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【1:1RPスレ】司書ではない日の物語

長い髪の青年が、空に何かを描いている。
それは魔法陣、同業者にはすぐに『それ』とわかるような簡素な術式。

しかし『違う』と小さく口を動かせば、埃を払うようにそれを手で掻き消していく。

……まだまだ、向上の余地がありそうだ。

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んー……(先程は、自分も何か手順を間違えていたのやも。初めて扱う家電を前に、取説とにらめっこする主婦かのように、グリモワールを手に小さく唸っている)

……いや……順番は間違えてないな……。ええーっと……?
(羽ペンの先を宙に向けて。再び一画一画、線を描く)
──あァそこ、字の形がちょっとだけ違うね。

(いつの間にか、術式を覗き込む様にそこにいる)
おうっ!?
(吃驚して本と羽ペンを同時に落とす。恐る恐る、声の主に振り返れば)

……って、ああ、武器商人……?
(ローレットで数回見た顔。正体不明のナニカに呼ばれたのではないと分かると、ほっと胸を撫で下ろして、落としたものを拾った)
そうとも呼ばれてるね、ごきげんよぉ。魔術の練習?

(相手の様子を見てくすくすと微笑んでみせる)
ごきげんよう、武器商人。……確かに特訓中だけども。いきなりにいきなりだからビビったよ……。

(武器商人。『そうとも呼ばれてる』。そういえば)

ああ……(この前も、彼……彼女?を『紫月』と呼ぶものと、肩を並べたことを思い出した)
やァ、ごめんごめん。魔術の気配があったから興味を惹かれてね。その文字、ちょっと書き方に癖があって手首を捻る様な書き順になるんだよ。

(くすくすと笑いながら、こう、と実際に空中に光る文字を書いてみせる)
いや、わざわざここで練習してたのも俺だし……。その、お騒がせしたなら、こちらこそ申し訳ない。

……ええっと……こう、かな。
(彼の手つきを真似て、ペンを走らせてみる。紅色の筆跡が宙に浮かんだ)
そうそう、そんな感じ。なに、騒がしいと言うほどもないさ。微笑ましいものだよ。(くすくす…)
そういってもらえると助かるよ。

ん……(感覚を忘れぬうちに、繰り返し手首を動かす。何度も何度も書いて、自信がついたなら最初より手早く、されど確実に)

どう、だ……?
(あくまで練習なので威力は皆無に等しいが、花の蕾のようにな魔弾がぽすっと、的に打ち出された。当たったそれは、花開くように儚く散っていく)

……ん、これでいいのかな。
よくできました。……今日は1人?
……やった(と、小さくガッツポーズ)

ああー……(武器商人の言わんとすることは分かる。要するに)
『赤羽』だったら、今日は眠ってるよ。というか、最近は俺だけでいる時間も増えた。
……特訓に付き合ってもらおうかとも思ったけど。無理くり起こすのもどうかなあ、と思ったし。

……実際俺も、あいつに頼りすぎるのはよくないし……。
ふうん、そうなんだ。キミ達も随分と拗れた関係だよねぇ。

(下から上へと指で空を撫で上げると数冊のグリモワールがフワリと浮かび上がって、ソレの周囲へ漂う)
……否定できないな(そう答える声は苦笑に滲んでいる)

アイツ、口も性格も最悪だろ。……けど俺にとっては一応、魔術の師匠だし、アイツに助けられたことは、まあ感謝してる。
けど、それはそれとしてアイツ、ある日ぽろっと『お前をたっぷり育てたのちに食ってやる気だったんだゾ』とか告白してきてさ。
……まあ、喧嘩したい訳じゃないけど。俺達のことを果たしてどう言い表したものかと問われれば。……わからないんだよなあ。

(ペンを回しながら、舞い上がる本を目で追った)
さて、ね。魔術師としてはそう珍しくもないタイプだよ、彼は。
だからこそキミに入れ込んでいるというのはわかりやすくて、好みだとも。

(くすくす…と笑うと戯れに魔術を編み始める。空中に術式がゆっくりと書き足されていくのが見て取れる)
アイツが俺を?……そうなのか?(意外そうに目を瞬かせる)
……ああでも、『違う』と言えるほど俺は彼を、というか魔術師の生態、知らないな……。

(武器商人が何か魔術を編み出していくのを、じーっと見つめる)
その状況に甘んじているのであれば、そうじゃないかと思うよ。……ま、それくらい弱っているというなら、取引の相手にはいいかもしれんが。

(魔術が完成するとはらはらとソレの周囲に雪が降り始める。地に落ちた雪は溶けて水になる様子を見せるが、みるみるうちに水分が減ってすぐにその場から乾いて消えていく)
……ああ……そういえば貴方は『商人』、だったな。
(彼の口から出た『取引』という言葉に、納得したように息を吐いた)

一応、赤羽相手に商売……取引?するんなら……あいつメリット・デメリット、全部細かく聞いてきて……色々面倒くさいと思うから気をつけたほうが良いよ。

……おおー。
(美しい雪に、音なく称賛の拍手をした)
なに、それくらい契約の基本であろ?さほど問題にはならんよ。どぉも。一応ここには本が多いからね、濡れない様に術式を組んでみたよ。
まあ、確かに。それが正しいスタンスなのかも。
俺もボーッとしてないで見習わないとなあ。

(武器商人に触発されたのか、先程練習していたものとは違う術を、宙に向けて書いている)
ヒヒ……ガバガバな契約してちゃ使役する使い魔に痛い目見せられる可能性があるからね。……それで、キミが真っ当に戦える様になったとして。その後のことはどうするんだい?

