬だ。

その側には、未だ出番のない幌馬車が控えている。

そしてそこでも、司書志望がひとり、本の頁を捲っている。

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(厩の柵にもたれ、ぱらり、ぱらりと本を捲くる。近くには当然、彼の最近迎え入れた馬の『スーホ』が、居るわけだが。)
……馬の耳に念仏とかいうけど。お前、なんの話かわかるか、これ?(傍らの馬に、時折本の中身を読んで聞かせたりなんかしながら、のんびり、まったりと過ごしている)
(白馬はゆらり、大きな頭を動かして。彼の手にする本をじっと見つめている、ようにも見える。)
……お前も本、読みたいのか?

……けド、その蹄じャ、頁をめくれねぇよなァ(だから代わりに、と、ばかりに、また一つ、馬の視界を気にしつつも、次の項へと移ってみる)
(そんな一人(?)と一頭を、遠巻きに微笑ましげに眺める男が一人。
ふらりと散歩に出かけたら、なんともまあ平和で可愛らしい光景を見つけたものだから観察せざるを得ない!とわざわざ霊体になってまで眺めている。)

(あまりに熱心に観ているものだから、もしかすると視線から存在に気づくかもしれない)
(そんな時、スーホがぶるる、と唸る)
……どうした、スーホ。(どうどうどう、と、彼を宥めようとして、気づく。あんなに熱心に、本を『読んで』居たような彼が、今はこちらを見ていない。彼の視線は、呼吸は。この馬の意識は、今は自分達にではなく、別の『何者か』に、向いているのでは?)
……お前、どっちを見てる?俺は、こっちだぞ?(そういぶかしがりながら、『青年たち』は、一点を注視する)

……姿は見えない、けど。……霊魂か何かか?
―――いヤ、違ウ。つーカ、今ントコ、ここにそんなのは来たことがねェ。
……じゃあ、誰なんだよ。
―――別二、フツーの『お客さん』なんじゃねーカ?
(『独り言』と言うにはあまりにも、『対話』らしいそれはきっと、側に居る愛馬には勿論のこと。そう遠い位置にいない人間の耳にも、それなりに聞こえてくることだろう)
(本来ならば何もないであろう、ぽっかりと空いた空間。白馬の意識の先から控え目な、しかしよく通る声が「そこ」から聞こえてくる)
あれっ、気付かれちゃった?凄いな、やっぱり動物って本能的に感じる所があるんだねぇ。
やあ、こんにちはお兄さん『達』。白馬に本を読み聞かせている、なんてとても素敵だったものだからさ、つい観てしまっていたんだ!(邪魔するつもりはなかったんだけどね。と付け加え、その何かは近づいてくる。)

(さくさくとした軽い足音は青年の前で止まり、透明な誰かに見下ろされる感覚を感じるだろう。)
『お客さん』。……うん、そうだね。すっかり忘れてたよ。散歩ついでに知らない図書館を見付けたから、立ち寄ったんだった!
お兄さん達はここの人?管理人だったりするのかな。
(対話のようなそれをすんなりと受け入れた口振りで尋ねる。)
えっ……?(見えざる姿に反し、確かにそこに在る声に、一瞬認識を狂わされそうになる、が)
(男の声が、気配が幻覚などでは無いことは、愛馬の視線が、軟土に刻まれている靴跡が教えてくれる。その足音が自分達の眼の前で止まったらしい、ことを判断すると。)

ああ、えっと、まあ、確かにここの人間、だなあ。(こくん、と首を動かして)
一応、ここの管理人。……ああ、えっと、俺のことは『大地』で言い(一先ず彼の声音などに敵意は感じられない、と判断して、柔らかい声音で、彼の問いに答える)
マ、正確にハ、『今ここに住んでいるニンゲン』、だけどナ。(なんて、まるで『人が変わったかのように』いたずら気ににへらと笑っても見せる)……ああそうダ。別ニ、『赤羽』って呼んでくれても良いゼ。

……ついでニ、こいつはスーホ、ダ。
……『スーホの白い馬』、って話から、名前をとったんだけど。……まあ、おとなしいやつだよ。
俺とかが本を読んでるのを、なんか、いつもまじまじと見てたりする。……だから、こいつも、本を読みたいのかなあ、と。
(言いながら、彼の太い首筋を撫でていく)
(戸惑いを孕んだ声にくくっと笑って)
そう、管理人でここに……『住んでいる』?ここの図書館って住める場所があるのかい?(困惑した声色。)
ええと、それはともかく大地くんと赤羽くん、だね!良い名前だ。
僕は……ああ、その前に姿を見せないと失礼かなぁ。

(そう言うと、男は足先から姿を見せる。一分程すると頭のてっぺんまで目に出来るだろう。男は黒髪を揺らして、人好きのしそうな笑みを青年達に向けた)
僕は透垣政宗、しがない透明人間だよ。よろしくね?

『スーホの白い馬』……別の世界のお話だっけ。内容までは思い出せないけれど、聞いた事があるよ。
スーホくんは本に興味があるのかな?だとしたら、凄く賢い子だよねぇ。
(さっきは怖がらせてごめんね、とスーホに笑いかけた)

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