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【旅日記】白子の娘の秘宝

このスレッドは、冒険の記録をまとめたものである。
それ以上でも以下でもない。事実と脚色と、ほんの少しの旅情のある記録達――

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         供物搬入路
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順路を進みながら、場所の意図を手繰り寄せる。
白兎への贈り物を貢ぐ為の場所であるならば、危険性は少ない。
事実、罠を何も感知できなかったのがそうだ。
王の遣いをここで殺めることは理に適わない。

ならば本来、供物はどのようにして運んでいたのか?
忌まわしき白兎の元へ人が直接歩んでいったのか。
それならば楽な話であるが―――

足を止める。
なにか来る、短く伝えて剣に手をかける。
奥から足音がしたのだ。

やがて、行き先の暗闇の中からぼんやりとした光が浮かび上がる。
壁に備え付けられた水晶の灯りと同じ原理のものだろう。
陶器が石を叩く、そんな奇妙な足音を響かせながらそれはやってきた。

黄金の装飾をし、絹の衣をまとった自動陶器人形。
顔の造形はないが、その出で立ちは高貴な者の使いであることを思わせる。
原始的な魔法人形の類であろうかと考えられた。

この人形単体で持ち帰っても十分な元は取れるだろうが、と司書に話を振るが一蹴される。
そりゃそうだ、僕だってここで帰るなんて真似はしない。
そうとなれば剣を収めるしかないだろう。
無闇に刺激して警報を踏むのは止したかった。
司書にもオーラソードの刃を収めてもらい、人形の動きを観察することにした。

人形は僕の前で立ち止まり、恭しく礼をした。
砂漠を乗り越えた王の勅使に対する礼儀か。
そして、手を右の石箱にかざし、そのまま動かなくなった。

この動きの意味、明白だ。
人形は僕達を供物を運んできた者達だと思いこんでいる―――いや、正確に言えば『そういう風に動くように設定されている』というべきか。
魔法の精度が上がればもっと融通の効く物ができたのであろうが、砂の下の王国にとってはこれが最高のものだったのだろう。

この人形を無視するのは容易いものであるが、しかし。
こうとなればなるべく安全を期したいもの。
ならば人形には予定通りの動きをしてもらうのが最も良いだろう。

空の革袋を取り出し、そこに石を詰める。
そしてその革袋を石箱の中に置き、人形から数歩下がる。

すると白兎の使用人は再び恭しく礼をし、石箱の中をじっと見つめる。
そして、石箱に収められた袋を持ち上げ、奥へと進んでいった。
「追いかけるよ、多分閉まっているだろう奥の扉も開けてくれる」
これより先は、歓迎される領域から、迎撃される領域へとなるだろう。

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