(その様子を楽しそうに眺めている)
……そうだなあ。俺と赤羽は、今はこの身体に共存してるけど。いつまでも一緒にいられる訳じゃないし、いつまでも甘えてちゃいけない。
だから赤羽抜きでも自分の身を守れるように、ちゃんと強くならなきゃな、とは、思ってるけど。……俺の好きな人だけでも、この手で守りたい、とも思うけど。

……今は、力をぶつける先が居るから良い。冠位の魔種しかり、それを倒すための鍛練しかり、その他、俺達をよく思わない人とも戦わないといけないかもしれない。

でも、戦いが全部終わって……そうする理由もなくなったら……どうしたものかな、っと。
(そうして話す間もペンは止まらず。花を意匠とした陣をさらさらと描き終えたところで、弾けるように魔素が散り。一帯に彼岸花の幻影が生まれる)
そんなに迷うことかい?力は常に誰かへぶつける必要もなかろうに。

(とんとん、と床を爪先で叩くと幻影の一部が青紫の紫陽花に描き換わる)
いやまあ、その通りなんだけど。
……ぶつける先というか、目的がないと、俺、どうも力がわかない気がして。

今は、負けたくない人もいるし、ローレットの一員として。イレギュラーズとしても、大枠の目的もあるからいいけど。

そういうの全部取っ払っちゃったら、俺……ぽろっと魔術師を辞める気がするんだよな。
赤羽がどうかは……知らないけど……。

(大地の足元、その周りの彼岸花だけが、色が抜け落ちたように白く変じる)
辞めるなら、それはそれで選択だとは思うけど。
「好きな人を守りたい」は、目的には入らんかね?

(くつくつと、面白そうにソレが笑う)
(首をゆるく振って)
……いや、それも立派な目的になる、と思う。
……あいつ、ちょっと危うい所があるから、目が離せないのもあるけど。

……うん、赤羽ほどガツガツ探求しようとは思わないけど。強くなりたい理由なら、そういうことになるのかな……?
赤羽の旦那を越えたいとかでなければ、そういうモノでいいんじゃない?

(紫陽花の花の幻影が、ふわふわと宙に浮かぶ)
……そうだな。
赤羽は『俺は死者の王ダ』ってよく言うんだけどさ。多分、あれ、あいつなりに自分に発破かけてるというか、それだけ本当の不死に至りたい、ってことだと思うんだよな。
……その手伝いくらいなら別に良いけど。俺も不死を求めてるかと言うとそうじゃない。
普通に生きてただけの人が、……俺の身近な人達が、理不尽に通り魔だのに殺される。そういうのを止めたいだけかもしれない。
…そんなにいいものでも無いがね。なに、いい理由じゃないか。世は理不尽と呼ばれるものとそれなりに近しい関係にあるからね。
……うん。なんとなく、それは知ってる(首の傷に、無意識に手が伸びた)

俺は、死にたくない。でも別に、永遠の命は要らない。
ただ、手の届く範囲が広くなれば。それはそれで嬉しい……かなあ。
なりふり構わぬ渇望も好きだけど、そういう当たり前の理由も好きだね。(くすくすとソレは楽しそうに笑って)
あはは……そういってもらえると、少し嬉しいかも。
俺ばかり喋ってしまったな。時間をとらせてすまなかった。

(彼岸花が溶けるように消えていった)
なに、興味深い話だったとも。

(指揮の様に指を振ると、浮いていたグリモワールが重なってテーブルの上に積み上がり)
そう言ってくれるなら何より。

……ところでさ、今さらなんだけど。
武器商人って、武器商人以外になんて呼べばいいんだ?……商人さん?

(純然足る疑問をぶつけてみた)
それでも問題ないよ。商人でも、銀の月でも、白薔薇の隠者でも、名も無き悪魔でも、お好きな様に。キミの観測次第だね。(くすくす…)
結構色々呼び名があるんすね……。
えっと……じゃあ……単に商人、だとややこしそうだし……銀月、さん?(首を傾げる)

俺達のことは……とっくに知ってるからいいか。
(あ、そうだ、と手を叩き、人差し指を一本たてる)

今度、『赤羽』が起きてるときに、アイツを『バニキ』っていうと。……多分、面白いもの、見られると思うよ。
ん、そう呼ぶのであればその様に。ヒヒ…なるほど心得た。覚えておくとしよう。
うん、ありがとう。
……それじゃあ、俺は特訓の続きでもしようかな、と思うけども。
銀月さんは、もう帰るのか?
ンー……まァ用事らしい用事もないから、キミの集中の妨げになる前に消えるとしようか。此処に来たのは、縁か合ったからだしね。

(大地の旦那のペンを眺めながら)
そうか、じゃあ。……要らない心配かもしれないけども、帰り道は気をつけて。
……御礼になるかわからないけれど。適当なときに、うちの本を借りていってくれると嬉しいな。

(大地の手の中にある赤と黒の二色に分かたれた羽が、艶めいて輝いた)
あァ、そうさせてもらおうか。子供用の本なんかがあれば尚いい。それじゃあ、運が悪ければまた遭おう。

(その羽を視て前髪の奥の双眸を細めると、ゆっくりと踵を返して其処から去っていく)
絵本。絵本ね。いいのを揃えておく。
(去っていく背に、柔らかく言葉を返した)

さて、と。(もう一度本を開く。……先の復習をしようか、それとももう一段上のものに挑むか。少しばかり悩むのだった)

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