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自由図書館

【RP】魔術師は図書館に住む

自由図書館の敷地内にベルの音が鳴る。
ポストに括り付けてあるベルが、配達員の手により鳴らされる。

その音に、自由図書館司書、赤羽・大地は心当たりがあった。
馴染みの書店に、新刊を宅配するように注文していたのだ。

心待ちにしていた一冊。それを大事に胸に抱き、図書館内へと戻ったなら。

……そこに来客があったのだ。

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受け入れよう。
勝負じゃないなら多少ラフなくらいがいいさ。

それじゃあボクからだ。
まず前提として、ボク達がいるこの世界は『混沌』と呼ばれている。
『混沌』とは別に存在するといわれる『異世界』全てを内包しているとされている。
『混沌』の住人は魔術を用いることによって『異世界』の力の一端を引き出し行使し、あるいは空中神殿の召喚によってその実体そのものを『混沌』に定着させることに成功している。
しかしながら、召喚された異世界の住人は『混沌肯定「レベル1」』によってその性能を一律化され、本来持っている特異性も脆弱性も満足に発揮することは適わない。
ここまでは事実だ。

で、あるならばだ。
そもそもが『異世界』そのものの存在、その大前提が疑わしくなる。
精霊種が自然流から可能性の波を受け、そこで初めて受肉し人格を得るように、キミ達旅人と呼ばれる存在がありもしない『異世界という虚構』を雑な張りぼてでくみ上げ、召喚される直前になって過去と人格を書き込まれたナニカでしかないという可能性だって十分にある。
境界とよばれる場所が無数の『異世界』と繋がっているらしいが、そこで手に入れたものの多くは混沌ではまるで意味をなさない。
ボク達が現実として触れている『異世界』とは限りなく薄く、厚みがなく、便りがないんだ。
果たして『異世界』などというものは存在するのか…… 

  ……という疑問をぶつけるのは酷だし水掛け論だ。

だからボクが問うのは「キミからみて世界とはなんだろう」だ。
別にキミの世界にあった学術書や宗教に基づいた説明をしてくれて構わないよ。
「大地君」。

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