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文化保存ギルド

【旅日記】白子の娘の秘宝

このスレッドは、冒険の記録をまとめたものである。
それ以上でも以下でもない。事実と脚色と、ほんの少しの旅情のある記録達――

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「任された」
担いでいた3m棒を引き抜く。
この6月まで、依頼で幾度と無く使用してきた頼れる一品。
まずは自分の立っている地面を叩く。
木と石がぶつかる音が僅かに反響する。
この音、これがつまりは『基準』というものだ。

3mの長さというものは馬鹿にはできない。
両壁、天上、地面。
これを一歩ごとに最小の動きで叩き、隠されたものを見つける気配を感じ取れる。
この通路は一見すれば石造り。
灯りは確かに存在し、人間が疑う余地をなくす。

そう、そこに意識が欠ける要素が生まれる。
だから一体化した、極めて薄い石扉に気が付かないというものだ。
音の違いを数度確かめ、確信を得る。
「ビンゴ、ここだ」

しかし、導線が途切れているとはどういう意味か。
この人形の動きは理解できた。
ただ線をなぞって動くだけという原始的なもの。
しかし、『途切れている』というのが気になる。

司書が懸念していることは最もだ。
秘密を守るには使者をおめおめと見逃し引き返させる事が必要があったのか。
だが同時に疑問も生まれる―――「使者を殺したその痕跡が見当たらない」。
入口から、この位置まで注意深く動いてきた。
もしも使者が殺されるのであれば、この石造りの通路の何処かに、何かしら争った形跡があるだろう。
そしてそれが残るようであれば、使者を何度も送ることはできない―――怯えた末に逃げ出してしまうであろう。

トリックは何だ?
隠し通路の存在、途切れた動線、綺麗な此処までの道筋―――いや、まてよ。
「綺麗すぎる」……道がか?
確かに気密性の高い石造りの遺跡だが、本来であればこの長期間砂の中に埋もれれば、足に相当量の砂が貯まる。
いや、むしろ、逆だ。
溜まった砂に血が飛び散ったとしてもその砂を片付ければ血は存在し得ない。
それが、恒久的に使者を殺し続けるトリックだとしたら。
使者の遺骸と砂を貯め続ける存在がいるとすれば、つまりこの石扉は―――。

「走るよ、司書!それ、途切れてるんじゃない!
  ......
 下に続いてるんだ!!」
そう、線は続いている。
この明かりで灯された長い通路そのものが罠で、正規の通路は人形の行く末。
簡素な搬入口は証拠を一切残さない殺人現場。
それが「冒険」が導き出したこの搬入口の正体だ。

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